17 / 19
第二章 ナナシ
二、黄泉路
しおりを挟む
気がつくと、ナナシは見知らぬ場所に立っていました。
どこかの村の入り口のようでした。周囲は薄暗く、家から漏れる灯りがぽつりぽつりと見えます。
ふいに、背中が軽くなりました。振り向くと、ミタマが自分の足で立っています。
ただ、いつものミタマとは違っていました。額を覆っていた黒い布はなく、目の色がカスミと同じ、金色に染まっています。
「ミタマ?」
「それは、俺の名前か?」
目を瞬かせたミタマに、ナナシは眉をひそめました。
「そうだけど。覚えてないのか?」
「名前どころか、ここがどこだか、今まで俺が何してたのか、お前が誰かも分からん」
ナナシは目を丸くしました。
「じゃあ。シャラのことも?」
ミタマは首をかしげました。ナナシは渋面をつくります。
しかし、すぐにかぶりを振りました。こんなところでのんびり話をしている場合ではないのです。
「俺はナナシ。ここへはお前の角を取り返しに来た」
「角を?」
言って、ミタマはふと、ナナシが持ったままの刀を見下ろしました。明かりを反射して青白く光っています。
「ああ、これはお前のだ」
ナナシはミタマに刀を返しました。
ミタマはその刀をしげしげと眺めていましたが、ふと何かに気づいたように顔を上げました。
つられてナナシも周囲を見回します。そして短く悲鳴をあげました。
いつの間にか、周りを取り囲まれていました。
囲んでいるのは人のようですが、その肉は腐っていたり土塊のようにボロボロだったり、一部がパクリと切り裂かれていたりと、とにかくおぞましい光景でした。
ナナシたちを取り囲む腐った人たちは、ミタマに狙いを定めているようでした。
「あれがカスミの言っていた元白鬼か」
「あいつを捕まえれば、イザナミにとりなしてくれるって本当かねえ」
何の話だろうと、恐々と耳を傾けるナナシのすぐそばから、ひとりの男が襲いかかってきました。
「ひぃっ!」
身をすくめるナナシを庇うように、ミタマが前へ躍り出ます。そして男を刀の峰で殴り倒しました。ぐちゃりと嫌な音がナナシの耳に入ります。
「逃げるぞ! 怖いなら目を瞑ってろ!」
言われるが早いか、ナナシはミタマの肩に担がれます。
文句を言おうと口を開きますが、目の前にたくさんの腐敗した人たちが押し寄せてくるのが見えて、ナナシは口も目もぎゅっと塞ぎました。
ミタマが駆け出しました。群がってくる人たちを蹴散らしているようで、くぐもった嗚咽や悲鳴、倒れるときのあの嫌な音が聞こえます。ナナシは耳も両手でふさいでしまいました。
▽
どのくらい時間が経ったのか、ナナシには分かりませんでした。随分長いこと運ばれていたように感じます。
「もう大丈夫だ」
近くから聞こえた声に、ナナシは耳から手を離しました。
目をあけると、そこは岩に囲まれていました。まるで洞窟の中のようです。なのに昼間のように明るく、岩肌までもがはっきりと見えます。
周囲からはなんの物音も聞こえません。あの恐ろしい場所からは抜け出せたのだと、ナナシは胸をなで下ろしました。
ミタマの方へと振り向き、そして目を丸くしました。
「ロクロ姉さん?」
ミタマの隣には、浅葱色の着物を身にまとい、長くて黒い髪を下ろした女が立っていました。
女ーーロクロはナナシと目が合うと、悲しげに微笑みました。
「え、な、なんでロクロ姉さんが、こんなとこに?」
「あの死者の群の中に、こいつが混ざっていた。こいつは俺が逃げるのを手伝ってくれたから、連れてきたんだ」
ミタマの説明を聞いても、ナナシの頭の中はすっきりしません。
「死者の群れって……あいつらは、みんな死んでる人?」
「そうよ、ナナシ。ここは黄泉の国。死んだ人がまず訪れるところ。ナナシたちが最初にいたのは、現世に未練のある人たちが集まる、死者の集落」
「ま、待ってくれ。そんなとこにロクロ姉さんがいたってことは……」
後の言葉は、ナナシには続けられませんでした。そんなナナシに、ロクロは再び笑いかけます。
「私も死んだのよ。コマダっていう男に騙されちゃった。最悪だわ」
ロクロは首に左手を当てて、ため息をつきました。
「それより、だいたいの事情はこの鬼のなりそこないから聞いたわ。カスミなら、もうイザナミ様のところに行ってるはず。案内するわ」
先頭に立って、ロクロは歩き始めました。その後ろを、ナナシはまだぼんやりとした足取りで歩きます。
「ナナシ、大丈夫か? しんどいなら俺が運ぶぞ?」
気がつけば、非常に近い距離にミタマの顔があり、ナナシは思わず跳ねて後ろにさがりました。頬に熱が集中していきます。
「いい! いらん! また俵抱きする気だろ!」
「あれがいやなら、横抱きにするが。足と背中を、こう持ち上げて」
ナナシは自分がそうやって、ミタマに横抱きにされるところを想像しました。途端に心臓がバクバクと高鳴り、ますます顔が熱くなります。
「歩ける!」
ミタマから顔をそらすと、ナナシは大股でロクロを追いかけました。横に並ぼうとしたナナシを、ロクロがそっと目で制します。
「あんまり近づかない方がいいわ。特に私の左側は、ひどい状態だから」
「どういうことだ?」
「さっきの死者たち、ひどかったでしょう? 体は腐って崩れて、蛆がわいて。私もそういう状態なのよ。この明かりの下では、生前のようなきれいな体に見えているだけ」
ナナシは思わず足を止めてしまいました。振り向いたロクロの悲しそうな顔を見て、自分を殴りたくなります。
「ごめん」
「仕方がないわ。それが普通の反応よ」
それきり会話もなく、ナナシたちは歩き続けました。
道の横に、いくつかの鉄格子のようなものがはめ込まれた穴が空いているのを、ナナシは見つけました。
その中には、丸く光るものがフワフワ浮いています。赤だったり青だったりと、様々な色でした。
「ああ、それはね、白鬼やイザナミ様に悪さをした人の魂よ」
ナナシと一緒にそれを見ていたミタマが、ふと、ふらりと吸い寄せられるようにそちらへ向かいます。
ミタマが立ち止まったのは、銀色に輝く魂の前でした。
「その魂はなんだったかしら……そうそう、生前に、とある白鬼を刀の材料にしたんだって」
「刀の材料に?」
「うん。ここに来たばっかりの時に、『折れず欠けず錆びない美しい刀が完成した!』って、嬉しそうにイザナミ様に自慢したんだって。それでイザナミ様の怒りを買って、永久にここに閉じ込められることになってるらしいわよ」
銀色の魂はナナシたちの話に反応したのか、動きを大きくしました。そんな魂を、ミタマは興味深そうに眺めています
魂は鉄格子に自らをぐりぐりと押し付け始めました。何がしたいのか分からず、ナナシは戸惑います。ミタマも目をぱちくりさせていました。
「い、行こうぜミタマ」
なんとなく気味が悪く感じたナナシは、まだ眺めていたそうにしているミタマの腕を引っ張って、先へと進みました。
どこかの村の入り口のようでした。周囲は薄暗く、家から漏れる灯りがぽつりぽつりと見えます。
ふいに、背中が軽くなりました。振り向くと、ミタマが自分の足で立っています。
ただ、いつものミタマとは違っていました。額を覆っていた黒い布はなく、目の色がカスミと同じ、金色に染まっています。
「ミタマ?」
「それは、俺の名前か?」
目を瞬かせたミタマに、ナナシは眉をひそめました。
「そうだけど。覚えてないのか?」
「名前どころか、ここがどこだか、今まで俺が何してたのか、お前が誰かも分からん」
ナナシは目を丸くしました。
「じゃあ。シャラのことも?」
ミタマは首をかしげました。ナナシは渋面をつくります。
しかし、すぐにかぶりを振りました。こんなところでのんびり話をしている場合ではないのです。
「俺はナナシ。ここへはお前の角を取り返しに来た」
「角を?」
言って、ミタマはふと、ナナシが持ったままの刀を見下ろしました。明かりを反射して青白く光っています。
「ああ、これはお前のだ」
ナナシはミタマに刀を返しました。
ミタマはその刀をしげしげと眺めていましたが、ふと何かに気づいたように顔を上げました。
つられてナナシも周囲を見回します。そして短く悲鳴をあげました。
いつの間にか、周りを取り囲まれていました。
囲んでいるのは人のようですが、その肉は腐っていたり土塊のようにボロボロだったり、一部がパクリと切り裂かれていたりと、とにかくおぞましい光景でした。
ナナシたちを取り囲む腐った人たちは、ミタマに狙いを定めているようでした。
「あれがカスミの言っていた元白鬼か」
「あいつを捕まえれば、イザナミにとりなしてくれるって本当かねえ」
何の話だろうと、恐々と耳を傾けるナナシのすぐそばから、ひとりの男が襲いかかってきました。
「ひぃっ!」
身をすくめるナナシを庇うように、ミタマが前へ躍り出ます。そして男を刀の峰で殴り倒しました。ぐちゃりと嫌な音がナナシの耳に入ります。
「逃げるぞ! 怖いなら目を瞑ってろ!」
言われるが早いか、ナナシはミタマの肩に担がれます。
文句を言おうと口を開きますが、目の前にたくさんの腐敗した人たちが押し寄せてくるのが見えて、ナナシは口も目もぎゅっと塞ぎました。
ミタマが駆け出しました。群がってくる人たちを蹴散らしているようで、くぐもった嗚咽や悲鳴、倒れるときのあの嫌な音が聞こえます。ナナシは耳も両手でふさいでしまいました。
▽
どのくらい時間が経ったのか、ナナシには分かりませんでした。随分長いこと運ばれていたように感じます。
「もう大丈夫だ」
近くから聞こえた声に、ナナシは耳から手を離しました。
目をあけると、そこは岩に囲まれていました。まるで洞窟の中のようです。なのに昼間のように明るく、岩肌までもがはっきりと見えます。
周囲からはなんの物音も聞こえません。あの恐ろしい場所からは抜け出せたのだと、ナナシは胸をなで下ろしました。
ミタマの方へと振り向き、そして目を丸くしました。
「ロクロ姉さん?」
ミタマの隣には、浅葱色の着物を身にまとい、長くて黒い髪を下ろした女が立っていました。
女ーーロクロはナナシと目が合うと、悲しげに微笑みました。
「え、な、なんでロクロ姉さんが、こんなとこに?」
「あの死者の群の中に、こいつが混ざっていた。こいつは俺が逃げるのを手伝ってくれたから、連れてきたんだ」
ミタマの説明を聞いても、ナナシの頭の中はすっきりしません。
「死者の群れって……あいつらは、みんな死んでる人?」
「そうよ、ナナシ。ここは黄泉の国。死んだ人がまず訪れるところ。ナナシたちが最初にいたのは、現世に未練のある人たちが集まる、死者の集落」
「ま、待ってくれ。そんなとこにロクロ姉さんがいたってことは……」
後の言葉は、ナナシには続けられませんでした。そんなナナシに、ロクロは再び笑いかけます。
「私も死んだのよ。コマダっていう男に騙されちゃった。最悪だわ」
ロクロは首に左手を当てて、ため息をつきました。
「それより、だいたいの事情はこの鬼のなりそこないから聞いたわ。カスミなら、もうイザナミ様のところに行ってるはず。案内するわ」
先頭に立って、ロクロは歩き始めました。その後ろを、ナナシはまだぼんやりとした足取りで歩きます。
「ナナシ、大丈夫か? しんどいなら俺が運ぶぞ?」
気がつけば、非常に近い距離にミタマの顔があり、ナナシは思わず跳ねて後ろにさがりました。頬に熱が集中していきます。
