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第五章 終焉の光
第114話 暗鬱な空
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世界は今、激動の時代を迎えている。過去の歴史を紐解いても、これ程までに大規模な戦乱は久しくなかったことだろう。
未だ決着は着いていないが、現状数で勝るはずのフリーディア側が圧されている状況だった。
何よりも致命的だったのが、今回相手にする異種族が人間並の知性を持っていたこと。
エルフ、そしてドワーフ。藪をつついて蛇を出してしまった結果、フリーディア統合連盟軍勢は未曾有の危機に瀕している。
フリーディアたちは、内部で軋轢が存在し連携が上手く取れなかったというのもあるが、何より彼らは油断していたのだ。
フリーディア不敗の歴史を盲目的に信じ込み、どんな状況に立たされても異種族ごときに遅れを取ることはないと。
しかし事実は違う。大局的に見て負けはないと言っているだけで、局所的には少なくない被害を被ることもままあった。
最終的にはフリーディアが異種族の特性を分析し、戦術に組み込むことで本能で動く敵を殲滅していたに過ぎない。
しかし、今回相手にする種族連合は違う。皆が一丸となって戦線を形成しているだけでなく、その一員であるエルフたちが展開した未知なる魔法が戦場の地形そのものを変えてしまったのだ。
石柱が天を貫き、谷が深くえぐられ、平坦だった荒野が動脈するかのように複雑に交差し凹凸だらけとなり、戦闘に臨むフリーディアの兵士たちはどこに立っているのか、進むべき道はどこかすら分からない状況に追い込まれていた。
また高い知性を持つ異種族との戦いは、彼らが経験したどの戦いとも異なり、その不可解さ、未知の恐怖が彼らの心を揺さぶっていた。
戦闘経験豊富なベテランの統合軍兵士たちでさえ、これまで得てきた数々の知恵が役に立たない前代未聞の戦況に直面していた。
聳え立つ岩柱の頂上から見渡す戦場は、大地が割れ世界が裂けるかのような光景が広がっていた。エルフたちが操る魔法により、平坦な荒野は迷宮のような岩石で覆われた地形へと変化し、ドワーフのマジックアイテムを利用した戦術により、フリーディアは壊滅的な被害を被っている。
そう、これこそがダリル・アーキマンの望んだ無能たちの一掃であることに気付く者はいない。
アルギーラ渓谷にある駐屯地。そこで臨時で作られた司令室の中で、混迷を極めた状況に立たされても尚、ダリルは笑っていた。
『いやぁ……お見事といいますか、まさか本当に実現してしまうなんて思っていませんでした。
あなた、凄いですね』
今も外から逼迫したフリーディア兵士たちの声が響く中、場違いな少女の声がダリルの持つ携帯端末機から放たれる。
「お気に召してくれて何よりだ。君の望む絶望とやらが、世界に木霊しているよ」
ダリル・アーキマンはカップに注がれたコーヒーを見つめながら、静かに告げる。
『ふふふ、後一歩のところで人類との共存が成されたはずでしたのに、それを目の前で無為にされた時のエレミヤさんの慟哭は、本当に素敵でした!
