1 / 2
暗闇の中で
しおりを挟む
彼が気付いた時、暗闇の中にいた。何も見えず、身動きもほとんど取れない。その割には意外と心地好心地好いと感じていた。どこかに移動しているという事は分かるが、それ以上の事は分からない。
その後、彼は眠気に襲われ、いつの間にか眠っていた。
どれくらいの時間が経っただろう……。再び目を覚ますと、何も見えず、真っ暗なのは相変わらずだが、思い通りとはいかないまでも、ある程度自由に動けるようになった。やはり、どこかへ移動しているようだ。どこに向かっているのだろう?
そして、彼は再び眠りについた。
ある日、眠りから覚めると、声が聞こえる。何を言っているのかは分からない。彼は必死に情報を得ようとするが、内容を理解する事は出来なかった。会話が終わると、僅かながら音楽が聞こえてきた。クラシックだろうか……。
その穏やかな音楽のせいもあるのだろう。暫くすると、彼は眠っていた。
長い間、閉じ込められているにもかかわらず、彼はこの環境を理想的だと感じるようになってきた。もう、このままずっとこの状態でも構わないとさえ思うようになっていた。
そんな中、周りが騒々しくなったのを彼は感じた。何故か自分自身にもストレスがかかる。すると、身体全体を圧迫されているようで身動きが取れない。大きな風船の中で気持ち良く遊んでいたのに、風船の空気が抜けて締め付けられているかのような状況……。早くここから出ないと死んでしまうかも知れない。彼は脱出しようと試みるのだが、急激な頭痛が襲ってきた。頭を万力で締められるような感覚。頭の形が変わる程の力……。ギシギシと頭蓋骨が軋む。
そして……。
その後、彼は眠気に襲われ、いつの間にか眠っていた。
どれくらいの時間が経っただろう……。再び目を覚ますと、何も見えず、真っ暗なのは相変わらずだが、思い通りとはいかないまでも、ある程度自由に動けるようになった。やはり、どこかへ移動しているようだ。どこに向かっているのだろう?
そして、彼は再び眠りについた。
ある日、眠りから覚めると、声が聞こえる。何を言っているのかは分からない。彼は必死に情報を得ようとするが、内容を理解する事は出来なかった。会話が終わると、僅かながら音楽が聞こえてきた。クラシックだろうか……。
その穏やかな音楽のせいもあるのだろう。暫くすると、彼は眠っていた。
長い間、閉じ込められているにもかかわらず、彼はこの環境を理想的だと感じるようになってきた。もう、このままずっとこの状態でも構わないとさえ思うようになっていた。
そんな中、周りが騒々しくなったのを彼は感じた。何故か自分自身にもストレスがかかる。すると、身体全体を圧迫されているようで身動きが取れない。大きな風船の中で気持ち良く遊んでいたのに、風船の空気が抜けて締め付けられているかのような状況……。早くここから出ないと死んでしまうかも知れない。彼は脱出しようと試みるのだが、急激な頭痛が襲ってきた。頭を万力で締められるような感覚。頭の形が変わる程の力……。ギシギシと頭蓋骨が軋む。
そして……。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
通詞侍
不来方久遠
ミステリー
明治28(1895)年の文明開化が提唱されていた頃だった。
食うために詞は単身、語学留学を目的にイギリスに渡った。
英語を学ぶには現地で生活するのが早道を考え、家財道具を全て売り払っての捨て身の覚悟での渡英であった。
人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
ダークランナー
不来方久遠
ミステリー
それは、バブル崩壊後による超不況下の頃だった。
元マラソン・ランナーで日本新記録を持つ主人公の瀬山利彦が傷害と飲酒運転により刑務所に入れられてしまった。
坂本というヤクザの囚人長の手引きで単身脱走して、東京国際マラソンに出場した。
【完結】裏切り者
高羽志雨
ミステリー
妻のお腹には待望の赤ん坊がいる。
不倫相手の莉奈(りな)との別れ話がこじれた伊月(いつき)。
追い込まれた男が取った行動。そして、その結末は。
*1700字程度のショートショートです。
カフェ・シュガーパインの事件簿
山いい奈
ミステリー
大阪長居の住宅街に佇むカフェ・シュガーパイン。
個性豊かな兄姉弟が営むこのカフェには穏やかな時間が流れる。
だが兄姉弟それぞれの持ち前の好奇心やちょっとした特殊能力が、巻き込まれる事件を解決に導くのだった。
月夜のさや
蓮恭
ミステリー
いじめられっ子で喘息持ちの妹の療養の為、父の実家がある田舎へと引っ越した主人公「天野桐人(あまのきりと)」。
夏休み前に引っ越してきた桐人は、ある夜父親と喧嘩をして家出をする。向かう先は近くにある祖母の家。
近道をしようと林の中を通った際に転んでしまった桐人を助けてくれたのは、髪の長い綺麗な顔をした女の子だった。
夏休み中、何度もその女の子に会う為に夜になると林を見張る桐人は、一度だけ女の子と話す機会が持てたのだった。話してみればお互いが孤独な子どもなのだと分かり、親近感を持った桐人は女の子に名前を尋ねた。
彼女の名前は「さや」。
夏休み明けに早速転校生として村の学校で紹介された桐人。さやをクラスで見つけて話しかけるが、桐人に対してまるで初対面のように接する。
さやには『さや』と『紗陽』二つの人格があるのだと気づく桐人。日によって性格も、桐人に対する態度も全く変わるのだった。
その後に起こる事件と、村のおかしな神事……。
さやと紗陽、二人の秘密とは……?
※ こちらは【イヤミス】ジャンルの要素があります。どんでん返し好きな方へ。
「小説家になろう」にも掲載中。
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる