信じていれば

陽紫葵

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信じていれば

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そんな時、担当していたマネージャーが退社し、別のマネージャーに変わった。今まで瑞季ちゃんの担当だったので、話したことはあった。
「万帆、舞台やってみないか?」
「舞台?」
「悔しかったら、実力付けた方がいい。厳しい舞台監督の下で指導受けてこい」
しばらく黙ったままいると、
「返事は?」
「はい!」
と言うしかなかった。そうだ、いつまでも不貞腐れていたってしょうがない。
数日後、ある劇団の稽古を見に行った。稽古だとは言え、みんなの迫力のある演技に圧倒された。お芝居って、こんなに引き込まれるんだ、って。
休憩に入った頃、監督に声をかけられた。
「次の公演から出てみるか?」
「はい。お願いします」
次の日から、稽古に参加し、発声練習、ストレッチ、基礎的なことから指導を受けた。確かに厳しい。でも、声を出すこと、身体を動かすこと、みんなとのコミュニケーション、新鮮で楽しかった。何より、稽古終わりに出かける食事が楽しかった。ほとんどの人がお酒を飲んでいたが、私を子供扱いするでもなく、対等で話してくれている感が嬉しかった。何もかも忘れて没頭できた。それ以外の仕事はやらなくなった。
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