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第一章
02 村の駐屯兵
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走って大体3時間くらい。平地を全力で走れば、鷹といい勝負ができる自信はあるが、山の中ではそうもいかない。木を避けつつ、尾根沿いに走って降りてきた。
あれを遭遇と言っていいのかは分からないが、道中魔物に遭遇することも当然何度かあった。
いずれも、魔力感知の半径内に入った瞬間に魔術で殺しているから、魔物と直接戦闘になるなんてことはない。
森から出てまず見えたのは、ひらけた草原と、そこに一本ある最低限の舗装がされた道。
道も馬車の後のようなのがあるし、一番近い村まではかなり近そうだ。とりあえず、村が見えるまでは魔術で飛んでいこう。
そうそう、山を降りるときに魔術で飛ばなかったのは特に理由はないが、強いていえば久しぶりに山を下る時の景色を少しでも楽しもうと思ってのことだ。あまり変わり映えしない景色ではあったが。
どっち方面に飛んだらいいか見当はつかないが、まずは南に行こう。
これも何か理由があるとかではなく、ただのなんとなくだ。
「おいしょ」
寂しい独り言と共に、魔術を発動させて飛び上がる。飛び上がっただけでは村どころか馬車のようなものも何も見えなかった。
というわけで、南方面に向かって飛んでいく。
ゆっくり景色を堪能するために、そこまで速度は出さない。出そうと思えば馬の二倍近くは出せるが、今回は景色優先だ。
最初に浮かぶ感想は、魔物の少なさ。
山に魔物が多すぎるのか、それともこのあたりが少ないのか。少なくとも、俺に今見えているのは小さなウサギみたいなやつが3体だけだ。せっかくだし、殺して村に手土産として持っていこうか。
水魔術で作った水球で頭蓋を貫通させて、風魔術で手元まで運ぶ。村に着くまでに血抜きもしておこうか。
そうしてウサギ型の魔物の首のあたりを切って顔を前に向けると、小さく村が見えた。
小さな村ではあるが、畑が綺麗だ。
ある程度近くまで飛んでから、茂みの中に降りる。魔術を使っているのを見られるのが面倒そうというのが理由だ。
降りたら手土産を確認して、道に出る。とりあえず会話を頑張ろう。
「ん? 見ない顔だな」
村の方を見ていると、横から声をかけられた。中年のおっさんの声。いや、おっさんは失礼だ、俺の方が年上なのだろうし。
「大丈夫か? 服とか諸々含めて」
声の主は、肩に弓をかけた30代後半くらいの男だった。しばらくちゃんと人の顔を見ていないから、あっているかはわからない。
「こんにちは。実は迷子で」
とりあえず挨拶。挨拶は人の基本だと前に盗賊の誰かに言った気がするから、それを当然言った本人は守らないとな。
それと、迷子というのもあながち間違いではないか。実質今どこにどんな村があるかなんて知りもしない。
このおっさんに聞けることは聞けるだけ聞いておこう。
「迷子か。まぁなんだ、俺の家に来いよ。飯でもなんでも出してやる」
「本当ですか! いやなに、旅をしていたんですが……」
「服とか荷物も全部盗賊にひん剥かれたんだろ。そのナリを見れば誰だってそんくらいわかる」
盗賊に襲われたなどとは言おうと思っていないが、そう見えるのか。今度服をしっかり調達しよう。
「生きてるだけ儲けもんだからな。ついてるな兄ちゃん」
とりあえず、このおっさんに合わせていけばなんとかなりそうだ。
そのまま後ろをついていき、村の中に入る。
見たところ、簡素な住宅しかない。土壁に、茅葺き屋根という、1000年前に俺が住んでいた田舎の村と全く同じだ。
道も都市のような舗装はされず、子供の遊び場のような状態だ。
