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マッサージ機
だれがぬがせた
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~水川視点~
温泉旅行2日目。
朝食を済ませて昼に差し掛かる頃。僕は温子さんとは別行動で男湯に来ていた。
できれば混浴温泉の方に一緒に行きたかったが、今朝……
窓から聞こえる小鳥の鳴き声に目を覚ます。見慣れない部屋に温子さんとの旅行中だと思い出す。そして昨夜のことも思い出しニヤニヤが止まらない。昨日の温子さんもすごかった。すごくエロかった。もう堪らない。そしてその愛しの彼女は、同じ布団にいる。
昨夜、本当は風呂から出て布団でもう一回シたかった。
けれど上がったときには温子さんは眠っていた。起こすのは可哀想で、でも先に寝てしまうなんて寂しいなぁと同じ布団に潜り込んだ。
温子さんは一緒の布団に入るなんてと怒るだろうか。でも放っておく方も悪いだろう。そんな自分勝手な理論を持ってきて、いいよなと同じ布団で眠った。
そして今、まだ眠る温子さんを抱きしめようと体を寄せ手を回すと…
なんだ?やけに、柔らかい…浴衣を着ているはず、少なくとも昨夜は着ていた浴衣の感触はなく、まるで素肌のような。
布団をめくると、浴衣はぐしゃぐしゃと乱れ、腰に回している帯に絡まっている程度にしかなかった。
これは………朝から目に毒だ。
昨日はしっかりと帯を結ばずに適当にしか羽織っていなかったのだろう。あんなにぐったりとしていたのに自分で着るからそうなるのだ。起きていてくれたらちゃんと着せてあげたのに。まぁ、シてからだが。
風邪をひかせてはならないと、浴衣を布団の中で動かして戻そうとする。でも寝ている人の浴衣を戻すのは一苦労だ。うまくいかない。まして、柔らかい肌にどうしても触れることになり、色々思い出しては手が止まる。勘弁して欲しい。
「ん……ふあー」
「起きましたか。おはようございます」
温子さんはふにゃあとした顔でおはようと返してくれる。あぁ幸せだな、こんな時間。額にキスをしたいと、浴衣を戻してあげるために回していた腕を引き寄せる。
「……………えっ、なんで………私………裸!?」
温子さんが急に布団をめくって中を確かめると、浴衣はぐしゃぐしゃになり半裸、いやほぼ全裸状態、そして僕の腕が回っていて…
「朝から何考えてるのよ!!!」
先程の朝のまどろみを楽しむ空気から一転、温子さんは布団から出て浴衣を必死に戻して胸や色んなところを隠そうとする。
「いや、僕が脱がしたわけでは」
「水川くんじゃないなら誰が脱がすっていうのよ」
「自分ででしょう?」
温子さんの着方が緩くて、寝返りをするうちに脱げていったのだ。
「わ、私が脱ぐなんてっ、そんな訳ないでしょうっ!」
「本当です!」
「嘘言わないでよっ!~~っ、水川くんって涼しい顔してヤラシイことばっかり考えてさ!朝からしようとか思って脱がせたんでしょう?はっっ、もしかして昨日私が先に寝ちゃったから嫌がらせなの!?」
顔を真っ赤にしながら怒る温子さんは可愛いが、いまそんなことを言ってはいけないと本能がストップをかける。
その後のどんなフォローも聞く耳持たず。このままでは平行線だと、いったんは時間を空けてから話すことに。
昼飯は一緒に食べることにしたが、それまでの時間はお互い別行動にした。僕は朝風呂ということで露天風呂に。温子さんは朝食を食べたら朝風呂と、マッサージ機がたくさん置いてあるコーナーに行くと言っていた。
なんでも「エッチなことしないマッサージ機にマッサージしてもらう」と昨日のことを責めるようにつれないことを言う。温子さんだってノリノリだったじゃないか。
◆◆◆◆
男湯から上がり、体を拭きながら温子さんの誤解をどうやって解くかを考える。
脱がせていないから、そう説明するしかない。でも朝の調子だといくら説明しても納得してくれないだろう。
証拠になるようなものは無いか?無いな。
証拠が駄目なら動機の有無か。脱がす動機が無いと説明するか?いや、脱がす動機なら、まぁ、ある。この方向で説明するのはやめだ。墓穴を掘る。
