ミックスド★バス~ホテルのお風呂は非日常で

taki

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ビジネスホテル

13.こんなはずでは続

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目が覚めると、見慣れない天井に驚くが、すぐに出張先のホテルだと気づいた。



起き上がろうとすると、力がうまく入らず、何かが体を押さえている。


なんだろう。
肩まで被っていたベッドカバーをめくると、男の腕が体をホールドしている。



「わっっ」

後ろを見るとドアップの水川の寝顔。まだぐっすりと眠っている。

見慣れない寝顔を眺めながら昨夜のことを思い出す。

シャワーを浴びて体を洗ってもらい、恥ずかしげもなく達してしまった。そしてベッドに移動して、めくるめく私たちにとっての初夜を…?


あれ、思い出せない?

頑張って記憶を辿っているうちに、時計が視界に入る。9時を少し過ぎたところ。チェックアウトは10時だったからそろそろ起きないと。



「水川くん、おはよう。起きて」

「ん、」

「そろそろ起きて」

「……すぅーー」

だめだ、まだ寝てる。体をホールドしている水川の腕を軽く叩きながらまた起こす。するとやっと目を開けた。



「あ、おはよう、ございます」

「おはよう」

「ねっむたい」

「そろそろ起きて準備しないと」

「まだ寝てたいです……」
こらこら、目をつむったら眠っちゃうでしょ。

「ダメだってば、ほら」


水川の腕を取り、ほーらと私の体から離すように動かしてみる。すると離れるどころか手はバスローブの中に入ってくる。そして胸を捉える。

「やわらかぁい」

むにゅん、むにゅ、むにゅん

「ちょ、どこ触ってっ」

「気持ちいいです」

夜の官能的な動きではなく、ビーズクッションの感触を遊んでいるような手つきで胸を揉んでくる。


むにゅ、むにゅ、むにゅん


しばらく抵抗していると、水川も目をはっきりと覚ましたようだ。

「あ、ごめんなさい、気持ちよくてついつい」

「ついついじゃないでしょ。時間あんまりないから、早く出る準備しよう」
名残惜しいが心地良いベッドから抜け出す。



「……見えてます」

え?ふと体を見ると、バスローブは前で結ばれておらずブラも下着もつけていない体が晒されていた。


「わ、わ、ごめんっ」

「温子さん……なんだかデジャヴなんですが、昨日のこと覚えていますか?」

「昨日のこと?えっと、その、し、したんだよね私たち」


きゃぁーーー、恥ずかしがる方が恥ずかしいが、恥ずかしい。

正直なところベッドに移ってからのことは覚えていないが、あの流れならしていて当然だ。覚えてないなんてちょっと勿体ない。

すると意外な答えが返ってきた。


「してませんよ。はぁぁ…」


水川が深い深い溜め息をつく。
し、してない!?

「え、うそ。だってシャワー浴びてからこっちの部屋にきて、そして…」

「そして僕もベッドに来たら温子さんがぐっすりと寝てたんですよ?」

「ええーーー!」



水川は、ええーなんてこっちのセリフだと不機嫌そうに言う。私はなんてことを。それも2度も似たようなことをして。


「ごめん……」

「……まぁ疲れてたのもあると思いますし、良いんですけど」

なんで私は寝てしまったのか。本当に水川に申し訳ない。あんなに優しく体を触ってくれて気持ちよくてしてもらったのに、水川は何にも気持ちいい思いをしていないじゃないか。シャワーの時に当たっていた水川のものは固くしてくれていたのに。


「……昨日私が寝ちゃってから、その、水川くんはどうしたの?」

言外に、水川自身の処理をどうしたのかを伺う。


「っ、温子さんが気にすることじゃありませんよっ!普通に寝ましたから!」

強めの口調で言われてしまい、ごめんとしか言えなくなる。



「本当にごめんね」

「まぁとにかく、着替えましょう」

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