そして違和感というか、村の中にあるには異質な旗が奥に見える。どこかの国の紋章が描かれている。見たことがある気がするが、思い出せないな。
そんなことを考えていると、おっさんが右にある家の中に入っていった。
俺も一緒に入ると、中には今まで狩ったんであろう動物の骨が飾られてあった。中にはかなり強いはずの魔物のものもある。
雰囲気からして、弓の扱いがだいぶ巧いんだろうな。
「そういえば、どうぞ。道中で食べようと思って獲ったものですが」
そう言ってウサギ型の魔物を差し出す。
「それは……俺にか?」
「ええ、もちろん」
「それならそうだな……ちょっと待ってろ、仕込みだけしておく。街を少し案内してやるから、それから戻ったら食わしてやる」
それは、ありがたいな。あれの調理方法を知らないのもあって、どんな料理を作るのかは気になる。
まずおっさんが取り出したのは、デカい鍋だった。そこに水を張って、酒と酢にハーブと一緒に煮込み始めた。
煮込み料理か。まぁそこら辺を気にするのは後でいい。
「それじゃあさっさと回ってしまおう」
おっさんがそう一言言って家を出る。そのまま、俺は村の中を簡単に案内された。案内とはいえ、大きな街でもないのだから、畑と村長の家と、あと大広間だけだが。
そして今、大広間にいるのだが、大きな疑問が湧いている。
大広間というだけあって、村にあった牧場と同じか、それ以上の広さはあるように思える。
その中央は、本来祭りなどで使うらしいが、今そこにいるのは、数にしてざっと5000近くの兵士だ。
胸のプレートには、村に入ったときに見えた旗と同じ紋章が刻まれている。
どこかの国の兵士がこんな田舎であろう村に、これほどの数を置くというのは、明らかに以上だ。
どこかに移動する途中か、もしくは何かを討伐するための拠点として使っているというふうに思える。
どちらにせよ、関わりたくはない。もし仮に俺の住んでいる山にその討伐対象がいるのなら、俺の家の近くには来ないでほしい。はっきり言って迷惑だ。
「ったく、あいつらもいつまで居座るんだか」
おっさんのその言葉は、怒りと失望が混じったような声だった。
この村の人口はおそらく500もないはずだ。そんな村にこれだけ大勢の兵士が押し掛ければ、迷惑極まりない。
「なんでこんなところにここまでの兵士が?」
「ん、あぁ。勇者様を惨殺した悪魔を討つらしい。悪魔を討つのはいいが、いくならさっさと向かってほしいね」
悪魔の討伐か。勇者というのがなんなのかはわからないが、これだけの兵士を動員するなら、その勇者というのは強かったんだろうな。
それに、様子だけで判断すると、食糧も村に負担してもらっているんだろう。
なるほど、村にとっては害悪だな。それでも追い出そうとしないのは、この兵士たちがそれだけの地位の兵士か、その悪魔というのにムラも苦労しているからか。
それなら最悪俺がその悪魔を討伐してもいいが、俺の知る限り近くの山には悪魔はいない。なんなら、魔族ですら見たことがない。
「村長が金を多少貰ったとは言っているが、流石にこれはな。本当、帰ってほしいもんだ」
ずっと文句を垂れている。
ここにいる兵士も、強そうなのから弱そうなのまでいる。弱そうなのでも山賊になら勝てるはずだ。一番強そうなのは、一人壇上にいるあの兵士か。顔まで隠しているせいで、顔ははっきりとはわからない。
魔族や悪魔一人に対しては過剰戦力だとは思うが、それだけ強いのか。
「さっさと戻って飯を食おう。こんなとこに長居すりゃ、美味いもんも不味くなる」
「そうですね」
おっさんが唾を吐き捨ててから、この場を去る。もう少し気になるが、今度にしよう。
その場を去る前にもう一度一番強そうなのを見ておくか。
伝わってくる感覚からして、あれ一人でも普通の魔族は簡単に殺せそうだ。それだけ確認して視線を外そうとした瞬間、その兵士と目が合った。
