10番目の同級生

ジャメヴ

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四天王寺の仮説

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  点と点が線になりそうで怖くなった時、八重樫が話し出す。
「八重樫です。十文字の亡霊の仕業だったりして」
「何言ってるのよ!  こんな時に!」
「いや、あるかもな」
誰かが八重樫に賛同した。恐らく四天王寺だ。
「そうだろう?  あるよな?」
八重樫はテンションが上がっている感じだ。死者が出ているのに……。
「いやいや、亡霊は無いけど、十文字本人って可能性はゼロじゃない」
「は?!」
「何言ってるの?!  誰?」
「あ、四天王寺です。十文字の自殺で家族は引っ越したんだけど、十文字の葬式に誰も行っていないから、十文字生きている説が当時、まことしやかに流れたんだよ」
「そういえば、あったな、そんな噂」
「十文字が生きているか……。普通なら喜ばしい事なのに、この状況では喜べないな」
十文字が生きてようと死んでようと、二岡を殺した犯人はこの中にいる。俺達の中に居るのか、それとも、十文字を含めた外部犯が、じーっと黙って俺達がビビっている様子を楽しんでいるのか……。
「これって、俺達全員殺されるのかな?」
「一ノ瀬です。今のところ、それは無いと皆考えてるよね? 」
「いやいや、殺されるかも知れないじゃないか」
「でも、ホントにそう思ってたら、もっと逃げ回ると思う。見えなくても、もっと外に逃げようとするんじゃないかな?」
「なるほど……」
「そこまでパニックになっていないって事は、十文字イジメの主犯、二岡だけで終わるかもって思っているんだよ」
「そうだな、犯人がもう1人殺すとパニックになるかもな」
「三橋です。どうしよう?  十文字君のイジメについて話する?」
「八重樫です。それより、犯人探ししないか?」
八重樫のバカ!  イジメの話やめると殴られるぞ。と俺は八重樫の心配をしたが、何事も起こらず、一先ずは杞憂に終わったようだ。
「六角です。イジメの件が関係してるとすると、やっぱり、七瀬さんが怪しいと思う」
「あの……証明のしようが無いけど、私犯人じゃないわ」
「七瀬さんて一ノ瀬とも仲良かったよな?  2人の共犯じゃないか?」
「一ノ瀬です。お前、そんな言い方して本当に俺が犯人なら殴ってるぞ」
八重樫と思われる人物がテキトーな事を言い出したので、一喝しておいた。
「でも、この状況どうするよ?」
「四天王寺です。そう言えば、俺、ちょっと変だなと思ったんだ。三橋さんがお茶を持って来るのは自然として、二岡も持ってきていただろ?  アイツそんな事しないよな?」
「三橋です。確かに変だと思いました。久しぶりに会って性格良くなったのかと……」
「四天王寺です。因みにお茶は、三橋さんが用意した?」
「はい、私が準備しました」
「という事は、犯人は三橋さんじゃないか?」
「えっ!  私?」
「まあ、全部推測だけど、三橋さんが犯人だと仮定すると、睡眠薬入りのお茶を配れたしね」
「なるほど~」
「この犯行は睡眠薬入りのお茶を自分達以外に飲まさないと実行できないから」
「三橋です。そう言えば……」
ゴッ!  ゴッ!  バタッ……ゴッ!  ゴッ!
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