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留学編
実地視察 12
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「食料調達任務、ですか?」
早朝、指令室に呼び出された僕は、エドナー司令官から緊急の任務を言い渡されていた。
「そうだ。本日これより飛空挺に搭乗し、ここから少し南下した場所にある港へと移動してもらう。その後、港の拠点を預かる者から海産物を調達し、本日夕刻までに帰投しろ」
何故かエドナー司令官は、疲れた表情を滲ませながら僕へ命令を出している。何となくその様子から、今回の一件に王女達が関わっているのではないかと推測できてしまう。そのため、僕は苦笑いを浮かべながらエドナー司令官に確認する。
「あの、その任務には各国の王女殿下も同行するのでしょうか?」
「・・・今回の任務に先だって、キャンベル殿下を筆頭に、各国の王女殿下達も海産物の調達を視察したいとのご希望だ。準備は既にこちらで整えているから、お前は朝食後に殿下達を飛空挺まで案内すれば良い」
「りょ、了解しました」
エドナー司令官は、小さなため息を吐きながら今回の任務が決まった背景を教えてくれた。その内容にやっぱりと思ったが、同時に何故という疑問も浮かび上がる。そんな僕の内心を察したように、エドナー司令官は再度念を押すように任務のスケジュールを口にした。
「いいか、ジール。現地到着予定時刻は10時。食料となる海産物回収は15時の予定で、帰投は16時30分と想定している」
「・・・つまり15時までの5時間で、王女殿下達と共に魚などの海産物を捕獲するということですね?」
僕は今回の任務の内容を確認するようにエドナー司令官に聞き直したのだが、盛大なため息を返されてしまった。
「海産物の捕獲は現地の者達が行う。お前達は積込の時間まで待機だ」
「???それでは視察をすると考えても、相当時間が余ってしまうのではないでしょうか?」
「そうだな。余った時間については自由行動を許す。港のそばには綺麗な砂浜があるからな・・・」
エドナー司令官は、どこか遠くを見つめながら港の様子について言及してきた。つまりはそう言うことなのだろう。
(市場視察の時と同様に、表立って休息日だとは言えないということか。となると、今回の本当の任務は、王女殿下達と海で遊んでこいって事になるな。海なんて知識では知っていても、実際に見たこと無いし、どうやって遊ぶんだ?)
そんな疑問はあったものの、とりあえずはエドナー司令官からの命令を拝領し、指令室をあとにするのだった。
青い海!白い砂浜!輝く太陽!
予定通りの時刻に到着した港で僕は一人、砂浜に立って景色を眺めていた。服装は海で動きやすい衣装ということで、紺色の短パンに上半身はチャックで開閉する白の半袖パーカーを着ていた。この港は王国でもかなり南の位置にあるためか、じっとしていても汗ばむ陽気をしている。
目の前には、初めて目にした海がどこまでも広がっており、実際に見る海というものが、とてつもない大きさだと実感できた。
「・・・スゴい」
耳を楽しませてくれる波音を聞きながら、エメラルドグリーンをした綺麗な海に目を奪われていると、背後から声を掛けられた。
「おまた~!」
その声に振り返ると、黄緑色のワンピースタイプの水着を着たパピル様が、僕に向かって手を振りながら歩み寄ってきていた。腰のあたりには3段式のフリルがあしらわれ、綺麗な花柄が施されており、とても可愛らしいものだった。幼児体型ではあるのだが、その表情は大人の女性の雰囲気を纏った妖艶さがあり、そんなパピル様と目が合うと、ドキッとさせられてしまう。
「ねぇねぇ、どう?パピルの水着姿?」
「あ、と、とても似合っていらっしゃいます」
「・・・それだけ?」
感想を聞かれ、とっさに出た僕の言葉が味気ないものだった為か、パピル様は小悪魔のような笑みを浮かべつつ、小首を傾げながら覗き込むようにして更に感想を求めてきた。
「その・・・パピル殿下の髪の色と合っていますし、そちらのフリルも可愛らしさを更に引き立てています」
「ふふふ、ありがと~!」
僕の返答に満足したのか、パピル様は笑みを浮かべながら僕から少し離れた。その直後、今度はジェシカ様が現れた。
「ま、待たせたな、ジール殿」
「いえ、全然待っていないので大丈夫ですよ」
「そ、そうか・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
ジェシカ様と目が合うと、着替えに時間がかかってしまったことをお詫びされたが、すぐにジェシカ様に視線を逸らされてしまい、微妙な空気が流れた。
ジェシカ様は上下一体化したキーホールタイプのデザインで、赤色をベースに白いラインが入った水着を着用しており、大きな胸元が見えるような仕様となっている。元々の肉体美も相まって、美術品の彫像のような美しさだ。
そんなジェシカ様に何と声を掛けて良いものか思案していると、見かねたパピル様が声を荒げた。
「あ~も~!2人とも何やってるの!!ジェシカっちはジルジルに水着の感想が聞きたかったんでしょう!?」
「まっ、待ってくれ!まだ、心の準備が・・・」
パピル様の言葉に、ジェシカ様は赤面して身体を隠すようにしゃがみ込んでしまった。2m近いその体格もあって当然隠しきれていないのだが、僕に向かってパピル様が無言の視線で射貫いてくるので、僕は少し歩み寄ってから水着の感想を伝えることにした。
「えっと、ジェシカ殿下・・・その赤色の水着、とても似合っていますね」
「ほ、本当か?」
僕の言葉にジェシカ様が顔をあげると、何かを期待するような視線を向けてきた。その様子に、背後からパピル様の視線の圧が膨れ上がった気がした僕は、更に言葉を続ける。
「その・・・身体のラインがハッキリ浮かんでいて、まるで美術品の様な肉体美ですね」
「っ!そ、そうだろう!そうだろう!!この大腿四頭筋と下腿三頭筋のバランスには自信があるんだ!それからこの大胸筋はだな・・・」
ジェシカ様の肉体美について称賛の言葉を述べると、急に瞳をキラキラさせて立ち上がり、足や胸を指差しながら熱心に筋肉についての説明をしてきた。その勢いに押された僕は何も言えずにいると、ジェシカ様の背後からルピス様が顔を覗かせてきた。
「そろそろいいですか、ジェシカ殿下?次はボクの番なのです!」
そう言うと、ルピス様がジェシカ様を押し退けるように僕の前へと進み出てきた。ジェシカ様は唇を尖らせ不満げな表情を浮かべていたが、不承不承といった様子でパピル様の方へと移動した。その様子を見送ると、ルピス様は満面の笑みを浮かべながら、両手を広げて水着を見せてきた。
「どうですかジールさん!?ボクの水着は似合っていますか?」
ルピス様の水着は上下が分かれたセパレートタイプで、ピンク色に白い花柄があしらわれ、フリルをふんだんに使ったものだった。普段は服で隠されている大きな胸が、今は存在をこれでもかというほど主張している。いつもなら不安を感じてしまうような光景なのだが、不思議と最近はルピス様や他の王女殿下達に近づかれても、それほど不安を抱かなくなってきた。おそらくは、女性恐怖症克服大作成の効果が出始めているのだろう。
「可愛らしいルピス殿下によくお似合いです。ピンク色の水着が、ルピス様の白い肌をより健康的に見せてくれますね」
先程までのことを踏まえ、僕なりに精一杯の賛辞を述べると、ルピス様は頬を赤く染め、尻尾を忙しなく左右に動かしていた。
「そ、そうなのです?そんなにストレートに言われると、正直、照れてしまうのです・・・」
嬉しそうなルピス様の様子に、僕も笑みを浮かべていると、キャンベル様が歩み寄ってきた。
「つ、次は私よ!」
気恥ずかしさを押し殺したような様子のキャンベル様がそう言うと、ルピス様は笑顔のままパピル様達の方へと行ってしまった。するとキャンベル様はポーズを取るように、少し胸を張って腰に手を当て、僕の瞳を覗き込んできた。その圧力に、僕は必死で言葉を思い浮かべる。
キャンベル様は真っ黒なビキニタイプの水着を着用しており、元々のスレンダーな体型がさらに際立っているように見えた。細くしなやかな肢体が日に照らされ、とても美しく感じる。
「キャンベル殿下もよくお似合いです。黒の水着は何だか大人っぽくて、キャンベル殿下の美しさを際立たせていますね」
「っ!そ、そう?あ、ありがとう」
キャンベル様は僕の言葉に顔を赤く染めながら、恥ずかしがるようにそっぽを向いてしまい、そのまま皆さんの方へと移動してしまった。
「最後は私の番ですわね。どうですか、ジール?」
そんな言葉とともに、レイラ様が姿を見せた。レイラ様は純白のクロス・ホルダーのビキニを着用しており、腰には片側の足首まで隠すヒラヒラとした水色のパレオを身につけていた。
僕に見せつけるようにポーズを取るレイラ様はとても美しく、アップに纏められた髪型や女性らしいメリハリのある体型に、大人の女性の魅力を感じさせられた。
「凄くお綺麗です。まるで絵画に描かれているモデルのようです」
「ふふふ、ありがとう。ちなみに、絵画と私だったら、どちらの方が魅力的かしら?」
蠱惑的な眼差しを向けながら僕に歩み寄るレイラ様に、鼓動が高鳴るのを感じたが、それを必死に押し隠すように、なんとか口を開いた。
「そ、それは勿論レイラ殿下です」
「良い返事ね。じゃあ、これをお願いできるかしら?」
満面の笑みを浮かべながら手渡されたそれに視線を向けると、手のひらサイズの瓶だった。
「・・・あの、レイラ殿下、これは?」
「日焼け止めですわ。自分で背中を塗るのは難しいので、ジールにやって欲しいのです」
「せ、背中に・・・塗る・・・」
レイラ様の言葉に、僕は渡された瓶を見つめながら固まってしまったが、それは不安や恐怖というよりも、恥ずかしさからくるものだった。
早朝、指令室に呼び出された僕は、エドナー司令官から緊急の任務を言い渡されていた。
「そうだ。本日これより飛空挺に搭乗し、ここから少し南下した場所にある港へと移動してもらう。その後、港の拠点を預かる者から海産物を調達し、本日夕刻までに帰投しろ」
何故かエドナー司令官は、疲れた表情を滲ませながら僕へ命令を出している。何となくその様子から、今回の一件に王女達が関わっているのではないかと推測できてしまう。そのため、僕は苦笑いを浮かべながらエドナー司令官に確認する。
「あの、その任務には各国の王女殿下も同行するのでしょうか?」
「・・・今回の任務に先だって、キャンベル殿下を筆頭に、各国の王女殿下達も海産物の調達を視察したいとのご希望だ。準備は既にこちらで整えているから、お前は朝食後に殿下達を飛空挺まで案内すれば良い」
「りょ、了解しました」
エドナー司令官は、小さなため息を吐きながら今回の任務が決まった背景を教えてくれた。その内容にやっぱりと思ったが、同時に何故という疑問も浮かび上がる。そんな僕の内心を察したように、エドナー司令官は再度念を押すように任務のスケジュールを口にした。
「いいか、ジール。現地到着予定時刻は10時。食料となる海産物回収は15時の予定で、帰投は16時30分と想定している」
「・・・つまり15時までの5時間で、王女殿下達と共に魚などの海産物を捕獲するということですね?」
僕は今回の任務の内容を確認するようにエドナー司令官に聞き直したのだが、盛大なため息を返されてしまった。
「海産物の捕獲は現地の者達が行う。お前達は積込の時間まで待機だ」
「???それでは視察をすると考えても、相当時間が余ってしまうのではないでしょうか?」
「そうだな。余った時間については自由行動を許す。港のそばには綺麗な砂浜があるからな・・・」
エドナー司令官は、どこか遠くを見つめながら港の様子について言及してきた。つまりはそう言うことなのだろう。
(市場視察の時と同様に、表立って休息日だとは言えないということか。となると、今回の本当の任務は、王女殿下達と海で遊んでこいって事になるな。海なんて知識では知っていても、実際に見たこと無いし、どうやって遊ぶんだ?)
そんな疑問はあったものの、とりあえずはエドナー司令官からの命令を拝領し、指令室をあとにするのだった。
青い海!白い砂浜!輝く太陽!
予定通りの時刻に到着した港で僕は一人、砂浜に立って景色を眺めていた。服装は海で動きやすい衣装ということで、紺色の短パンに上半身はチャックで開閉する白の半袖パーカーを着ていた。この港は王国でもかなり南の位置にあるためか、じっとしていても汗ばむ陽気をしている。
目の前には、初めて目にした海がどこまでも広がっており、実際に見る海というものが、とてつもない大きさだと実感できた。
「・・・スゴい」
耳を楽しませてくれる波音を聞きながら、エメラルドグリーンをした綺麗な海に目を奪われていると、背後から声を掛けられた。
「おまた~!」
その声に振り返ると、黄緑色のワンピースタイプの水着を着たパピル様が、僕に向かって手を振りながら歩み寄ってきていた。腰のあたりには3段式のフリルがあしらわれ、綺麗な花柄が施されており、とても可愛らしいものだった。幼児体型ではあるのだが、その表情は大人の女性の雰囲気を纏った妖艶さがあり、そんなパピル様と目が合うと、ドキッとさせられてしまう。
「ねぇねぇ、どう?パピルの水着姿?」
「あ、と、とても似合っていらっしゃいます」
「・・・それだけ?」
感想を聞かれ、とっさに出た僕の言葉が味気ないものだった為か、パピル様は小悪魔のような笑みを浮かべつつ、小首を傾げながら覗き込むようにして更に感想を求めてきた。
「その・・・パピル殿下の髪の色と合っていますし、そちらのフリルも可愛らしさを更に引き立てています」
「ふふふ、ありがと~!」
僕の返答に満足したのか、パピル様は笑みを浮かべながら僕から少し離れた。その直後、今度はジェシカ様が現れた。
「ま、待たせたな、ジール殿」
「いえ、全然待っていないので大丈夫ですよ」
「そ、そうか・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
ジェシカ様と目が合うと、着替えに時間がかかってしまったことをお詫びされたが、すぐにジェシカ様に視線を逸らされてしまい、微妙な空気が流れた。
ジェシカ様は上下一体化したキーホールタイプのデザインで、赤色をベースに白いラインが入った水着を着用しており、大きな胸元が見えるような仕様となっている。元々の肉体美も相まって、美術品の彫像のような美しさだ。
そんなジェシカ様に何と声を掛けて良いものか思案していると、見かねたパピル様が声を荒げた。
「あ~も~!2人とも何やってるの!!ジェシカっちはジルジルに水着の感想が聞きたかったんでしょう!?」
「まっ、待ってくれ!まだ、心の準備が・・・」
パピル様の言葉に、ジェシカ様は赤面して身体を隠すようにしゃがみ込んでしまった。2m近いその体格もあって当然隠しきれていないのだが、僕に向かってパピル様が無言の視線で射貫いてくるので、僕は少し歩み寄ってから水着の感想を伝えることにした。
「えっと、ジェシカ殿下・・・その赤色の水着、とても似合っていますね」
「ほ、本当か?」
僕の言葉にジェシカ様が顔をあげると、何かを期待するような視線を向けてきた。その様子に、背後からパピル様の視線の圧が膨れ上がった気がした僕は、更に言葉を続ける。
「その・・・身体のラインがハッキリ浮かんでいて、まるで美術品の様な肉体美ですね」
「っ!そ、そうだろう!そうだろう!!この大腿四頭筋と下腿三頭筋のバランスには自信があるんだ!それからこの大胸筋はだな・・・」
ジェシカ様の肉体美について称賛の言葉を述べると、急に瞳をキラキラさせて立ち上がり、足や胸を指差しながら熱心に筋肉についての説明をしてきた。その勢いに押された僕は何も言えずにいると、ジェシカ様の背後からルピス様が顔を覗かせてきた。
「そろそろいいですか、ジェシカ殿下?次はボクの番なのです!」
そう言うと、ルピス様がジェシカ様を押し退けるように僕の前へと進み出てきた。ジェシカ様は唇を尖らせ不満げな表情を浮かべていたが、不承不承といった様子でパピル様の方へと移動した。その様子を見送ると、ルピス様は満面の笑みを浮かべながら、両手を広げて水着を見せてきた。
「どうですかジールさん!?ボクの水着は似合っていますか?」
ルピス様の水着は上下が分かれたセパレートタイプで、ピンク色に白い花柄があしらわれ、フリルをふんだんに使ったものだった。普段は服で隠されている大きな胸が、今は存在をこれでもかというほど主張している。いつもなら不安を感じてしまうような光景なのだが、不思議と最近はルピス様や他の王女殿下達に近づかれても、それほど不安を抱かなくなってきた。おそらくは、女性恐怖症克服大作成の効果が出始めているのだろう。
「可愛らしいルピス殿下によくお似合いです。ピンク色の水着が、ルピス様の白い肌をより健康的に見せてくれますね」
先程までのことを踏まえ、僕なりに精一杯の賛辞を述べると、ルピス様は頬を赤く染め、尻尾を忙しなく左右に動かしていた。
「そ、そうなのです?そんなにストレートに言われると、正直、照れてしまうのです・・・」
嬉しそうなルピス様の様子に、僕も笑みを浮かべていると、キャンベル様が歩み寄ってきた。
「つ、次は私よ!」
気恥ずかしさを押し殺したような様子のキャンベル様がそう言うと、ルピス様は笑顔のままパピル様達の方へと行ってしまった。するとキャンベル様はポーズを取るように、少し胸を張って腰に手を当て、僕の瞳を覗き込んできた。その圧力に、僕は必死で言葉を思い浮かべる。
キャンベル様は真っ黒なビキニタイプの水着を着用しており、元々のスレンダーな体型がさらに際立っているように見えた。細くしなやかな肢体が日に照らされ、とても美しく感じる。
「キャンベル殿下もよくお似合いです。黒の水着は何だか大人っぽくて、キャンベル殿下の美しさを際立たせていますね」
「っ!そ、そう?あ、ありがとう」
キャンベル様は僕の言葉に顔を赤く染めながら、恥ずかしがるようにそっぽを向いてしまい、そのまま皆さんの方へと移動してしまった。
「最後は私の番ですわね。どうですか、ジール?」
そんな言葉とともに、レイラ様が姿を見せた。レイラ様は純白のクロス・ホルダーのビキニを着用しており、腰には片側の足首まで隠すヒラヒラとした水色のパレオを身につけていた。
僕に見せつけるようにポーズを取るレイラ様はとても美しく、アップに纏められた髪型や女性らしいメリハリのある体型に、大人の女性の魅力を感じさせられた。
「凄くお綺麗です。まるで絵画に描かれているモデルのようです」
「ふふふ、ありがとう。ちなみに、絵画と私だったら、どちらの方が魅力的かしら?」
蠱惑的な眼差しを向けながら僕に歩み寄るレイラ様に、鼓動が高鳴るのを感じたが、それを必死に押し隠すように、なんとか口を開いた。
「そ、それは勿論レイラ殿下です」
「良い返事ね。じゃあ、これをお願いできるかしら?」
満面の笑みを浮かべながら手渡されたそれに視線を向けると、手のひらサイズの瓶だった。
「・・・あの、レイラ殿下、これは?」
「日焼け止めですわ。自分で背中を塗るのは難しいので、ジールにやって欲しいのです」
「せ、背中に・・・塗る・・・」
レイラ様の言葉に、僕は渡された瓶を見つめながら固まってしまったが、それは不安や恐怖というよりも、恥ずかしさからくるものだった。
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