未来からの降霊

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  電車で最寄り駅に着き、徒歩5分。少し古びた5階建てのマンションが見えた。ジャガーズマンションという建物の3階みたい。
  マンションの階段を登ろうとすると、茶髪の男性が会釈をして通り過ぎる。私、このマンションの住民じゃないけどね、と思いながら、こちらも会釈をして階段を上る。3階1番奥の1つ手前の部屋みたい。
  少し緊張しながら、彼の家のドアの前まで来た。A-307号室……少し早いかな、と思いつつもインターホンを押す。
ピンポーン
5秒程で中から足音が聞こえた。ゆっくりとドアが開く。
「いらっしゃい」
「おはようございます」
「あがってあがって」
「お邪魔します」
部屋に入ると彼はドアの鍵を掛けた。彼は今日もカッコ良い。最近はジャニーズ系のような中性的な男性がモテるけど、彼はワイルド系。背は高め、色黒で髭が生えていて筋肉質。まあ、好みは人それぞれなので、一概には言えないけど、モデルとかダンサーとかになれるんじゃないかなとも思う。そもそも欠点が見当たらない。金銭面ぐらいなのかな？  後は女性関係……。もちろん、浮気をしない男性が良いけど、その辺は想定内。
  私が靴を脱ぐと、彼は私の茶色のパンプスに手を伸ばしながら言う。
「ベランダに出るから靴持っていくね」
「あ、うん」
彼はパンプスを持って部屋に入った。ベランダにスリッパとかサンダル無いのかな？  と少し疑問に思いながら彼についていく。