盗聴していただけですが、その光景が目に浮かぶようです』
絶望と怨嗟の嘆きを誰よりも愛する最厄の権化、悪の象徴たるグランドクロス=シャーレ・ファンデ・ヴァイゼンベルガーの酔いしれるような声音に特に気にした様子もなく、ダリルはカップに口を付ける。
『でも、無能を排除するのはいいとして、このまま人類の領域に攻め込まれたらお話になりません。すでに戦線は崩壊してますし、勝てる見込みなくないですか?』
シャーレの素朴な疑問に「問題ない」とダリルは返答する。
「万事恙無く、計画は進行中だ。異種族など所詮は踏み台に過ぎんよ。この戦争は我々が勝つ。それは――君自身が一番よく知っているのではないかね?」
『さぁて、何のことでしょうねぇ』
「まぁいいさ。統合連盟政府の機能はすでに崩壊した。私の務めは果たしたというわけだ」
緊張の糸が解れたのか、ダリルがホッと肩の荷が降ろす。
『あぁ、なるほど。あなたやっぱりテロリストさんと繋がっていたんですね』
「ふん、今更の問いだ。知っていて接触してきたんだろう? 君は」
『うふふ。反統合連盟政府組織ルーメン。依然として組織の実態は判明されておらず、構成員には幹部及びリーダーの正体すら明かされていない。
唯一判明した主犯格はナイル・アーネストと目される人物だけ。彼の素性も目的も全てが謎のまま。
本当に何者なんでしょうね、彼は……』
「君が預かり知らぬことを私が知るはずもない。さて、申し訳ないが私は行かねばならぬ所があるのでね。ここらで失礼するよ」
カップのコーヒーを飲み干し、ダリルは立ち上がる。
『どちらへ行かれるので?』
「決着を付けねばならん男がいる。彼と戦い勝利することで私の目的は完遂する」
秘めたる闘志を燃やし、戦場へ出る。全てはそう、ユーリ・クロイスと決着を付けるために。もはやダリルの目的は世の変革よりも彼に勝つこと重きを置いている。
『あの、勝手に人のお兄さ――ブツッ……ツーツー』
もはや状況を見て楽しんでいるだけの小娘に用はない。携帯端末機を握りつぶして破壊したダリルは、颯爽と部屋を後にする。
「ダルトリー、後の指揮は任せたぞ! とはいってもこの状況ではどうすることもできんだろうがな」
駐屯地内部は未だ混乱に包まれており、ダリルの歩を阻む者はいない。
「ユーリ・クロイス、君が未だドワーフ国で眠りについていることは知っている。早く目覚めなければ、全てが終わってしまうぞ?」
ユーリ・クロイスの状況については、ナイル・アーネストから齎された情報により認知していた。一体どうやって突き止めたのか? ドワーフ国までの迂回ルートなど些細な疑問は、全て傍に置く。
そこには、暗雲立ち込める憂鬱な空模様が広がっていた。まるで世界そのものが、不安を抱えているかのよう。
そしてダリル・アーキマンはその曇り空に、これから相対する宿敵へ思いを馳せ、口角を吊り上げた。
◇
「はぁぁぁぁぁぁぁッッーーー!!!」
ついに始まったナギとクレナ・フォーウッドの戦闘。怒りの咆哮を上げながら疾駆する。狙うはクレナの心臓その一点のみ。
「お前さえ……お前さえいなければ同胞たちは!!」
怒りの咆哮は、悲しみと絶望が織り交ざった慟哭へと変わり、彼女の感情に呼応して周囲の空気が振動する。
しかしクレナも負けじと応戦し、ナギの攻撃を紙一重で躱していく。
そして手に持つ回転式拳銃をバーニアのように吹かせ、再び大きくナギから距離をとる。
「逃げるな!!」
イリスとかなり距離が離された。彼女の支援を警戒してか、クレナは先ほどから逃げの一点に集中している。
スピードはナギの方が上だが、クレナは的確に行動を予測して動いてくる。彼女の瞳にはどんな感情の色も映らない。慚愧を閉ざし、与えられる命令に従うための機械と化したクレナは粛々と告げる。
「属性変更・氷弾」
「!?」
充分に距離を稼いだのか、急転換し流れるような動作で氷属性を付与させた魔弾を解き放つ。
「そんな単調な攻撃でッ!」
直線上にしか奔らない魔弾を避けることなど造作もない。加え、弾速を上回る速度で移動できるナギにとって、クレナの攻撃など止まって見える。
エルフの地突核により、複雑怪奇な地形と化したドラストリア荒野を把握するのは至難の業だ。友軍の援護すら望めない状況で、クレナはすかさず次弾を解き放つ。
クレナが攻撃モーションに入る度に距離は縮まり、その分ナギの有効攻撃圏内へ近づいていく。神の怒りを体現した神遺秘装はナギの怒りと呼応し、雷爪がクレナの肢体を切り裂かんと迫っていき。
「属性変更・風弾完全開放」
クレナは紙一重でこれを回避。刹那の間に属性を変更させ、ジェット機顔負けの速度で飛び退っていく。
「くっ!」
そしてナギは急な方向転換に対応できず、エルフの生成した複雑怪奇な岩石のフィールドを破壊しながら、激突していく。
さながら猛牛を相手取る闘牛士のように、巧みに攻撃を往なされている。
「神遺秘装。確かに脅威ですがあなたの攻撃は単調、かつ状況がまるで見えていない」
ガラガラと崩れ落ちていく岩石群を見やり、クレナはようやく口を開く。
「故郷を失い、愛する両親を殺され、残された数少ない同胞すらも亡くし、些細な夢すらも潰えたあなたにはもう何も残っていない。
かつての私と同じ……。無意味で無価値な無謀な夢を懐くから」
何を思ったのか、憐れみにも似た視線を向けられ激怒の白雷が爆ぜる。
「思えばあの時、ユーリ・クロイスに屈っさなくてよかったと思っています。
でなければ今頃、やるせない想いを誰かにぶつけていたでしょうから」
希望を懐くから、絶望するのだ。初めから何も期待しなければいい。与えられた役目だけを果たしていれば、もう誰も傷付かなくて済むのだから。
「お前ごときがッ……ユーリの想いを無価値だなんて決めつけるな!!」
クレナの過去に何があったのかナギは知らない。恐らく彼女も無慈悲に家族を奪われ、悲しい想いをしてきたのだろう。だけど、例えどんな理由があろうとも……ユーリ・クロイスが差し伸べた手を振り払ったクレナだけは絶対に許さない。
「うぉぉぉぉぉぉぉッッーー!!!」
暗鬱たる空から慟哭じみた激しい雨が降り注ぎ、ナギの放つ雷閃は再び嘶いた。
未だ決着は着いていないが、現状数で勝るはずのフリーディア側が圧されている状況だった。
何よりも致命的だったのが、今回相手にする異種族が人間並の知性を持っていたこと。
エルフ、そしてドワーフ。藪をつついて蛇を出してしまった結果、フリーディア統合連盟軍勢は未曾有の危機に瀕している。
フリーディアたちは、内部で軋轢が存在し連携が上手く取れなかったというのもあるが、何より彼らは油断していたのだ。
フリーディア不敗の歴史を盲目的に信じ込み、どんな状況に立たされても異種族ごときに遅れを取ることはないと。
しかし事実は違う。大局的に見て負けはないと言っているだけで、局所的には少なくない被害を被ることもままあった。
最終的にはフリーディアが異種族の特性を分析し、戦術に組み込むことで本能で動く敵を殲滅していたに過ぎない。
しかし、今回相手にする種族連合は違う。皆が一丸となって戦線を形成しているだけでなく、その一員であるエルフたちが展開した未知なる魔法が戦場の地形そのものを変えてしまったのだ。
石柱が天を貫き、谷が深くえぐられ、平坦だった荒野が動脈するかのように複雑に交差し凹凸だらけとなり、戦闘に臨むフリーディアの兵士たちはどこに立っているのか、進むべき道はどこかすら分からない状況に追い込まれていた。
また高い知性を持つ異種族との戦いは、彼らが経験したどの戦いとも異なり、その不可解さ、未知の恐怖が彼らの心を揺さぶっていた。
戦闘経験豊富なベテランの統合軍兵士たちでさえ、これまで得てきた数々の知恵が役に立たない前代未聞の戦況に直面していた。
聳え立つ岩柱の頂上から見渡す戦場は、大地が割れ世界が裂けるかのような光景が広がっていた。エルフたちが操る魔法により、平坦な荒野は迷宮のような岩石で覆われた地形へと変化し、ドワーフのマジックアイテムを利用した戦術により、フリーディアは壊滅的な被害を被っている。
そう、これこそがダリル・アーキマンの望んだ無能たちの一掃であることに気付く者はいない。
アルギーラ渓谷にある駐屯地。そこで臨時で作られた司令室の中で、混迷を極めた状況に立たされても尚、ダリルは笑っていた。
『いやぁ……お見事といいますか、まさか本当に実現してしまうなんて思っていませんでした。
あなた、凄いですね』
今も外から逼迫したフリーディア兵士たちの声が響く中、場違いな少女の声がダリルの持つ携帯端末機から放たれる。
「お気に召してくれて何よりだ。君の望む絶望とやらが、世界に木霊しているよ」
ダリル・アーキマンはカップに注がれたコーヒーを見つめながら、静かに告げる。
『ふふふ、後一歩のところで人類との共存が成されたはずでしたのに、それを目の前で無為にされた時のエレミヤさんの慟哭は、本当に素敵でした!
盗聴していただけですが、その光景が目に浮かぶようです』
絶望と怨嗟の嘆きを誰よりも愛する最厄の権化、悪の象徴たるグランドクロス=シャーレ・ファンデ・ヴァイゼンベルガーの酔いしれるような声音に特に気にした様子もなく、ダリルはカップに口を付ける。
『でも、無能を排除するのはいいとして、このまま人類の領域に攻め込まれたらお話になりません。すでに戦線は崩壊してますし、勝てる見込みなくないですか?』
シャーレの素朴な疑問に「問題ない」とダリルは返答する。
「万事恙無く、計画は進行中だ。異種族など所詮は踏み台に過ぎんよ。この戦争は我々が勝つ。それは――君自身が一番よく知っているのではないかね?」
『さぁて、何のことでしょうねぇ』
「まぁいいさ。統合連盟政府の機能はすでに崩壊した。私の務めは果たしたというわけだ」
緊張の糸が解れたのか、ダリルがホッと肩の荷が降ろす。
『あぁ、なるほど。あなたやっぱりテロリストさんと繋がっていたんですね』
「ふん、今更の問いだ。知っていて接触してきたんだろう? 君は」
『うふふ。反統合連盟政府組織ルーメン。依然として組織の実態は判明されておらず、構成員には幹部及びリーダーの正体すら明かされていない。
唯一判明した主犯格はナイル・アーネストと目される人物だけ。彼の素性も目的も全てが謎のまま。
本当に何者なんでしょうね、彼は……』
「君が預かり知らぬことを私が知るはずもない。さて、申し訳ないが私は行かねばならぬ所があるのでね。ここらで失礼するよ」
カップのコーヒーを飲み干し、ダリルは立ち上がる。
『どちらへ行かれるので?』
「決着を付けねばならん男がいる。彼と戦い勝利することで私の目的は完遂する」
秘めたる闘志を燃やし、戦場へ出る。全てはそう、ユーリ・クロイスと決着を付けるために。もはやダリルの目的は世の変革よりも彼に勝つこと重きを置いている。
『あの、勝手に人のお兄さ――ブツッ……ツーツー』
もはや状況を見て楽しんでいるだけの小娘に用はない。携帯端末機を握りつぶして破壊したダリルは、颯爽と部屋を後にする。
「ダルトリー、後の指揮は任せたぞ! とはいってもこの状況ではどうすることもできんだろうがな」
駐屯地内部は未だ混乱に包まれており、ダリルの歩を阻む者はいない。
「ユーリ・クロイス、君が未だドワーフ国で眠りについていることは知っている。早く目覚めなければ、全てが終わってしまうぞ?」
ユーリ・クロイスの状況については、ナイル・アーネストから齎された情報により認知していた。一体どうやって突き止めたのか? ドワーフ国までの迂回ルートなど些細な疑問は、全て傍に置く。
そこには、暗雲立ち込める憂鬱な空模様が広がっていた。まるで世界そのものが、不安を抱えているかのよう。
そしてダリル・アーキマンはその曇り空に、これから相対する宿敵へ思いを馳せ、口角を吊り上げた。
◇
「はぁぁぁぁぁぁぁッッーーー!!!」
ついに始まったナギとクレナ・フォーウッドの戦闘。怒りの咆哮を上げながら疾駆する。狙うはクレナの心臓その一点のみ。
「お前さえ……お前さえいなければ同胞たちは!!」
