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3巻
3-2
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「全く夜鴉団だかなんだか知らないけど、いい迷惑ですよ。それにしてもお嬢さん、綺麗なのになかなか強いですね」
「お嬢さん……?」
無意識にドスの利いた声を出してしまったせいで、衛兵の肩がびくりと跳ねる。
「こっ、これは失礼。お姉さんとお呼びするべきだったかな」
「実は僕、これでも男なんですよね」
「おや、そうでしたか……って、ええーっ⁉」
大げさに驚く衛兵を、これでもかというほど思いきり睨み付ける。
人のコンプレックスを刺激するのはやめてほしいところだ、さもないとデリカシーなさ男というあだ名をつけてやるぞ。
「その夜鴉団ってなんですか?」
『お嬢さん』という単語に気を取られて聞き流していたが、夜鴉団というのはそこまで有名な組織なのだろうか。
あの男も『オレは夜鴉団の団員なんだぞエッヘン!』的なことを喚いていたが、てっきり男が大げさに言っているだけだと思っていた。
「お嬢さ、ゴホン、お兄さんは夜鴉団をご存じないのですか? 王都の人ならば皆知っているものとばかり思っていましたが。最近活発に動いている組織で、問題ばっかり起こすんですよ。噂じゃ非合法なこともやっているとか。全く一筋縄ではいかないから困ったもんです」
衛兵はため息交じりにそう言った。そういえば最近巡回している衛兵が多い気がしていたが、それも関係あったのだろう。
あちこちに駆り出されて忙しくしているのか、ここにいる衛兵は全員疲れているように見える。
「お兄さんも気を付けてくださいね。夜鴉団もそうですけど、最近の王都は色々と物騒ですから」
衛兵はそう言うと、男を無理やり立たせて連行していった。コンプレックスを刺激してきたのは減点だが、それ以外は親切でいい人だった。
「そうだクレアさん、衛兵を呼んできてくれてありがとう」
「いえ、私は呼んだだけなので。エルさんにお怪我がなくてよかった」
衛兵を見送っていたクレアさんは、俺のほうに視線を戻すと、照れくさそうにそう言った。
「そういえば、クレアさんはどうしてこんなところに? 裏通りは危ないんじゃ」
「実は、夜鴉団の調査をするっていう依頼を受けていて、団員がこの辺りにいるという噂を聞いてここに。まぁ、全然収穫はまだないんですけど……報酬がよかったのでつい」
クレアさんは気まずそうに目を逸らしながらそう言った。
報酬につられるのはとてもよく分かるが、女の子一人で悪漢に挑むのは危険だ。
魔物相手なら遠慮なく魔法を使えるし、知能もそれほど高くないが、人間相手だと攻撃を躊躇ってしまったり、集団で攻撃されたり、厄介な部分もある。
「エルさんこそ、どうして裏通りに?」
クレアさんにそう尋ねられ、フェルモンド先生を捜していたことを思い出した。トラブル続きですっかり頭から消え去っていた。
もしフェルモンド先生がこの辺りに来ていたのなら、もしかしてああいうゴロツキに絡まれたのかもしれない。それこそ夜鴉団の団員とか。
フェルモンド先生は身なりもいいし、連れ去られて人質に……とかいうことも十分あり得る。
これだけ証拠が少ないと断定するのは無理があるが、かなり有力な線ではないだろうか。
そうと決まれば早速行動だ。
「よかったら、その調査一緒に行っても? クレアさん一人じゃ危ないだろうし、僕も気になることがあって」
「もちろん! あ、でも報酬はどうしましょう。半分じゃSランクの方に失礼かな……」
「いやいや、僕が勝手についていくだけだから。報酬は一切いらないよ」
慌てて報酬がいらないことを伝える。
クレアさんは「三分の一だけでも、せめて四分の一でも……」と言ってなかなか引いてくれなかったが、最終的には渋々といった様子で納得してくれた。
「エルさんがいてくださるなら安心ですね! さぁ、早速調査です!」
クレアさんは意気揚々といった様子で歩き出したが、すぐにぴたりと動きを止めた。
「何か?」
「情報、さっきの団員のこと以外、何も知らない……」
「なんてこった」
思わず口から心の声が飛び出てしまった。全然収穫がないとは言っていたものの、全くのゼロだとは思っていなかった。
「どうしましょう……」
