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第3部 天の碧落
第1章 北剣のカルデロン 5
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ネリス北端の町メルネド。
ここよりもう少し北に小さな村が一つあるが、宿があって、市(いち)が立つのはこの辺りではここだけだ。
タヴィは月に一度の市にあわせて、エドリスと二人この町へ来ていた。道中は徒歩でまかなう。途中二晩ほど、小さな結界石の中に身を寄せ合って、この晩秋の寒空を過ごした。そしてまた同じだけの日数をかけて家まで戻るのだ。
そうまでして町に出てきたのは、今回の市が年明けまでの最後の市だからだ。今回の市になめした毛皮を出して現金に換え、冬越えに備えた品物を買って帰るためだった。
エドリスは首尾よく売れた毛皮の代金を握り締め、塩や小麦を買いに市に立つ店の中へ姿を消した。タヴィはエドリスが戻ってくるまでの間、市に並ぶ店を端から端まで眺めたり、それに飽きたら──けして大きくは無いこの町の、見慣れた路地を行き来しては、人々の流れを見たりした。
行きかう人々の間に、噂が流れていた。
不吉な噂だとタヴィは思った。
こうした市で耳にする噂には、たいていの場合、いい噂なんて無い。だがその話を小耳に挟んだ時、タヴィは言い表せぬ……昏い……何か、蠢くような何かを、本能の中に感じた。
噂は、こうだった。
魔王──復活。
呪われた王女が、国を滅ぼそうと、魔王に己の魂を売り、町や村を滅ぼしている……と。
続く言葉に、人々はこう付け加えた。
次は我々の村かもしれない……と。
それが真実かどうかは分からない。確かめる術は誰にもないからだ。ただ、まるで垂れ込める暗雲のように。
あの、赤黒く染みるような色の雲。
不気味な魔の雨が降る直前。べったりと張り付くような不安感が募る、独特の空気がもたらす緊張感のような。
そんな不気味な恐怖感が、人々を支配した事は確かだった。
不穏な噂は、まるで風が吹くかのように、次々に人々の耳に流れてきた。
続く噂はこうだ。
第一王女に討伐令が出された。見つけ次第殺し、首を持ち帰ったものに賞金を。
悪魔も殺せ。
さらに不安な噂は続く。
王女を討伐するため、首都では十八歳の娘は全て殺すよう命令が出された──。
昼夜問わず町や村が妖魔に襲われている……。
恐怖が恐怖を呼ぶようなそんな噂が、まことしやかに流れた。もう、どれが真実でどれが噂なのかわからない。
この国はどうなってしまうのだろう。そんな不安だけが、人々の心に残った。
タヴィは溜息をついて、路地の一角に腰を下ろした。暗い噂ばかりで、出るのは溜息ばかりだ。市でも噂は飛び交い、年末のバザール独特の、熱気を孕んだ景気の良い雰囲気が今年は何もなかった。人々は自分の用事を済ませると、他の店を見てはゆっくり歩くというような事もせず、早々に家路に着く。
風の無い日溜りを探して首を廻らせていると、そこには既に先客がいた。
日溜りの中、小さな女の子が膝を抱えて座り込んでいた。タヴィは驚きに目を丸くした。少女はこの季節にあるまじき薄着で、小刻みに震えながら体を丸めていた。
きっとすごく貧しいんだ。──そう、タヴィは思った。
薄汚れ、綻びの目立つくたびれた毛織物の長衣に亜麻の外套を羽織っている。こけた頬。健康を損なった顔。衣服から出る腕の細さは、骨と皮だけのような有様だ。膝を抱え込み、瞼を閉じて、震えながらじっと陽光に身を晒すその姿は、貧しい辺境の地でもさらに貧しい村の子供のようだった。
「おまたせ。さあ、家に帰りましょう。揚げパンを買ってきたわ。──まだ暖かいわよ」
エドリスが後ろから声をかけてきた。
「何を見てるの、タヴィ?」
エドリスがタヴィの見つめる方向を見た。
「あら」
「あの子……どうしたんだろう」
タヴィの心配そうな声に、エドリスは言った。
