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リゾートホテル

4.入浴材は我が社の

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優待券を貰ったリゾートホテルは、お隣の県の有名観光地にそびえ立つ高級で有名なホテル。

景色が良く、ホテル内の敷地も広い。建物全体に高級感がある。
一番安い部屋でも一泊◯万円と、普段の私なら絶対に泊まらないホテルだが、今回は優待券様が我らに付いている。
タダで良い部屋に泊まれるなんて、あぁ、うちの会社に勤めていて良かった。



「部屋、広いね」

「とても良い部屋に通してくれましたね」

チェックインを済ませて通された部屋は、2人で泊まるにも広く、調度品のセンスの良さにおおっと声が出た。

「さて、私たちの入浴材は……あったあった」

バスルームを開けると、アメニティグッズが並び、うちの会社の出している入浴材が並んでいる。どれも高級ラインの商品。

「ホテルのアンケートでも、入浴材のこと褒めてくれる宿泊客が多いって聞きました」


このラインナップの1つ、桃の香りのする入浴材、桃色夢見という入浴材は私も開発に携わった。喜んでくれるお客さんがいて嬉しい。

「そうなんだね!嬉しい。そうだ、今日はこのおっきいお風呂にたっぷり入浴材入れようよ」


「……」


あれ?水川が黙ってしまった。


「温子さん、今夜、一緒にお風呂入ります?」

「へ?」


え!?いや私そんなつもりで言ったんじゃなかってんだけど、聞きようによったら、一緒にお風呂に入るのを誘ったことになる!?いやいや!!


「いや、そういう意味じゃなくて!」
やだ、急に意識し始めてしまって、まともに水川の顔が見れない。今夜、私たちは、すぐそばにあるベッドで………ひやーーーー!

「そうなんですか?僕は一緒に入りたいです。いいじゃないですか、これまでも温泉に一緒に入ってるし」

「温泉とホテルのお風呂はまた違うって」

「似たようなものですよ。あぁ、気になるなら入浴材はそうだな、桃色夢見にしましょう。乳白色だから、体は見えませんよ」

よりにもよって、開発した桃色夢見!





「はい、決まりです。じゃあ荷物置いたら観光しに行きましょう。それとも今すぐお風呂一緒に入ります?」

「っ!!今すぐは嫌!」

「じゃあ夜なら良いですね。ほら早く外に出る準備してください」

「~~~~っ!」



あぁぁ、心拍数がこんなにも上がって私は倒れてしまうのではないだろうか。



◆◆◆◆



休日の観光地とあって人が多い。だけど活気のある見世物通りを水川と歩きながら名物を食べ歩いたり、有名なモニュメントの前でほかの観光客に写真を撮ってもらったり満喫する。


そして夜はホテルからほど近いレストランに。地ビールがあり、あまり酔いすぎない程度に2人で楽しんだ。


レストランからホテルへ帰る。足はへとへとだ。

「美味しかったですね」 

「うん、地ビールが特に美味しかった。貴音も好きだからお土産に買ってあげよう」

「いいですね、僕も一緒に買わせて下さい。佳津さんにはお世話になってるし」

「そうだね」



エレベーターで部屋のある階へ上る。


ピー、ガチャ

カードキーを入れ、部屋へ。真っ暗だった部屋に間接照明の淡い光が広がる。その光に灯されたベッドに目が向いてしまう。今夜はここで…。


荷物を置き手持ち無沙汰になると、意味もなく部屋をうろうろする。

「さて…と、温子さんが先にお風呂入りますか?」

「別々で入る?」
多分ダメだろうが聞くだけ聞いてみる。

「そういう意味じゃありませんよ。温子さんが先に入って後からご一緒させて下さい。一応言っときますけど、僕、色々しちゃうと思いますけど良いですか?」

「い、い、色々ってなに」

「温泉だと人の目もあったからある程度我慢も効きましたけど、今日は全く自信無いです。もちろん最後はベッドまで取っておきますが。そういう色々です」

それってそれって、お風呂でその色んなところを触られたり触ったりってこと!?
最後はベッドまで取っとくって…なんだか生々しいっ

「まぁできるだけ頑張りますけど……駄目ですか?一緒にお風呂入ったら絶対気持ち良いですよ。想像して下さいよ、桃の香りに包まれて一緒にお風呂につかるなんて」

確かにそれは魅力的。

「………変なことしないでね?」

「温子さんが気持ちいいことしか僕はしませんよ。じゃあお湯溜めてきます」




鼻歌を歌う水川が、お湯の準備にバスルームへと消える。
お風呂に一緒に入ること自体は、そりゃあ恥ずかしいが嫌ではない。むしろ水川とのスキンシップは好きだ。

問題はその後だ。水川は、私が気持ちいいことしかしないと言うが、こればっかりは嘘だなと思った。セックスなんて痛いだけ。水川となら良いと思っているし、水川の色んな姿を見たいのは本心。ただ、できるだけ痛くないと良いなとは思いながら、まずはお風呂にと私も準備をする。

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