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第六章 フリューゲン辺境伯領 編
復讐 10
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屋敷に足を踏み入れると、空間認識でわずかな人数しか残っていない事が分かる。どうやらこの屋敷にいた大抵の人達は、僕を迎撃する為に外に出たようだ。残っているのは元々いた使用人といったところだろう。昼間に忍び込んだ執務室には1人だけ反応があったので、おそらくはそこに父親がいるはずだ。外では結構な騒ぎを起こしたので、今頃逃げる準備をしているのかもしれない。
執務室までの廊下は、誰にもすれ違うことなく素通りだった。もっと何人もの手練れが出てきて邪魔されるのかと思っていたのだが、ことの他すんなり来てしまったことに訝しむ。
(もしかして、庭に出てきた150人がこの屋敷の全戦力だったのかな?用心に別格の護衛とか残していると思ったのに、そんなこともないのか・・・)
もしかしたら、僕の力が隔絶しすぎてしまっているのかもしれないが、もっと黒幕という存在は策を巡らせ、不測の事態にも即対応できるような存在だと勝手に思っていた。
そんなことを考えながら、僕はとうとう父親がいるであろう執務室に辿り着いた。足音を忍ばせるでもなく普通に歩いてきたというのに、この部屋の人物は空間認識では微動だにしていなかった。
(なんだ?外の惨状を見て諦めたのか?そうだとしたら、拍子抜けだな・・・)
少し落胆しながら重厚な扉を開けると、机に座ったまま入ってきた僕を真っ直ぐ見つめてくる父親の姿がそこにあった。
「・・・今時の子供はマナーも知らないのか?ノックもせずに部屋に入ってくるとは・・・」
聞きなれた、記憶にある父親の声だった。昼間男に向けられていたものとは違う、僕に向けられたその声に、その視線に、また心臓が捕まれるような錯覚に陥ってしまう。そんな錯覚を振り払って、父親と対面する。
「残念ながら、僕にはマナーを教えてくれる親が居なかったんだ。小言を言うなら親に言って欲しいね」
「学園でも常識くらい教えてくれるだろう?そこで学ぼうとはしなかったのか?」
「学んださ。ただ、マナーの無い奴らのトップに尽くすマナーなど無いというだけで」
「相手が無礼だからと無礼に振る舞っては、自分も同じ程度の存在だと認めることになる。これから相対する相手にはどんな者であっても礼をもって対応しなさい」
この部屋に入ってから、ずっと憮然とした表情で対応しいていたが、あまりにも父親が僕を子供扱いし、説教までしてくるので苛立ってしまう。
「・・・今さら、今さら父親面する気かっ!?」
「いや、これは年長者としての助言だよ。将来・・君の役に立つだろうと思ってのね」
「ふざけるな!!あの時僕を見捨てたくせに!僕を殺そうとしたくせに!」
父親の言葉に、5歳の【才能】が分かったあの日、落胆の目を向けてきた父親の光景が、僕を魔の森まで連れていって捨てたあの最後の光景が、フラッシュバックする。
「そんなことを言うためにここまで来たのか?わざわざ迎撃した改革派閥の人間を皆殺しにして」
「・・・あんたを殺すためだよ」
「復讐に取り憑かれたか?その力、使い方さえ間違わねば栄達も思いのままだろうに」
「あんたは今反乱の首謀者だろ?そんな人間を殺したところでお咎めなんてないよ」
「ふっ、それは確かにそうだな」
そんな僕の言葉に、何故か父親は優しげな笑みを浮かべていた。
(何でだよ!何で殺されるという状況の中で、何でそんなにも穏やかな顔しているんだよ!?)
そんな父親の態度に、僕は感情的になっていろんな事を問い詰めた。
「何故シルヴィアにあんなことをしたんだ!?」
「私達が確保した少女のことか?当然目的のためだ」
「彼女に【経営者】の才能を持った子供を生ませるためにか!?」
「ほう、知っていたのか。ならば聞くまでもなかっただろう?」
「彼女には何の関係もないじゃないか!」
「我々がしているのは革命だ。遊びではないのだぞ。手段を選んで目的が達成できるとでも思っているのか?」
「そんなの、自分達に都合の良い正論なだけじゃないか!それに巻き込まれる者にとってはただの詭弁だ!」
「だろうな。だが、たとえ何万人から恨まれたとしても我々には果たすべき大義があるのだ」
「大義だって!?そんなの、廃嫡された貴族が権力に返り咲く為のものだろう!」
「そう思うのも無理はないだろうな。子供のお前にはまだ分からんだろうが、この国・・この世界は歪んでいるのだ」
そう言葉にした父親は、僕を見るでもなく、どこか遠い風景を思い出しているように虚空を見つめていた。
「だったら、まずそう主張したら良いじゃないか!こんな反乱を起こし、無関係な人を巻き込んで・・・」
「お前はそんなことでこの国が変わるとでも思っているのか?何度も訴えたに決まっているだろう。言論で変わらぬなら、武力でもって変えるほかあるまい」
その表情は、不退転の意思が込められたようだった。
「・・・その革命とやらが失敗したらどうするんだ?この領地は?」
「何事も次善を考えて行動するものだ。手は打ってある」
当然とばかりに、父親は鋭い視線を僕に投げ掛けてきた。まるで、そんなことも分からないのかというように。
「・・・それだけ先を見れるあんたが、なんで・・・なんで僕を・・・」
僕は父親を真っ直ぐに見つめながら、5歳の頃から抱いていた想いをぶつけようとした。しかし、その想いは言葉になろうとする前に、様々な記憶が頭の中を巡って言葉にならなくなってしまった。そんな僕を見る父親は一瞬だけ表情を動かしたように見えた。父親は椅子から立ち上がり、机の前に移動してきて、僕の目をじっと見つめながら口を開いた。
「・・・お前を冷遇して捨てたことか?」
「っ!!」
「理由は簡単だ。伯爵家の子供としてお前は相応しくなかった。不要だったのだ・・・ただ・・・それだけだ」
苦渋に満ちた声だったのだろう。苦悩の末に出した答えだったのだろう。
ただ、その時の僕はそんな父親の声の変化や、表情の変化に気づくことはなく、言われたその言葉が僕の心を復讐という漆黒の感情で覆い尽くし、目の前にいるのは復讐の対象者だという認識しかできなくなっていた。
そしてーーー
「〈剛毅抜手〉!」
衝動に駆られて、僕が気づいたときには既に父親の胸を貫くように抜手を放っていた。
「ぐ、ごふっ・・・」
「っ!!!?」
僕に貫かれた瞬間、父親は僕に覆い被さって・・・いや、抱き締めてきた。
「今まで辛い想いをさせてすまなかった・・・ダリア」
耳元で囁く父親の声に、僕の目から何故か無意識に涙が溢れていた。
「い、今さら何を?命乞いか!?」
「これからは復讐ではなく、自分の幸せのために生きなさい」
僕の言葉には答えずに、父親は自分の言いたい事だけを伝えているようだった。その、今までのやり取りからは考えられない父親の言葉に、僕はどうしても涙を止めることができなかった。
「なんだよ、なんなんだよ!」
「愛しているよダリア・・・」
父親は抱き締めた腕を頭に置き、優しく僕の頭を撫で、その言葉を最後に力なく床に崩れ落ちた。
「・・・・・・」
僕はしばらく呆然と崩れ落ちた父親を見つめていた。どれだけ時間が経ったか分からなかったが、僕が立ち尽くしているうちにも、ずっと涙が溢れていたようで、涙が滲んで周りが見えなかった。
(これが僕の望んだ復讐?・・・本当に?)
虚脱感が身体を覆っていた。虚無感しか感じられなかった。なにか大切なものを失ったような、思い出したようなそんな感覚だった。
涙を拭い、室内を見渡すと、机の上に一通の手紙が置いてあることに気づいた。
「・・・これは?」
手に取って宛名を見ると、そこに書かれていた名前は・・・
「ダリア殿へ?何で僕に?」
それはまるで、僕が今日ここに来ることが分かっていたかのようだった。その手紙の宛名を見ながら、ふと冷静になった自分が思い出す。
(そういえば、父親は僕の姿を見た時にまったく驚いていなかった・・・なぜ?)