頭に兜を被っているから気のせいかもしれないが、なんとなくそう感じた。
まぁ先に飯を食べよう。
あれを遭遇と言っていいのかは分からないが、道中魔物に遭遇することも当然何度かあった。
いずれも、魔力感知の半径内に入った瞬間に魔術で殺しているから、魔物と直接戦闘になるなんてことはない。
森から出てまず見えたのは、ひらけた草原と、そこに一本ある最低限の舗装がされた道。
道も馬車の後のようなのがあるし、一番近い村まではかなり近そうだ。とりあえず、村が見えるまでは魔術で飛んでいこう。
そうそう、山を降りるときに魔術で飛ばなかったのは特に理由はないが、強いていえば久しぶりに山を下る時の景色を少しでも楽しもうと思ってのことだ。あまり変わり映えしない景色ではあったが。
どっち方面に飛んだらいいか見当はつかないが、まずは南に行こう。
これも何か理由があるとかではなく、ただのなんとなくだ。
「おいしょ」
寂しい独り言と共に、魔術を発動させて飛び上がる。飛び上がっただけでは村どころか馬車のようなものも何も見えなかった。
というわけで、南方面に向かって飛んでいく。
ゆっくり景色を堪能するために、そこまで速度は出さない。出そうと思えば馬の二倍近くは出せるが、今回は景色優先だ。
最初に浮かぶ感想は、魔物の少なさ。
山に魔物が多すぎるのか、それともこのあたりが少ないのか。少なくとも、俺に今見えているのは小さなウサギみたいなやつが3体だけだ。せっかくだし、殺して村に手土産として持っていこうか。
水魔術で作った水球で頭蓋を貫通させて、風魔術で手元まで運ぶ。村に着くまでに血抜きもしておこうか。
そうしてウサギ型の魔物の首のあたりを切って顔を前に向けると、小さく村が見えた。
小さな村ではあるが、畑が綺麗だ。
ある程度近くまで飛んでから、茂みの中に降りる。魔術を使っているのを見られるのが面倒そうというのが理由だ。
降りたら手土産を確認して、道に出る。とりあえず会話を頑張ろう。
「ん? 見ない顔だな」
村の方を見ていると、横から声をかけられた。中年のおっさんの声。いや、おっさんは失礼だ、俺の方が年上なのだろうし。
「大丈夫か? 服とか諸々含めて」
声の主は、肩に弓をかけた30代後半くらいの男だった。しばらくちゃんと人の顔を見ていないから、あっているかはわからない。
「こんにちは。実は迷子で」
とりあえず挨拶。挨拶は人の基本だと前に盗賊の誰かに言った気がするから、それを当然言った本人は守らないとな。
それと、迷子というのもあながち間違いではないか。実質今どこにどんな村があるかなんて知りもしない。
このおっさんに聞けることは聞けるだけ聞いておこう。
「迷子か。まぁなんだ、俺の家に来いよ。飯でもなんでも出してやる」
「本当ですか! いやなに、旅をしていたんですが……」
「服とか荷物も全部盗賊にひん剥かれたんだろ。そのナリを見れば誰だってそんくらいわかる」
盗賊に襲われたなどとは言おうと思っていないが、そう見えるのか。今度服をしっかり調達しよう。
「生きてるだけ儲けもんだからな。ついてるな兄ちゃん」
とりあえず、このおっさんに合わせていけばなんとかなりそうだ。
そのまま後ろをついていき、村の中に入る。
見たところ、簡素な住宅しかない。土壁に、茅葺き屋根という、1000年前に俺が住んでいた田舎の村と全く同じだ。
道も都市のような舗装はされず、子供の遊び場のような状態だ。
そして違和感というか、村の中にあるには異質な旗が奥に見える。どこかの国の紋章が描かれている。見たことがある気がするが、思い出せないな。
そんなことを考えていると、おっさんが右にある家の中に入っていった。
俺も一緒に入ると、中には今まで狩ったんであろう動物の骨が飾られてあった。中にはかなり強いはずの魔物のものもある。
