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彼のお風呂

バスタオル巻いて ❤︎

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泡を流し終わりバスルームを出る。


体はほかほかと温まっているが、体を冷やさないよう手早く水分を拭き取る。
水川の方が先に拭き終わり、ナイトウェアに着替える。グレーのパーカーとスウェットズボンというカジュアルな感じが新鮮だ。

体にバスタオルを巻き付けて、髪のタオルドライが済んだところで、私も早く着ようと替えの下着や服に手を伸ばす。


「下着の替えって、他にもあるんですか?」

「ううん、一泊だけだしこれだけだよ」

「じゃあ今は着けない方が良いんじゃないですか?」

「え?なんで?」
今日の昼間に着けていたものをまた着けるのもイヤなのに、なんでだろう。

水川はふぅと息を吐き耳元に口を寄せる。
「……これから汚しちゃいますよ」

「…………っ、何言ってんのよ!」
やっと意味が分かり、肩をパンと叩く。痛いなぁと笑いながらいう水川は事もなげに「だって本当のことでしょう」と言ってくる。

恥ずかしい奴めと睨むが、本当に恥ずかしいのはそれを否定できない私だ。

「そのままでベッド来て下さいよ」

「バスタオルのまま?でも濡れちゃってるから」

「じゃあ新しいバスタオル出しますから、それ巻いて下さい。下着は上も下も着けたらだめですよ」

水川はそそくさと新しいバスタオルを出して手渡される。「待ってます」という艶のある低い声に黙って頷いた。



◆◆◆◆



ブオーーーーー

ドライヤーと大きな音が寝室に響く。バスタオル1枚という無防備な姿で寝室のドアを開くと、髪を乾かしてあげますとドライヤーを手に持ってニコニコ笑う水川がいたので、任せることにした。

バスタオルが取れないようにキツく巻いたが、そのせいで胸はこんもりと盛り上がり谷間が丸見えだ。胸の先端はタオル越しに位置が分かる。下だって、ミニスカどころの話ではなく脚の付け根ギリギリしか隠していない。どうにかはだけないようにベッドの端に腰掛け、後ろからドライヤーの温かい風を受ける。



ブオーーー


温風が心地良い。
あぁ幸せ~~

なんか愛されてるーって感じだ。泡風呂で体を温めて、濡れた髪を彼氏に乾かしてもらう。なんて幸せなんだ。

カチッという音と共にドライヤーが止まったのが分かった。
「あらかた、乾きましたよ」

水川は手櫛で髪の毛を整えてくれる。
「ありがとう~」

「こちらこそですよ」

「ん?こちらこそって何が?」

「髪を乾かすのって恋人の特権でしょう。それに……良い眺めでしたから」

水川の視線の先には胸の谷間。とっさに腕で隠す。
「もうっ、エッチ」

「すみません、浮かれちゃってますね。……なんか良いですね。泡風呂に恋人と入って髪を乾かしてって幸せなひと時って感じです」

乾かしたばかりの髪を撫でられながら、穏やかな表情を向けられる。

「泡風呂もですけど、うちの入浴剤でこんな風にユーザーに幸せなひと時を感じてもらってたら、やりがいありますね」

「ふふ、そうだね。もっと良い入浴剤どんどん作らなきゃだね」

髪を撫でていた手が頬を辿り、くいっと顔を変えられる。

ちゅっ、ちゅっ、ちゅぷ。





穏やかな空気が次第に甘い夜の空気に変わっていく。


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