11歳の子供を魔の森と呼ばれる場所に捨てたなら、当然死んでいると思っていてもおかしくない。にも関わらず、父親は驚くどころか当然とばかりに対応していた。まるで生きていたことを知っていたとばかりに。
(知っていた?偶然?それとも調べた?)
そんな混乱の中、唯一の手懸かりかもしれない手紙を開いた。そして、僕は父親の真実を知ることになる。
執務室までの廊下は、誰にもすれ違うことなく素通りだった。もっと何人もの手練れが出てきて邪魔されるのかと思っていたのだが、ことの他すんなり来てしまったことに訝しむ。
(もしかして、庭に出てきた150人がこの屋敷の全戦力だったのかな?用心に別格の護衛とか残していると思ったのに、そんなこともないのか・・・)
もしかしたら、僕の力が隔絶しすぎてしまっているのかもしれないが、もっと黒幕という存在は策を巡らせ、不測の事態にも即対応できるような存在だと勝手に思っていた。
そんなことを考えながら、僕はとうとう父親がいるであろう執務室に辿り着いた。足音を忍ばせるでもなく普通に歩いてきたというのに、この部屋の人物は空間認識では微動だにしていなかった。
(なんだ?外の惨状を見て諦めたのか?そうだとしたら、拍子抜けだな・・・)
少し落胆しながら重厚な扉を開けると、机に座ったまま入ってきた僕を真っ直ぐ見つめてくる父親の姿がそこにあった。
「・・・今時の子供はマナーも知らないのか?ノックもせずに部屋に入ってくるとは・・・」
聞きなれた、記憶にある父親の声だった。昼間男に向けられていたものとは違う、僕に向けられたその声に、その視線に、また心臓が捕まれるような錯覚に陥ってしまう。そんな錯覚を振り払って、父親と対面する。
「残念ながら、僕にはマナーを教えてくれる親が居なかったんだ。小言を言うなら親に言って欲しいね」
「学園でも常識くらい教えてくれるだろう?そこで学ぼうとはしなかったのか?」
「学んださ。ただ、マナーの無い奴らのトップに尽くすマナーなど無いというだけで」
「相手が無礼だからと無礼に振る舞っては、自分も同じ程度の存在だと認めることになる。これから相対する相手にはどんな者であっても礼をもって対応しなさい」
この部屋に入ってから、ずっと憮然とした表情で対応しいていたが、あまりにも父親が僕を子供扱いし、説教までしてくるので苛立ってしまう。
「・・・今さら、今さら父親面する気かっ!?」
「いや、これは年長者としての助言だよ。将来・・君の役に立つだろうと思ってのね」
「ふざけるな!!あの時僕を見捨てたくせに!僕を殺そうとしたくせに!」
父親の言葉に、5歳の【才能】が分かったあの日、落胆の目を向けてきた父親の光景が、僕を魔の森まで連れていって捨てたあの最後の光景が、フラッシュバックする。
「そんなことを言うためにここまで来たのか?わざわざ迎撃した改革派閥の人間を皆殺しにして」
「・・・あんたを殺すためだよ」
「復讐に取り憑かれたか?その力、使い方さえ間違わねば栄達も思いのままだろうに」
「あんたは今反乱の首謀者だろ?そんな人間を殺したところでお咎めなんてないよ」
「ふっ、それは確かにそうだな」
そんな僕の言葉に、何故か父親は優しげな笑みを浮かべていた。
(何でだよ!何で殺されるという状況の中で、何でそんなにも穏やかな顔しているんだよ!?)
そんな父親の態度に、僕は感情的になっていろんな事を問い詰めた。
「何故シルヴィアにあんなことをしたんだ!?」
「私達が確保した少女のことか?当然目的のためだ」
「彼女に【経営者】の才能を持った子供を生ませるためにか!?」
「ほう、知っていたのか。ならば聞くまでもなかっただろう?」
「彼女には何の関係もないじゃないか!」
「我々がしているのは革命だ。遊びではないのだぞ。手段を選んで目的が達成できるとでも思っているのか?」
「そんなの、自分達に都合の良い正論なだけじゃないか!それに巻き込まれる者にとってはただの詭弁だ!」
「だろうな。だが、たとえ何万人から恨まれたとしても我々には果たすべき大義があるのだ」
「大義だって!?そんなの、廃嫡された貴族が権力に返り咲く為のものだろう!」
「そう思うのも無理はないだろうな。子供のお前にはまだ分からんだろうが、この国・・この世界は歪んでいるのだ」
そう言葉にした父親は、僕を見るでもなく、どこか遠い風景を思い出しているように虚空を見つめていた。
「だったら、まずそう主張したら良いじゃないか!こんな反乱を起こし、無関係な人を巻き込んで・・・」
「お前はそんなことでこの国が変わるとでも思っているのか?何度も訴えたに決まっているだろう。言論で変わらぬなら、武力でもって変えるほかあるまい」
その表情は、不退転の意思が込められたようだった。
「・・・その革命とやらが失敗したらどうするんだ?この領地は?」
「何事も次善を考えて行動するものだ。手は打ってある」
当然とばかりに、父親は鋭い視線を僕に投げ掛けてきた。まるで、そんなことも分からないのかというように。
「・・・それだけ先を見れるあんたが、なんで・・・なんで僕を・・・」
僕は父親を真っ直ぐに見つめながら、5歳の頃から抱いていた想いをぶつけようとした。しかし、その想いは言葉になろうとする前に、様々な記憶が頭の中を巡って言葉にならなくなってしまった。そんな僕を見る父親は一瞬だけ表情を動かしたように見えた。父親は椅子から立ち上がり、机の前に移動してきて、僕の目をじっと見つめながら口を開いた。
「・・・お前を冷遇して捨てたことか?」
「っ!!」
「理由は簡単だ。伯爵家の子供としてお前は相応しくなかった。不要だったのだ・・・ただ・・・それだけだ」
苦渋に満ちた声だったのだろう。苦悩の末に出した答えだったのだろう。
ただ、その時の僕はそんな父親の声の変化や、表情の変化に気づくことはなく、言われたその言葉が僕の心を復讐という漆黒の感情で覆い尽くし、目の前にいるのは復讐の対象者だという認識しかできなくなっていた。
そしてーーー
「〈剛毅抜手〉!」
衝動に駆られて、僕が気づいたときには既に父親の胸を貫くように抜手を放っていた。
「ぐ、ごふっ・・・」
「っ!!!?」
僕に貫かれた瞬間、父親は僕に覆い被さって・・・いや、抱き締めてきた。
「今まで辛い想いをさせてすまなかった・・・ダリア」
耳元で囁く父親の声に、僕の目から何故か無意識に涙が溢れていた。
「い、今さら何を?命乞いか!?」
「これからは復讐ではなく、自分の幸せのために生きなさい」
僕の言葉には答えずに、父親は自分の言いたい事だけを伝えているようだった。その、今までのやり取りからは考えられない父親の言葉に、僕はどうしても涙を止めることができなかった。
「なんだよ、なんなんだよ!」
「愛しているよダリア・・・」
父親は抱き締めた腕を頭に置き、優しく僕の頭を撫で、その言葉を最後に力なく床に崩れ落ちた。
「・・・・・・」
僕はしばらく呆然と崩れ落ちた父親を見つめていた。どれだけ時間が経ったか分からなかったが、僕が立ち尽くしているうちにも、ずっと涙が溢れていたようで、涙が滲んで周りが見えなかった。
(これが僕の望んだ復讐?・・・本当に?)
虚脱感が身体を覆っていた。虚無感しか感じられなかった。なにか大切なものを失ったような、思い出したようなそんな感覚だった。
涙を拭い、室内を見渡すと、机の上に一通の手紙が置いてあることに気づいた。
「・・・これは?」
手に取って宛名を見ると、そこに書かれていた名前は・・・
「ダリア殿へ?何で僕に?」
それはまるで、僕が今日ここに来ることが分かっていたかのようだった。その手紙の宛名を見ながら、ふと冷静になった自分が思い出す。
(そういえば、父親は僕の姿を見た時にまったく驚いていなかった・・・なぜ?)
11歳の子供を魔の森と呼ばれる場所に捨てたなら、当然死んでいると思っていてもおかしくない。にも関わらず、父親は驚くどころか当然とばかりに対応していた。まるで生きていたことを知っていたとばかりに。
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