「いい! いらん! また俵抱きする気だろ!」
「あれがいやなら、横抱きにするが。足と背中を、こう持ち上げて」
ナナシは自分がそうやって、ミタマに横抱きにされるところを想像しました。途端に心臓がバクバクと高鳴り、ますます顔が熱くなります。
「歩ける!」
ミタマから顔をそらすと、ナナシは大股でロクロを追いかけました。横に並ぼうとしたナナシを、ロクロがそっと目で制します。
「あんまり近づかない方がいいわ。特に私の左側は、ひどい状態だから」
「どういうことだ?」
「さっきの死者たち、ひどかったでしょう? 体は腐って崩れて、蛆がわいて。私もそういう状態なのよ。この明かりの下では、生前のようなきれいな体に見えているだけ」
ナナシは思わず足を止めてしまいました。振り向いたロクロの悲しそうな顔を見て、自分を殴りたくなります。
「ごめん」
「仕方がないわ。それが普通の反応よ」
それきり会話もなく、ナナシたちは歩き続けました。
道の横に、いくつかの鉄格子のようなものがはめ込まれた穴が空いているのを、ナナシは見つけました。
その中には、丸く光るものがフワフワ浮いています。赤だったり青だったりと、様々な色でした。
「ああ、それはね、白鬼やイザナミ様に悪さをした人の魂よ」
ナナシと一緒にそれを見ていたミタマが、ふと、ふらりと吸い寄せられるようにそちらへ向かいます。
ミタマが立ち止まったのは、銀色に輝く魂の前でした。
「その魂はなんだったかしら……そうそう、生前に、とある白鬼を刀の材料にしたんだって」
「刀の材料に?」
「うん。ここに来たばっかりの時に、『折れず欠けず錆びない美しい刀が完成した!』って、嬉しそうにイザナミ様に自慢したんだって。それでイザナミ様の怒りを買って、永久にここに閉じ込められることになってるらしいわよ」
銀色の魂はナナシたちの話に反応したのか、動きを大きくしました。そんな魂を、ミタマは興味深そうに眺めています
魂は鉄格子に自らをぐりぐりと押し付け始めました。何がしたいのか分からず、ナナシは戸惑います。ミタマも目をぱちくりさせていました。
「い、行こうぜミタマ」
なんとなく気味が悪く感じたナナシは、まだ眺めていたそうにしているミタマの腕を引っ張って、先へと進みました。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
悲恋脱却ストーリー 源義高の恋路
和紗かをる
歴史・時代
時は平安時代末期。父木曽義仲の命にて鎌倉に下った清水冠者義高十一歳は、そこで運命の人に出会う。その人は齢六歳の幼女であり、鎌倉殿と呼ばれ始めた源頼朝の長女、大姫だった。義高は人質と言う立場でありながらこの大姫を愛し、大姫もまた義高を愛する。幼いながらも睦まじく暮らしていた二人だったが、都で父木曽義仲が敗死、息子である義高も命を狙われてしまう。大姫とその母である北条政子の協力の元鎌倉を脱出する義高。史実ではここで追手に討ち取られる義高であったが・・・。義高と大姫が源平争乱時代に何をもたらすのか?歴史改変戦記です
水野勝成 居候報恩記
尾方佐羽
歴史・時代
⭐タイトルを替えました。
⭐『福山ご城下開端の記』もよろしくお願いします。
⭐福山城さま令和の大普請、完成おめでとうございます。
⭐2020年1月21日、5月4日に福山市の『福山城築城400年』Facebookでご紹介いただきました。https://m.facebook.com/fukuyama400/
備後福山藩初代藩主、水野勝成が若い頃放浪を重ねたあと、備中(現在の岡山県)の片隅で居候をすることになるお話です。一番鑓しかしたくない、天下無双の暴れ者が、備中の片隅で居候した末に見つけたものは何だったのでしょうか。
→本編は完結、関連の話題を適宜更新。
幕末レクイエム―誠心誠意、咲きて散れ―
馳月基矢
歴史・時代
幕末、動乱の京都の治安維持を担った新撰組。
華やかな活躍の時間は、決して長くなかった。
武士の世の終わりは刻々と迫る。
それでもなお刀を手にし続ける。
これは滅びの武士の生き様。
誠心誠意、ただまっすぐに。
結核を病み、あやかしの力を借りる天才剣士、沖田総司。
あやかし狩りの力を持ち、目的を秘めるスパイ、斎藤一。
同い年に生まれた二人の、別々の道。
仇花よ、あでやかに咲き、潔く散れ。
schedule
公開:2019.4.1
連載:2019.4.7-4.18 ( 6:30 & 18:30 )
シンセン
春羅
歴史・時代
新選組随一の剣の遣い手・沖田総司は、池田屋事変で命を落とす。
戦力と士気の低下を畏れた新選組副長・土方歳三は、沖田に生き写しの討幕派志士・葦原柳を身代わりに仕立て上げ、ニセモノの人生を歩ませる。
しかし周囲に溶け込み、ほぼ完璧に沖田を演じる葦原の言動に違和感がある。
まるで、沖田総司が憑いているかのように振る舞うときがあるのだ。次第にその頻度は増し、時間も長くなっていく。
「このカラダ……もらってもいいですか……?」
葦原として生きるか、沖田に飲み込まれるか。
いつだって、命の保証などない時代と場所で、大小二本携えて生きてきたのだ。
武士とはなにか。
生きる道と死に方を、自らの意志で決める者である。
「……約束が、違うじゃないですか」
新選組史を基にしたオリジナル小説です。 諸説ある幕末史の中の、定番過ぎて最近の小説ではあまり書かれていない説や、信憑性がない説や、あまり知られていない説を盛り込むことをモットーに書いております。
よあけまえのキミへ
三咲ゆま
歴史・時代
時は幕末。二月前に父を亡くした少女、天野美湖(あまのみこ)は、ある日川辺で一枚の写真を拾った。
落とし主を探すべく奔走するうちに、拾い物が次々と縁をつなぎ、彼女の前にはやがて導かれるように六人の志士が集う。
広がる人脈に胸を弾ませていた美湖だったが、そんな日常は、やがてゆるやかに崩れ始めるのだった。
京の町を揺るがす不穏な連続放火事件を軸に、幕末に生きる人々の日常と非日常を描いた物語。
海怪
五十鈴りく
歴史・時代
これは花のお江戸にて『海怪(うみのばけもの)』と呼ばれた生き物と、それに深く関わることになった少年のお話。
※小説家になろう様(一部のみノベルアッププラス様)にて同時掲載中です。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
【完結】月よりきれい
悠井すみれ
歴史・時代
職人の若者・清吾は、吉原に売られた幼馴染を探している。登楼もせずに見世の内情を探ったことで袋叩きにあった彼は、美貌に加えて慈悲深いと評判の花魁・唐織に助けられる。
清吾の事情を聞いた唐織は、彼女の情人の振りをして吉原に入り込めば良い、と提案する。客の嫉妬を煽って通わせるため、形ばかりの恋人を置くのは唐織にとっても好都合なのだという。
純心な清吾にとっては、唐織の計算高さは遠い世界のもの──その、はずだった。
嘘を重ねる花魁と、幼馴染を探す一途な若者の交流と愛憎。愛よりも真実よりも美しいものとは。
第9回歴史・時代小説大賞参加作品です。楽しんでいただけましたら投票お願いいたします。
表紙画像はぱくたそ(www.pakutaso.com)より。かんたん表紙メーカー(https://sscard.monokakitools.net/covermaker.html)で作成しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる