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②
あの日 あの瞬間(とき) あの場所で・・・
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兄の病状は、よくならない。
家もバリアフリーにリフォームした。
病気がわかって、1年が過ぎた。
私は、高校卒業後、洋食屋さんでバイトをしている。
先々、店を持ちたいってのもあるし、今は、兄の事も気になるので、自由がきく方がいい。
休みの日、起きると、兄は出かけようとしていた。
「どこ行くの?」
「ちょっとな」
「ちょっとって?」
「部屋にある荷物、覚が来たら、持って行ってもらって」
「え?」
兄の部屋に行くと、段ボール箱に入った荷物があった。部屋中整頓されている。いつの間に?
「あの人のとこに行くの?」
兄には、彼女らしき存在を感じていた。
「え?」
「私の事、ずっと守るって言ったじゃない」
「それは、この身体じゃ無理だろ?彩萌に負担ばかりかける」
「それでもいい。私は、お兄ちゃんにそばにいて欲しい。ずっと、ずっと、そばにいて欲しい」
泣きながら、抱きついて離れなかった。
「おい、痛いだろ」
「ごめん」
離れるが、その代わりに、手を掴んだ。
「彩萌」
「絶対、嫌だから。私を一人にしないでよ」
「俺が死んだら、一人になる」
「そんなこと言わないで。ここにずっといて」
「しょうがないなぁ」
その日から、私は、兄と一緒のベッドで寝るようになった。
こうゆう状況でも、抱きついていると安心できた。
「彩萌はまだまだ子供だな」
「そうだよ。だから、お兄ちゃんがそばにいなきゃダメなの」
家もバリアフリーにリフォームした。
病気がわかって、1年が過ぎた。
私は、高校卒業後、洋食屋さんでバイトをしている。
先々、店を持ちたいってのもあるし、今は、兄の事も気になるので、自由がきく方がいい。
休みの日、起きると、兄は出かけようとしていた。
「どこ行くの?」
「ちょっとな」
「ちょっとって?」
「部屋にある荷物、覚が来たら、持って行ってもらって」
「え?」
兄の部屋に行くと、段ボール箱に入った荷物があった。部屋中整頓されている。いつの間に?
「あの人のとこに行くの?」
兄には、彼女らしき存在を感じていた。
「え?」
「私の事、ずっと守るって言ったじゃない」
「それは、この身体じゃ無理だろ?彩萌に負担ばかりかける」
「それでもいい。私は、お兄ちゃんにそばにいて欲しい。ずっと、ずっと、そばにいて欲しい」
泣きながら、抱きついて離れなかった。
「おい、痛いだろ」
「ごめん」
離れるが、その代わりに、手を掴んだ。
「彩萌」
「絶対、嫌だから。私を一人にしないでよ」
「俺が死んだら、一人になる」
「そんなこと言わないで。ここにずっといて」
「しょうがないなぁ」
その日から、私は、兄と一緒のベッドで寝るようになった。
こうゆう状況でも、抱きついていると安心できた。
「彩萌はまだまだ子供だな」
「そうだよ。だから、お兄ちゃんがそばにいなきゃダメなの」
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