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第七章 幼馴染
第205話 意志を継ぐ者
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「「ユーリ、エレミヤ!!」」
テスタロッサの分身体が一斉に解き放った緋紅剣・火天墜衝から、かろうじて逃れることができたアリカ・リーズシュタットとナギは、極大規模の爆炎に呑み込まれたユーリとエレミヤを案じ、思わず二人の名を叫んだ。が、その声は届かず渦中に消えていった。
ユーリたちがこの程度で命を落とす筈がないと理性で理解はしていても、心配の念は容易に払拭できない。駆け出したい衝動を必死に抑え、アリカとナギは足手纏いになるのを避けるために、心の中で自らに言い聞かせる。
特にナギは、恋敵のエレミヤが融奏重想を成功させた事実に衝撃を受け、別の意味で動揺していた。エレミヤはユーリに全部知られるのが怖くないのだろうか? 彼の中にいる想い人は自分じゃないと、思い知らされて傷付くのが嫌で、そんなくだらない理由でユーリを拒んだナギは、チラリと制空権を支配するアルカナディアへ目を向ける。
どういうわけかミアリーゼ・レーベンフォルンは、ユーリの言葉に従い、攻撃の手を止めてくれている。彼女もまた、ユーリに対して未練があるのか、交流のないナギには姫の胸中を計ることができない。
ただ思うのは、どうして? という疑問だけ。第三者の目線から見れば、お互いに想っている事は丸分かりなのに。彼女の中では、ユーリよりも異種族に対する憎しみと正義の道を切り開くという想いが強いのか。サラがそうだが、恋する乙女は理屈や理性で感情を制御しようとすると暴走してしまう傾向にある。ナギもまた、こんな時だというのに複雑な想いが巡り、自己嫌悪に浸る。
そんなナギの心境を一番に理解しているアリカは、そっと彼女の肩に手を置いた。その仕草には、様々な想いが込められており、ナギは頭を振って雑念を取り払い、ユーリとエレミヤの勝利を願った。
◇
「『ぐっ』」
テスタロッサの分身体が放った、リーズシュタット流剣術――緋紅剣・火天墜衝の影響により超極大規模の爆風が吹き荒れる中、ユーリ・クロイスは何とか致命傷を免れ、軽傷で済んだ。魔造神千里妖精装の加護がなければ、今頃は地に伏していただろう。
『まさかアレを受けてその程度の傷とはな。だが、視界は潰した。これで千里眼は使えまい』
未だ爆煙が濃厚に視界を覆う中、声だけを残して、朧のようにテスタロッサの気配が消え去った。恐らくこれは、緋紅剣・揺蕩渡によるもので、あの千里眼ですら捉えられない。
「『厄介すぎる、これじゃあ視界が……』」
ユーリは魔力消費を抑えるために、千里眼を解除し、通常の瞳に戻していく。瞳を閉じずとも、オンオフが可能となったユーリは、余剰分の魔力を右腕に収束させる。そこから生み出されるは、轟々と唸る膨大な質量の風魔法。その風魔法を周囲一帯へ向けて、力の限り振り抜いた。
「『嵐法・乱気魔流』」
乱気魔流によって、周囲に充満する爆煙を一瞬にして吹き飛ばした。灰塵が晴れ、視界が開けるも、風魔法の影響範囲にテスタロッサはおらず。
「『どこに消えた!?』」
エルフが保有する索敵スキルで魔力のソナーを飛ばすも、テスタロッサらしき反応は見受けられない。完全に姿を眩ました緋色の亡霊は、ユーリの感知範囲から逃れ、野生動物を狩猟するように的確に遠距離剣術で仕留めるつもりなのだろう。念の為、掌に全属性の魔法を収束させ、再び黎の魔法を発動しておく。
『リーズシュタット流剣術――緋紅剣・荒薙』
案の定、彼方より緋炎の閃光が疾駆する。テスタロッサが緋々色金国光を投擲したことにより発生した亜音速で迫り来る刃は、飛び退って躱そうとしたユーリの大腿部を深く抉っていく。
「『くそ、反応が遅れた!』」
ドォンッ! と大気が爆発したような衝撃音が轟き、緋々色金国光が大地に深く突き刺さる。大腿部から激しく鮮血が飛び散る中で、痛みを無視して追撃に備えるユーリだが。
