あの日のこと

陽紫葵

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あの日のこと

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 25歳になった頃、久々に合コンに誘われた。人数合わせなんだろう。わかってる。
やはり、浮いた存在だ。前と同じく、隅っこで食べてばかりいた。
なのに、話しかけてくる人が一人いた。早川玲次、30歳、会社経営していると言った。適当に答えていたが、帰り際、
「また会おう」
と言われ、連絡先交換することになった。
その日は金曜日だった。
翌週の金曜日、昼休みの時間に早川さんから連絡があり、その日に会うことになった。
夕飯食べて、家の近くまで送ってもらった。
隔週くらいで誘われて、会っていた。
そんな日が半年ほど続いた頃、
「今日、遅くなってもいい?」
「うん」
1時間程、車を走らせて、海岸に着いた。
しばらく海を眺めていた。
「里桜ちゃん」
抱き寄せられ、顔が近付いてきたが、
「あ、ごめん」
と言って、離れた。
向きを変え、車を走らせた。
今の何?キスしようとしたんじゃないの?
ごめんって何?
翌日、早川さんから電話がかかってきて、
「ごめん、やっぱ無理だわ」
「無理って?」
「里桜ちゃんとは付き合えない」
「・・・」
「ごはん食べてる時は、可愛いなって思って、いっぱい食べて欲しいって思った。でも、何てゆうか、色気感じないってゆうか、女として見れないってゆうか」
「キスもしたくないってこと?」
「まぁ、そうなるかな。あ、ごめん」
私は、何も言い返せなかった。
私って、そんなに魅力ないの?
やっぱ、ブス?
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