「声をかけてみる?」
「う、うん」
タヴィは慌てたように頷いた。彼自身、似た境遇の出身だけに、少女をほうって置けなかった。
「ねえ。あなた、連れの人は? 逸れたの?」
少女に近づいたエドリスが声をかけた。タヴィより幼く見える女の子が顔をあげた。
生気の無い痩せた顔が首を横に振る。
「ううん。待ってるの」
幼さの中にしっかりとしたものを感じさせる返事だった。それも当然だ。農村出身の子供なら、十歳ごろには一人前の大人として扱われるのだから。
荒れて霜焼けだらけの少女の手が、一人前として扱われてきた事を物語っていた。
少女は『待っているの』と返事をした。
だが……タヴィとエドリスは顔を見合わせた。
「どう思う? 本当に迎えに来ると思うか?」
タヴィに小声で耳打ちされて、エドリスは言葉を詰まらせた。少女を上から下まで眺める。
たぶん身なりからして、南の方から、まだ寒くなり始める前に旅に連れられて出たに違いない。きっとどこかの貧しい村で売られたのだ──かつての自分たちと同じように。
エドリスは少女の健康状態がよくない様子を見て取った。
だがここまで来て捨てられた──。目指す目的地がどこかは知れないが、少女は目的地までは持つまいと思われた。
陽だまりの中、ひざを抱えた少女はマントの中に首を埋めた。
エドリスは少女に同情を覚えた。
タヴィも自分と同じ考えなのだろう。気が強く他人に同情を寄せることなどしない少年が、少女の方を気遣わしげに見つめている。
「あなた、何か病気なの?」
僅かに細められた目がエドリスを見つめる。肯定の色だった。
その瞳に宿る輝きが──そこだけが生きている証のように輝いていて、エドリスは少女にひどく惹かれた。
タヴィと同じように、かつての自分と重ねて見るからか。それとも、タヴィが気にかけているからだろうか。
二人は再び顔を見合わせた。
「これ、食べろよ」タヴィが自分の分の揚げパンを半分に割って少女に差し出した。「ホントにまだ暖かい。──温もるぜ」
「あたしのも上げる」
二人から差し出されたパンを、少女は戸惑ったように見つめた。どう反応したものか、わからないようだ。タヴィは少女の手をとって、無理やりパンを握りこませた。そして、自分の分を勢いよく口に頬張る。
「こんな時にはさ、ありがたく受け取るもんだぜ! 何も言わずにな! いつもいつも他人の親切が受けられる訳じゃねえ!」
こんなご時勢では、他人の親切など受けられる事などまずありえない。だからこそ、少女もどんな反応を返したものか迷ったのだろうと思われた。──きっとこの少女は、他人からのこんな親切など受けたことさえないに違いない。
エドリスが少女の隣に座り込んだ。少女のひざの上に、やはり自分のパンを半分に割って無理やり置いた。
「そうね。その通りだわ。あなた──名前は? あたしはエドリス。この子はタヴィよ」
驚きと戸惑いの表情で手の中のパンを見つめながら少女は、自分の名を口にした。
「あたし……トリル」
霜焼けだらけの赤黒い指でパンを小さくちぎって口に入れた。
「ありがとう。暖かいわ。それに……」少女が幸福そうに目を細めた。「とてもおいしい」
タヴィが嬉しそうに頬を染めた。少女が他人から親切を受けたことが稀だとすれば……逆にタヴィは誰かに親切をしたことが稀だった。
タヴィは真剣な面差しでエドリスを見上げた。
「なあ、エドリス。あいつ、もし捨てられたんならさ、俺たちが連れて帰っちゃ駄目かな?」
エドリスはタヴィの言葉に驚き、目を見張った。
少女が何のことだろうかと、不思議そうな顔でこちらを見ていた。
(続く)
+-----------------------------+
| 「語バラ(裏)」
+-----------------------------+
セリス王女の憂鬱
セリス:「ふうっ……」
(おや。どうしたんですか。お茶しながら溜息ついたりして)