クレアさんはひどく落ち込んでいるようで、心なしか彼女の周りだけ暗く見えるような気までしてくる。
「そ、そんなに落ち込まなくても! ほら、この辺りの人に夜鴉団のことを聞いてみるとか! やりようはいくらでもあるって!」
「そうですね……あはは……」
慌てて励ましても効果はないようで、クレアさんは乾いた笑いを零しただけだった。俺とクレアさんの間に、なんとも言えない気まずい空気が流れる。
しかしその空気は、突如として俺たちの間に割り込んできた老人によって打ち破られた。
「そこの若いの、夜鴉団について調べているのかい?」
背を曲げた老人は、俺たち二人の顔を見てそう尋ねてきた。クレアさんがその言葉に頷くと、老人は顔をしかめた。
「その、何か?」
老人の苦虫を噛み潰したような表情を不思議に思って、俺はそう聞く。
「お前さんたち、夜鴉団には関わらないほうがいいぞ。なんでも法に触れることだけじゃなくて、禁忌すら破ろうとするような恐ろしいこともやっているようじゃ。関わろうものなら呪われるぞ」
老人は眉間の皺を深めながら、吐き捨てるようにそう言った。
衛兵も言っていたが、夜鴉団という組織はやはり一筋縄ではいかないようだ。
呪われる、という部分は噂に尾ひれがついただけだろうが、関わらないほうがいいのは本当のことなのだろう。
しかし、俺にはフェルモンド先生を捜すという、そしてクレアさんには夜鴉団の調査という、それぞれ目的があるのだ。忠告はありがたいが、関わらないというわけにはいかない。
そりゃあフェルモンド先生のことがなければ、俺だってそんな物騒な組織には絶対関わらないだろうが、今は仕方ない。
それにしてもこの老人。タイミングよく現れてくれたものだ。ちょうど情報がなくて困っていたところに出てきてくれるなんて。
「おじいさん、夜鴉団について詳しいんですか?」
「おじいさんとは何事じゃ! わしはまだまだ現役じゃぞ!」
何気なく言った単語がまずかったらしく、老人はカッと目を見開いてそう叫んだ。
なるほど、この老人にとって『おじいさん』という単語は、俺にとっての『姉ちゃん』『お嬢さん』と同じく、NGワードのようだ。
「ふん、全く最近の若いのは失礼なやつが多い。ところでお前さん、わしの忠告を聞いておらんかったようじゃな。夜鴉団には関わらないほうがいい、とつい今しがた言ったじゃろう」
「忠告はありがたいんですが、僕たちにも色々とありまして……」
老人は後ろでオロオロしているクレアさんを一瞥すると、再び俺に視線を戻した。かと思うと、頭のてっぺんからつま先までジロジロと見定められる。
「どうしても知りたいというのならば、教えてやらんこともない。ただし――」
「何か条件がある、と」
「そのとおりじゃ。お前さん、なかなか察しがいいようじゃないか」
老人は少しだけ表情を緩めてそう言った。
父様の弟でアドストラム国王でもある、ヴァルドもとい馬鹿王のせいで、条件を出されることには嫌というほど慣れているのだ。
こんなことを察するぐらい朝飯前だ。
「率直に言うと盗られた亡き妻の指輪、形見を取り返してほしい。大切に保管していたんじゃが、やつらに目をつけられてな。無理やり奪われたんじゃ」
老人は悲しげな声で、条件を告げた。
おそらく結婚指輪か婚約指輪か、その辺りの二人の思い出の品なのだろう。形見を奪うだなんてひどすぎる。
「奥さんの大切な指輪を奪うなんて、夜鴉団許すまじです!」
俺が口を開くより先に、クレアさんがそう言った。
「ただ私一人じゃ心細いので、正確には私たち、ですが……」
クレアさんは自信なさげにそう付け加えた。彼女の剣幕にあっけにとられていた老人が、思い出したように俺のほうへ視線を向けた。
「……頼んだ。若いの、十分気を付けるんじゃぞ」
「分かりました。もし見つけたら、必ずおじいさんに渡しにきますから」
老人は周りに人がいないのを確認してから、俺たちに側に寄るよう手招きする。そして小声で老人の知る限りの情報を教えてくれた。
話によると、夜鴉団の噂は前々からあったらしかった。
初めは詳細がはっきりしない都市伝説のようなものだったが、次第に夜鴉団を名乗るメンバーが現れて、実際に事件が起き始めたようだ。
そしてここ数か月間で異様な発達を遂げているらしい。
夜鴉団の行っていることは、暴力行為、違法な商売、不正な賄賂による貴族社会への介入。
たった数か月という短期間で、様々な悪事をしている。そして、そんな中でも最も老人が気がかりにしていたのは、禁忌を犯しているという噂だった。
そして老人は最後に、夜鴉団のアジトの場所を俺たちに伝えた。一度夜鴉団のメンバーを名乗る男のあとをつけたことがあり、そのときに発見したそうだ。
この人の言うことが全て本当かは分からない。
ただの噂や思い込みという可能性だってある。
けれども今は、それら一つ一つについて考え、調べている余裕はない。
こうしている間にも、フェルモンド先生が危険に晒されているかもしれない。
俺たちは老人に礼を告げたあと、夜鴉団のアジトがあるという場所、王都の郊外へと足を向けた。
2
「本当にこんな場所に、夜鴉団のアジトがあるんでしょうか」
「あのおじいさんの言っていたことが間違ってなければ、そのはずなんだけど……」
王都の郊外、森の奥深く。俺たちは老人に教えてもらったアジトの場所に来ていた。
勾配のキツい坂を上ったり、獣道を歩いたり。老人の言っていた場所は確かにここだが、アジトどころか、人の気配すら感じられない。
ここ一帯は人の手がほとんど入っていないようで、木はのびのびと空に向かって育ち、草は好き放題に生い茂っている。
体を大きくしていることもあり俺は問題ないが、クレアさんは表情や動きに疲労が見え始めている。
もう少し探して見つからなかったら一旦休憩にしよう、そう思いながら歩くスピードを落とす。
そして一向にアジトらしきものは見つからず、諦めかけてきたときだった。
ふと地面に目をやると、不自然に草がなくなっている箇所が目に入った。辺りの地面は乾いているというのに、その部分の土だけやけに湿っている。まるでつい最近掘り返されたみたいだ。
不審に思って土を払ってみると、爪がガリッ、と何か硬いものを引っ掻いた。出てきたものをよく見ると、板のようだ。
その板にはちょうど指を差し込めるほどの穴が開けられており、簡単に持ち上げられそうだ。
「エルさん、どうかしたんですか?」
近くの木陰で休憩していたクレアさんが、座ったまま俺にそう尋ねた。物音を立てないよう注意しながら、クレアさんのほうへと移動する。
「アジトの入り口かもしれないものを見つけた。でも外から中の様子を確認できそうになくて」
「なるほど、突入するってことですね。ちょっと休んで回復したし、私はいつでもいけますよ! いざとなったらエルさんもいるし!」
元気よくそう言ったクレアさんに、静かにするよう口元に人差し指を当てるジェスチャーをする。クレアさんは慌てた様子で、自分の口を手で塞いだ。
今元気な声を出されると敵に勘づかれるかもしれない。
もう一度、今度はクレアさんとともに板がある場所へと近付く。
もし後ろから組織の人間が来ても大丈夫なように、クレアさんには辺りの警戒を頼んだ。
俺は板を開けて、すぐ中から攻撃されても対応できるよう、そちらに注意を払っておく。
板の穴に指を差し込み、そっと持ち上げようとする。しかし、それは後ろから物音が聞こえたことによって阻まれた。
振り返るよりも先に、ガン! という音とともに視界が揺れる。少し遅れて後頭部に鈍い痛みがやってきて、殴られたのだと理解できた。
揺れる視界の中で、二人いる人物のうち、片方に捕まっているクレアさんが見えた。
彼女は一瞬で口を塞がれて、声を出す間もなく捕らえられてしまったようだ。
それを見て、地面に倒れ伏しそうになった体を無理やり立て直す。
「クレアさんを離せ!」
視界はまだグラグラと揺れているものの、なんとか意識を失わずに済んだ。考えたことがなかったが、俺は石頭なのかもしれない。
意識を集中して、取り出した短剣を構える。
二人いる人物のうち、手の空いているほうの背の高い男性が前に出た。
男性は黒々とした髪を耳上辺りで切り揃えており、白い肌が全身真っ黒い服装と相まって、かなり不健康そうに見える。
吊り上がった鋭い目は、しっかりと俺の姿を捉えている。警戒を強めていると、男性が口を開いた。
「お前、どこの手のもんだ? 見慣れない顔だが」
そう聞かれても黙ったままの俺に気を悪くしたのか、男性は小さく一度舌打ちをした。
そして後ろにいたクレアさんを捕らえている男に指示すると、自身の横まで連れてこさせた。
一体何をする気なのかと警戒する。
黒髪の男はおもむろにクレアさんの顔を掴むと、無理やり顔を上げさせた。頬に爪が食い込んでいるのか、クレアさんが顔を歪める。
「ふーん、なかなかの上玉じゃねえか。こいつを置いてくってんなら、お前のことは見逃してやってもいいぜ、白髪野郎」
男性はクレアさんから目線を外さないままそう言った。白髪野郎、と言われて思わずムカッとしてしまう。この目立ちすぎる髪色、一応気にしてるんだからな。
クレアさんはひどく怯えた表情で、目線だけ俺のほうへ向けた。声に出さずとも、『助けて』と思っていることが分かった。
「もう一度言う。クレアさんを離せ」
俺がそう言った瞬間、ピリッと空気が張り詰める。男性はクレアさんから手を離すと、こちらへと一歩踏み出した。
「こいつを置いて失せろ、さもなきゃ殺す。オレはそう言ってんの。分かる?」
男性は先ほどとは一転、ドスの利いた声でそう言った。あまりの圧に気圧されそうになるが、ぐっと堪える。
俺はどうするべきか。いくら魔法がそれなりに使えるとはいえ、クレアさんが拘束されている以上、迂闊に攻撃はできない。二人だけで来たのは、やっぱりまずかったか……
緊張する空気の中、男性はどこからか大剣を取り出した。おそらく空間魔法だろう。
男性はその大剣を軽々と持ち上げると、また一歩距離を詰めた。
大剣は子供の身長を優に超えるほどの大きさで、ずっしりとした厚みのある刀身は、斬るというより叩き潰す、という用途に特化しているように見える。
攻撃が当たろうものなら、間違いなく骨が砕かれてしまうだろう。
細身な男性がそんな大剣を軽く扱っている姿は、どこか異様だった。
気取られないよう細心の注意を払って身体強化魔法をかけようとする。しかしその瞬間、一気に間合いを詰められ、大剣が顔の真横に突き付けられる。
「おっと、そうはさえねぇぜ」
詠唱も、身じろぎ一つすらしていないというのに、この男性には俺が魔法を発動させようとしたことが分かったようだった。
今俺が不審な動きをしようものなら、この男性はなんのためらいもなく俺を叩き斬るだろう。そう確信させるような気迫があった。
「さっさと逃げりゃあお前だけは助かったのに、バカなやつだ。何者かは知らないが、オレの気分を損ねた以上――」
「ボス、もうじきお時間です。勝手な行動は避けられますよう」
これ以上ないほどの緊迫感の中、透きとおったソプラノの声が響いた。思わず顔を上げる。
さっきまで誰もいなかったはずなのに、クレアさんを拘束している男性の後ろには、いつの間にか金髪碧眼の美しい少女が立っていた。
少女はフリルのあしらわれたブラウスに裾の広がったスカートという、可愛らしい服装をしていたが、男性と同じく身に纏っているものは全て真っ黒だ。
無表情と相まって、少女はまるで人形のように見えた。
「……今いいところだったんだが、そうか時間か。命拾いしたな、お前ら」
ドサ、と捕らえられていたクレアさんが地面に投げ出されそうになったのを、慌てて受け止める。
男性は俺たちに背を向けて立ち去ろうとしている。
おそらくこいつらは夜鴉団、そしてボスと呼ばれているこの男をみすみす見逃すわけにはいかない。
「っ、待て!」
必死に伸ばした手が、男性の服の裾をかすった。それと同時に、不快感を前面に出した表情をして振り向かれる。
「ったく、しつけぇなぁ。やれアステル」
「承知しました、ボス」
瞬間、男性たちは突然現れた少女とともに姿を消した。そう思ったのだが、実際には違ったようだ。
辺りには王都の裏通りの景色が広がっており、先ほどまでいたはずの森ではなかった。
隣には俺と同じく、状況が呑み込めない様子のクレアさんが座り込んでいる。
やつらが姿を消したのではなく、俺たちが強制的に転移させられたようだ。
「逃げられた……」
あと少しで手が届いたのに、ぎりぎりで逃してしまったことに、やりきれない気持ちでいっぱいになる。
空間魔法は難易度が高く術者が少ないはずだ。一瞬で俺たち二人を遠くまで転移させる辺り、あの少女は只者ではなさそうだ。
それにしてもこれからどうしたものか。
今からあのアジトに行っても、場所がバレたことが分かれば、もう夜鴉団は残っていないだろうし、俺たちが知っているのはあのアジトの情報だけだった。
手当たり次第聞いたところであまり有益な情報は得られないだろうし……
「エルさん!」
一人で考え込みそうになっていたところを、名前を呼ばれて顔を上げた。
「ごめんなさい、私が油断したばっかりに!」
「クレアさんは悪くないよ。悪いのはあいつらなんだから」
