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第二章 集結、グランドクロス
第22話 ドワーフ
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アルギーラと呼ばれる渓谷の中に、一つの岩山があった。切り立った崖に囲まれたそれは非自然的な要塞を思わせる様相で、まるで岩石でできた城のよう。
その異様さに初めは圧倒されていたナギとサラだが今は慣れた様子で装甲車を抱え、洞窟の中へと足を踏み入れる。
内部は予想に反し広く、そして明るかった。壁自体が淡く発光しており、明かりが無くとも十分な視界を確保できるだろう。
一体どういう原理なのか、ナギは終ぞ理解できていない。ビーストは視界が悪くとも匂いや音の反響で周囲の状況を把握できるため、本来灯りというものは無用の産物なのだ。
ではこれは誰のために備え付けられたものなのか?
「おう、ようやく帰ったか。戦利品はきちんと持ち帰ったんだろうな?」
洞窟内に装甲車を担ぎ上げるナギとサラへ向けて野太い声が響く。声の主へ目を向けるとそこには胸の辺りまで髭を伸ばした小太りの男が胡座をかいて座っていた。
男は二人の帰還を待ちわびていたのか大きな欠伸をしている。
「見れば分かるでしょ。これが約束の品」
「おわっと! いきなり投げんじゃねぇよ!!」
ナギは身の丈を遥かに超える装甲車を無造作に放り投げ、小太りの男は慌てて飛び退く。
ドシンッとけたたましい音を立てて地面にめり込んだ装甲車から土煙が舞い上がり、小太りの男は激しく咳き込んだ。
「ゲホッ、ゴホッ! ったく雑に扱いやがって……ビーストってのは頭まで獣でできてんのか」
そう言って立ち上がった小太りの男の背丈は百五十五センチあるナギの身長よりも三十センチほど低い。
一見子供のようにも見えるが、よく観察すれば腕は丸太のように太く拳も分厚く大きいく充分すぎるほどの筋肉量を有している。
「ふんぐっ! ぐぐぐ……って重すぎだろこんちょうが!!」
小太りの男はナギの放り投げた装甲車を両手で持ち上げようとするも、ビクともせず顔を真っ赤にして悪態をつく。
そして尻もちをついて息を荒げる小太りの男にナギは冷たく言い放つ。
「小人族にその重量を持ち上げるのは無理よ」
小人族――ナギたちビーストとは異なる種族。それが小太りの男の正体だった。
彼らは一様に小柄な体躯が特徴であり、成人しても他種族の子供程度之大きさにしかならない。
そしてナギたちビーストとは異なり、他を圧倒するほどの膂力は持ち合わせていない。
「儂にはゲオルグって名前があんだ。だったら工房まで運ぶの手伝えや小娘」
ゲオルグと名乗ったドワーフはぶっきらぼうにそう言うと立ち上がりズボンに付着した砂埃をパンパンと手で払う。
「ねぇ、いい加減これをどうするのか教えて。じゃないと運んであげないから」
ナギたちは住処の提供を条件にドワーフから魔術武装の回収を要求されている。
だがその意図は理解しかねており、いつまで経ってもドワーフたちから何の説明もないことに苛立ちを覚え始めていた。
「ちっ、どうせ獣に言っても理解できねぇんだから説明なんて必要ねぇだろうに……」
「何か言った?」
「何でもねぇよ。仕方ねぇ、付いてこい」
そう言ってゲオルグは踵を返して歩き出す。仕方なくナギは装甲車を抱え直して、サラと共に付いていく。
しばらく進むと視界が開け広大な部屋が現れた。そこではカンカンと鉄を叩く音が響き、そこではゲオルグ以外のドワーフたちがハンマーを振り下ろしていたのだ。
「オメェ等! 追加の品が届いたぞー!!」
「「「へい!!!」」」
ゲオルグが大声を張り上げると、呼応するように複数の声が響き渡り、奥から次々とドワーフが姿を現す。
皆、一様に髭を生やしていて体つきも逞しい。中には女性の姿も見受けられるが、他のドワーフの男性よりもさらに小柄な体躯だった。
ナギとサラは装甲車をその場に下ろす。
「中の遺体は保管庫に、アイテムはそこの脇に集めておいてくれ!!」
ゲオルグが的確に指示を出すと、ドワーフたちはテキパキと作業に移っていく。
その手際の良さに関心しつつも、手持ち無沙汰なナギとサラは見守ることしかできず突っ立っている。
「おい獣共、そこで突っ立ってたら作業の邪魔だ! 暇ならそこの生きてる奴を別室へ運んでくれや」
ゲオルグが顎で指し示す先には遺体の山に埋もれるようにして倒れている一人のフリーディア隊員。
遺体と共に乱雑に輸送されたため全身血塗れとなっている。
「それはいいけど、これを生かしてどうするの?」
そのフリーディア隊員の襟首をナギは掴み上げながら質問する。
「ったくこれだから殺すしか能がない獣は……。分からねぇなら黙って指示に従ってろ、こんちくしょうが」
ゲオルグの言葉に反論できないのかナギは悔しそうに顔を歪める。
彼が何の目的でフリーディアの武器を奪い身柄を確保するのか皆目検討も付いていない。
言われるがままに気絶しているフリーディア隊員を別室へと運ぶ。そこは先程の工房らしき部屋と比べ、椅子が真ん中にポツンと配置されているだけで、薄暗く殺風景な印象を与える部屋だった。
「ここは……」
凄まじい血臭だ。嗅ぎなれたはずのナギでさえも、この部屋の異様さに言葉を漏らす。
「見て、ナギ。壁にもの凄い数の武器が立て掛けられてる」
サラの指指す方向へ目を向けると、彼女の言う通り壁一面には所狭しと様々な形状をした武器が並べられている。
その造形の美しさ、完成度に種族としての知性の差を感じられた。
「見惚れるのはいいが、そいつをさっさと椅子に座らせろ。そんで、コイツを取り付けて……っと」
椅子に座らされたフリーディア隊員の腕と脚にゲオルグは拘束具を取り付けていく。
「何をするつもりなの?」
ゲオルグの理解できない行為に訝しむナギは尋ねる。
「あ? 何って見りゃ分かんだろ。――拷問だよっ!」
そう言ってゲオルグは床に置いてある水の入った桶をフリーディア隊員へぶち撒けた。
「うっ」
すると、先程まで微動だにしなかったフリーディア隊員が呻き声を上げ始めた。
「こ、こは…?」
そしてゆっくりと目を開ける。
その目は虚ろで、まだ意識がはっきりしていないようだった。
しかし、目の前に立つゲオルグと隣に佇むナギの姿を認識した瞬間――その瞳は大きく見開かれた。
その目には恐怖と絶望が入り交じった複雑な色を映し出している。そんな様子の彼に対して、ゲオルグはニヤリと笑いながら話しかける。
「目が覚めたかフリーディア。気分はどうだ?」
「お、お前は何者だ!? ここはどこだ! 俺はどうしてこんなところに……それにっ」
未だ混乱の最中、自身が拘束されていることに気付いたフリーディア隊員は暴れるように身体を動かそうとするが、ガチャガチャと金属音が鳴り響くだけだった。
「暴れても無駄だ。その拘束具はビーストですら壊せない一級品だからな、こんちくしょうが」
ニヤリと不敵に笑うゲオルグをナギは遠目から見つめている。
「儂が何者かは話すつもりはねぇ、時間の無駄だからこっちの質問だけに答えな。さもなくば、ちと痛い目にあってもらうことになるぜ?」
ゲオルグから放たれる鋭い眼光にフリーディア隊員は息を呑んで押し黙る。
自分が今どういう状況にいるのか悟ったフリーディア隊員は恐怖で顔を歪ませている。
それを肯定と受け取ったゲオルグは懐からフリーディアの持つ銃形の魔術武装を取り出し尋ねる。
「まず聞きてぇのは、オメェらの持つこのアイテム。正式名称は何て言うんだ?」
「マ、魔術武装だ……」
ここで答えねば凄惨な目に遭わされると思ったフリーディア隊員は素直に答えた。
「魔術武装、ね。スゲェよなコレ。見ただけで儂らの技術を遥かに上回ってることが分かるぜ。どうすりゃ動くんだ?」
「…………」
さすがにこの質問は彼らの根幹に関わるものなのかフリーディア隊員は押し黙る。
そんな彼の態度に痺れを切らしたのか、ゲオルグは壁に立て掛けてある鋏の形状をした武器を手に取り、フリーディア隊員の靴を乱暴に脱がし押し当てる。
次の瞬間――
「な、何をす――ぎゃぁぁぁっーーー!!!」
目の前で繰り広げられた凄惨な光景に遠巻きに見ていたサラは「ひっ」と小さな悲鳴を上げ、ナギは不快そうに顔を歪ませた。
「う、うぅぅぅ足がぁーーー! 俺の足ぃぃぃぃーーーーっ!!!」
ゲオルグに足の親指を切り飛ばされたフリーディア隊員は痛みで悶絶し、ただひたすら赤子のように泣き叫ぶ。
「うるせぇな……足の指切っただけだろうが。そもそもオメェが素直に答えねぇのが悪いんだぜ?」
仕方ないとばかりに呟くゲオルグだが、その表情はどこか楽しげだ。目の前で悶え苦しむフリーディア隊員に再び鋏形の武器を突き出し言葉を放つ。
「まだ拷問は始まったばかりなんだ。簡単にくたばんじゃねぇぞフリーディア」
そう言って今度は人差し指に狙いを定めて鋏を閉じる。するとまるで果実でも切り落とすかのようにあっさりと指が切断された。
再びフリーディア隊員の口から絶叫が木霊する。そしてゲオルグはその悲鳴を旋律が奏でるかのごとく心地よさそうに聞いていた。
その異様さに初めは圧倒されていたナギとサラだが今は慣れた様子で装甲車を抱え、洞窟の中へと足を踏み入れる。
内部は予想に反し広く、そして明るかった。壁自体が淡く発光しており、明かりが無くとも十分な視界を確保できるだろう。
一体どういう原理なのか、ナギは終ぞ理解できていない。ビーストは視界が悪くとも匂いや音の反響で周囲の状況を把握できるため、本来灯りというものは無用の産物なのだ。
ではこれは誰のために備え付けられたものなのか?
「おう、ようやく帰ったか。戦利品はきちんと持ち帰ったんだろうな?」
洞窟内に装甲車を担ぎ上げるナギとサラへ向けて野太い声が響く。声の主へ目を向けるとそこには胸の辺りまで髭を伸ばした小太りの男が胡座をかいて座っていた。
男は二人の帰還を待ちわびていたのか大きな欠伸をしている。
「見れば分かるでしょ。これが約束の品」
「おわっと! いきなり投げんじゃねぇよ!!」
ナギは身の丈を遥かに超える装甲車を無造作に放り投げ、小太りの男は慌てて飛び退く。
ドシンッとけたたましい音を立てて地面にめり込んだ装甲車から土煙が舞い上がり、小太りの男は激しく咳き込んだ。
「ゲホッ、ゴホッ! ったく雑に扱いやがって……ビーストってのは頭まで獣でできてんのか」
そう言って立ち上がった小太りの男の背丈は百五十五センチあるナギの身長よりも三十センチほど低い。
一見子供のようにも見えるが、よく観察すれば腕は丸太のように太く拳も分厚く大きいく充分すぎるほどの筋肉量を有している。
「ふんぐっ! ぐぐぐ……って重すぎだろこんちょうが!!」
小太りの男はナギの放り投げた装甲車を両手で持ち上げようとするも、ビクともせず顔を真っ赤にして悪態をつく。
そして尻もちをついて息を荒げる小太りの男にナギは冷たく言い放つ。
「小人族にその重量を持ち上げるのは無理よ」
小人族――ナギたちビーストとは異なる種族。それが小太りの男の正体だった。
彼らは一様に小柄な体躯が特徴であり、成人しても他種族の子供程度之大きさにしかならない。
そしてナギたちビーストとは異なり、他を圧倒するほどの膂力は持ち合わせていない。
「儂にはゲオルグって名前があんだ。だったら工房まで運ぶの手伝えや小娘」
ゲオルグと名乗ったドワーフはぶっきらぼうにそう言うと立ち上がりズボンに付着した砂埃をパンパンと手で払う。
「ねぇ、いい加減これをどうするのか教えて。じゃないと運んであげないから」
ナギたちは住処の提供を条件にドワーフから魔術武装の回収を要求されている。
だがその意図は理解しかねており、いつまで経ってもドワーフたちから何の説明もないことに苛立ちを覚え始めていた。
「ちっ、どうせ獣に言っても理解できねぇんだから説明なんて必要ねぇだろうに……」
「何か言った?」
「何でもねぇよ。仕方ねぇ、付いてこい」
そう言ってゲオルグは踵を返して歩き出す。仕方なくナギは装甲車を抱え直して、サラと共に付いていく。
しばらく進むと視界が開け広大な部屋が現れた。そこではカンカンと鉄を叩く音が響き、そこではゲオルグ以外のドワーフたちがハンマーを振り下ろしていたのだ。
「オメェ等! 追加の品が届いたぞー!!」
「「「へい!!!」」」
ゲオルグが大声を張り上げると、呼応するように複数の声が響き渡り、奥から次々とドワーフが姿を現す。
皆、一様に髭を生やしていて体つきも逞しい。中には女性の姿も見受けられるが、他のドワーフの男性よりもさらに小柄な体躯だった。
ナギとサラは装甲車をその場に下ろす。
「中の遺体は保管庫に、アイテムはそこの脇に集めておいてくれ!!」
ゲオルグが的確に指示を出すと、ドワーフたちはテキパキと作業に移っていく。
その手際の良さに関心しつつも、手持ち無沙汰なナギとサラは見守ることしかできず突っ立っている。
「おい獣共、そこで突っ立ってたら作業の邪魔だ! 暇ならそこの生きてる奴を別室へ運んでくれや」
ゲオルグが顎で指し示す先には遺体の山に埋もれるようにして倒れている一人のフリーディア隊員。
遺体と共に乱雑に輸送されたため全身血塗れとなっている。
「それはいいけど、これを生かしてどうするの?」
そのフリーディア隊員の襟首をナギは掴み上げながら質問する。
「ったくこれだから殺すしか能がない獣は……。分からねぇなら黙って指示に従ってろ、こんちくしょうが」
ゲオルグの言葉に反論できないのかナギは悔しそうに顔を歪める。
彼が何の目的でフリーディアの武器を奪い身柄を確保するのか皆目検討も付いていない。
言われるがままに気絶しているフリーディア隊員を別室へと運ぶ。そこは先程の工房らしき部屋と比べ、椅子が真ん中にポツンと配置されているだけで、薄暗く殺風景な印象を与える部屋だった。
「ここは……」
凄まじい血臭だ。嗅ぎなれたはずのナギでさえも、この部屋の異様さに言葉を漏らす。
「見て、ナギ。壁にもの凄い数の武器が立て掛けられてる」
サラの指指す方向へ目を向けると、彼女の言う通り壁一面には所狭しと様々な形状をした武器が並べられている。
その造形の美しさ、完成度に種族としての知性の差を感じられた。
「見惚れるのはいいが、そいつをさっさと椅子に座らせろ。そんで、コイツを取り付けて……っと」
椅子に座らされたフリーディア隊員の腕と脚にゲオルグは拘束具を取り付けていく。
「何をするつもりなの?」
ゲオルグの理解できない行為に訝しむナギは尋ねる。
「あ? 何って見りゃ分かんだろ。――拷問だよっ!」
そう言ってゲオルグは床に置いてある水の入った桶をフリーディア隊員へぶち撒けた。
「うっ」
すると、先程まで微動だにしなかったフリーディア隊員が呻き声を上げ始めた。
「こ、こは…?」
そしてゆっくりと目を開ける。
その目は虚ろで、まだ意識がはっきりしていないようだった。
しかし、目の前に立つゲオルグと隣に佇むナギの姿を認識した瞬間――その瞳は大きく見開かれた。
その目には恐怖と絶望が入り交じった複雑な色を映し出している。そんな様子の彼に対して、ゲオルグはニヤリと笑いながら話しかける。
「目が覚めたかフリーディア。気分はどうだ?」
「お、お前は何者だ!? ここはどこだ! 俺はどうしてこんなところに……それにっ」
未だ混乱の最中、自身が拘束されていることに気付いたフリーディア隊員は暴れるように身体を動かそうとするが、ガチャガチャと金属音が鳴り響くだけだった。
「暴れても無駄だ。その拘束具はビーストですら壊せない一級品だからな、こんちくしょうが」
ニヤリと不敵に笑うゲオルグをナギは遠目から見つめている。
「儂が何者かは話すつもりはねぇ、時間の無駄だからこっちの質問だけに答えな。さもなくば、ちと痛い目にあってもらうことになるぜ?」
ゲオルグから放たれる鋭い眼光にフリーディア隊員は息を呑んで押し黙る。
自分が今どういう状況にいるのか悟ったフリーディア隊員は恐怖で顔を歪ませている。
それを肯定と受け取ったゲオルグは懐からフリーディアの持つ銃形の魔術武装を取り出し尋ねる。
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「マ、魔術武装だ……」
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「…………」
さすがにこの質問は彼らの根幹に関わるものなのかフリーディア隊員は押し黙る。
そんな彼の態度に痺れを切らしたのか、ゲオルグは壁に立て掛けてある鋏の形状をした武器を手に取り、フリーディア隊員の靴を乱暴に脱がし押し当てる。
次の瞬間――
「な、何をす――ぎゃぁぁぁっーーー!!!」
目の前で繰り広げられた凄惨な光景に遠巻きに見ていたサラは「ひっ」と小さな悲鳴を上げ、ナギは不快そうに顔を歪ませた。
「う、うぅぅぅ足がぁーーー! 俺の足ぃぃぃぃーーーーっ!!!」
ゲオルグに足の親指を切り飛ばされたフリーディア隊員は痛みで悶絶し、ただひたすら赤子のように泣き叫ぶ。
「うるせぇな……足の指切っただけだろうが。そもそもオメェが素直に答えねぇのが悪いんだぜ?」
仕方ないとばかりに呟くゲオルグだが、その表情はどこか楽しげだ。目の前で悶え苦しむフリーディア隊員に再び鋏形の武器を突き出し言葉を放つ。
「まだ拷問は始まったばかりなんだ。簡単にくたばんじゃねぇぞフリーディア」
そう言って今度は人差し指に狙いを定めて鋏を閉じる。するとまるで果実でも切り落とすかのようにあっさりと指が切断された。
再びフリーディア隊員の口から絶叫が木霊する。そしてゲオルグはその悲鳴を旋律が奏でるかのごとく心地よさそうに聞いていた。
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