雰囲気からして、弓の扱いがだいぶ巧いんだろうな。
「そういえば、どうぞ。道中で食べようと思って獲ったものですが」
そう言ってウサギ型の魔物を差し出す。
「それは……俺にか?」
「ええ、もちろん」
「それならそうだな……ちょっと待ってろ、仕込みだけしておく。街を少し案内してやるから、それから戻ったら食わしてやる」
それは、ありがたいな。あれの調理方法を知らないのもあって、どんな料理を作るのかは気になる。
まずおっさんが取り出したのは、デカい鍋だった。そこに水を張って、酒と酢にハーブと一緒に煮込み始めた。
煮込み料理か。まぁそこら辺を気にするのは後でいい。
「それじゃあさっさと回ってしまおう」
おっさんがそう一言言って家を出る。そのまま、俺は村の中を簡単に案内された。案内とはいえ、大きな街でもないのだから、畑と村長の家と、あと大広間だけだが。
そして今、大広間にいるのだが、大きな疑問が湧いている。
大広間というだけあって、村にあった牧場と同じか、それ以上の広さはあるように思える。
その中央は、本来祭りなどで使うらしいが、今そこにいるのは、数にしてざっと5000近くの兵士だ。
胸のプレートには、村に入ったときに見えた旗と同じ紋章が刻まれている。
どこかの国の兵士がこんな田舎であろう村に、これほどの数を置くというのは、明らかに以上だ。
どこかに移動する途中か、もしくは何かを討伐するための拠点として使っているというふうに思える。
どちらにせよ、関わりたくはない。もし仮に俺の住んでいる山にその討伐対象がいるのなら、俺の家の近くには来ないでほしい。はっきり言って迷惑だ。
「ったく、あいつらもいつまで居座るんだか」
おっさんのその言葉は、怒りと失望が混じったような声だった。
この村の人口はおそらく500もないはずだ。そんな村にこれだけ大勢の兵士が押し掛ければ、迷惑極まりない。
「なんでこんなところにここまでの兵士が?」
「ん、あぁ。勇者様を惨殺した悪魔を討つらしい。悪魔を討つのはいいが、いくならさっさと向かってほしいね」
悪魔の討伐か。勇者というのがなんなのかはわからないが、これだけの兵士を動員するなら、その勇者というのは強かったんだろうな。
それに、様子だけで判断すると、食糧も村に負担してもらっているんだろう。
なるほど、村にとっては害悪だな。それでも追い出そうとしないのは、この兵士たちがそれだけの地位の兵士か、その悪魔というのにムラも苦労しているからか。
それなら最悪俺がその悪魔を討伐してもいいが、俺の知る限り近くの山には悪魔はいない。なんなら、魔族ですら見たことがない。
「村長が金を多少貰ったとは言っているが、流石にこれはな。本当、帰ってほしいもんだ」
ずっと文句を垂れている。
ここにいる兵士も、強そうなのから弱そうなのまでいる。弱そうなのでも山賊になら勝てるはずだ。一番強そうなのは、一人壇上にいるあの兵士か。顔まで隠しているせいで、顔ははっきりとはわからない。
魔族や悪魔一人に対しては過剰戦力だとは思うが、それだけ強いのか。
「さっさと戻って飯を食おう。こんなとこに長居すりゃ、美味いもんも不味くなる」
「そうですね」
おっさんが唾を吐き捨ててから、この場を去る。もう少し気になるが、今度にしよう。
その場を去る前にもう一度一番強そうなのを見ておくか。
伝わってくる感覚からして、あれ一人でも普通の魔族は簡単に殺せそうだ。それだけ確認して視線を外そうとした瞬間、その兵士と目が合った。
頭に兜を被っているから気のせいかもしれないが、なんとなくそう感じた。
まぁ先に飯を食べよう。
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