セリス:「あら。見ていらしたのですか」
(ええ。まあね。作中で敵役になったのが不満そうだったし……)
(気にしてたんですよね。一応)
セリス:「まあ……。あなたが他人にそういう気の使い方が出来るなんて、
初めて知りましたわ」
(いや……。だから……。その性格の悪さは、作品の中だけにして下さいって)
セリス:「もちろんですわ。あれは、あくまでも役です。本当の私は、見た目どおりとても素直で優しさと気品に溢れているのです」
(自分で言うのもなんだか……)
セリス:「だって! 自分で言わなければ、誰も言ってくださらないじゃないですの!」
「お姉さまにひどいことをするのも、性格が救いようがないのもみんな、台本のせいですのに~! ひどいですわ! 誰もわかってくださらないんです!」
(ああ! いじけてたんですね。あなたは貴方なりに)
セリス:「~~~~! あなたなんかに同情されたくないですわ! 自分がとても貧しい気持ちになりますから!」
(……もう……このプライドの高さだけはトリニティといい勝負なんだから)
(でも、そのプライドの高さの持って行きようが、トリニティとセリスでは
違うって所がミソなんですけどね)
セリス:「何か言いましてっ!?」
(わ! 怖いっ!! イエイエ 何も言いませんよ。ホント)
(あなたは貴方で苦労が絶えないって、分かってますから)
セリス:「本当ですわっ! でも誰も私を分かって下さらないんです! ヒック!」
(ヒック? ──って、あなた何を紅茶に入れて飲んでるんですか?)
セリス:「やっれられまれんわ!」
(うわ。ブランデー、こんなに入れてたんですか?)
(ほらほら。今日は私が付き合ってあげますから)
セリス:「ろうろうはいりまへんわ!」
(同情はいりませんわって……。大丈夫同情なんてしてません)
(あなたの役って、結構いい役なんですよ。演技も難しいし)
セリス:「信じられませんわ!」
(──素面じゃないですか。だからね、あなたのそういう性格に問題が……)
ここよりもう少し北に小さな村が一つあるが、宿があって、市(いち)が立つのはこの辺りではここだけだ。
タヴィは月に一度の市にあわせて、エドリスと二人この町へ来ていた。道中は徒歩でまかなう。途中二晩ほど、小さな結界石の中に身を寄せ合って、この晩秋の寒空を過ごした。そしてまた同じだけの日数をかけて家まで戻るのだ。
そうまでして町に出てきたのは、今回の市が年明けまでの最後の市だからだ。今回の市になめした毛皮を出して現金に換え、冬越えに備えた品物を買って帰るためだった。
エドリスは首尾よく売れた毛皮の代金を握り締め、塩や小麦を買いに市に立つ店の中へ姿を消した。タヴィはエドリスが戻ってくるまでの間、市に並ぶ店を端から端まで眺めたり、それに飽きたら──けして大きくは無いこの町の、見慣れた路地を行き来しては、人々の流れを見たりした。
行きかう人々の間に、噂が流れていた。
不吉な噂だとタヴィは思った。
こうした市で耳にする噂には、たいていの場合、いい噂なんて無い。だがその話を小耳に挟んだ時、タヴィは言い表せぬ……昏い……何か、蠢くような何かを、本能の中に感じた。
噂は、こうだった。
魔王──復活。
呪われた王女が、国を滅ぼそうと、魔王に己の魂を売り、町や村を滅ぼしている……と。
続く言葉に、人々はこう付け加えた。
次は我々の村かもしれない……と。
それが真実かどうかは分からない。確かめる術は誰にもないからだ。ただ、まるで垂れ込める暗雲のように。
あの、赤黒く染みるような色の雲。
不気味な魔の雨が降る直前。べったりと張り付くような不安感が募る、独特の空気がもたらす緊張感のような。
そんな不気味な恐怖感が、人々を支配した事は確かだった。
不穏な噂は、まるで風が吹くかのように、次々に人々の耳に流れてきた。
続く噂はこうだ。
第一王女に討伐令が出された。見つけ次第殺し、首を持ち帰ったものに賞金を。
悪魔も殺せ。
さらに不安な噂は続く。
王女を討伐するため、首都では十八歳の娘は全て殺すよう命令が出された──。
昼夜問わず町や村が妖魔に襲われている……。
恐怖が恐怖を呼ぶようなそんな噂が、まことしやかに流れた。もう、どれが真実でどれが噂なのかわからない。
この国はどうなってしまうのだろう。そんな不安だけが、人々の心に残った。
タヴィは溜息をついて、路地の一角に腰を下ろした。暗い噂ばかりで、出るのは溜息ばかりだ。市でも噂は飛び交い、年末のバザール独特の、熱気を孕んだ景気の良い雰囲気が今年は何もなかった。人々は自分の用事を済ませると、他の店を見てはゆっくり歩くというような事もせず、早々に家路に着く。
風の無い日溜りを探して首を廻らせていると、そこには既に先客がいた。
日溜りの中、小さな女の子が膝を抱えて座り込んでいた。タヴィは驚きに目を丸くした。少女はこの季節にあるまじき薄着で、小刻みに震えながら体を丸めていた。
きっとすごく貧しいんだ。──そう、タヴィは思った。
薄汚れ、綻びの目立つくたびれた毛織物の長衣に亜麻の外套を羽織っている。こけた頬。健康を損なった顔。衣服から出る腕の細さは、骨と皮だけのような有様だ。膝を抱え込み、瞼を閉じて、震えながらじっと陽光に身を晒すその姿は、貧しい辺境の地でもさらに貧しい村の子供のようだった。
「おまたせ。さあ、家に帰りましょう。揚げパンを買ってきたわ。──まだ暖かいわよ」
エドリスが後ろから声をかけてきた。
「何を見てるの、タヴィ?」
エドリスがタヴィの見つめる方向を見た。
「あら」
「あの子……どうしたんだろう」
タヴィの心配そうな声に、エドリスは言った。
「声をかけてみる?」
「う、うん」
タヴィは慌てたように頷いた。彼自身、似た境遇の出身だけに、少女をほうって置けなかった。
「ねえ。あなた、連れの人は? 逸れたの?」
少女に近づいたエドリスが声をかけた。タヴィより幼く見える女の子が顔をあげた。
生気の無い痩せた顔が首を横に振る。
「ううん。待ってるの」
幼さの中にしっかりとしたものを感じさせる返事だった。それも当然だ。農村出身の子供なら、十歳ごろには一人前の大人として扱われるのだから。
荒れて霜焼けだらけの少女の手が、一人前として扱われてきた事を物語っていた。
少女は『待っているの』と返事をした。
だが……タヴィとエドリスは顔を見合わせた。
「どう思う? 本当に迎えに来ると思うか?」
タヴィに小声で耳打ちされて、エドリスは言葉を詰まらせた。少女を上から下まで眺める。
たぶん身なりからして、南の方から、まだ寒くなり始める前に旅に連れられて出たに違いない。きっとどこかの貧しい村で売られたのだ──かつての自分たちと同じように。
エドリスは少女の健康状態がよくない様子を見て取った。
だがここまで来て捨てられた──。目指す目的地がどこかは知れないが、少女は目的地までは持つまいと思われた。
陽だまりの中、ひざを抱えた少女はマントの中に首を埋めた。
エドリスは少女に同情を覚えた。
タヴィも自分と同じ考えなのだろう。気が強く他人に同情を寄せることなどしない少年が、少女の方を気遣わしげに見つめている。
「あなた、何か病気なの?」
僅かに細められた目がエドリスを見つめる。肯定の色だった。
その瞳に宿る輝きが──そこだけが生きている証のように輝いていて、エドリスは少女にひどく惹かれた。
タヴィと同じように、かつての自分と重ねて見るからか。それとも、タヴィが気にかけているからだろうか。
二人は再び顔を見合わせた。
「これ、食べろよ」タヴィが自分の分の揚げパンを半分に割って少女に差し出した。「ホントにまだ暖かい。──温もるぜ」
「あたしのも上げる」
二人から差し出されたパンを、少女は戸惑ったように見つめた。どう反応したものか、わからないようだ。タヴィは少女の手をとって、無理やりパンを握りこませた。そして、自分の分を勢いよく口に頬張る。
「こんな時にはさ、ありがたく受け取るもんだぜ! 何も言わずにな! いつもいつも他人の親切が受けられる訳じゃねえ!」
こんなご時勢では、他人の親切など受けられる事などまずありえない。だからこそ、少女もどんな反応を返したものか迷ったのだろうと思われた。──きっとこの少女は、他人からのこんな親切など受けたことさえないに違いない。
エドリスが少女の隣に座り込んだ。少女のひざの上に、やはり自分のパンを半分に割って無理やり置いた。
「そうね。その通りだわ。あなた──名前は? あたしはエドリス。この子はタヴィよ」
驚きと戸惑いの表情で手の中のパンを見つめながら少女は、自分の名を口にした。
「あたし……トリル」
霜焼けだらけの赤黒い指でパンを小さくちぎって口に入れた。
「ありがとう。暖かいわ。それに……」少女が幸福そうに目を細めた。「とてもおいしい」
タヴィが嬉しそうに頬を染めた。少女が他人から親切を受けたことが稀だとすれば……逆にタヴィは誰かに親切をしたことが稀だった。
タヴィは真剣な面差しでエドリスを見上げた。
「なあ、エドリス。あいつ、もし捨てられたんならさ、俺たちが連れて帰っちゃ駄目かな?」
エドリスはタヴィの言葉に驚き、目を見張った。
少女が何のことだろうかと、不思議そうな顔でこちらを見ていた。
(続く)
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| 「語バラ(裏)」
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セリス王女の憂鬱
セリス:「ふうっ……」
(おや。どうしたんですか。お茶しながら溜息ついたりして)
セリス:「あら。見ていらしたのですか」
(ええ。まあね。作中で敵役になったのが不満そうだったし……)
(気にしてたんですよね。一応)
セリス:「まあ……。あなたが他人にそういう気の使い方が出来るなんて、
初めて知りましたわ」
(いや……。だから……。その性格の悪さは、作品の中だけにして下さいって)
セリス:「もちろんですわ。あれは、あくまでも役です。本当の私は、見た目どおりとても素直で優しさと気品に溢れているのです」
(自分で言うのもなんだか……)
セリス:「だって! 自分で言わなければ、誰も言ってくださらないじゃないですの!」
「お姉さまにひどいことをするのも、性格が救いようがないのもみんな、台本のせいですのに~! ひどいですわ! 誰もわかってくださらないんです!」
(ああ! いじけてたんですね。あなたは貴方なりに)
セリス:「~~~~! あなたなんかに同情されたくないですわ! 自分がとても貧しい気持ちになりますから!」
(……もう……このプライドの高さだけはトリニティといい勝負なんだから)
(でも、そのプライドの高さの持って行きようが、トリニティとセリスでは
違うって所がミソなんですけどね)
セリス:「何か言いましてっ!?」
(わ! 怖いっ!! イエイエ 何も言いませんよ。ホント)
(あなたは貴方で苦労が絶えないって、分かってますから)
セリス:「本当ですわっ! でも誰も私を分かって下さらないんです! ヒック!」
(ヒック? ──って、あなた何を紅茶に入れて飲んでるんですか?)
セリス:「やっれられまれんわ!」
(うわ。ブランデー、こんなに入れてたんですか?)
(ほらほら。今日は私が付き合ってあげますから)
セリス:「ろうろうはいりまへんわ!」
(同情はいりませんわって……。大丈夫同情なんてしてません)
(あなたの役って、結構いい役なんですよ。演技も難しいし)
セリス:「信じられませんわ!」
(──素面じゃないですか。だからね、あなたのそういう性格に問題が……)
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