129 / 133
ついてない
しおりを挟む
「ざまあみやがれっ!」
怒鳴り、ドラキュラは人型に戻る。
剣を大きく振るう。
落ちた柵は壁ごと吹っ飛んだ。
「なっ⁉︎」
羽月がいない。
「ついてねぇ。中はしっかり劣化してんじゃねぇかよっ」
苛立ちを漏らす。
羽月は隣の冷凍倉庫に移動していた。
脚を投げ出して座り、ドア付近の壁に寄り掛かっている。
左足を抱え込む。
ブーツの足首付近には血が滲む。
「ちっ!」
派手に舌打ちをする。
ブーツを脱ぎ、医薬品スプレーをかけるが、それではどうにもならない。
羽月はアキレス腱を損傷していた。
近くにあるビニール紐とガムテープで補強する。
「なるべく早く始末しねぇと、なっ」
強く固定し、ブーツを履く。
まだ完全には切れていないが、戦闘すれば直ぐに切れてしまう。
羽月は倉庫内を見渡した。
棚にはパン生地や冷凍食品が陳列されている。
足を引きずって歩き、ベルトコンベアの中央に行く。
内側に埋まっているタンク、マーカーのインクを取り出す。
インクは無添加の食紅だった。
サーモに反応してないって事は、本体は一つだけだ。
天井を見上げ、羽月は名案を思い付く。
負傷している羽月だが、流血はしていない。血痕を追えないドラキュラは、隣の冷凍倉庫に向かっていた。
血液の入ったパウチを取り出し、豪快に飲み干す。
笑みを浮かべ、ドラキュラは自動扉を開ける。
中には沢山の鮮魚が吊るされていた。
「隠れても無駄だぁ!」
人型から蝙蝠の群れになる。蝙蝠が刃だ。その蝙蝠からも血刃が飛び出す。
倉庫内はメチャクチャだ。
——人の気配がない。
気付き、ドラキュラは人型に戻る。
中央にはベルトコンベア、壁横にはドライアイスを作る機械。
ドライアイスを貯める部分は、縦一メートル五十センチ、横が二メートル。奥行は八十センチある。人が二人は隠れられるサイズだ。
ドラキュラは恐る恐る傾斜扉を開ける。……が羽月はいない。
中にあったのはタオルケットと黒いビニール袋だ。
地味に舌打ちし、残念がる。
「何だよ。こっちじゃないのか……」
ドラキュラは隣の倉庫を目指す。
怒鳴り、ドラキュラは人型に戻る。
剣を大きく振るう。
落ちた柵は壁ごと吹っ飛んだ。
「なっ⁉︎」
羽月がいない。
「ついてねぇ。中はしっかり劣化してんじゃねぇかよっ」
苛立ちを漏らす。
羽月は隣の冷凍倉庫に移動していた。
脚を投げ出して座り、ドア付近の壁に寄り掛かっている。
左足を抱え込む。
ブーツの足首付近には血が滲む。
「ちっ!」
派手に舌打ちをする。
ブーツを脱ぎ、医薬品スプレーをかけるが、それではどうにもならない。
羽月はアキレス腱を損傷していた。
近くにあるビニール紐とガムテープで補強する。
「なるべく早く始末しねぇと、なっ」
強く固定し、ブーツを履く。
まだ完全には切れていないが、戦闘すれば直ぐに切れてしまう。
羽月は倉庫内を見渡した。
棚にはパン生地や冷凍食品が陳列されている。
足を引きずって歩き、ベルトコンベアの中央に行く。
内側に埋まっているタンク、マーカーのインクを取り出す。
インクは無添加の食紅だった。
サーモに反応してないって事は、本体は一つだけだ。
天井を見上げ、羽月は名案を思い付く。
負傷している羽月だが、流血はしていない。血痕を追えないドラキュラは、隣の冷凍倉庫に向かっていた。
血液の入ったパウチを取り出し、豪快に飲み干す。
笑みを浮かべ、ドラキュラは自動扉を開ける。
中には沢山の鮮魚が吊るされていた。
「隠れても無駄だぁ!」
人型から蝙蝠の群れになる。蝙蝠が刃だ。その蝙蝠からも血刃が飛び出す。
倉庫内はメチャクチャだ。
——人の気配がない。
気付き、ドラキュラは人型に戻る。
中央にはベルトコンベア、壁横にはドライアイスを作る機械。
ドライアイスを貯める部分は、縦一メートル五十センチ、横が二メートル。奥行は八十センチある。人が二人は隠れられるサイズだ。
ドラキュラは恐る恐る傾斜扉を開ける。……が羽月はいない。
中にあったのはタオルケットと黒いビニール袋だ。
地味に舌打ちし、残念がる。
「何だよ。こっちじゃないのか……」
ドラキュラは隣の倉庫を目指す。
5
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
改造空母機動艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
兵棋演習の結果、洋上航空戦における空母の大量損耗は避け得ないと悟った帝国海軍は高価な正規空母の新造をあきらめ、旧式戦艦や特務艦を改造することで数を揃える方向に舵を切る。
そして、昭和一六年一二月。
日本の前途に暗雲が立ち込める中、祖国防衛のために改造空母艦隊は出撃する。
「瑞鳳」「祥鳳」「龍鳳」が、さらに「千歳」「千代田」「瑞穂」がその数を頼みに太平洋艦隊を迎え撃つ。
あやかし蔵の管理人
朝比奈 和
キャラ文芸
主人公、小日向 蒼真(こひなた そうま)は高校1年生になったばかり。
親が突然海外に転勤になった関係で、祖母の知り合いの家に居候することになった。
居候相手は有名な小説家で、土地持ちの結月 清人(ゆづき きよと)さん。
人見知りな俺が、普通に会話できるほど優しそうな人だ。
ただ、この居候先の結月邸には、あやかしの世界とつながっている蔵があって―――。
蔵の扉から出入りするあやかしたちとの、ほのぼのしつつちょっと変わった日常のお話。
2018年 8月。あやかし蔵の管理人 書籍発売しました!
※登場妖怪は伝承にアレンジを加えてありますので、ご了承ください。
仮病の姫君と謀りの許婚者 〜七惺国公主伝〜
いちごだいふく
キャラ文芸
「賭けましょう―。半年後、貴女は私を好きになる」
事件の真相を追う為、身分を偽り下級役人として働く公主・紫水。だが兄・秦王の腹心である星卿の策略により、突然現れた許嫁との同棲生活を余儀なくされる。
成景と名乗るその男は、紫水の秘密を知った上である提案をする。
友人の恋と宮廷の陰謀、そして復讐―。
ひとりの公主の人生と、宮廷が大きく動く春が始まる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる