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第二章 集結、グランドクロス

第44話 姫の帰郷

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 首都エヴェスティシア。人類にとって誰もが憧れを懐く最も発展した都市であり、かつフリーディアの総本山ともいわれている。

 ミアリーゼ・レーベンフォルンは首都エヴェスティシアで生まれ、新たに人類を導く象徴として育てられてきた。

 幼き頃より英才教育を受け、揺るがぬ精神を育んできた。ミアリーゼを産んですぐに母は亡くなったが、それでも毅然とした態度で前だけを見据えて生きてきた。

 父であるエルヴィスの教育は厳しかったが、それも愛ゆえだと分かっているためミアリーゼに不満はなかった。

 唯一婚約者を勝手に決めたことだけはいただけない。欲を言えば、自分が好きになった人と結婚して幸せな家庭を築いていきたい。けれど、姫たる立場のミアリーゼが我儘を言えばどうなるのか? 己の立場を十二分に理解しており、仕方のないことだと諦めた。

 兄であるグレンファルトは軍人として。ミアリーゼは政治家としての道を歩み、フリーディアの民たちを導いていく。

 フリーディア最高戦力――グランドクロスに君臨するグレンファルトに続いて、ミアリーゼもまた次期統合連盟政府の総帥の座を受け継ぐ者として、世間を知るために自ら軍事基地へ足を運ぶなど、積極的に行動を起こしていた。

 そして今年に入り、転機が訪れる。最前線トリオン基地を訪問したミアリーゼは幼馴染であるユーリ・クロイスと再会する。

 中等部卒業後の進路がまさか軍属とは耳にしておらず、当初は驚きと心配で胸がいっぱいだったのだが……。

"俺が軍に残って戦う理由は、勝つことじゃなくて終わらせること……方法はまだ見つけられていませんが、未来を生きる皆が血を見ずに済む世界にしたいと思ってます!"

 ユーリの覚悟を聞いた時、これまでの自分の行いが恥ずかしくなった。分かった気になって、本当は何一つ分かっていなかったと心の底から思い知ったのだ。

 大切な幼馴染が死ぬかもしれない。自分だけ安全圏で高みの見物を決め込むことはミアリーゼにはできなかった。だから自らも戦うために。グランドクロスを率いて、矢面に立とうと誓ったのだ。

 新たな決意を胸に、首都エヴェスティシアへ帰還したミアリーゼは早速兄であるグレンファルトへアポイントメントを取った。

 グレンファルト本人はレーベンフォルン邸に顔を出すことは殆どない。グランドクロスとして最前線で戦っている兄は多忙で、面会も容易ではなかった。

 二日ほど待たされた挙句、十分しか時間が取れないとの通達にミアリーゼは内心焦りを覚える。しかし取り乱すことだけはせず、自室にある執務机の前に座り、兄との面会に向けてモニターの画面を起動した。

「お久しぶりです、お兄様」

 モニターの向こうに映し出されたグレンファルトの姿は戦士として堂々たる気品を感じられた。彼の眼差しからは、フリーディアの未来を見据える強い意志が感じられ、ミアリーゼもまたゴクリと喉を鳴らす。

『久しいな、ミアリーゼ。お前が俺に話があるとは珍しい、一体何の用件だ?』

 面会時間は十分しかない。ミアリーゼは無駄な会話を全て省いて簡潔に述べる。
 
「はい、用件というのは他でもありません。単刀直入に申し伝えますわ。わたくしにグランドクロスのお力添えをお願いしたいのです。
 ユーリ様を前線へ送られたのはお兄様だと伺いました。彼を死なせないためにも、ひいては未来のフリーディアを率いる者として、わたくしは自ら戦場に立たねばなりません――そのためにどうか力を貸していただけないでしょうか?」

