対立する王国

ジャメヴ

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目の手術

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「では、次の方どうぞ」
私は次の参加者を呼んだ。どうも、次で最後の参加者のようだ。40代ぐらいの男性だが、何か今までの参加者とは雰囲気が違う。神妙な面持ちでザカリー王に対峙する。
「王、私の娘は目が見えなくなってしまうかも知れません。手術を受けさせて頂けませんか?」
「それが嘘なのか?」
王は不思議そうに質問した。
「嘘ではありません。王が優しいという評判は国民の間で話題になっています。今日は王にお願いを聞いてもらいにやって参りました」
男性は懇願した。
「どういう事だ?  今日は嘘つきコンテストだぞ?」
「王に謁見えっけん出来るチャンスはコンテストぐらいしか無いと思い、コンテストとは関係無く、お願いにやって参りました。娘を助けてください!」

  よく分からない。全てが本当なのか、どこかに嘘があるのか……。ただ、様子を見る限り、本当にコンテストとは関係無く、この場を借りてザカリー王にお願いしているように見える。トークテーマが『嘘』の時とは何とタイミングの悪い……。

「海外に神の手を持つと噂される名医がいると聞いています。娘の目を手術すると高額な治療費がかかります。お願いします!」
「う~ん……。救ってあげたいが、そのような前例を作ると後々大変になるかも知れない」
ザカリー王はジミー様をチラッと見た後、男性に「考えさせてくれ」と言った。
「宜しくお願いします!」
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