俺がそう言っても、クレアさんは気にしているようだった。俯いていて、眉も下がり気味だ。
「お嬢さん……?」
無意識にドスの利いた声を出してしまったせいで、衛兵の肩がびくりと跳ねる。
「こっ、これは失礼。お姉さんとお呼びするべきだったかな」
「実は僕、これでも男なんですよね」
「おや、そうでしたか……って、ええーっ⁉」
大げさに驚く衛兵を、これでもかというほど思いきり睨み付ける。
人のコンプレックスを刺激するのはやめてほしいところだ、さもないとデリカシーなさ男というあだ名をつけてやるぞ。
「その夜鴉団ってなんですか?」
『お嬢さん』という単語に気を取られて聞き流していたが、夜鴉団というのはそこまで有名な組織なのだろうか。
あの男も『オレは夜鴉団の団員なんだぞエッヘン!』的なことを喚いていたが、てっきり男が大げさに言っているだけだと思っていた。
「お嬢さ、ゴホン、お兄さんは夜鴉団をご存じないのですか? 王都の人ならば皆知っているものとばかり思っていましたが。最近活発に動いている組織で、問題ばっかり起こすんですよ。噂じゃ非合法なこともやっているとか。全く一筋縄ではいかないから困ったもんです」
衛兵はため息交じりにそう言った。そういえば最近巡回している衛兵が多い気がしていたが、それも関係あったのだろう。
あちこちに駆り出されて忙しくしているのか、ここにいる衛兵は全員疲れているように見える。
「お兄さんも気を付けてくださいね。夜鴉団もそうですけど、最近の王都は色々と物騒ですから」
衛兵はそう言うと、男を無理やり立たせて連行していった。コンプレックスを刺激してきたのは減点だが、それ以外は親切でいい人だった。
「そうだクレアさん、衛兵を呼んできてくれてありがとう」
「いえ、私は呼んだだけなので。エルさんにお怪我がなくてよかった」
衛兵を見送っていたクレアさんは、俺のほうに視線を戻すと、照れくさそうにそう言った。
「そういえば、クレアさんはどうしてこんなところに? 裏通りは危ないんじゃ」
「実は、夜鴉団の調査をするっていう依頼を受けていて、団員がこの辺りにいるという噂を聞いてここに。まぁ、全然収穫はまだないんですけど……報酬がよかったのでつい」
クレアさんは気まずそうに目を逸らしながらそう言った。
報酬につられるのはとてもよく分かるが、女の子一人で悪漢に挑むのは危険だ。
魔物相手なら遠慮なく魔法を使えるし、知能もそれほど高くないが、人間相手だと攻撃を躊躇ってしまったり、集団で攻撃されたり、厄介な部分もある。
「エルさんこそ、どうして裏通りに?」
クレアさんにそう尋ねられ、フェルモンド先生を捜していたことを思い出した。トラブル続きですっかり頭から消え去っていた。
もしフェルモンド先生がこの辺りに来ていたのなら、もしかしてああいうゴロツキに絡まれたのかもしれない。それこそ夜鴉団の団員とか。
フェルモンド先生は身なりもいいし、連れ去られて人質に……とかいうことも十分あり得る。
これだけ証拠が少ないと断定するのは無理があるが、かなり有力な線ではないだろうか。
そうと決まれば早速行動だ。
「よかったら、その調査一緒に行っても? クレアさん一人じゃ危ないだろうし、僕も気になることがあって」
「もちろん! あ、でも報酬はどうしましょう。半分じゃSランクの方に失礼かな……」
「いやいや、僕が勝手についていくだけだから。報酬は一切いらないよ」
慌てて報酬がいらないことを伝える。
クレアさんは「三分の一だけでも、せめて四分の一でも……」と言ってなかなか引いてくれなかったが、最終的には渋々といった様子で納得してくれた。
「エルさんがいてくださるなら安心ですね! さぁ、早速調査です!」
クレアさんは意気揚々といった様子で歩き出したが、すぐにぴたりと動きを止めた。
「何か?」
「情報、さっきの団員のこと以外、何も知らない……」
「なんてこった」
思わず口から心の声が飛び出てしまった。全然収穫がないとは言っていたものの、全くのゼロだとは思っていなかった。
「どうしましょう……」
クレアさんはひどく落ち込んでいるようで、心なしか彼女の周りだけ暗く見えるような気までしてくる。
「そ、そんなに落ち込まなくても! ほら、この辺りの人に夜鴉団のことを聞いてみるとか! やりようはいくらでもあるって!」
「そうですね……あはは……」