 本当は何故ユーリを危険な目に遭わせたのか問い詰めたかったが、ミアリーゼはその感情を抑え込んだ。今は自分の決意を兄へ伝えることが最優先。

 ミアリーゼの言葉を受け、グレンファルトは一瞬目を細めた。何かを押し測るような鋭い視線を向け、やがて落胆したような小さな溜め息を吐いた。

『論外だ』

 たった一言。ミアリーゼが放った渾身の覚悟を一刀両断する言葉の刃。

「な、何故ですか!?」

『理由は明白だろう? 少しは冷静になりなさい。お前の身勝手な行動で、どれだけ人類フリーディアに損失を齎すのか考えろ』

「お兄様だって、お父様の反対を押し切って軍人になったのではありませんか!?」

『だからといって、お前まで勝手な行動をして良いことにはならない。俺は幼少の頃から軍に入ると心に決めていたが、お前は違うだろう?』

「…………」

 ミアリーゼは言葉を失う。兄の言う通り、一度受け入れた運命を覆そうとする行為は個人の我儘と捉えられてしまう。

『少しは頭を冷やせ。父上にはまだ伝えていないな? 俺の方で話をしておくから、くれぐれも余計な真似はするなよ?』

「……はい」

 力なく項垂れるミアリーゼ。しかし諦めたわけではなかった。本当は聞きたいことが山程あったが、時間が来てしまったため通信はあっさりと途切れた。


 
 あれから約一ヶ月が経ち、自分なりに足掻いてはみたものの望んだ成果は上げられなかった。
 
「いけませんわね。ここで焦っても、どうにもならないというのに」

 自宅の執務室で公務に勤しむミアリーゼ。彼女もまた、フリーディア統合連盟総帥エルヴィス・レーベンフォルンの娘としてこなさなければならない業務が沢山ある。

 一息つきティーカップに注がれた紅茶に口を付ける。

 美味しい。けれど、昔ユーリの家で飲んだ紅茶がミアリーゼは一番好きだった。同じ銘柄の茶葉と取り寄せても全く味が違うことに当時の彼女はいたく驚いたものだ。無駄に広く静かな我が家と比べて、クロイス家はとても賑やかで楽しかった。そこで得た経験は何物にも代えがたいミアリーゼの大切な思い出。

 あの日々を思い出すだけでミアリーゼの心に涼風が呼び込む。今も死地に赴き戦場を駆けるユーリや他の統合軍兵士たちを戦いの運命から解放するためにも、自分にできることをしなくてはならない。そのためにミアリーゼは再び資料に目を通す。

わたくしなりに伝手を頼って、グランドクロスについて調べていましたが判明した情報はほとんどありませんでした。
 唯一分かったことといえば、南部戦線に緋色の亡霊の異名を持つテスタロッサと呼ばれる方が存在するということだけ。
 彼がグランドクロスであることは間違いないだろうと、推測の域を出ていない。お兄様以外のメンバーの所在はおろか、構成人数すら分からないなんて」

 ミアリーゼ個人が調べられることには限度があるとはいえ、仮にも統合連盟総帥の娘だ。だというのに集まった情報がこれだけしか無いという事実に不審感が募る。

 あえて情報が秘匿されている? だとしたらなんのために? グランドクロスはミアリーゼの知らない何かを知っている?
 
 表向きは父が軍の最高指揮権を担っている筈だが、さりげなく探りを入れたところ、上手くはぐらかされてしまった。
 
 これまでに調べた情報を整理したところ、グランドクロスが複数人で構成されていることは確かだ。父でないとするならグレンファルトは誰の命令で動いている?

 わざわざはぐらかしたのも怪しい。エルヴィスは娘に甘いところがあり、後ろ暗いことがあるとすぐ顔に出るのだ。考えれば考えるほどにミアリーゼは見えない袋小路にでも迷い込んでいるような気分に陥る。

 ユーリたちは無事なのか? 戦況はどうなっているのか? グレンファルトの差金か、ミアリーゼに情報がいかないよう悉く邪魔をしてくる。

 一向に進展しない状況に業を煮やしかけたその時だった――。

 コンコンと控えめなノックの音が部屋に響く。もしかしたら新たに判明した情報を使用人が伝えに来たのかもしれない。

「――どうぞ」

 一縷の期待を乗せて入室を促すミアリーゼ。

 一泊の間を開けてゆっくりと扉が開き、入ってきたのは見覚えのない長身の女性の姿だった。

「どなたでしょうか? ここはレーベンフォルン家本宅。事前連絡もなしに案内すら伴わず現れるのは些か失礼かと存じますが」

 それは、ミアリーゼにとって精一杯の虚勢であった。ダークスーツを着用した女性の姿を捉えた瞬間、言いしれぬ恐怖が彼女を襲ったのだ。

 見た目は二十代後半といったところか。服装から一見男性のように思われるが、男性よりも――いや、男性以上に凛々しく整った顔立ち。よく見れば肌のきめ細かさや、長い黒髪を一房に纏め、見る者全てを圧倒させる美しさを誇っている。同じ女性であるミアリーゼですら思わず見惚れてしまうほどの美貌。

 女性らしい可愛さは皆無で、男性すら凌駕するほどの威風堂々とした佇まい、空間そのものを喰い潰さんばかりの圧倒的威圧感を放ち女性は言う。

「お前、グレンファルトの妹だろ? 奴の教育の賜物か随分と口が回る」

 開口一番彼女は告げる。男性のような口調だが声音はしっかりとした女性のものだった。

「兄のお知り合いでしょうか? それならば先程の非礼をお詫びしなければなりませんが」

「いらない。おれはそういう堅苦しい態度で接されるのが苦手だ。グレンファルトとは知り合い……というより顔見知り程度の関係だ。
 おれはアイツのことが嫌いでね。いつも腹に一物抱えて、何か企んでいるのが気に入らない」

 ダークスーツを着用した女性の態度にミアリーゼは戸惑うしかなかった。彼女の人生において、兄をファーストネームで呼び捨てにする者、堂々と嫌いと言ってのける存在など今まで存在しなかったのだ。

「まぁ、奴のことはいい。おれはお前に用があって来たんだ」

「わた、くしに? 一体どのようなご要件なのでしょうか?」

 目の前の女性に対して畏怖の念を抱きながらも平静を装うミアリーゼ。そんな彼女を気にすることなく女性は言葉を紡ぐ。

「そんなに緊張するなよ、別に取って喰いやしないさ。
 何やらお前、裏でコソコソとおれらのことを嗅ぎ回っているらしいじゃねぇか?」

「何を、仰っていますの?」

 おれら? 嗅ぎ回る? 彼女が何を言っているのか理解できない。

「グランドクロスについて嗅ぎ回るのは迷惑だから止めろつってんだよ」

「!?」

 何故、彼女がそのことを? このことは信頼できる者以外誰にも告げていない。今日突然現れた彼女がどうしてそのような忠告をするのか? 兄を呼び捨てにする豪胆さ。彼女から放たれる覇者のごときオーラ。一度見たら決して忘れないであろう、美貌の持ち主。

「まさか、あなたが――」

 目の前にいる女性が何者なのか理解したミアリーゼは息を呑んで彼女を見つめる。

「――グランドクロス=ファルラーダ・イル・クリスフォラス。
 知らないのも無理はない。おれはグレンファルトと違って表に出ることを好んでいないからな」

 ミアリーゼが望んだ答えを持つ人物が自ら現れた。彼女――ファルラーダ・イル・クリスフォラスこそがフリーディア最高戦力の一人、グランドクロスの称号を冠する者。

「良かったなぁ、姫様。念願のグランドクロスと対面できて。お前がただの不埒者なら即座に殺していたが、今回は特別に忠告だけで許してやる。
 あの御方の懐の深さとお前の親父の尽力に感謝するんだな」

 ファルラーダの言うあの御方とは誰のことを言っている? 総帥たる父が何を尽力したという? フリーディア統合連盟という組織の謎。グランドクロスという不可解な存在を前にミアリーゼの頭は焼き切れんばかりに回転していた。

「そういうわけだ姫様。おれらには今後一切関わるなよ。今まで通り安穏とした生活を送ってろ。そうじゃないと――死ぬことになるぞ」

 冗談などではないファルラーダの本気の視線が突き刺さる。恐怖で声が出そうになるのをぐっと堪えミアリーゼは叫ぶ。

「待ってください!」

「あ?」

 背を向け部屋を出ようとするファルラーダを呼び止める。長らく謎に包まれていたグランドクロスが目の前にいる。この千載一遇の好機を絶対に逃してはならない。

「無礼を承知でお願いいたします。わたくしをあの御方の元へ連れて行っていただけないでしょうか?」

――刹那、文字通り室内が爆ぜた。

 突如として豹変したファルラーダが、この世の全てを捩じ切らんばかりの殺意を込めてミアリーゼの首を掴み上げる。

「ぐぅっ」

 バラバラに散らばる資料や家具。それら全てを気にかけている余裕はない。

おれの聞き間違いじゃない。籠の中に囚われた鳥の分際であの御方に謁見したいだと? 火遊び程度なら見逃してやったものを、身の程も弁えず戯けたことをほざくなよ小娘が!!」

