16 / 61
第16話 剛腕の巨人
しおりを挟む
ノアがオフィーリアと2人きりになると、オフィーリアはすぐに甘えてきた。
幼い頃からの習性で、座るノアの膝に頬擦りする。
「悪鬼退治ご苦労だったな」
「ご主人様……」
ノアが頭を撫でると、オフィーリアは目をつぶって気持ちよさそうにする。
「しかし、あの兵士達の褒賞要求には焦ったぞ」
「まったくあいつら。あとでシメておかないと」
「君が増長していないようでよかった」
「あっ、私のこと疑ってましたね。ご主人様」
オフィーリアは頬を膨らませる。
「そう拗ねるな、オフィーリア。君は強すぎるし、手柄を立てすぎたんだ。並の将ならそろそろ欲が出て、傲慢になるところだ」
「私がご主人様を裏切るはずないじゃないですか。だって、私はご主人様の……、ご主人様だけの騎士なのですから」
「ああ。わかっている。今後も頼むぞ」
「はい」
オフィーリアはノアの指先にその艶やかな髪を委ねた。
そうしてたっぷりノアからの労いを受けて充電すると、オフィーリアはまた司令官の顔に戻って、悪鬼の占拠していた街ドレッセンについて報告する。
「そうか。そこまで酷い状況だったとは」
「はい。この子をご覧ください」
オフィーリアが召使いの1人に何事か命じると、召使いは1人の女の子を伴ってきた。
額から角が生えている。
「その子供は?」
「ドレッセンから連れてきた鬼人の娘です。名をファウナと申します」
「ふむ。鬼人……」
ファウナは人差し指を咥えながらじーっとノアのことを見つめている。
「普通の子供と変わらないように見えるな」
「はい。このような子供がかなり多くいます」
「ただ、ドレッセンの鬼人ということは……」
「はい。彼女の父親は悪鬼です」
「……そうか」
「悪鬼から産まれた子供は基本的に母親に懐き、父親には懐きません」
「ほう。そうなのか?」
「父親はどうも人間との間に生まれた子供を放棄するようです。どうも悪鬼の間では、人間や鬼人との間に生まれた子供を半人前扱いして、自分の子供と認めないようです」
「そうか……」
ノアはファウナに哀れみの目を向ける。
ファウナは、テーブルの上にある果物に目を向けた。
ノアは果物を手に取って、彼女に与えた。
「ほら、食べるか?」
ファウナはパッと顔を明るくして果物にかぶりつく。
「また、彼ら鬼人も父親のことは恐れ、母親にのみ懐くようで、すでに成人した鬼人何名かと話したところ、悪鬼のいる方には帰りたくないと申しており、元いた村に住み着くことを希望しております。ご主人様」
オフィーリアは居住まいを正して向き直る。
「彼らは父親が悪鬼といえど、どちらかというと人間に近い存在です。また、普通の人間よりもやや体つきが頑強にできており、優れた騎兵となる可能性を秘めております」
「ふむ。確かに普通の人間や鬼人よりも騎兵適性が高そうだな」
ノアはファウナを鑑定した。
ファウナ
騎戦:E→A
概して鬼人には騎兵適性の高い者が多いが、悪鬼に親等が近ければ近いほど騎兵適性は高くなるようだ。
彼女は相当人懐っこい娘のようで、ノアの膝に乗って、キャッキャッと愛想を振り撒いていた。
ノアが頭を撫でても気持ちよさそうにする。
ただ、角に触れた時だけ顔を硬直させる。
何か嫌な思い出があるのだと悟ったので、ノアは彼女の角には触れないように頭を撫で続けた。
ファウナは再び愛想良く笑顔を振り撒く。
「ご主人様、彼らのことを受け入れれば、アークロイ軍は将来潤沢な騎兵戦力を有することになるかと」
「なるほど。わかった。彼らのことを領民として認めよう。それで、彼らの心を掴むためにはどうすればいい?」
「さしずめは荒廃したドレッセンの復興及び食糧支援をすればそれで充分でしょう」
「わかった。復興に手を尽くそう。いずれはドレッセンまで行って視察も行うこととしよう」
「は。ありがとうございます」
翌日、ノアはドレッセンをオフィーリアに与えることを宣言した。
悪鬼の討伐を成したオフィーリアには、特別に称号を送るよう神聖教会に申請する。
やがて、彼女はドレッセン卿の名を神聖教会より送られ、オフィーリア・フォン・ドレッセンと名乗ることとなる。
以降、ドレッセンからは毎年のように優秀な騎兵が調達された。
翌日、クルック領の旧重臣達を呼び出したノアは、悪鬼退治が完遂したことを告げ、ルーク公との戦争を始めることを宣言する。
(バカな。悪鬼をたった1週間で駆逐するなんて)
「さて、君達は鬼を倒すのに何十年経っても解決できなかったと言ったが、こうしてオフィーリアは1週間で解決してみせた。このことに関してどう思うのかね?」
「いっ、いやぁ、そのぅ」
「さ、流石はオフィーリア様」
「領主様にあってもこのような将を持てて幸せですなぁ」
「長年の懸案が解決できて本当にめでたい」
旧クルック領重臣達は揉み手でノア達のご機嫌を取ろうとする。
「確か1週間前までは私の資質を疑うような発言が卿らから聞こえてきた気がするが……、それに関してはどう思うね?」
「ま、まさか滅相もない」
「領主様の正当性を疑う者など」
「そんな者いようはずがないではありませんか」
「うむ。いいだろう。それじゃあ、以前、私に対して舐め腐った態度を取ってくれたルーク公のことだが、彼を討つのに協力してくれるね?」
「は、はいぃ」
「もちろんでございます」
「仰せのままに」
「じゃあ君達1人1000グラずつ資金を供出するように」
「安心しろ。戦争自体は私と領主様の方でやってやる。お前達は金だけ出して、家で寝てればいい。余計なことはするなよ」
「はっ、はいい。全額、出させていただきますぅ」
(くっ。小僧が。オフィーリアとかいう当たり将軍引いただけで調子に乗りまくりやがってぇ)
(これでルーク領の攻略失敗してみろ。世紀の暴君としてディスりまくってやるからな)
旧クルック領の重臣達はそんなことを心の中で思いながら、態度には噯にも出さず自分達の私財を戦費として供出するのであった。
ノアとオフィーリアはルーク公との戦争準備に取り掛かる。
その頃、ルーク領の砦では、動揺が走っていた。
オフィーリアが悪鬼を討伐して帰還。
このルーク領への侵攻を準備しているとのこと。
「やっ、やべえぞ。アークロイが攻めてくる」
「しかも今度はオフィーリアを伴って」
「ゴドルフィンを瞬殺し、悪鬼達を駆逐したあのオフィーリアが」
「おいぃ。どうすんだよ。あのオフィーリアが来たらこの砦といえどひとたまりも……」
「ふん。何を狼狽えておるのだ軟弱者供が」
「あっ、あなたは……」
「【剛腕】のヘカトン様!」
その身長2.2メートルはあろうかと思われるスキンヘッドの男は、狼狽える兵士達の前に躍り出たかと思うと傲然と言い放つ。
「オフィーリアなんぞがどれほどのもんじゃい。この砦に来ようものなら、この剛腕のヘカトンが奴の首をこの腕でへし折ってやるわい」
「うおおお! ヘカトン様」
「悪鬼を素手で殺したこともあるヘカトン様ならっ」
「確かに【剛腕】のギフト持ちのヘカトン様なら、あの大女でも仕留められるかも」
「いや、いける!」
「「「ヘカトン! ヘカトン!」」」
砦の兵士達はヘカトンのオフィーリア討伐宣言に湧き上がるのであった。
幼い頃からの習性で、座るノアの膝に頬擦りする。
「悪鬼退治ご苦労だったな」
「ご主人様……」
ノアが頭を撫でると、オフィーリアは目をつぶって気持ちよさそうにする。
「しかし、あの兵士達の褒賞要求には焦ったぞ」
「まったくあいつら。あとでシメておかないと」
「君が増長していないようでよかった」
「あっ、私のこと疑ってましたね。ご主人様」
オフィーリアは頬を膨らませる。
「そう拗ねるな、オフィーリア。君は強すぎるし、手柄を立てすぎたんだ。並の将ならそろそろ欲が出て、傲慢になるところだ」
「私がご主人様を裏切るはずないじゃないですか。だって、私はご主人様の……、ご主人様だけの騎士なのですから」
「ああ。わかっている。今後も頼むぞ」
「はい」
オフィーリアはノアの指先にその艶やかな髪を委ねた。
そうしてたっぷりノアからの労いを受けて充電すると、オフィーリアはまた司令官の顔に戻って、悪鬼の占拠していた街ドレッセンについて報告する。
「そうか。そこまで酷い状況だったとは」
「はい。この子をご覧ください」
オフィーリアが召使いの1人に何事か命じると、召使いは1人の女の子を伴ってきた。
額から角が生えている。
「その子供は?」
「ドレッセンから連れてきた鬼人の娘です。名をファウナと申します」
「ふむ。鬼人……」
ファウナは人差し指を咥えながらじーっとノアのことを見つめている。
「普通の子供と変わらないように見えるな」
「はい。このような子供がかなり多くいます」
「ただ、ドレッセンの鬼人ということは……」
「はい。彼女の父親は悪鬼です」
「……そうか」
「悪鬼から産まれた子供は基本的に母親に懐き、父親には懐きません」
「ほう。そうなのか?」
「父親はどうも人間との間に生まれた子供を放棄するようです。どうも悪鬼の間では、人間や鬼人との間に生まれた子供を半人前扱いして、自分の子供と認めないようです」
「そうか……」
ノアはファウナに哀れみの目を向ける。
ファウナは、テーブルの上にある果物に目を向けた。
ノアは果物を手に取って、彼女に与えた。
「ほら、食べるか?」
ファウナはパッと顔を明るくして果物にかぶりつく。
「また、彼ら鬼人も父親のことは恐れ、母親にのみ懐くようで、すでに成人した鬼人何名かと話したところ、悪鬼のいる方には帰りたくないと申しており、元いた村に住み着くことを希望しております。ご主人様」
オフィーリアは居住まいを正して向き直る。
「彼らは父親が悪鬼といえど、どちらかというと人間に近い存在です。また、普通の人間よりもやや体つきが頑強にできており、優れた騎兵となる可能性を秘めております」
「ふむ。確かに普通の人間や鬼人よりも騎兵適性が高そうだな」
ノアはファウナを鑑定した。
ファウナ
騎戦:E→A
概して鬼人には騎兵適性の高い者が多いが、悪鬼に親等が近ければ近いほど騎兵適性は高くなるようだ。
彼女は相当人懐っこい娘のようで、ノアの膝に乗って、キャッキャッと愛想を振り撒いていた。
ノアが頭を撫でても気持ちよさそうにする。
ただ、角に触れた時だけ顔を硬直させる。
何か嫌な思い出があるのだと悟ったので、ノアは彼女の角には触れないように頭を撫で続けた。
ファウナは再び愛想良く笑顔を振り撒く。
「ご主人様、彼らのことを受け入れれば、アークロイ軍は将来潤沢な騎兵戦力を有することになるかと」
「なるほど。わかった。彼らのことを領民として認めよう。それで、彼らの心を掴むためにはどうすればいい?」
「さしずめは荒廃したドレッセンの復興及び食糧支援をすればそれで充分でしょう」
「わかった。復興に手を尽くそう。いずれはドレッセンまで行って視察も行うこととしよう」
「は。ありがとうございます」
翌日、ノアはドレッセンをオフィーリアに与えることを宣言した。
悪鬼の討伐を成したオフィーリアには、特別に称号を送るよう神聖教会に申請する。
やがて、彼女はドレッセン卿の名を神聖教会より送られ、オフィーリア・フォン・ドレッセンと名乗ることとなる。
以降、ドレッセンからは毎年のように優秀な騎兵が調達された。
翌日、クルック領の旧重臣達を呼び出したノアは、悪鬼退治が完遂したことを告げ、ルーク公との戦争を始めることを宣言する。
(バカな。悪鬼をたった1週間で駆逐するなんて)
「さて、君達は鬼を倒すのに何十年経っても解決できなかったと言ったが、こうしてオフィーリアは1週間で解決してみせた。このことに関してどう思うのかね?」
「いっ、いやぁ、そのぅ」
「さ、流石はオフィーリア様」
「領主様にあってもこのような将を持てて幸せですなぁ」
「長年の懸案が解決できて本当にめでたい」
旧クルック領重臣達は揉み手でノア達のご機嫌を取ろうとする。
「確か1週間前までは私の資質を疑うような発言が卿らから聞こえてきた気がするが……、それに関してはどう思うね?」
「ま、まさか滅相もない」
「領主様の正当性を疑う者など」
「そんな者いようはずがないではありませんか」
「うむ。いいだろう。それじゃあ、以前、私に対して舐め腐った態度を取ってくれたルーク公のことだが、彼を討つのに協力してくれるね?」
「は、はいぃ」
「もちろんでございます」
「仰せのままに」
「じゃあ君達1人1000グラずつ資金を供出するように」
「安心しろ。戦争自体は私と領主様の方でやってやる。お前達は金だけ出して、家で寝てればいい。余計なことはするなよ」
「はっ、はいい。全額、出させていただきますぅ」
(くっ。小僧が。オフィーリアとかいう当たり将軍引いただけで調子に乗りまくりやがってぇ)
(これでルーク領の攻略失敗してみろ。世紀の暴君としてディスりまくってやるからな)
旧クルック領の重臣達はそんなことを心の中で思いながら、態度には噯にも出さず自分達の私財を戦費として供出するのであった。
ノアとオフィーリアはルーク公との戦争準備に取り掛かる。
その頃、ルーク領の砦では、動揺が走っていた。
オフィーリアが悪鬼を討伐して帰還。
このルーク領への侵攻を準備しているとのこと。
「やっ、やべえぞ。アークロイが攻めてくる」
「しかも今度はオフィーリアを伴って」
「ゴドルフィンを瞬殺し、悪鬼達を駆逐したあのオフィーリアが」
「おいぃ。どうすんだよ。あのオフィーリアが来たらこの砦といえどひとたまりも……」
「ふん。何を狼狽えておるのだ軟弱者供が」
「あっ、あなたは……」
「【剛腕】のヘカトン様!」
その身長2.2メートルはあろうかと思われるスキンヘッドの男は、狼狽える兵士達の前に躍り出たかと思うと傲然と言い放つ。
「オフィーリアなんぞがどれほどのもんじゃい。この砦に来ようものなら、この剛腕のヘカトンが奴の首をこの腕でへし折ってやるわい」
「うおおお! ヘカトン様」
「悪鬼を素手で殺したこともあるヘカトン様ならっ」
「確かに【剛腕】のギフト持ちのヘカトン様なら、あの大女でも仕留められるかも」
「いや、いける!」
「「「ヘカトン! ヘカトン!」」」
砦の兵士達はヘカトンのオフィーリア討伐宣言に湧き上がるのであった。
127
お気に入りに追加
492
あなたにおすすめの小説
宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです
ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」
宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。
聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。
しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。
冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。
妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。
しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹
そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる
もう限界がきた私はあることを決心するのだった
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
結界師、パーティ追放されたら五秒でざまぁ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「こっちは上を目指してんだよ! 遊びじゃねえんだ!」
「ってわけでな、おまえとはここでお別れだ。ついてくんなよ、邪魔だから」
「ま、まってくださ……!」
「誰が待つかよバーーーーーカ!」
「そっちは危な……っあ」
ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~
名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる