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第三章 神樹の真実
神樹 16
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「それで、現状はどうなっている?」
魔導列車にて移動中の車内、俺は第一中隊長に現在の状況を確認する。
彼の名前はレージックと言うようで、今年30歳になった青年だ。薄い緑色の髪が特徴的で顔は整っており、身長も180センチ程度と高い。元々は第二騎士団の中隊長をしており、軍務大臣が引き抜いたのだという。出自はその髪色からも分かる通り、王族の血筋である公爵家の次男とのことだ。
「はっ!飛行型の魔物は既に平民の居住区へと侵入しております。各騎士団が対処しており、今のところ大きな被害は出ておりません。しかし、地上型の魔物が生産区の作物を荒らしていることもあり、今回撃退できたとしても、その後の食料事情が心配です」
彼の言葉に俺は少し考える。大きな被害は出ていないとのことだが、公爵家の彼から見れば平民など、とるに足らない存在であるはずで、実際は多数の平民が亡くなるなどの被害に遭っている可能性がある。それに、考えなければならない事は他にもある。
「そうか。では、王城内の状況についての情報はあるか?」
「・・・現在、王城内はかなりの混乱に見舞われております。国王陛下並びに第一王子殿下、第二王女殿下が事態の収拾へ尽力していただいております。ただ、内務大臣をはじめとした文官職にある者達が・・・その・・・」
苦悩に顔を歪めながら言い淀む彼の様子に、何となく状況を察する。先程の学院での貴族達や生徒達はまだ理性的な行動をしていた。周りの目や耳があるから醜態を晒さないように我慢していただけかもしれないが、それでもパニックを起こさなかっただけ良い方だろう。
「神樹神話を信奉していた彼らからしてみれば当然の反応かもしれないが、そうは言っても行政の中心を担う者達がそれではな・・・」
「平和な時間が長過ぎたのでしょう。そういった者達を統率できなかったという王族の責任もあろうかとは思いますが、今はこの国を守ることに集中下さい」
彼はそう言いながら頭を深く下げてくる。別に彼自身にその責任はないだろう。一応王族の血が流れているとはいっても、公爵家は傍系の一族で、混乱を招かぬよう政治に対する直接的な影響力はほとんど排除されている。
「レージックが謝ることじゃない。そうだ、第二王子と第一王女はどうしてるんだ?」
「実は・・・お二方の動向はよく分かっていないのです」
「なに?」
関係ないのに謝らせてしまっている彼に対して居たたまれなくなった俺は話題を変えたのだが、その返答は首を傾げるものだった。
「安全域の消失が確認された後、お二人は第二王妃様の離宮へ移られたのですが、そこから音沙汰がなく、情報も完全に遮断されているようでして・・・」
「何か良からぬ企みでもしてるんじゃないだろうな・・・」
この混乱に乗じて何かを仕掛けようとしている事は十分に予想できる。特にあの2人は安全域の消失について完全否定をしていたらしく、今回の事態に対する責任論も囁かれているらしい。元々第二王子は次期国王の座を狙っていたということもあり、逆転の一手をこの大混乱で仕掛けてきても不思議ではない。
「分かりません。ここまで完全に情報を統制しているとなれば、内務大臣などの上の役職にいる文官が手引きしている可能性が高いですが、そちらに人手を割ける状況でもないので・・・」
「まったく、面倒な・・・そうだ、神樹の実はどうなった?皇帝の話では、神樹の世代交代に伴う安全域の消失と聞いているから、実ったその実を使えば安全域の復活も問題ないのだろう?」
今考えても仕方の無いことは後回しにし、この事態の終息についての見通しを確認する。
「申し訳ありません。私ごときの身分では、そこまで詳細な情報は持たされておりません。国王陛下より聞かされているのは、問題解決の手段は有るとのことだけです」
「さすがに緊急時であっても情報統制は機能しているか。そちらの事は向こうに任せるしかないな。とにかく王国内に入り込んだ魔物と、周辺に近づいてきている魔物の掃討が急務だ」
「はい。アルバート団長と一緒に戦えること、大変光栄に思います。何なりとお命じ下さい」
レージックからは尊敬の眼差しを感じる。彼とは直接話したことはなく、俺としては何となく見た顔だなという認識だ。俺の逸話を聞いての事かもしれないが、上位の貴族家に生まれた者は武力を軽視し、権力に固執して文官を目指すものが多いらしい。そう考えると、彼は公爵家としては珍しい変わり者なのかもしれない。
そうして魔導列車は安全域があった時の境目まで到着し、魔物の咆哮や騎士の叫び声が聞こえる中、俺は魔物との戦場へと降り立った。
◆
~ ロズウェル・ストーク・ヴェストニア 視点 ~
「バかなっ!本当に神樹の安全域が消えるだと!?誰がそんな事想像できるかっ!!」
王城の離宮。私に割り当てられた部屋の中、重厚な机を両手で叩きながら大声で愚痴を漏らした。
「どうするのよ!?本当にこの王国内に魔物が侵入してきてるらしいじゃない!私達を支持していた大臣や貴族達も、手の平を返して非難してきてるわよ!?このままじゃお兄様が国王になるなんて不可能よ!?」
同腹の妹であるメリンダがヒステリックに叫びながら私を責め立ててくる。こんな状況にあっても化粧は崩れておらず、豪奢なドレスには汚れ一つ付いていない。しかも責任の全ては私にあるかのような発言までしてくる始末。そういった言動の全てが余計に私を苛つかせてくる。
「うるさい!!今はそんなことより、これからどうすべきかという事の方が重要だろう!!」
「どうするもこうするも、どうしようもないじゃない!!私達の支持者のほとんどは武力と縁遠い文官達よ!?しかも、今回の事態に我先に逃げ出す腑抜けの、ね!」
「そういった者達を引き込めと提言したのはお前だろうが!!その方が金が集まるからと!!」
「私のせいだって言うの!?賛成したのはお兄様自身じゃない!!確かにそれは良い考えだって!!実際にお金も集まったじゃない!!」
「何だとっ!?」
「なによっ!?」
そうしてしばらくの間、押し問答のように言い合っていると、不意に扉がノックされた。
「誰だっ!?」
私は苛つきながら声を荒げて返答すると、聞こえてきたのは聞き馴れた者の声だった。
『殿下。私でございます』
「・・・ドルマンか、入れ!」
私が許可を出すとゆっくり扉が開き、内務大臣であるドルマンが姿を見せた。
「殿下、火急にてお耳に入れたい情報がございます」
ドルマンが室内に入ると、早々に私の元まで歩みより、頭を下げながら本題に入った。普段は私を持ち上げるようなおべっかと、こちらに取り入るように自分を売り込む話を長ったらしくする彼が、これほど単刀直入に話を申し出てくる姿を見て、事の重要性を察した。
「聞こう」
「ありがとうございます。実は帝国の皇帝が言っていたように、神樹が実を付けたようでして」
「ふん。まさかあの女の言が本当の事だったとはな。兄上が連れて来た女だった為、まんまと騙されたわ!」
私はそれとなく今回の判断の根底には兄上との確執があり、見誤ったのも私の責任だけではないと言外に釘を差しておく。
「ええ、仰る通りでございます。殿下のご判断も致し方ないことです。それで、神樹の実についての情報なのですが・・・殿下の置かれている現状を打開する素晴らしい効果がございます」
「ほう?」
興味深い内務大臣の言葉に、私は自然と口角が吊り上がった。それは妹も同じようで、妖しく目を光らせながら続く言葉を待っているようだ。
「実は、神樹のその実を身体に取り込むと、誰でも強大な力が手に入るということです。あの序列一位のパラディンにも匹敵するほどの」
「まぁ!それは素晴らしいわ!あの目障りな男と同等の力を手に入れることが出来れば、第一王子派閥の武官達も一挙に引き入れることが出来るじゃない!」
「待て待て、それは本当か?何故そんな重要な情報をお前が知っていて私が知らない!?」
妹はのんきに喜んでいるが、当然沸き上がる疑問に私は彼を問いただす。
「情報の入手経路についてはつまびらかに出来ませんが、王城内では至るところに目や耳があるとご理解下さい」
「・・・なるほどな。盗み聞きの手段はいくらでもあるということか。しかし、その神樹の実の話が本当だとして、そんな強大な力を得るのに、何の危険も無いとは思えぬのだが?」
「さすが殿下。そのご慧眼、感服致します」
「世辞はいい。続きを話せ」
「殿下が仰る通り、適正のない者がその実を口にすると、人間にとって大き過ぎる力の影響で、人体が破裂して死に至るとのことです」
「ひっ!」
「やはりな」
内務大臣の言葉に、妹は小さな悲鳴をあげて顔を青くしていたが、私には想定内だった。お手軽に力を得ようとするのだ、相応の代償が必要となっても不思議ではない。
近年、裏組織で開発された魔力増強薬についても、適正量を守らなければ精神と肉体の崩壊を招き、人成らざるものになってしまうのだ。単体で騎士団一個師団と同等の力を持つような化物と同じ実力に成れる果実を口にするなど、どう考えても危険極まりない。
「ですが実を食すのではなく、その果汁を1000万倍に希釈したものであれば、一時ではありますが、安全に力を得ることが出来るようでございます」
「一時か・・・上手く運用すれば使えるな」
「ええ。国防の面からも、内政の面からも、単純な力は必要となる時が多いです。しかも一時的とはいえ、本来力を持たぬ文官達でもパラディン序列一位の力を得ることが出来るなら・・・」
悪い表情を浮かべる内務大臣に同調するように、私も暗い笑みを浮かべて口を開く。
「あぁ。どうやらヴェストニア王国国王は、次代へと引き継がれる事になりそうだな。この私、ロズウェル・ストーク・ヴェストニアの統治の時代が始まる!」
魔導列車にて移動中の車内、俺は第一中隊長に現在の状況を確認する。
彼の名前はレージックと言うようで、今年30歳になった青年だ。薄い緑色の髪が特徴的で顔は整っており、身長も180センチ程度と高い。元々は第二騎士団の中隊長をしており、軍務大臣が引き抜いたのだという。出自はその髪色からも分かる通り、王族の血筋である公爵家の次男とのことだ。
「はっ!飛行型の魔物は既に平民の居住区へと侵入しております。各騎士団が対処しており、今のところ大きな被害は出ておりません。しかし、地上型の魔物が生産区の作物を荒らしていることもあり、今回撃退できたとしても、その後の食料事情が心配です」
彼の言葉に俺は少し考える。大きな被害は出ていないとのことだが、公爵家の彼から見れば平民など、とるに足らない存在であるはずで、実際は多数の平民が亡くなるなどの被害に遭っている可能性がある。それに、考えなければならない事は他にもある。
「そうか。では、王城内の状況についての情報はあるか?」
「・・・現在、王城内はかなりの混乱に見舞われております。国王陛下並びに第一王子殿下、第二王女殿下が事態の収拾へ尽力していただいております。ただ、内務大臣をはじめとした文官職にある者達が・・・その・・・」
苦悩に顔を歪めながら言い淀む彼の様子に、何となく状況を察する。先程の学院での貴族達や生徒達はまだ理性的な行動をしていた。周りの目や耳があるから醜態を晒さないように我慢していただけかもしれないが、それでもパニックを起こさなかっただけ良い方だろう。
「神樹神話を信奉していた彼らからしてみれば当然の反応かもしれないが、そうは言っても行政の中心を担う者達がそれではな・・・」
「平和な時間が長過ぎたのでしょう。そういった者達を統率できなかったという王族の責任もあろうかとは思いますが、今はこの国を守ることに集中下さい」
彼はそう言いながら頭を深く下げてくる。別に彼自身にその責任はないだろう。一応王族の血が流れているとはいっても、公爵家は傍系の一族で、混乱を招かぬよう政治に対する直接的な影響力はほとんど排除されている。
「レージックが謝ることじゃない。そうだ、第二王子と第一王女はどうしてるんだ?」
「実は・・・お二方の動向はよく分かっていないのです」
「なに?」
関係ないのに謝らせてしまっている彼に対して居たたまれなくなった俺は話題を変えたのだが、その返答は首を傾げるものだった。
「安全域の消失が確認された後、お二人は第二王妃様の離宮へ移られたのですが、そこから音沙汰がなく、情報も完全に遮断されているようでして・・・」
「何か良からぬ企みでもしてるんじゃないだろうな・・・」
この混乱に乗じて何かを仕掛けようとしている事は十分に予想できる。特にあの2人は安全域の消失について完全否定をしていたらしく、今回の事態に対する責任論も囁かれているらしい。元々第二王子は次期国王の座を狙っていたということもあり、逆転の一手をこの大混乱で仕掛けてきても不思議ではない。
「分かりません。ここまで完全に情報を統制しているとなれば、内務大臣などの上の役職にいる文官が手引きしている可能性が高いですが、そちらに人手を割ける状況でもないので・・・」
「まったく、面倒な・・・そうだ、神樹の実はどうなった?皇帝の話では、神樹の世代交代に伴う安全域の消失と聞いているから、実ったその実を使えば安全域の復活も問題ないのだろう?」
今考えても仕方の無いことは後回しにし、この事態の終息についての見通しを確認する。
「申し訳ありません。私ごときの身分では、そこまで詳細な情報は持たされておりません。国王陛下より聞かされているのは、問題解決の手段は有るとのことだけです」
「さすがに緊急時であっても情報統制は機能しているか。そちらの事は向こうに任せるしかないな。とにかく王国内に入り込んだ魔物と、周辺に近づいてきている魔物の掃討が急務だ」
「はい。アルバート団長と一緒に戦えること、大変光栄に思います。何なりとお命じ下さい」
レージックからは尊敬の眼差しを感じる。彼とは直接話したことはなく、俺としては何となく見た顔だなという認識だ。俺の逸話を聞いての事かもしれないが、上位の貴族家に生まれた者は武力を軽視し、権力に固執して文官を目指すものが多いらしい。そう考えると、彼は公爵家としては珍しい変わり者なのかもしれない。
そうして魔導列車は安全域があった時の境目まで到着し、魔物の咆哮や騎士の叫び声が聞こえる中、俺は魔物との戦場へと降り立った。
◆
~ ロズウェル・ストーク・ヴェストニア 視点 ~
「バかなっ!本当に神樹の安全域が消えるだと!?誰がそんな事想像できるかっ!!」
王城の離宮。私に割り当てられた部屋の中、重厚な机を両手で叩きながら大声で愚痴を漏らした。
「どうするのよ!?本当にこの王国内に魔物が侵入してきてるらしいじゃない!私達を支持していた大臣や貴族達も、手の平を返して非難してきてるわよ!?このままじゃお兄様が国王になるなんて不可能よ!?」
同腹の妹であるメリンダがヒステリックに叫びながら私を責め立ててくる。こんな状況にあっても化粧は崩れておらず、豪奢なドレスには汚れ一つ付いていない。しかも責任の全ては私にあるかのような発言までしてくる始末。そういった言動の全てが余計に私を苛つかせてくる。
「うるさい!!今はそんなことより、これからどうすべきかという事の方が重要だろう!!」
「どうするもこうするも、どうしようもないじゃない!!私達の支持者のほとんどは武力と縁遠い文官達よ!?しかも、今回の事態に我先に逃げ出す腑抜けの、ね!」
「そういった者達を引き込めと提言したのはお前だろうが!!その方が金が集まるからと!!」
「私のせいだって言うの!?賛成したのはお兄様自身じゃない!!確かにそれは良い考えだって!!実際にお金も集まったじゃない!!」
「何だとっ!?」
「なによっ!?」
そうしてしばらくの間、押し問答のように言い合っていると、不意に扉がノックされた。
「誰だっ!?」
私は苛つきながら声を荒げて返答すると、聞こえてきたのは聞き馴れた者の声だった。
『殿下。私でございます』
「・・・ドルマンか、入れ!」
私が許可を出すとゆっくり扉が開き、内務大臣であるドルマンが姿を見せた。
「殿下、火急にてお耳に入れたい情報がございます」
ドルマンが室内に入ると、早々に私の元まで歩みより、頭を下げながら本題に入った。普段は私を持ち上げるようなおべっかと、こちらに取り入るように自分を売り込む話を長ったらしくする彼が、これほど単刀直入に話を申し出てくる姿を見て、事の重要性を察した。
「聞こう」
「ありがとうございます。実は帝国の皇帝が言っていたように、神樹が実を付けたようでして」
「ふん。まさかあの女の言が本当の事だったとはな。兄上が連れて来た女だった為、まんまと騙されたわ!」
私はそれとなく今回の判断の根底には兄上との確執があり、見誤ったのも私の責任だけではないと言外に釘を差しておく。
「ええ、仰る通りでございます。殿下のご判断も致し方ないことです。それで、神樹の実についての情報なのですが・・・殿下の置かれている現状を打開する素晴らしい効果がございます」
「ほう?」
興味深い内務大臣の言葉に、私は自然と口角が吊り上がった。それは妹も同じようで、妖しく目を光らせながら続く言葉を待っているようだ。
「実は、神樹のその実を身体に取り込むと、誰でも強大な力が手に入るということです。あの序列一位のパラディンにも匹敵するほどの」
「まぁ!それは素晴らしいわ!あの目障りな男と同等の力を手に入れることが出来れば、第一王子派閥の武官達も一挙に引き入れることが出来るじゃない!」
「待て待て、それは本当か?何故そんな重要な情報をお前が知っていて私が知らない!?」
妹はのんきに喜んでいるが、当然沸き上がる疑問に私は彼を問いただす。
「情報の入手経路についてはつまびらかに出来ませんが、王城内では至るところに目や耳があるとご理解下さい」
「・・・なるほどな。盗み聞きの手段はいくらでもあるということか。しかし、その神樹の実の話が本当だとして、そんな強大な力を得るのに、何の危険も無いとは思えぬのだが?」
「さすが殿下。そのご慧眼、感服致します」
「世辞はいい。続きを話せ」
「殿下が仰る通り、適正のない者がその実を口にすると、人間にとって大き過ぎる力の影響で、人体が破裂して死に至るとのことです」
「ひっ!」
「やはりな」
内務大臣の言葉に、妹は小さな悲鳴をあげて顔を青くしていたが、私には想定内だった。お手軽に力を得ようとするのだ、相応の代償が必要となっても不思議ではない。
近年、裏組織で開発された魔力増強薬についても、適正量を守らなければ精神と肉体の崩壊を招き、人成らざるものになってしまうのだ。単体で騎士団一個師団と同等の力を持つような化物と同じ実力に成れる果実を口にするなど、どう考えても危険極まりない。
「ですが実を食すのではなく、その果汁を1000万倍に希釈したものであれば、一時ではありますが、安全に力を得ることが出来るようでございます」
「一時か・・・上手く運用すれば使えるな」
「ええ。国防の面からも、内政の面からも、単純な力は必要となる時が多いです。しかも一時的とはいえ、本来力を持たぬ文官達でもパラディン序列一位の力を得ることが出来るなら・・・」
悪い表情を浮かべる内務大臣に同調するように、私も暗い笑みを浮かべて口を開く。
「あぁ。どうやらヴェストニア王国国王は、次代へと引き継がれる事になりそうだな。この私、ロズウェル・ストーク・ヴェストニアの統治の時代が始まる!」
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