あの日のこと

陽紫葵

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あの日のこと

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「里桜」
と呼ぶ声が聞こえる。
誰?
夢?
え?私、生きてる?
そ~っと目を開けた。
見えたのは、病室らしき場所と、あ、昇矢くん・・・。
「あ、里桜、よかったぁ」
と、抱きしめられた。
夢ではない。
どうして?
「里桜、もう5日も寝てたんだよ」
「え?」
「看護師さん呼ばなきゃ」
「ちょっと待って。昇矢くんは大丈夫なの?」
「俺は、大丈夫だよ」
「でも、意識なかったし」
「あぁ、一時的に気失ってただけみたいだ。それと、点滴とか薬効いて眠っちゃってたんだろう。寝不足だったしな」
「よかった」
「よかったじゃねぇよ。俺、朝方目覚めてさ、まわりが慌ただしくなってきたんで、看護師さんに聞いたら、救急で運ばれてきた人がいるって、聞いてたら、里桜だって、すぐに見に行ったんだよ。もう、ホント、心配したんだからな」
「ごめん」
看護師さん、お医者さんが来て、診て行った。
その後、検査もしたが、異常は見られず、2日後に退院になった。
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