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リゾートホテル

5.リターンズ ❤︎

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ちゃぽん…

ちゃぽん


大人2人が入れる広さのバスタブに、水川に後ろから抱きしめられる形でつかった。

「入浴剤、2つ入れると贅沢ですね」

「…うん」

桃色夢見を2つ使い、バスルームは桃の香りに包まれた。お湯の色も優しい乳白色だ。いつかの混浴温泉の濃い白さではないが、体が露わにならない程度の濃さがある。





まずは私が先に浴室に入り体を洗い、準備ができたところで水川も入ってきた。腰にタオルを軽く巻いた姿を見つめてしまい、そしてすぐに目を背けた。

水川が体を洗い始め、バスタブで小さくなっている私を笑いながら「僕の体、もっと見ても良いんですよ」と揶揄ってきた。以前、水川の筋肉が好きと言ってから、こういう風に揶揄われる。けれど本人に見ても良いと言われて、はい見ますと言えるだけの図々しさは私にまだ無い。
まぁ本人が気づかないときに盗み見てることもどうかと思うが…




そして今はその引き締まった体に背中を持たれかけさせて、恋人同士の甘く、そして桃の香りの空気を吸う。
お腹に回されている水川の腕、背中で感じる筋肉質な固い胸板、左耳の近くから発せられる声に、私は自分が自分でないようなフワフワとした感覚だ。

今までも混浴温泉に一緒に入り、肌が触れ合うこともあったが、今日はホテルのお風呂。密着度や緊張感が違う。


「あぁぁ最高に気持ちいいです」

「……」
水川が息を大きく吐きながら言う。
私もお風呂で体が温まってきているが、緊張感からリラックスはできない。

「あれ?気持ちよくないですか?」

「ううん、そんなことない……けど……」

「けど?……僕がさっき、お風呂で色々しちゃうって言ったから、気にしてますか?」

「……ちょっとだけ…ね」

「一応、その聞いておきたいんですが、これまでそういう経験はあるんです…か?」

そういう経験、セックスのことだよね。
「うんまぁ、だいぶご無沙汰なんだけど」
ご無沙汰なんて、ちょっと言い方がアレだが。

「……いつ頃ですか?」

「大学生のときに」

「そうなんですね。あんまり元カレのこととかは聞きたくないですけど、一応知っておきたくて。すみません」

「ううん。……水川くんは、モテそうだから聞かなくても分かるよ」

「そんなモテませんよ」

余裕のある声で否定されてもちっとも信憑性がない。私も前に水川が付き合っていた人の話は聞きたくなくて、違う話に変えた。



◆◆◆◆



楽しい雑談から一転したのは、水川が頬に軽いキスをし始めたときからだ。

「くすぐたいってば」

ちゅっ、ちゅっ、、ちゅっ

「やだってば、ふふ、もうっ」

くすぐったさに身をよじる。

するとお腹に添えられていた水川の腕にぐっと力が入り、引き寄せられる。

「逃げないで」
耳元で囁かれたいつもより低めの声。

そしてまた頬や肩に降り注ぐキス。
首をすくめ、思わず右手で水川のキスの嵐を防ごうとする。

「捕まえた」
キスを止めさせようとした右手は捕まり、はむっと人差し指を咥えられる。そして中指と順番に舐められ弄ばれる。

ぞくぞくっっ
指先から感じる水川の唇や舌の熱さに、背中に何かが走る。

「なにやってっ」

ちゅぷ、れろ、ちゅぷちゅ

自分の指が水川の口の中に入ってくる様子を見て、腰が動き、膝を擦り合わせる。

「感じちゃいますか」
口に含みながらも器用に声を発する水川。


ちゅぱっっ


指がやっと解放された。たったこれだけのことなのに、息が上がってしまう。
息を整えていると今度は肩に両手を置かれ、軽く揉まれる。

「そういえば前に、温泉で肩を揉んだときありましたね」

「あったね」
そう、濃い乳白色の混浴温泉で、タオルなど身に付けるものは無くお互い裸で入ったときだ。

「あのとき、肩を揉むって言いながら、本当は僕の指の動きに合わせて温子さんの胸が動くの見るのが楽しくて、どんどん手が前に滑り込んでいっちゃったんですよね」

「気づいてたっ」
そう、どんどん前に来た指が胸の上まで来ていた。

「え、気づいてたんですか。恥ずかしいなぁ」

「私の方が恥ずかしかったわよ!」
そして何気に今も肩に置いている手が、怪しげに動き出す。

「気持ちいいですか?」

肩を揉む手はいつぞやのようにまた前へ前へとやってくる。

「手がやらしいっ……んっ」

「やらしいなんて、ちゃんとあの時も我慢したんです。さすがに胸を触ったら駄目だと思ったから、二の腕に退避したんじゃないですか」

私も覚えている。肩の次は腕を揉みますと言って、二の腕を揉んだり、最後はお湯の中で手を繋いで……その繋がれた指の感触がエロティックだったことも覚えている。

「そうだな、今日はここを触ってもいいですか?」

肩というかデコルテの際どい部分を揉んでいた手が、ちゃぷんという湯の音と共に肌の上を這う。

「え?…ひやん…っだめ!」

触ってきたのはあろうことか、脇。
ちゃんとムダ毛は処理してるから良いんだけど、くすぐったい!

指でなぞったり、摘まれたりと弄ばれる度に声が出てしまう。



 「あんっ…あんん…ひやっっ」
バスルームに声が響く

「気持ちいいですか?」 

「やっだ、ん、くすぐったい…」

「くすぐったいと腰をそんな風に動かすんですか。嘘は駄目ですよ、先輩」


脇を手の平全体でさすられる。
そして胸も手の平の動きに合わせて、たぽんたぽんと動く。なんだか胸を揉まれてるみたい。

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