慌てて励ましても効果はないようで、クレアさんは乾いた笑いを零しただけだった。俺とクレアさんの間に、なんとも言えない気まずい空気が流れる。
しかしその空気は、突如として俺たちの間に割り込んできた老人によって打ち破られた。
「そこの若いの、夜鴉団について調べているのかい?」
背を曲げた老人は、俺たち二人の顔を見てそう尋ねてきた。クレアさんがその言葉に頷くと、老人は顔をしかめた。
「その、何か?」
老人の苦虫を噛み潰したような表情を不思議に思って、俺はそう聞く。
「お前さんたち、夜鴉団には関わらないほうがいいぞ。なんでも法に触れることだけじゃなくて、禁忌すら破ろうとするような恐ろしいこともやっているようじゃ。関わろうものなら呪われるぞ」
老人は眉間の皺を深めながら、吐き捨てるようにそう言った。
衛兵も言っていたが、夜鴉団という組織はやはり一筋縄ではいかないようだ。
呪われる、という部分は噂に尾ひれがついただけだろうが、関わらないほうがいいのは本当のことなのだろう。
しかし、俺にはフェルモンド先生を捜すという、そしてクレアさんには夜鴉団の調査という、それぞれ目的があるのだ。忠告はありがたいが、関わらないというわけにはいかない。
そりゃあフェルモンド先生のことがなければ、俺だってそんな物騒な組織には絶対関わらないだろうが、今は仕方ない。
それにしてもこの老人。タイミングよく現れてくれたものだ。ちょうど情報がなくて困っていたところに出てきてくれるなんて。
「おじいさん、夜鴉団について詳しいんですか?」
「おじいさんとは何事じゃ! わしはまだまだ現役じゃぞ!」
何気なく言った単語がまずかったらしく、老人はカッと目を見開いてそう叫んだ。
なるほど、この老人にとって『おじいさん』という単語は、俺にとっての『姉ちゃん』『お嬢さん』と同じく、NGワードのようだ。
「ふん、全く最近の若いのは失礼なやつが多い。ところでお前さん、わしの忠告を聞いておらんかったようじゃな。夜鴉団には関わらないほうがいい、とつい今しがた言ったじゃろう」
「忠告はありがたいんですが、僕たちにも色々とありまして……」
老人は後ろでオロオロしているクレアさんを一瞥すると、再び俺に視線を戻した。かと思うと、頭のてっぺんからつま先までジロジロと見定められる。
「どうしても知りたいというのならば、教えてやらんこともない。ただし――」
「何か条件がある、と」
「そのとおりじゃ。お前さん、なかなか察しがいいようじゃないか」
老人は少しだけ表情を緩めてそう言った。
父様の弟でアドストラム国王でもある、ヴァルドもとい馬鹿王のせいで、条件を出されることには嫌というほど慣れているのだ。
こんなことを察するぐらい朝飯前だ。
「率直に言うと盗られた亡き妻の指輪、形見を取り返してほしい。大切に保管していたんじゃが、やつらに目をつけられてな。無理やり奪われたんじゃ」
老人は悲しげな声で、条件を告げた。
おそらく結婚指輪か婚約指輪か、その辺りの二人の思い出の品なのだろう。形見を奪うだなんてひどすぎる。
「奥さんの大切な指輪を奪うなんて、夜鴉団許すまじです!」
俺が口を開くより先に、クレアさんがそう言った。
「ただ私一人じゃ心細いので、正確には私たち、ですが……」
クレアさんは自信なさげにそう付け加えた。彼女の剣幕にあっけにとられていた老人が、思い出したように俺のほうへ視線を向けた。
「……頼んだ。若いの、十分気を付けるんじゃぞ」
「分かりました。もし見つけたら、必ずおじいさんに渡しにきますから」
老人は周りに人がいないのを確認してから、俺たちに側に寄るよう手招きする。そして小声で老人の知る限りの情報を教えてくれた。
話によると、夜鴉団の噂は前々からあったらしかった。
初めは詳細がはっきりしない都市伝説のようなものだったが、次第に夜鴉団を名乗るメンバーが現れて、実際に事件が起き始めたようだ。
そしてここ数か月間で異様な発達を遂げているらしい。
夜鴉団の行っていることは、暴力行為、違法な商売、不正な賄賂による貴族社会への介入。
たった数か月という短期間で、様々な悪事をしている。そして、そんな中でも最も老人が気がかりにしていたのは、禁忌を犯しているという噂だった。
そして老人は最後に、夜鴉団のアジトの場所を俺たちに伝えた。一度夜鴉団のメンバーを名乗る男のあとをつけたことがあり、そのときに発見したそうだ。
この人の言うことが全て本当かは分からない。