『緋紅剣・瞬影置換』
音もなく、気配すら感じさせず、先程まで大地に突き刺さっていた緋々色金国光が消え、その場所にテスタロッサが出現する。
「『しまっ!?』」
緋紅剣・瞬影置換。自身と保有する魔術武装の位置を入れ替える無法の剣技。アリカは習得することが叶わなず、話に聞いていただけだが、実際にやられると対処が遅れる。
今、テスタロッサの手に刀はない。彼は入れ替わった緋々色金国光を再び手元に顕現することができるが、その場合ユーリに反撃の隙を与えてしまう。
そんな愚行を緋色の亡霊が犯す筈もなく、動揺するユーリの隙を突いて、無手の状態から居合いの構えを取り、抜き放った。
『流転動次――緋紅剣・無斬』
テスタロッサが放った緋紅剣・無斬の一撃は、目にも止まらぬ速さでユーリに迫る。自前の魔力のみで構成された無刀は視界には映らず、ただ空気を切り裂く音だけが響き渡った。
「『こんなものでぇッ!!』」
体勢を崩したまま振り返ったユーリは両手を突き出し、掌に収束させていた高密度の黎の魔法によって、緋紅剣・無斬を受け止めた。緋々色金国光ならいざ知れず、魔力だけで編まれた斬撃を防ぐなど造作もない。ただし衝撃までは防げず、後方に大きく仰け反った。
『還り来たれ、緋々色金国光』
真紅に輝く刀身が再び主人の手に舞い戻る。テスタロッサも今の一撃でユーリを斃せるとは思っていない。今しがた放った緋紅剣・無斬は、あくまで隙を作るのが目的。手傷は負わせられずとも、ユーリを大きく仰け反らせた事で、テスタロッサは大技を放つのに充分な時間を確保できた。
ユーリへ渾身の一刀を叩き込むべく、テスタロッサは緋々色金国光を大上段に構え、魔力を練り上げる。
『この数百年、我がここまで苦戦を強いられたのは貴様らが初めてだ。その実力に敬意を表して、我が奥義を披露してやろう』
これより放たれる剣術は、テスタロッサが有する手札の中でも最高火力を誇る。収束される莫大な量の魔力もさることながら、刀身に宿っていく高密度の緋炎は、炎というよりは最早旭光に近い。ユーリが全属性を凝縮させた黎の魔法に対して、テスタロッサは炎一色で撃ち出すつもりだ。
「『こうなったら、一か八かッ』」
緋紅剣・無斬によって尻餅を付いたユーリだが、その体勢のまま、左手で右腕を抑えながら手を真っ直ぐ突き出した。最早立ち上がる時間すら惜しい。変幻機装で全属性を出力しなければならない都合上、黎の魔法発動中は魔術武装を再現できない。加えて身体全身に覆うこともできず、手と足先に集めるので精一杯なのだ。
「『この一撃で決着をつけてやるッ』」
彼は未だ扱い慣れぬ黎の魔法を指向性を持たせて、不恰好な体勢で撃ち放とうとしている。右手の指先から高密度の小さな黎の球体が形成されていき、不規則に脈動を繰り返す。大気の塵が、黎の引力によって吸い込まれ消滅していく。球体の周囲の空間が歪み、光すらも逃れることが叶わない凝縮された魔法の結晶が生み出された。
『これは……』
天下無双の理を敷くテスタロッサにとって、あの魔法は頂点に立ち塞がる大いなる壁のように映った。これを超えねば最強を名乗る資格はないと、夢見た最果ての理想が手の届く場所まで来ているのだと。
『そうか、貴様が我の目指す至高の領域に立つ存在だったか! 何という魔力の密度か、我は今日この日この時この瞬間を迎えるために、生き恥を晒し続けてきたのだ!!』
「『テスタロッサ、あんたの理想はアリカのような優しさがない! だから皆に受け入れてもらえない……誰も信じず、一人で全部完結しようとするあんたなんかに、負けてなんてやるもんか!!』」
この戦いを見ているミアリーゼに届けたい想いがある。だから絶対に負けるわけにはいかない。テスタロッサにとって、これは終着点に等しいのだろうが、ユーリにとってはそうじゃない。だってまだ、スタート地点にすら立っていないのだから。
『リーズシュタット流剣術――緋紅剣・緋紅天閃!』
緋々色金国光の刀身に圧縮された高密度の魔力が、ユーリ目掛けて解き放たれる。天すらも割るような緋紅の閃光は、緋紅剣・一閃から派生したリーズシュタット流剣術の真髄ともいえる一撃。テスタロッサが培ってきた数百年分の経験を乗せた渾身の一刀に対し、ユーリは臆することなく真っ向から黎の魔法を解き放った。
「『全属性複合・黎』」
全属性を複合させ、高密度に圧縮したユーリの切り札は、漆黒の恒星を思わせる。光すらも呑み込まんとする勢いでユーリの黎とテスタロッサの緋紅天閃が至近距離で激突する。
相剋しぶつかり合う黎と緋紅の魔力は、言語に尽くせぬ衝撃や歪みによって、周囲の空間を侵食していった。
「『うぉおおおおおおッーーー!!!』」
『ぬぅうううぁぁあああッーー!!』
衝撃の余波をまともに浴び、身体中から鮮血を迸らせながらも、両者は何とか耐え忍びながら叫んでいる。互いに譲れない意地がある。この戦いに負けるということは、積み上げてきた過去が全て無為に帰すも同然。
テスタロッサの積み上げてきた経験よりも、ユーリとエレミヤの想いの方が強いってことを分からせてやる。
「『いけぇええええええッーーー!!!』」
『!?』
人為的に造られた神とエルフの姫巫女が織りなす融奏重想――魔造神千里妖精装の力は紛い物の融合型魔術武装なんかに決して劣らない。
緋色の閃光が見る見る内に黎に呑み込まれていくのを見たテスタロッサは一言。
『そうか、初めから……我は間違えていたのか』
テスタロッサは、分かっていたのかもしれない。人の身を棄ててしまったがために、心に在ると思っていた想いが虚構のものとなってしまったことを。身体は機械でも心は人間。アマツ・クニミツと誓い合った天下無双の理は、ヤマト・リーズシュタット・アマツの悲願――テスタロッサはただそれを再現していたに過ぎない。
加えてヤマト・リーズシュタット・アマツの独善的な考えは孤独を生み出すだけだと気付いた。彼がしなければならなかったことは、天下無双の座を掴む為にリーズシュタット流剣術の真髄を後世に託すこと。アマツ・クニミツが現代においても輝きを放つ最強の剣を造ったように、ヤマトも大切な何かを遺さなければならなかったのだ。
テスタロッサはようやく己の間違いに気付いた。ユーリ・クロイスとエレミヤ、そしてアリカ・リーズシュタット。現代を生きる若者たちの想いが、過去の亡霊の心に届いたのだ。
『………………』
気が付けば、相剋し合っていた黎と緋紅天閃が消滅していた。隕石の落下跡さながらの巨大なクーレターの中心でテスタロッサは佇んでいた。
「『ハァハァ……ガハッ、ゴホッ』」
そしてクーレターの範囲外から聞こえるのは、仰向けに倒れるユーリ・クロイスの咳き込む声と、衝撃の余波による時空震の響きだけ。
倒れるユーリと、未だクーレターの中心に立つテスタロッサは傍目には勝利したのは後者に映っているのかもしれない。
『我の、負けだ』
しかし、敗北を認めたのはテスタロッサの方だった。先の攻防において、彼の奥義はユーリの魔法に呑み込まれた。右半身が消滅し、魔力が枯渇した以上、テスタロッサはもう戦えない。不思議な程にあっさりと、素直に敗北を認められた。
『すまぬ、アマツ・クニミツよ。我は最期まで愚か者であった』
己に迫る二度目の死を予感し、テスタロッサは静かに寿いだ。向ける視線の先にはユーリ・クロイスではなく、こちらに向かってくるアマツ・クニミツと共にいる子孫――アリカ・リーズシュタットだ。
よろめきながらも、確かな足取りでこちらに近付いてくる。真紅の相貌からは闘志の炎が宿っており、消えかける命が僅かに息を吹き返したような、不思議な心地の良さを感じた。
『そうか、お主はまだ……。ならば、このまま朽ちるわけにはいかんか』
テスタロッサは残った右半身に力を込めて、緋々色金国光の鋒を地面に轢きずらせながら、アリカのもとへ歩を進めた。
『緋々色金国光――制限解除』
最早いつ朽ち果てるか分からぬ身。崩壊を加速させる禁断の力を以て、魔力を深淵から引き摺り出した。
「紅鴉国光――制限解除」
アリカもまた、応えるように制限解除を発動させていく。
「『アリカ!』」
ユーリは何とか立ち上がり、無茶をするアリカを止めようとするも。
「ごめんユーリ、これだけは譲らせてほしいの。ヤマト・リーズシュタット・アマツが築き上げた剣技を私が継がなくちゃいけないから」
そうだ、テスタロッサが最強にならずとも、アリカがその座を掴めばリーズシュタット流は天下無双の理を敷くことができる。
『銃火器に頼るばかりの錆びれた現代において、リーズシュタット流の輝きを絶えさせてはならない。次代に託す事、それが我にはできなかった。衰退し滅びるだけだったリーズシュタット流に差した僅かな光芒……アリカ・リーズシュタットよ、我の意志をお主に託しても良いだろうか?』
「えぇ」
制限解除の影響により、血の涙を流しながらアリカは即答した。まるで痛みを感じさせないその気迫に、テスタロッサはアリカとアマツ・クニミツの意志が重なって見えた。
『感謝する』
心残りはもうない。後はこの一刀を以て終わらせよう。
『行くぞ、アリカ・リーズシュタット、アマツ・クニミツ!』
片腕で放てる剣術は限られている。だがその一刀に己の全存在を注いでアリカにぶつけてみせよう。
『リーズシュタット流剣術――緋紅剣・明鏡廻月』
居合いの構えを取ったテスタロッサを中心に目に見えない緋色の円状の領域が展開されていく。この領域内に足を踏み入れた者に対して任意の場所に斬撃を放つことができる。
「ッ」
アリカも当然その特性を知っており、知っていて尚も駆け出していく。紅鴉国光から紅炎が奔り、領域ごとぶった斬ってやるという意志がありありとと伝わってくる。
「リーズシュタット流剣術――緋紅剣・緋紅天閃!!」
先程テスタロッサがユーリに対して放った奥義を、アリカは再現してのけた。魔力の密度も威力もテスタロッサに遠く及ばない、荒削りな剣技。けれどその未熟さを補って余り在る気迫と意志の強さを感じる。
領域に踏み入れたアリカが剣術を放つのと、同時にテスタロッサが刀を振り抜いた。どちらの刃が届くのが先か? テスタロッサはアリカの首を一刀両断するつもりで放ったが、果たして乗り越えられるのか。
『否、その心配は杞憂であったな』
砕け散る緋々色金国光と、一刀両断された身体がアリカに勝利を齎した何よりの証明となった。彼女の首筋に一筋の朱が滴り、己の刃が届く前に斬り伏せられたのだと悟って。
『見、事だ……』
未熟さは拭えないが、次代のリーズシュタット流を継ぐ後継者に値すると認めたテスタロッサは膝から崩れ落ちていく。ガシャンッ、と大地に倒れ伏し、夢見心地でテスタロッサは崩壊していく身体を見やる。以前あれ程までに恐怖に塗られた死が迫っているにも関わらず、不思議と心は凪のように穏やかだ。
それはきっと、やり尽くしたから、心から満足したからなのだろう。ユーリ・クロイスに敗北し、アリカ・リーズシュタットに託すことができた。無様に生き恥を晒し、罪なき多くの民を殺した己には勿体無いくらいの最期だ。
「ありがとうございました!」
子孫が敬意を表して、深々と頭を下げるのを見やって、テスタロッサは穏やかな声を讃えて。
『あぁ、こちらこそ』
その言葉と共に融合型魔術武装――緋紅騎士は完全に崩壊し機能を停止する。ヤマト・リーズシュタット・アマツはその生涯に幕を閉じたのだった。
◇
人類最高戦力の一角であるグランドクロス=テスタロッサが敗北した。アリカ・リーズシュタットとナギ、ユーリ・クロイスとエレミヤが力を合わせた結果だが、これでアージア都市防衛戦における戦力の天秤は種族連合に傾いたといえる。
力尽き果て、その場で倒れ伏すアリカを駆けつけたナギが慌てて支える。まだ息があることにホッとした様子のナギへユーリは逼迫した言葉を突き刺した。
「『ナギ、今すぐアリカを連れて離れてくれ!!』」
「ユーリ!?」
「『早く!!』」
「う、うん!」
言われるがままにナギは傷に鞭を打って、アリカを抱えて退避していく。そう、戦いはまだ終わっていない。ユーリ・クロイスとエレミヤにとってここからが本番なのだ。
「『ミアリーゼ・レーベンフォルン!』」
彼方の空に浮かぶ白き巨大戦艦――アルカナディアの主砲から魔力が収束していく。照準は間違いなく、ユーリとエレミヤだ。テスタロッサ戦で疲弊したユーリたちを倒す千載一遇の好機と捉え、姫君は破滅の光芒を解き放とうとしていた。
テスタロッサの分身体が一斉に解き放った緋紅剣・火天墜衝から、かろうじて逃れることができたアリカ・リーズシュタットとナギは、極大規模の爆炎に呑み込まれたユーリとエレミヤを案じ、思わず二人の名を叫んだ。が、その声は届かず渦中に消えていった。
ユーリたちがこの程度で命を落とす筈がないと理性で理解はしていても、心配の念は容易に払拭できない。駆け出したい衝動を必死に抑え、アリカとナギは足手纏いになるのを避けるために、心の中で自らに言い聞かせる。
特にナギは、恋敵のエレミヤが融奏重想を成功させた事実に衝撃を受け、別の意味で動揺していた。エレミヤはユーリに全部知られるのが怖くないのだろうか? 彼の中にいる想い人は自分じゃないと、思い知らされて傷付くのが嫌で、そんなくだらない理由でユーリを拒んだナギは、チラリと制空権を支配するアルカナディアへ目を向ける。
どういうわけかミアリーゼ・レーベンフォルンは、ユーリの言葉に従い、攻撃の手を止めてくれている。彼女もまた、ユーリに対して未練があるのか、交流のないナギには姫の胸中を計ることができない。
ただ思うのは、どうして? という疑問だけ。第三者の目線から見れば、お互いに想っている事は丸分かりなのに。彼女の中では、ユーリよりも異種族に対する憎しみと正義の道を切り開くという想いが強いのか。サラがそうだが、恋する乙女は理屈や理性で感情を制御しようとすると暴走してしまう傾向にある。ナギもまた、こんな時だというのに複雑な想いが巡り、自己嫌悪に浸る。
そんなナギの心境を一番に理解しているアリカは、そっと彼女の肩に手を置いた。その仕草には、様々な想いが込められており、ナギは頭を振って雑念を取り払い、ユーリとエレミヤの勝利を願った。
◇
「『ぐっ』」
テスタロッサの分身体が放った、リーズシュタット流剣術――緋紅剣・火天墜衝の影響により超極大規模の爆風が吹き荒れる中、ユーリ・クロイスは何とか致命傷を免れ、軽傷で済んだ。魔造神千里妖精装の加護がなければ、今頃は地に伏していただろう。
『まさかアレを受けてその程度の傷とはな。だが、視界は潰した。これで千里眼は使えまい』
未だ爆煙が濃厚に視界を覆う中、声だけを残して、朧のようにテスタロッサの気配が消え去った。恐らくこれは、緋紅剣・揺蕩渡によるもので、あの千里眼ですら捉えられない。
「『厄介すぎる、これじゃあ視界が……』」
ユーリは魔力消費を抑えるために、千里眼を解除し、通常の瞳に戻していく。瞳を閉じずとも、オンオフが可能となったユーリは、余剰分の魔力を右腕に収束させる。そこから生み出されるは、轟々と唸る膨大な質量の風魔法。その風魔法を周囲一帯へ向けて、力の限り振り抜いた。
「『嵐法・乱気魔流』」
乱気魔流によって、周囲に充満する爆煙を一瞬にして吹き飛ばした。灰塵が晴れ、視界が開けるも、風魔法の影響範囲にテスタロッサはおらず。
「『どこに消えた!?』」
エルフが保有する索敵スキルで魔力のソナーを飛ばすも、テスタロッサらしき反応は見受けられない。完全に姿を眩ました緋色の亡霊は、ユーリの感知範囲から逃れ、野生動物を狩猟するように的確に遠距離剣術で仕留めるつもりなのだろう。念の為、掌に全属性の魔法を収束させ、再び黎の魔法を発動しておく。
『リーズシュタット流剣術――緋紅剣・荒薙』
案の定、彼方より緋炎の閃光が疾駆する。テスタロッサが緋々色金国光を投擲したことにより発生した亜音速で迫り来る刃は、飛び退って躱そうとしたユーリの大腿部を深く抉っていく。
「『くそ、反応が遅れた!』」
ドォンッ! と大気が爆発したような衝撃音が轟き、緋々色金国光が大地に深く突き刺さる。大腿部から激しく鮮血が飛び散る中で、痛みを無視して追撃に備えるユーリだが。
『緋紅剣・瞬影置換』
音もなく、気配すら感じさせず、先程まで大地に突き刺さっていた緋々色金国光が消え、その場所にテスタロッサが出現する。
「『しまっ!?』」
緋紅剣・瞬影置換。自身と保有する魔術武装の位置を入れ替える無法の剣技。アリカは習得することが叶わなず、話に聞いていただけだが、実際にやられると対処が遅れる。
今、テスタロッサの手に刀はない。彼は入れ替わった緋々色金国光を再び手元に顕現することができるが、その場合ユーリに反撃の隙を与えてしまう。
そんな愚行を緋色の亡霊が犯す筈もなく、動揺するユーリの隙を突いて、無手の状態から居合いの構えを取り、抜き放った。
『流転動次――緋紅剣・無斬』
テスタロッサが放った緋紅剣・無斬の一撃は、目にも止まらぬ速さでユーリに迫る。自前の魔力のみで構成された無刀は視界には映らず、ただ空気を切り裂く音だけが響き渡った。
「『こんなものでぇッ!!』」
体勢を崩したまま振り返ったユーリは両手を突き出し、掌に収束させていた高密度の黎の魔法によって、緋紅剣・無斬を受け止めた。緋々色金国光ならいざ知れず、魔力だけで編まれた斬撃を防ぐなど造作もない。ただし衝撃までは防げず、後方に大きく仰け反った。
『還り来たれ、緋々色金国光』
真紅に輝く刀身が再び主人の手に舞い戻る。テスタロッサも今の一撃でユーリを斃せるとは思っていない。今しがた放った緋紅剣・無斬は、あくまで隙を作るのが目的。手傷は負わせられずとも、ユーリを大きく仰け反らせた事で、テスタロッサは大技を放つのに充分な時間を確保できた。
ユーリへ渾身の一刀を叩き込むべく、テスタロッサは緋々色金国光を大上段に構え、魔力を練り上げる。
『この数百年、我がここまで苦戦を強いられたのは貴様らが初めてだ。その実力に敬意を表して、我が奥義を披露してやろう』
これより放たれる剣術は、テスタロッサが有する手札の中でも最高火力を誇る。収束される莫大な量の魔力もさることながら、刀身に宿っていく高密度の緋炎は、炎というよりは最早旭光に近い。ユーリが全属性を凝縮させた黎の魔法に対して、テスタロッサは炎一色で撃ち出すつもりだ。
「『こうなったら、一か八かッ』」
緋紅剣・無斬によって尻餅を付いたユーリだが、その体勢のまま、左手で右腕を抑えながら手を真っ直ぐ突き出した。最早立ち上がる時間すら惜しい。変幻機装で全属性を出力しなければならない都合上、黎の魔法発動中は魔術武装を再現できない。加えて身体全身に覆うこともできず、手と足先に集めるので精一杯なのだ。
「『この一撃で決着をつけてやるッ』」
彼は未だ扱い慣れぬ黎の魔法を指向性を持たせて、不恰好な体勢で撃ち放とうとしている。右手の指先から高密度の小さな黎の球体が形成されていき、不規則に脈動を繰り返す。大気の塵が、黎の引力によって吸い込まれ消滅していく。球体の周囲の空間が歪み、光すらも逃れることが叶わない凝縮された魔法の結晶が生み出された。
『これは……』
天下無双の理を敷くテスタロッサにとって、あの魔法は頂点に立ち塞がる大いなる壁のように映った。これを超えねば最強を名乗る資格はないと、夢見た最果ての理想が手の届く場所まで来ているのだと。
『そうか、貴様が我の目指す至高の領域に立つ存在だったか! 何という魔力の密度か、我は今日この日この時この瞬間を迎えるために、生き恥を晒し続けてきたのだ!!』
「『テスタロッサ、あんたの理想はアリカのような優しさがない! だから皆に受け入れてもらえない……誰も信じず、一人で全部完結しようとするあんたなんかに、負けてなんてやるもんか!!』」
この戦いを見ているミアリーゼに届けたい想いがある。だから絶対に負けるわけにはいかない。テスタロッサにとって、これは終着点に等しいのだろうが、ユーリにとってはそうじゃない。だってまだ、スタート地点にすら立っていないのだから。
『リーズシュタット流剣術――緋紅剣・緋紅天閃!』
緋々色金国光の刀身に圧縮された高密度の魔力が、ユーリ目掛けて解き放たれる。天すらも割るような緋紅の閃光は、緋紅剣・一閃から派生したリーズシュタット流剣術の真髄ともいえる一撃。テスタロッサが培ってきた数百年分の経験を乗せた渾身の一刀に対し、ユーリは臆することなく真っ向から黎の魔法を解き放った。
「『全属性複合・黎』」
全属性を複合させ、高密度に圧縮したユーリの切り札は、漆黒の恒星を思わせる。光すらも呑み込まんとする勢いでユーリの黎とテスタロッサの緋紅天閃が至近距離で激突する。
相剋しぶつかり合う黎と緋紅の魔力は、言語に尽くせぬ衝撃や歪みによって、周囲の空間を侵食していった。
「『うぉおおおおおおッーーー!!!』」
『ぬぅうううぁぁあああッーー!!』
衝撃の余波をまともに浴び、身体中から鮮血を迸らせながらも、両者は何とか耐え忍びながら叫んでいる。互いに譲れない意地がある。この戦いに負けるということは、積み上げてきた過去が全て無為に帰すも同然。
テスタロッサの積み上げてきた経験よりも、ユーリとエレミヤの想いの方が強いってことを分からせてやる。
「『いけぇええええええッーーー!!!』」
『!?』
人為的に造られた神とエルフの姫巫女が織りなす融奏重想――魔造神千里妖精装の力は紛い物の融合型魔術武装なんかに決して劣らない。
緋色の閃光が見る見る内に黎に呑み込まれていくのを見たテスタロッサは一言。
『そうか、初めから……我は間違えていたのか』
テスタロッサは、分かっていたのかもしれない。人の身を棄ててしまったがために、心に在ると思っていた想いが虚構のものとなってしまったことを。身体は機械でも心は人間。アマツ・クニミツと誓い合った天下無双の理は、ヤマト・リーズシュタット・アマツの悲願――テスタロッサはただそれを再現していたに過ぎない。
加えてヤマト・リーズシュタット・アマツの独善的な考えは孤独を生み出すだけだと気付いた。彼がしなければならなかったことは、天下無双の座を掴む為にリーズシュタット流剣術の真髄を後世に託すこと。アマツ・クニミツが現代においても輝きを放つ最強の剣を造ったように、ヤマトも大切な何かを遺さなければならなかったのだ。
テスタロッサはようやく己の間違いに気付いた。ユーリ・クロイスとエレミヤ、そしてアリカ・リーズシュタット。現代を生きる若者たちの想いが、過去の亡霊の心に届いたのだ。
『………………』
気が付けば、相剋し合っていた黎と緋紅天閃が消滅していた。隕石の落下跡さながらの巨大なクーレターの中心でテスタロッサは佇んでいた。
「『ハァハァ……ガハッ、ゴホッ』」
そしてクーレターの範囲外から聞こえるのは、仰向けに倒れるユーリ・クロイスの咳き込む声と、衝撃の余波による時空震の響きだけ。
倒れるユーリと、未だクーレターの中心に立つテスタロッサは傍目には勝利したのは後者に映っているのかもしれない。
『我の、負けだ』
しかし、敗北を認めたのはテスタロッサの方だった。先の攻防において、彼の奥義はユーリの魔法に呑み込まれた。右半身が消滅し、魔力が枯渇した以上、テスタロッサはもう戦えない。不思議な程にあっさりと、素直に敗北を認められた。
『すまぬ、アマツ・クニミツよ。我は最期まで愚か者であった』
己に迫る二度目の死を予感し、テスタロッサは静かに寿いだ。向ける視線の先にはユーリ・クロイスではなく、こちらに向かってくるアマツ・クニミツと共にいる子孫――アリカ・リーズシュタットだ。
よろめきながらも、確かな足取りでこちらに近付いてくる。真紅の相貌からは闘志の炎が宿っており、消えかける命が僅かに息を吹き返したような、不思議な心地の良さを感じた。
『そうか、お主はまだ……。ならば、このまま朽ちるわけにはいかんか』
テスタロッサは残った右半身に力を込めて、緋々色金国光の鋒を地面に轢きずらせながら、アリカのもとへ歩を進めた。
『緋々色金国光――制限解除』
最早いつ朽ち果てるか分からぬ身。崩壊を加速させる禁断の力を以て、魔力を深淵から引き摺り出した。
「紅鴉国光――制限解除」
アリカもまた、応えるように制限解除を発動させていく。
「『アリカ!』」
ユーリは何とか立ち上がり、無茶をするアリカを止めようとするも。
「ごめんユーリ、これだけは譲らせてほしいの。ヤマト・リーズシュタット・アマツが築き上げた剣技を私が継がなくちゃいけないから」
そうだ、テスタロッサが最強にならずとも、アリカがその座を掴めばリーズシュタット流は天下無双の理を敷くことができる。
『銃火器に頼るばかりの錆びれた現代において、リーズシュタット流の輝きを絶えさせてはならない。次代に託す事、それが我にはできなかった。衰退し滅びるだけだったリーズシュタット流に差した僅かな光芒……アリカ・リーズシュタットよ、我の意志をお主に託しても良いだろうか?』
「えぇ」
制限解除の影響により、血の涙を流しながらアリカは即答した。まるで痛みを感じさせないその気迫に、テスタロッサはアリカとアマツ・クニミツの意志が重なって見えた。
『感謝する』
心残りはもうない。後はこの一刀を以て終わらせよう。
『行くぞ、アリカ・リーズシュタット、アマツ・クニミツ!』
片腕で放てる剣術は限られている。だがその一刀に己の全存在を注いでアリカにぶつけてみせよう。
『リーズシュタット流剣術――緋紅剣・明鏡廻月』
居合いの構えを取ったテスタロッサを中心に目に見えない緋色の円状の領域が展開されていく。この領域内に足を踏み入れた者に対して任意の場所に斬撃を放つことができる。
「ッ」
アリカも当然その特性を知っており、知っていて尚も駆け出していく。紅鴉国光から紅炎が奔り、領域ごとぶった斬ってやるという意志がありありとと伝わってくる。
「リーズシュタット流剣術――緋紅剣・緋紅天閃!!」
先程テスタロッサがユーリに対して放った奥義を、アリカは再現してのけた。魔力の密度も威力もテスタロッサに遠く及ばない、荒削りな剣技。けれどその未熟さを補って余り在る気迫と意志の強さを感じる。
領域に踏み入れたアリカが剣術を放つのと、同時にテスタロッサが刀を振り抜いた。どちらの刃が届くのが先か? テスタロッサはアリカの首を一刀両断するつもりで放ったが、果たして乗り越えられるのか。
『否、その心配は杞憂であったな』
砕け散る緋々色金国光と、一刀両断された身体がアリカに勝利を齎した何よりの証明となった。彼女の首筋に一筋の朱が滴り、己の刃が届く前に斬り伏せられたのだと悟って。
『見、事だ……』
未熟さは拭えないが、次代のリーズシュタット流を継ぐ後継者に値すると認めたテスタロッサは膝から崩れ落ちていく。ガシャンッ、と大地に倒れ伏し、夢見心地でテスタロッサは崩壊していく身体を見やる。以前あれ程までに恐怖に塗られた死が迫っているにも関わらず、不思議と心は凪のように穏やかだ。
それはきっと、やり尽くしたから、心から満足したからなのだろう。ユーリ・クロイスに敗北し、アリカ・リーズシュタットに託すことができた。無様に生き恥を晒し、罪なき多くの民を殺した己には勿体無いくらいの最期だ。
「ありがとうございました!」
子孫が敬意を表して、深々と頭を下げるのを見やって、テスタロッサは穏やかな声を讃えて。
『あぁ、こちらこそ』
その言葉と共に融合型魔術武装――緋紅騎士は完全に崩壊し機能を停止する。ヤマト・リーズシュタット・アマツはその生涯に幕を閉じたのだった。
◇
人類最高戦力の一角であるグランドクロス=テスタロッサが敗北した。アリカ・リーズシュタットとナギ、ユーリ・クロイスとエレミヤが力を合わせた結果だが、これでアージア都市防衛戦における戦力の天秤は種族連合に傾いたといえる。
力尽き果て、その場で倒れ伏すアリカを駆けつけたナギが慌てて支える。まだ息があることにホッとした様子のナギへユーリは逼迫した言葉を突き刺した。
「『ナギ、今すぐアリカを連れて離れてくれ!!』」
「ユーリ!?」
「『早く!!』」
「う、うん!」
言われるがままにナギは傷に鞭を打って、アリカを抱えて退避していく。そう、戦いはまだ終わっていない。ユーリ・クロイスとエレミヤにとってここからが本番なのだ。
「『ミアリーゼ・レーベンフォルン!』」
彼方の空に浮かぶ白き巨大戦艦――アルカナディアの主砲から魔力が収束していく。照準は間違いなく、ユーリとエレミヤだ。テスタロッサ戦で疲弊したユーリたちを倒す千載一遇の好機と捉え、姫君は破滅の光芒を解き放とうとしていた。
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