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第七章 幼馴染

第204話 ユーリ・クロイス VS テスタロッサ

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 いつからだろう? ミアリーゼ・レーベンフォルンの目指す正道の光に陰りが指すようになったのは。

 いつからだろう? ミアリーゼ・レーベンフォルンの内なる焔が激しい憎悪によって支配されるようになったのは。

 いつからだろう? ミアリーゼ・レーベンフォルンに期待してくれていた人たちが付いていけないと離れていくようになったのは。

 ドラストリア種族大戦の初陣においては確かに皆と心を一つにできた筈なのに。幾多の苦難を乗り越え、彼の背中にようやく追いつき、共に肩を並べ歩いて行けると思っていた。

 だけど、そんなミアリーゼの期待も虚しく、彼は一度もこちらを振り向く事なく、手の届かない場所まで離れてしまった。

(どうして?)

 ユーリ・クロイスはミアリーゼではなく人類フリーディアの仇敵である異種族と共に歩む事を選んだ。よりにもよって、ユーリを殺そうとした異種族とだ。

 初めは何かの間違いだと思った。きっとエルフの姫巫女であるエレミヤが何かしたに違いないと。父を死に追いやり、次は幼馴染までを手にかけようとしている――本当は分かっている癖に、そう思い込むことで自らの気持ちに蓋をかけたのだ。けれど、そんな急場凌ぎの蓋がいつまでも保つ筈はなく。

"ミアリーゼ様、俺は永きに渡る戦争を終わらせたいと本気で考えています。ここにいるナギ、エレミヤ、サラ、シオン、ミグレットたちは化け物なんかじゃない……俺たちと変わらない優しい心を持っているんです!!"

 その言葉を聞いた時、ミアリーゼは裏切られた気持ちになった。頭では理解できても、心が否定し、感情のままに銃の引き金を引いてしまった。

わたくしがユーリの為に想った行動は全て無駄だった……彼は自らの意思でエレミヤと共に歩む事を選んでしまった)

 ユーリは何も分かっていない。どうしてミアリーゼがファルラーダを率いて戦おうとしたのか。きっと、お互いがお互いの事を理解していなかったのだ。すれ違いは必然で、姫は自然と彼と過ごした日々を想起することになる。そうした気付いた、ミアリーゼの想いは一方通行であった事。彼は初めて出会った頃、社交ダンスを一緒に踊ったその一度しか本音を見せてくれていなかったのだと。

 ユーリからミアリーゼに会いに来てくれたことは一度もない。お互いの立場が違うので、その点はミアリーゼも納得できる。けれどせめて、会いに行こうという素振りくらいは見せてくれてもいいのではないか?

 現代には電話やメールだってある。事前に厳密な監査が入るとはいえ、連絡を貰えればミアリーゼだって予定を空けて時間を作ったのに。

(ユーリにとって、わたくしは何なのですか?)

 本当はミアリーゼの事なんかどうでもよくて……姫君という立場だから仕方なく接してくれていただけ? ミアリーゼに遠慮していたのは、迷惑だったから?

「ユーリ・クロイスッ」

 防衛部隊に包囲されていたミアリーゼの魔術武装マギアウェポン――姫動魔術戦艦アルカナディアだったが、テスタロッサの超長距離魔法砲撃により事なきを得た。礼を述べる暇もなく、テスタロッサが百人規模の分身体を生み出すと同時に、ユーリ・クロイスは姿を現した。

 モニターに映し出されるは、元の御姿とは似ても似つかない金髪と馴染みのない黎を基調とした戦闘衣装を纏う少年だが、五歳の頃から共に過ごした幼馴染みだからこそ、乱入者がユーリ・クロイスだと分かる。

 すると胸ポケットに入れていた個人用の携帯端末が震えたため、取り出して画面を確認すると。

「メール? ファルラーダから」

 何故わざわざ個人用に? 一抹の不安を抱えながら、メールを開いたミアリーゼは。

「そうですか、わたくしに彼と決着を付けろと、そう仰りたいのですね」

 一瞬ファルラーダが裏切ったのかと思ったが、なんて事はない。ユーリ・クロイスと決着をつけて欲しい旨の内容だった。改めて気持ちをぶつけ合って、その結果彼を殺すことになったとしても、どんな道を選ぼうともミアリーゼについて行くと。

(感傷に浸っている暇はありませんわ、今は状況を受け入れて、指揮官として最善の選択をしなければ)



 ユーリ・クロイスが来てくれた。依然として脅威は去ってはおらず、アルカナディアを包囲していた防衛部隊の陣形が崩れ、状況も最悪だ。

 けれど、彼が漂わせる雰囲気に安心感を覚えたアリカ・リーズシュタットとナギは疲労の限界からか、紅姫雷霆獣装クリムノウスが解けると同時に二人は元の姿形に戻った。

「「ぜぇ、ぜぇ……」」

 アリカとナギは立つこともままならず、肩で大きく息を吐き、滝のように汗を滴らせている。傷も寸分の狂いなく同じ箇所、疲労も同様に共有しており、これが融奏重想ヴァリアブルユニゾンの欠点の一つにも挙げられる。

 これでは百体にも及ぶテスタロッサの相手は愚か、退避することもままならず完全に足手纏いだ。

「ユーリ、エレミヤ、ごめん。私……」

 あれだけ息を巻いてテスタロッサを倒すと言ったのに、ナギに助けられたばかりか、絶対絶滅の状況に追いやってしまった。アリカは助けに来てくれたユーリたちに対して沈痛な面持ちで言葉を並べていく。

「『謝らなくていい。アリカとナギ、皆が時間を稼いでくれたおかげで、俺は間に合った。心配しなくても大丈夫、絶対勝つから』」

 あのテスタロッサを前にして、その自信は一体何処から来るのか? 何の根拠もない必勝の誓いにも関わらず、安心感が不安な胸の内を包み込んだ。

 アリカ、次いでナギに微笑みかけたユーリは、視線を上空へ向け、アルカナディア内にいるミアリーゼへ告げる。

「『そういうわけなのでミアリーゼ様、少しだけ待ってていてくれませんか? 標的であるエレミヤはユーリ・クロイスと融奏重想ヴァリアブルユニゾン状態にあります。
 つまりテスタロッサに負けた時点であなたの勝利は確定するわけです』」

『ユーリ……』

 アルカナディアの拡張通信機能で返ってきたミアリーゼの声音は、戸惑いや憂いの色が帯びていたが。

「『だからこれ以上俺の故郷を破壊するのは止めてください。あなたとの決着は、テスタロッサを倒した後で』」

 ファルラーダに勝利したおかげか、ミアリーゼは市庁舎へ侵攻する様子はない。言葉は届いたと信じて、ユーリとエレミヤは最前の目標であるグランドクロス=テスタロッサへと意識を向ける。

「『そういうわけだ、テスタロッサ……いいや、ヤマト・リーズシュタット・アマツ。ここからは俺が相手をしてやる』」

 ユーリは直接アリカとテスタロッサのやり取りを聞いていたわけではないが、彼女の態度から事前に予測はできていた。以前の敗北やイリスを連れ去ったことなど含めて、ユーリとエレミヤにとってテスタロッサは因縁のある相手。向こうもユーリたちを意識してくれているのか、不意打ちする様子もなく、ただ戦意を昂らせるのみ。

『ユーリ・クロイス、貴様は我が標的と定めた強者だ。再び相見えることを、ずっと心待ちにしておったぞ』

 百体の内どれが言葉を発しているのか判断が付かない。以前にも増して流暢な言葉遣いから、テスタロッサは己の真実を取り戻したとみえる。ユーリの脳内には別の事柄が過り、思案に耽ていく。

(多分、奴がグレンファルトさんの言ってた全人類フリーディア魔術機仕掛けの神デウス・イクス・マギア化させた場合の見本なんだ)
 
 テスタロッサが本物のヤマト・リーズシュタット・アマツだとすれば、寿命という概念すらも打ち破り、人を超え、新たな進化ステージに至ったことを意味する。それを成せるのが旧時代の技術だというならば、ユーリは――

『『『『『『行くぞ』』』』』』

 百体のテスタロッサが同時に声を上げ、戦闘開始のゴングが鳴り響く。ユーリもまた、アリカとナギや防衛部隊を巻き込まぬよう、臆さず駆け出していく。

 一人を相手に百体は過剰すぎる。密集して剣技に分身体を巻き込むのを恐れたのか、立ち塞がったのは僅か四体。

『『『『リーズシュタット流剣術――』』』』

 アリカから聞いたが、緋紅剣ヒコウケン空蝉ウツセミは、各々が独立して思考しているわけではない。決められた思考プロセスにしか従えず、囮程度にしか役には立たないと本人は話していた。

 だが、テスタロッサはどうだ? 前に出てきた四体は個別に違う構えを取って、ユーリにリーズシュタット流剣術を放とうとしている。まさにコンピュータ並みの演算処理能力を保有しているテスタロッサは、人間フリーディアとは別次元にいる。

 だけどそれは、融奏重想ヴァリアブルユニゾン――魔造神千里妖精装デウスディヴィア状態のユーリ・クロイスとエレミヤにも言えることで。

「『土法ドホウ地突核ベルクレステラ』」

 エルフの得意とする地形操作魔法を最短最小の出力で発動するユーリ。攻撃目的ではない、天緋鷲翔ノ矢アメノヒカケノヤによって焦土と化した大地を狭範囲に小さな凸凹を生み出すだけに留めた。

『『『『!?』』』』

 本体ならいざ知れず、分身体である四体のテスタロッサは足場を崩され、僅かに体勢を崩す。

「『ふっ』」

 ユーリはその隙を逃さず一気に加速し、間髪入れずに掌底打ちをテスタロッサの胸部に叩き込んだ。その次の瞬間、分身体の上半身が音もなく消し飛び、緋炎となって空気中に解けていった。

『何だ、今のは……?』

 ただの掌底打ちなら突き飛ばされるだけで済むが、ユーリが齎した効果はそれとは違うものだ。テスタロッサでさえ理解できない何かが起こり、動揺が声に漏れていた。

「『まだまだぁッ!』」

 ユーリは距離を置かず、あろうことか分身体の真っ只中に突っ込んでくる。これでは囲まれ、全包囲から斬られるのがオチだというのに、躊躇なく自殺行為に及ぶユーリの意図が掴めず、更に困惑するテスタロッサだが、むざむざ突破されるわけにはいかないと、更に八体の分身体を攻撃にあたらせた。

「『うぉおおおおッーーー!!』」

 四方八方から迫る無数のテスタロッサを前に、ユーリは一切の躊躇なく目の前の分身体の放った刃を側面に沿って擦れ擦れで拳を通過させ、無理矢理顔面にぶち込んで消し飛ばした。

『此奴、何の躊躇いもなくッ』

 勇ましいを通り越して、蛮勇に等しい行い。残る斬撃を躱すにも先程消し飛ばした一体分のスペースしか逃れる場所はなく、背後はがら空きで隙だらけだ。

 既に緋炎の刃が背後から迫る中で、ユーリは見向きもせずにタイミングを合わせて身体を捻転させ刃の側面を右足で蹴り抜いた。それだけに留まらず、左右から迫る剣閃すらも素手で掴み取り、ぶん回した。

『『!?』』

 膂力で負けた二体の分身が宙に浮き、周囲の分身体を巻き込んで吹き飛ばされる。意にも返さず、ユーリは本体目掛けて突き進んでいく。

(あり得ぬ、数ある中で正確に我の位置を把握しておるなど……加えて彼奴の異常な反応速度と触れただけで消し飛ぶ不可思議な能力。イリスとやらの終滅剣エクスディウスとは別の……彼奴には何が見えている?)

 融奏重想ヴァリアブルユニゾンの力はアリカ・リーズシュタットとナギとの戦いで嫌というほど実感している。問題なのは、ユーリ・クロイスの戦闘スタイルが、前回の戦争から激変してしまっていることだ。向こうはリーズシュタット流に関する知識があり、情報のアドバンテージで、テスタロッサは遅れを取っている。

 ユーリは着実に本体へ向かってきている。死角からの斬撃を見えているかのように躱わし、往なし、自ら隙間を作ってそこへ攻撃を挟んでいく。

『ぬぅッ』

 他の分身体が最もやり辛い位置取りを常に確保しつつ、迎撃しているのだ。視界三百六十度満遍なく、まるで後ろに眼があるかのような……。

(眼……彼奴のあの瞳、まさか)

 幾何学模様を描く翠玉色の瞳は、一体何を映し出しているのか? テスタロッサはユーリの能力の解析を優先させ、分身体を突撃させて見に徹する。

 すると、ユーリの手脚から繰り出される打撃から黎の波動の軌跡が僅かに疾っている事を捉え、ようやくその正体を看破した。
 
『そうか貴様、全属性の魔法を手足に収束させておるのか。加えて千里眼アインハクラとやらを、我含めた分身体の上空に限定して発動しておるな? 俯瞰視点で捉えることで死角を補い、我の動きに対応しておると……何と最早恐ろしい奴よ』

 全てを見通す千里眼アインハクラ。恐らくだが、アリカ・リーズシュタットとの戦いを観察してこちらの挙動や手癖を事前に把握していたのだろう。本体の居場所が分かるのも、緋紅剣・空蝉ウツセミを発動する瞬間を俯瞰視点で捉えていたからに違いない。

「『気付いたところで、あんたは俺の千里眼アインハクラから逃れることはできないし、捉えることもできない。
 俺にはあんたの動きが手を取るように分かる。それに分身体如きじゃ、全属性を凝縮させた高密度の魔法は防げない!』」

 元々百体の分身体を生み出した理由は、手負いのアリカと防衛部隊を壊滅させるためだ。そのため一体一体の性能は本体とは程遠い。ユーリが割り込んだ事で徒労に終わってしまったが、彼の強気な発言程有利な状況でないことを把握する。

 ユーリは恐らく全属性を組み合わせた黎の魔法と千里眼アインハクラ以外使用することができない。得意とする多彩な魔術武装マギアウェポンを再現しない事から、これは明白。もしかしたら周囲に気を配っているだけかもしれないが、剣すらも展開していないことからそれはないだろう。

『ならば』

 ユーリ・クロイスの情報を更新した今、残った七十九体の分身を徒に消費させる必要もなし。使い道は一つしかない。

「『何だ!?』」

 急に動きを変えて、ユーリ目掛けて一斉に群がり出したテスタロッサの分身体。七十九体の全員が全く同じ動きをしている事から、彼の脳裏に一つの可能性が思い浮かんだ。案の定、分身体はユーリではなく、地面に刃を突き立てており――

『『『『『リーズシュタット流剣術――緋紅剣・火天墜衝カテンツイショウ』』』』』

 自爆特攻。世界を揺るがす大爆発が全分身体から一斉に解き放たれ、ユーリは緋の爆炎に呑み込まれていった。
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