ただの噂や思い込みという可能性だってある。
けれども今は、それら一つ一つについて考え、調べている余裕はない。
こうしている間にも、フェルモンド先生が危険に晒されているかもしれない。
俺たちは老人に礼を告げたあと、夜鴉団のアジトがあるという場所、王都の郊外へと足を向けた。
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「本当にこんな場所に、夜鴉団のアジトがあるんでしょうか」
「あのおじいさんの言っていたことが間違ってなければ、そのはずなんだけど……」
王都の郊外、森の奥深く。俺たちは老人に教えてもらったアジトの場所に来ていた。
勾配のキツい坂を上ったり、獣道を歩いたり。老人の言っていた場所は確かにここだが、アジトどころか、人の気配すら感じられない。
ここ一帯は人の手がほとんど入っていないようで、木はのびのびと空に向かって育ち、草は好き放題に生い茂っている。
体を大きくしていることもあり俺は問題ないが、クレアさんは表情や動きに疲労が見え始めている。
もう少し探して見つからなかったら一旦休憩にしよう、そう思いながら歩くスピードを落とす。
そして一向にアジトらしきものは見つからず、諦めかけてきたときだった。
ふと地面に目をやると、不自然に草がなくなっている箇所が目に入った。辺りの地面は乾いているというのに、その部分の土だけやけに湿っている。まるでつい最近掘り返されたみたいだ。
不審に思って土を払ってみると、爪がガリッ、と何か硬いものを引っ掻いた。出てきたものをよく見ると、板のようだ。
その板にはちょうど指を差し込めるほどの穴が開けられており、簡単に持ち上げられそうだ。
「エルさん、どうかしたんですか?」
近くの木陰で休憩していたクレアさんが、座ったまま俺にそう尋ねた。物音を立てないよう注意しながら、クレアさんのほうへと移動する。
「アジトの入り口かもしれないものを見つけた。でも外から中の様子を確認できそうになくて」
「なるほど、突入するってことですね。ちょっと休んで回復したし、私はいつでもいけますよ! いざとなったらエルさんもいるし!」
元気よくそう言ったクレアさんに、静かにするよう口元に人差し指を当てるジェスチャーをする。クレアさんは慌てた様子で、自分の口を手で塞いだ。
今元気な声を出されると敵に勘づかれるかもしれない。
もう一度、今度はクレアさんとともに板がある場所へと近付く。
もし後ろから組織の人間が来ても大丈夫なように、クレアさんには辺りの警戒を頼んだ。
俺は板を開けて、すぐ中から攻撃されても対応できるよう、そちらに注意を払っておく。
板の穴に指を差し込み、そっと持ち上げようとする。しかし、それは後ろから物音が聞こえたことによって阻まれた。
振り返るよりも先に、ガン! という音とともに視界が揺れる。少し遅れて後頭部に鈍い痛みがやってきて、殴られたのだと理解できた。
揺れる視界の中で、二人いる人物のうち、片方に捕まっているクレアさんが見えた。
彼女は一瞬で口を塞がれて、声を出す間もなく捕らえられてしまったようだ。
それを見て、地面に倒れ伏しそうになった体を無理やり立て直す。
「クレアさんを離せ!」
視界はまだグラグラと揺れているものの、なんとか意識を失わずに済んだ。考えたことがなかったが、俺は石頭なのかもしれない。
意識を集中して、取り出した短剣を構える。
二人いる人物のうち、手の空いているほうの背の高い男性が前に出た。
男性は黒々とした髪を耳上辺りで切り揃えており、白い肌が全身真っ黒い服装と相まって、かなり不健康そうに見える。
吊り上がった鋭い目は、しっかりと俺の姿を捉えている。警戒を強めていると、男性が口を開いた。
「お前、どこの手のもんだ? 見慣れない顔だが」
そう聞かれても黙ったままの俺に気を悪くしたのか、男性は小さく一度舌打ちをした。
そして後ろにいたクレアさんを捕らえている男に指示すると、自身の横まで連れてこさせた。
一体何をする気なのかと警戒する。
黒髪の男はおもむろにクレアさんの顔を掴むと、無理やり顔を上げさせた。頬に爪が食い込んでいるのか、クレアさんが顔を歪める。
「ふーん、なかなかの上玉じゃねえか。こいつを置いてくってんなら、お前のことは見逃してやってもいいぜ、白髪野郎」
男性はクレアさんから目線を外さないままそう言った。白髪野郎、と言われて思わずムカッとしてしまう。この目立ちすぎる髪色、一応気にしてるんだからな。
