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シティホテル
18.羽根 ❤︎
しおりを挟むすぐに下着を取られるかと思っていたが、ブラもショーツも脱がされることはなく、お腹の横や下着の縁あたりを、触れるか触れないかの力で撫でられる。
最初はくすぐったいだけだったが、その僅かな刺激を最大限に拾いはじめ、体に熱がこもる。
ううう、じれったい……
「ちょっと、いつまでっ」
「いつまで?」
「じれったいってば」
「ゆっくりいきましょうよ、時間はたっぷりあるんだし」
じゃあ次は背中をと、くるんとひっくり返される。
ぴとり、と水川の手が肩甲骨の辺りに置かれ、体温を感じる。なんだか安心する…
背中と水川の手の体温の境界線が無くなると背中全体を上下左右に、まるで羽根を沿わせるように撫でていく。じれったい。
体のサイド、背中と横乳の間の部分を何回も撫でる手。
ぞくぞくするっ
「ふっあ……あぁあ」
ゆらゆら、ゆらゆら。腰が動いてしまう。
「温子さんの腰の揺れ方って、そそられます」
「何言って」
ブラは付けたままだったが、フックのあたりに指が滑り込んできた。
「外してもいいですか?」
「うんっ」
ぷつり、ぷつりと外され締め付け感がなくなる。
腕も抜き、「少し体浮かせて」と言われスルリとブラは抜き取られる。
まだ固さの無い胸の先端が、ベッドシーツに当たる。あぁ擦り付けたい。
そんな思いを知ってか知らずか、また水川は優しいだけの触れ方で背中を撫でる。
背中の次に腕、手の甲、手のひら。上半身が終われば足首からふくらはぎ、太ももと続く。
あぁ、焦れったい!
あまりの焦れったさに、上半身をわずかに上下させ、柔らかい胸の先端をシーツに擦り付ける。水川には悟られない程度の小さな動き。けれど全身が敏感になりつつある体はそれだけでも快感を拾う。
なんで私はこんな自慰のようなことをしてしまっているのか。水川には決してバレないように、我慢できない疼きを必死にやり過ごす。
水川がふくらはぎと太ももを撫でる中、私はベッドシーツで胸の先端へ刺激を自ら送る。
すり、すり、すり、すり。
むず痒い乳首にシーツとの摩擦が伝わり気持ちいい。もっと刺激がほしいっ。
すりすり、すりすり、すりすり
「んっ」
あ、声が出ちゃう。下唇を噛み堪える。
ふっと水川が笑うと
「下着、取ります。腰少しあげてくれますか」
「うんっ」
ショーツに手をかけられる。そして、ゆるり、ゆるりと下へと下がっていく。それだけのことなのに秘部がひくりと動く。
お尻からショーツが取られ、足からも抜かれ全裸となった。視線が刺さる。
「……もっと早く脱がせば良かったですね」
「え?」
「すごく濡れてる。下着にも付いちゃいました」
「うそっ」
だってこれといった性器への刺激や胸に愛撫を受けたわけでもないのに。
「本当ですよ」
ほら、という言葉と共に、秘部へと指が当てられ動かされる。
「っっああんんん」
「ぬるっぬる」
今までの焦らすだけの触り方から、急に核心的な動きをし始める指に堪らなく、腰が揺れ、浮かしてしまう。
「足を開いて」
「…うん」
ゆっくりと指示通りに足を開く。そしてお腹に手を入れられ、ぐっと持ち上げられる。
うつ伏せのまま上半身はベッドに預け、尻は膝を軽く立て浮かせる体勢に。余計に腰がうねる。そしてまだ水川に触ってもらっていない胸の先端への刺激も与えやすい体勢だ。シーツをぎゅっと握り、美しくベッドメイクされたシーツに大きく皺が寄る。
「っは、最高の眺めです」
軽く振り返ると、水川は自分のナイトウェアを脱ぎながらギラつく目をこちらに向ける。その目、少し怖い。けれどもっともっと見ていたい野性味のある目。
ほどなく水川のナイトウェアは放り投げられ、ボクサーパンツ一枚になった。
なんて色っぽい男なのか。
「っあん」
無意識に上半身を動かしてしまい、皺の寄ったシーツに胸の先端が引っかかる。
あぁ、恥ずかしいけれどもっと刺激がほしい。膝を立てて尻を突き出し、上半身を自分で動かして刺激を得ているなんて、なんて淫らなのか。けれども体は止まらない。
「ふふ、温子さん我慢がきかないですね。自分で乳首をベッドに当てて楽しんでるなんて」
「っあん、………ごめんっ」
バレていた!けれども止まらない動き。
「謝ることじゃないです。あんまり直接触っちゃうとまた気を飛ばされたりしそうだから、今夜はこんな感じで進めましょう」
こんな甘痒い感覚にまだ囚われなければならないのか。
水川の優しさが、体内のドロドロとした熱さの前にはただの意地悪にしか思えない。
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