怒りの咆哮は、悲しみと絶望が織り交ざった慟哭へと変わり、彼女の感情に呼応して周囲の空気が振動する。
しかしクレナも負けじと応戦し、ナギの攻撃を紙一重で躱していく。
そして手に持つ回転式拳銃をバーニアのように吹かせ、再び大きくナギから距離をとる。
「逃げるな!!」
イリスとかなり距離が離された。彼女の支援を警戒してか、クレナは先ほどから逃げの一点に集中している。
スピードはナギの方が上だが、クレナは的確に行動を予測して動いてくる。彼女の瞳にはどんな感情の色も映らない。慚愧を閉ざし、与えられる命令に従うための機械と化したクレナは粛々と告げる。
「属性変更・氷弾」
「!?」
充分に距離を稼いだのか、急転換し流れるような動作で氷属性を付与させた魔弾を解き放つ。
「そんな単調な攻撃でッ!」
直線上にしか奔らない魔弾を避けることなど造作もない。加え、弾速を上回る速度で移動できるナギにとって、クレナの攻撃など止まって見える。
エルフの地突核により、複雑怪奇な地形と化したドラストリア荒野を把握するのは至難の業だ。友軍の援護すら望めない状況で、クレナはすかさず次弾を解き放つ。
クレナが攻撃モーションに入る度に距離は縮まり、その分ナギの有効攻撃圏内へ近づいていく。神の怒りを体現した神遺秘装はナギの怒りと呼応し、雷爪がクレナの肢体を切り裂かんと迫っていき。
「属性変更・風弾完全開放」
クレナは紙一重でこれを回避。刹那の間に属性を変更させ、ジェット機顔負けの速度で飛び退っていく。
「くっ!」
そしてナギは急な方向転換に対応できず、エルフの生成した複雑怪奇な岩石のフィールドを破壊しながら、激突していく。
さながら猛牛を相手取る闘牛士のように、巧みに攻撃を往なされている。
「神遺秘装。確かに脅威ですがあなたの攻撃は単調、かつ状況がまるで見えていない」
ガラガラと崩れ落ちていく岩石群を見やり、クレナはようやく口を開く。
「故郷を失い、愛する両親を殺され、残された数少ない同胞すらも亡くし、些細な夢すらも潰えたあなたにはもう何も残っていない。
かつての私と同じ……。無意味で無価値な無謀な夢を懐くから」
何を思ったのか、憐れみにも似た視線を向けられ激怒の白雷が爆ぜる。
「思えばあの時、ユーリ・クロイスに屈っさなくてよかったと思っています。
でなければ今頃、やるせない想いを誰かにぶつけていたでしょうから」
希望を懐くから、絶望するのだ。初めから何も期待しなければいい。与えられた役目だけを果たしていれば、もう誰も傷付かなくて済むのだから。
「お前ごときがッ……ユーリの想いを無価値だなんて決めつけるな!!」
クレナの過去に何があったのかナギは知らない。恐らく彼女も無慈悲に家族を奪われ、悲しい想いをしてきたのだろう。だけど、例えどんな理由があろうとも……ユーリ・クロイスが差し伸べた手を振り払ったクレナだけは絶対に許さない。
「うぉぉぉぉぉぉぉッッーー!!!」
暗鬱たる空から慟哭じみた激しい雨が降り注ぎ、ナギの放つ雷閃は再び嘶いた。
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