クレアさんはひどく怯えた表情で、目線だけ俺のほうへ向けた。声に出さずとも、『助けて』と思っていることが分かった。
「もう一度言う。クレアさんを離せ」
俺がそう言った瞬間、ピリッと空気が張り詰める。男性はクレアさんから手を離すと、こちらへと一歩踏み出した。
「こいつを置いて失せろ、さもなきゃ殺す。オレはそう言ってんの。分かる?」
男性は先ほどとは一転、ドスの利いた声でそう言った。あまりの圧に気圧されそうになるが、ぐっと堪える。
俺はどうするべきか。いくら魔法がそれなりに使えるとはいえ、クレアさんが拘束されている以上、迂闊に攻撃はできない。二人だけで来たのは、やっぱりまずかったか……
緊張する空気の中、男性はどこからか大剣を取り出した。おそらく空間魔法だろう。
男性はその大剣を軽々と持ち上げると、また一歩距離を詰めた。
大剣は子供の身長を優に超えるほどの大きさで、ずっしりとした厚みのある刀身は、斬るというより叩き潰す、という用途に特化しているように見える。
攻撃が当たろうものなら、間違いなく骨が砕かれてしまうだろう。
細身な男性がそんな大剣を軽く扱っている姿は、どこか異様だった。
気取られないよう細心の注意を払って身体強化魔法をかけようとする。しかしその瞬間、一気に間合いを詰められ、大剣が顔の真横に突き付けられる。
「おっと、そうはさえねぇぜ」
詠唱も、身じろぎ一つすらしていないというのに、この男性には俺が魔法を発動させようとしたことが分かったようだった。
今俺が不審な動きをしようものなら、この男性はなんのためらいもなく俺を叩き斬るだろう。そう確信させるような気迫があった。
「さっさと逃げりゃあお前だけは助かったのに、バカなやつだ。何者かは知らないが、オレの気分を損ねた以上――」
「ボス、もうじきお時間です。勝手な行動は避けられますよう」
これ以上ないほどの緊迫感の中、透きとおったソプラノの声が響いた。思わず顔を上げる。
さっきまで誰もいなかったはずなのに、クレアさんを拘束している男性の後ろには、いつの間にか金髪碧眼の美しい少女が立っていた。
少女はフリルのあしらわれたブラウスに裾の広がったスカートという、可愛らしい服装をしていたが、男性と同じく身に纏っているものは全て真っ黒だ。
無表情と相まって、少女はまるで人形のように見えた。
「……今いいところだったんだが、そうか時間か。命拾いしたな、お前ら」
ドサ、と捕らえられていたクレアさんが地面に投げ出されそうになったのを、慌てて受け止める。
男性は俺たちに背を向けて立ち去ろうとしている。
おそらくこいつらは夜鴉団、そしてボスと呼ばれているこの男をみすみす見逃すわけにはいかない。
「っ、待て!」
必死に伸ばした手が、男性の服の裾をかすった。それと同時に、不快感を前面に出した表情をして振り向かれる。
「ったく、しつけぇなぁ。やれアステル」
「承知しました、ボス」
瞬間、男性たちは突然現れた少女とともに姿を消した。そう思ったのだが、実際には違ったようだ。
辺りには王都の裏通りの景色が広がっており、先ほどまでいたはずの森ではなかった。
隣には俺と同じく、状況が呑み込めない様子のクレアさんが座り込んでいる。
やつらが姿を消したのではなく、俺たちが強制的に転移させられたようだ。
「逃げられた……」
あと少しで手が届いたのに、ぎりぎりで逃してしまったことに、やりきれない気持ちでいっぱいになる。
空間魔法は難易度が高く術者が少ないはずだ。一瞬で俺たち二人を遠くまで転移させる辺り、あの少女は只者ではなさそうだ。
それにしてもこれからどうしたものか。
今からあのアジトに行っても、場所がバレたことが分かれば、もう夜鴉団は残っていないだろうし、俺たちが知っているのはあのアジトの情報だけだった。
手当たり次第聞いたところであまり有益な情報は得られないだろうし……
「エルさん!」
一人で考え込みそうになっていたところを、名前を呼ばれて顔を上げた。
「ごめんなさい、私が油断したばっかりに!」
「クレアさんは悪くないよ。悪いのはあいつらなんだから」
俺がそう言っても、クレアさんは気にしているようだった。俯いていて、眉も下がり気味だ。
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