 激高するファルラーダ。あの御方に会いたいと言った言葉が癇に触ったらしい。足が宙に浮きバタつかせることしかできないミアリーゼは苦悶の表情を浮かべながらもファルラーダの瞳を真っ直ぐに見つめる。

 ギリギリと首が締め上げられ声も発せない中、視線だけは決して外さない。

 ファルラーダもその視線に気付き激情に駆られながらも、ミアリーゼの瞳の奥にある確かな意志を見据えている。

「ほう、覚悟だけは一丁前のようだな。どうやら伊達や酔狂であの御方に謁見したいと言ったわけではないらしい」

 そう言うや否やミアリーゼを掴んでいた手をパッと放すファルラーダ。唐突に解放されたミアリーゼはゴホゴホと激しく咳き込んでいる。

 だがこれで終わりではない。続けてファルラーダはミアリーゼの頭を踏みつけ虫けらのように地べたを這わせる。

「うぐっ」

「無様だな小娘。お前はそうやって地を這っているのがお似合いだよ。上を見上げるな、天に疑問を懐くな知ろうとするな。平和はおれたちの手で築く、お前はただ甘んじるだけの愚者であればいい」

 ファルラーダの言葉はミアリーゼに対してだけでなく、全人類フリーディアに対して向けられていた。人にはそれぞれ課せられた役割がある。それを逸脱するような行いを彼女は決して是としないのだ。

 恐らくファルラーダの目にはミアリーゼは世界という手のひらの上で踊る哀れなピエロとしか映っていない。ピエロならピエロらしく言われるがままに踊り続けろと。

 だけど、それが嫌だから。決められた役割に従ってただいたずらに生を消費するだけの人生なんて御免だ。

わたくしには、為さねばならない使命があります……」

「あん?」

 地に伏しながらも、ミアリーゼの声音は強く美しいままだ。決して損なわない美。荒れた自室ですら彼女を引き立てる舞台装置にすぎない。

「戦争を終わらせる。そのためにあなたの力が必要なのです。先ほどあの御方に謁見したいと話したのは、あなたを戦場に伴う許可を得るため……。
 今も前線で戦ってくれている兵士の皆様のために、わたくしは愚者であることを望みません。この命を捧げてでもわたくしは――あぐッ」

「お前ごときの安っぽい命なんていらねぇよ」

 不快だといわんばかりに顔を歪め、物理的にミアリーゼの言葉を断つファルラーダ。

「なるほど、お前の想いは分かった。この状況で自分の身の安全よりも、ご大層な決然の方を優先したことも」

 だけどな――とファルラーダは続ける。

「世間知らずの小娘ごときの言葉でグランドクロスが動くとでも? だとしたら笑い話にもらない。お前の言葉はどこか作り物めいて聞こえる。
 エルヴィスの教育の影響だろうが、小綺麗な言葉並べればそれであの御方は納得するだろうと? おれが感銘を受けてお前に協力すると本気で思っているのか?」

 ファルラーダの問いに対しミアリーゼは即答する。

「はい、思います。事実、あなたはわたくしを殺せばいいのに殺さない。本気でお気に召さないのであれば、この場を去ればいいのにわざわざ言葉を投げかけてくれている。
 だから……あなたはとても優しい方なのだと、わたくしは思いますわ」

 ポカンと、ミアリーゼの放った言葉を受けファルラーダは呆けている。暫しの静寂が訪れたのも束の間ファルラーダは声を上げて笑い出した。

「く、くくく……あっははははははははははは!!!!」

 その笑い声は室内に響き渡るほど大きく、同時に狂気を感じさせるものでもあった。ひとしきり笑った彼女は満足したように息を吐くと再び口を開く。
 
 そこには先ほどまであった怒気はなく、あるのは純粋な好奇心のみだった。

「そこまでの覚悟があるなら上々だ。決めたぞ小娘、おれがお前を真っ当にしてやるよ」

 ファルラーダがどういう意図を込めてその言葉を紡いだのかは分からない。だが、これからミアリーゼの歩む運命は大きく変わることとなる。そう予感せずにはいられなかった。
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