考えても考えても有効な解決策は見出せないまま、浴衣に着替え終わる。さて、部屋に戻るか。
温泉旅行2日目。
朝食を済ませて昼に差し掛かる頃。僕は温子さんとは別行動で男湯に来ていた。
できれば混浴温泉の方に一緒に行きたかったが、今朝……
窓から聞こえる小鳥の鳴き声に目を覚ます。見慣れない部屋に温子さんとの旅行中だと思い出す。そして昨夜のことも思い出しニヤニヤが止まらない。昨日の温子さんもすごかった。すごくエロかった。もう堪らない。そしてその愛しの彼女は、同じ布団にいる。
昨夜、本当は風呂から出て布団でもう一回シたかった。
けれど上がったときには温子さんは眠っていた。起こすのは可哀想で、でも先に寝てしまうなんて寂しいなぁと同じ布団に潜り込んだ。
温子さんは一緒の布団に入るなんてと怒るだろうか。でも放っておく方も悪いだろう。そんな自分勝手な理論を持ってきて、いいよなと同じ布団で眠った。
そして今、まだ眠る温子さんを抱きしめようと体を寄せ手を回すと…
なんだ?やけに、柔らかい…浴衣を着ているはず、少なくとも昨夜は着ていた浴衣の感触はなく、まるで素肌のような。
布団をめくると、浴衣はぐしゃぐしゃと乱れ、腰に回している帯に絡まっている程度にしかなかった。
これは………朝から目に毒だ。
昨日はしっかりと帯を結ばずに適当にしか羽織っていなかったのだろう。あんなにぐったりとしていたのに自分で着るからそうなるのだ。起きていてくれたらちゃんと着せてあげたのに。まぁ、シてからだが。
風邪をひかせてはならないと、浴衣を布団の中で動かして戻そうとする。でも寝ている人の浴衣を戻すのは一苦労だ。うまくいかない。まして、柔らかい肌にどうしても触れることになり、色々思い出しては手が止まる。勘弁して欲しい。
「ん……ふあー」
「起きましたか。おはようございます」
温子さんはふにゃあとした顔でおはようと返してくれる。あぁ幸せだな、こんな時間。額にキスをしたいと、浴衣を戻してあげるために回していた腕を引き寄せる。
「……………えっ、なんで………私………裸!?」
温子さんが急に布団をめくって中を確かめると、浴衣はぐしゃぐしゃになり半裸、いやほぼ全裸状態、そして僕の腕が回っていて…
「朝から何考えてるのよ!!!」
先程の朝のまどろみを楽しむ空気から一転、温子さんは布団から出て浴衣を必死に戻して胸や色んなところを隠そうとする。
「いや、僕が脱がしたわけでは」
「水川くんじゃないなら誰が脱がすっていうのよ」
「自分ででしょう?」
温子さんの着方が緩くて、寝返りをするうちに脱げていったのだ。
「わ、私が脱ぐなんてっ、そんな訳ないでしょうっ!」
「本当です!」
「嘘言わないでよっ!~~っ、水川くんって涼しい顔してヤラシイことばっかり考えてさ!朝からしようとか思って脱がせたんでしょう?はっっ、もしかして昨日私が先に寝ちゃったから嫌がらせなの!?」
顔を真っ赤にしながら怒る温子さんは可愛いが、いまそんなことを言ってはいけないと本能がストップをかける。
その後のどんなフォローも聞く耳持たず。このままでは平行線だと、いったんは時間を空けてから話すことに。
昼飯は一緒に食べることにしたが、それまでの時間はお互い別行動にした。僕は朝風呂ということで露天風呂に。温子さんは朝食を食べたら朝風呂と、マッサージ機がたくさん置いてあるコーナーに行くと言っていた。
なんでも「エッチなことしないマッサージ機にマッサージしてもらう」と昨日のことを責めるようにつれないことを言う。温子さんだってノリノリだったじゃないか。
◆◆◆◆
男湯から上がり、体を拭きながら温子さんの誤解をどうやって解くかを考える。
脱がせていないから、そう説明するしかない。でも朝の調子だといくら説明しても納得してくれないだろう。
証拠になるようなものは無いか?無いな。
証拠が駄目なら動機の有無か。脱がす動機が無いと説明するか?いや、脱がす動機なら、まぁ、ある。この方向で説明するのはやめだ。墓穴を掘る。
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