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4.ほぼ全裸な二人
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「うう、はずかしいっ」
どうしようもない状況に諦めて、ワンピースをがばりと脱いだ。クリーンルームには麗奈以外誰もいないが、それでもブラとショーツ、そしてパンプスを履いている姿でいるのは居たたまれない。先ほどまで大宮と一緒にいた場所なのに。
しかもだ。
麗奈が延田に聞かされた作戦がとんでもなかった。
いまクリーンルームの前にはゾンビが集まっているから、麗奈一人だけで突破するのは危ない。なので3階にいる大宮がまずは1階に下りてきてクリーンルーム前のゾンビの気を引く。
その隙にクリーンルームから薬剤を持って逃げて、大宮と一緒に階段を上って逃げる……という作戦だ。
(それってつまり、この姿を大宮くんに見られちゃうってこと!?)
麗奈は大宮のことは好きだし、もっと仲良くなったら「ムフフ」なことだって良いなと思っている。だけどこんな状態で下着姿を見られることになるとは予想も何もしていない。
麗奈が延田に「この作戦はいやだ」と抗議しても聞き入れてもらえなかった。
大宮ではなく延田に一階に来て欲しいと言っても、「エレベーター止まってるのに、私が階段で五階から一階に行ってまた上れというのか」と断られた。
そして延田の「大宮だって似たような格好だ」という意味のよく分からない言葉と共に、麗奈は押し切られてしまった。
「あ、やばい、そろそろ時間だ」
作戦開始の時間まで、時計を見るとあともう少し。
麗奈はワンピースは脱いで口元に押さえる準備はできた。そして肝心な薬剤が入ったボトルも手に持つ。
あとは合図を待つだけ……。
心臓の音がうるさいのはゾンビへの恐怖だけではなかった。
◆◆◆◆
グオオオオ
グアアアア
麗奈はクリーンルームのドアのそばでいつでも出られるようスタンバイする。ドアのすぐ向こうからは、人間のものではない唸り声が聞こえる。
(ゾンビってどんななんだろう、怖い~!)
グァオオオオオッ!!!
グゥアアアアアッ!!!
すると急に唸り声が一段と大きくなった。そしてかすかな声ながら、麗奈にとって聞き覚えのある声が聞こえる。
「麗奈さーーーん!」
(大宮くんだ!)
大宮が1階に来たのだ。そして何やらガシャンガシャン!と耳障りな音がドア越しの麗奈の元にも聞こえる。大きな音を立てて、ゾンビを引き寄せているのだ。
ドアに耳をそばだてていた麗奈は、ゾンビの呻き声が小さくなったのを感じ、ゾンビがドアから離れたことが分かった。
「麗奈さん!!今です、出て!!!」
大宮の合図でクリーンルームから出ないといけないのは分かる。しかし麗奈は未知のゾンビへの恐怖、何より自分の姿を大宮に見られることが恥ずかしく、なかなかドアを開けることができない。
「早く!!!」
(ええい、恥ずかしいとか言ってる場合じゃない!)
麗奈は覚悟を決め、クリーンルームのドアを開ける。
薄い紫の煙がむあっとたちこめ、ワンピースを口元に押さえる力を強める。
そして薄い煙の向こうに見える、通路の奥の方に集まっている不気味な影。
「ひっ!」
(あれがゾンビ!?気持ちわるい!)
麗奈は足がすくんで動けない。しかし大宮の普段聞かないような力強い呼びかけに、何とか一歩が踏み出る。
「出たよ!」
麗奈は大宮にクリーンルームから出られたことを伝えた。
クリーンルームからは出ることができたから、次は通路の途中にある階段に行かなければならない。
大宮が通路の奥から何体かのゾンビをくぐり抜けて、こちらに向かってきている。
遠くにいるときは煙の影響でお互いの恰好はあまり分からなかったが、麗奈と大宮の距離が近くなるにつれて薄っすらと見えてきた。
麗奈の剥き出しの肌色が、大宮の目に捉えられる。
「っ!!!」
大宮は目をカっと開け凝視してしまう。大宮は麗奈の刺激的な姿に体が固まってしまう。
そして反対に、大宮の今の姿も麗奈からも見えた。
麗奈だけでなく大宮も下着姿だったのだ。ボクサーパンツのような下着一枚で、口元はシャツのような布で押さえている。
(大宮くんも脱いでるの!?)
麗奈はゾンビのことに気を取られて自分の姿のことを忘れかけていたが、大宮の姿を見て、改めて自分の姿のことを強く意識する。
(きゃぁっ、あぁ、恥ずかしいっ)
麗奈はできるだけ体を隠そうとモジモジとするが、大宮にはその動きがとても艶めかしく映る。
大宮は自分のシャツを脱いで口元に当てているが、ズボンを脱いできたのには訳がある。自分が麗奈に裸を見せつけるような変態じゃないと説明したいが、ゾンビの呻き声が近づいてくる。
「逃げましょう!」
「う、うん!」
口や鼻を強く服で押さえながら、二人は階段を駆け上がっていく。
どうしようもない状況に諦めて、ワンピースをがばりと脱いだ。クリーンルームには麗奈以外誰もいないが、それでもブラとショーツ、そしてパンプスを履いている姿でいるのは居たたまれない。先ほどまで大宮と一緒にいた場所なのに。
しかもだ。
麗奈が延田に聞かされた作戦がとんでもなかった。
いまクリーンルームの前にはゾンビが集まっているから、麗奈一人だけで突破するのは危ない。なので3階にいる大宮がまずは1階に下りてきてクリーンルーム前のゾンビの気を引く。
その隙にクリーンルームから薬剤を持って逃げて、大宮と一緒に階段を上って逃げる……という作戦だ。
(それってつまり、この姿を大宮くんに見られちゃうってこと!?)
麗奈は大宮のことは好きだし、もっと仲良くなったら「ムフフ」なことだって良いなと思っている。だけどこんな状態で下着姿を見られることになるとは予想も何もしていない。
麗奈が延田に「この作戦はいやだ」と抗議しても聞き入れてもらえなかった。
大宮ではなく延田に一階に来て欲しいと言っても、「エレベーター止まってるのに、私が階段で五階から一階に行ってまた上れというのか」と断られた。
そして延田の「大宮だって似たような格好だ」という意味のよく分からない言葉と共に、麗奈は押し切られてしまった。
「あ、やばい、そろそろ時間だ」
作戦開始の時間まで、時計を見るとあともう少し。
麗奈はワンピースは脱いで口元に押さえる準備はできた。そして肝心な薬剤が入ったボトルも手に持つ。
あとは合図を待つだけ……。
心臓の音がうるさいのはゾンビへの恐怖だけではなかった。
◆◆◆◆
グオオオオ
グアアアア
麗奈はクリーンルームのドアのそばでいつでも出られるようスタンバイする。ドアのすぐ向こうからは、人間のものではない唸り声が聞こえる。
(ゾンビってどんななんだろう、怖い~!)
グァオオオオオッ!!!
グゥアアアアアッ!!!
すると急に唸り声が一段と大きくなった。そしてかすかな声ながら、麗奈にとって聞き覚えのある声が聞こえる。
「麗奈さーーーん!」
(大宮くんだ!)
大宮が1階に来たのだ。そして何やらガシャンガシャン!と耳障りな音がドア越しの麗奈の元にも聞こえる。大きな音を立てて、ゾンビを引き寄せているのだ。
ドアに耳をそばだてていた麗奈は、ゾンビの呻き声が小さくなったのを感じ、ゾンビがドアから離れたことが分かった。
「麗奈さん!!今です、出て!!!」
大宮の合図でクリーンルームから出ないといけないのは分かる。しかし麗奈は未知のゾンビへの恐怖、何より自分の姿を大宮に見られることが恥ずかしく、なかなかドアを開けることができない。
「早く!!!」
(ええい、恥ずかしいとか言ってる場合じゃない!)
麗奈は覚悟を決め、クリーンルームのドアを開ける。
薄い紫の煙がむあっとたちこめ、ワンピースを口元に押さえる力を強める。
そして薄い煙の向こうに見える、通路の奥の方に集まっている不気味な影。
「ひっ!」
(あれがゾンビ!?気持ちわるい!)
麗奈は足がすくんで動けない。しかし大宮の普段聞かないような力強い呼びかけに、何とか一歩が踏み出る。
「出たよ!」
麗奈は大宮にクリーンルームから出られたことを伝えた。
クリーンルームからは出ることができたから、次は通路の途中にある階段に行かなければならない。
大宮が通路の奥から何体かのゾンビをくぐり抜けて、こちらに向かってきている。
遠くにいるときは煙の影響でお互いの恰好はあまり分からなかったが、麗奈と大宮の距離が近くなるにつれて薄っすらと見えてきた。
麗奈の剥き出しの肌色が、大宮の目に捉えられる。
「っ!!!」
大宮は目をカっと開け凝視してしまう。大宮は麗奈の刺激的な姿に体が固まってしまう。
そして反対に、大宮の今の姿も麗奈からも見えた。
麗奈だけでなく大宮も下着姿だったのだ。ボクサーパンツのような下着一枚で、口元はシャツのような布で押さえている。
(大宮くんも脱いでるの!?)
麗奈はゾンビのことに気を取られて自分の姿のことを忘れかけていたが、大宮の姿を見て、改めて自分の姿のことを強く意識する。
(きゃぁっ、あぁ、恥ずかしいっ)
麗奈はできるだけ体を隠そうとモジモジとするが、大宮にはその動きがとても艶めかしく映る。
大宮は自分のシャツを脱いで口元に当てているが、ズボンを脱いできたのには訳がある。自分が麗奈に裸を見せつけるような変態じゃないと説明したいが、ゾンビの呻き声が近づいてくる。
「逃げましょう!」
「う、うん!」
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