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晩餐会の頃には、もはやシャーロットのお腹は丸々としてきてドレスを着ていても明らかな妊婦の体だった。
ミリエルと相談したメニューも滞りなく準備は整えられた。
オルグレン侯爵夫妻は、元の我が家を僅かな変化をみて
「なんだかあるじが代わって若々しくなったわね」
マーガレットはシャーロットに笑いかけた。
「来月にはわたくしもお手伝いに越させてもらうわね?楽しみにしているのよ」
にっこりと微笑む。
クリスタは王太子妃という立場であるから、孫とはいえ会うこともままならない。
「ありがとうございます。心強いです」
シャーロットは微笑んだ
「お義母様たちのタウンハウスはいかがですか?落ち着きました?」
「ええ、こちらから使用人をほとんど連れていかせてもらったでしょう?お陰ですんなりと整えられたわ」
マーガレットはエドワードに良く似た笑顔を向けた。
続いてやって来たのはレイノルズ伯爵一家だった。
「お姉様!」
アデリンとエーリアルが走り寄ってきた
「まぁ、お姉様のお腹!」
エーリアルは驚いたように触れてきた。
「そんなに驚いて…!まだまだこれから大きくなるものよ」
くすくすとオーガスタは笑った
「シャーロットは細くてお腹が目立ってしまうのね」
オーガスタは優しく撫でた。
「調子はどうだ?」
アルフレッドが柔らかな声でたずねる
「病気ではないもの。元気にしているわ」
シャーロットは父の腕に手をかけて歩いた。
「それにしてもこんなに早く孫の顔が見れるとはね」
「あら、まだ無事に生まれるまでは安心出来ないわ」
シャーロットが言うと
「どうした?ずいぶん心配性になったものだねシャーロットは」
「妊娠中は神経質になるものですわ」
オーガスタがシャーロットをなだめた。
「男の子かしら?女の子かしら?」
アデリンがうきうきと言った。
「名前はどうするの?」
あれこれとアデリンとエーリアルが質問攻めにしてシャーロットは楽しみな雰囲気に少し神経質になっていた気持ちもほぐれて、答えた。
ウィンスレット公爵一家とメイスフィールド伯爵一家もやって来て、アボット邸はずいぶんにぎやかになった。
晩餐会はミリエルの料理は見た目も味も素晴らしいものが出て来て、ウィンスレット公爵にもメイスフィールド伯爵にも好評を得ることが出来てほっとした。
エドワードはもちろん主として如才なくもてなした。
晩餐のあとは広間でゆったりとジョージアナがピアノを弾いてアデリンが歌を披露したり、楽しげな雰囲気が続いた。
「それにしてもレディ シャーロットはもう素晴らしい伯爵夫人になったものね」
公爵夫人がにこやかに語りかけた。
「なにもなもまだまだ必死ですわ」
「ジョージアナはまだまだ結婚する気もなくて、もう18なのだから今年こそは婚約をと言っているのに」
「ユリアナもですわ、仲良くしている方もいるようですのに…」
「焦ることはありませんわ、クリスタは23でようやく決まったのですもの」
マーガレットがやんわりと言った
「クリスタ様もエドワードもお二人ともしっかりと結婚してるのですもの。親としては羨ましい限りですわ」
メイスフィールド伯爵夫人がウィンスレット公爵夫人に同意して言った。
結婚の話にユリアナは気まずげに立つと、ジョージアナの代わりにピアノの前に座った。ジョージアナはシャーロットの横にやって来た。
「ねぇ、シャーリー。大丈夫なの?苦しくないの」
不安げにシャーロットのお腹に目をやった。
「大丈夫なものなのよ?だけど最近よくお腹で暴れてるの。蹴られると痛いくらいよ」
くすくすと笑った。
「ええっ?蹴られるの!?」
ジョージアナは驚愕の顔を向ける。その反応がおかしくて、あばらの下あたりにジョージアナの手を当てさせた。
ちょうどそのあたりをよく蹴っているのだ。折よくジョージアナの手をキックしたので
「蹴られたわ!お母様」
と驚いて顔を向けた。
「フェリクスもジョージアナもよく蹴っていたわ」
とうなずいた。
そこからは夫人たちの思い出話となり、シャーロットは母たちの逞しくも面白可笑しい話に驚いたり、感心したり、真剣に聞き入った。
「乳母は見つかったのかしら?」
マーガレットが聞くと、
「ええ、最近出産したという女性にお願いすることにしたのですわ。なにせ、余るほどお乳が出るとか…」
ジェニファーというその女性は、豊満な胸がはちきれんばかりで、しかも見た目そのままお乳が噴き出すほど出て困るほどなのだと。
「その女性ともう一人、子育てのすんだ女性を世話係に」
「ではシャーロットはその二人に任せるの?」
ユリアナの不思議そうな言葉に
「もちろん出来ることはしたいけれど、わたくしは子供も抱いたこともなくて不安だし…」
「近頃は自分で、というレディが増えてますものね」
とウィンスレット公爵夫人はうなずき
「でも女性に貴重な働き口を与えるのは良いことだとわたくしは思うわ。シャーロットは若くて不安だというのもわかるもの」
にこやかにユリアナに言った。
シャーロットはほっと一息をついた。
そもそも、出産した後もだがちゃんと産めるのかすらシャーロットは不安だらけだった。父に漏らした不安はもっと泣きつきたいくらいのものなのだ。
後ろ向きだとは思うけれど、出産の時に母子のどちらかもしくは双方命を落とすこともあるのだから…
「医師が…。もっと食べないとと言うとだけれどどうしても進まなくて…」
シャーロットは母に不安を思わず漏らした。
「確かにそうね、貴女は痩せすぎだわ」
「やはりそう思う?お母様」
シャーロットは目を伏せた。みんなお腹が大きくなるにつれ、ふくよかになるというが、シャーロットはむしろお腹以外は痩せたままだった。最近ではお腹に圧迫されて少し食べると苦しくなる。
「なあにそんな不安そうな顔をして、大丈夫よ。人それぞれよ」
「でも、産婆もいうの。腰が細すぎてなかなか産まれないかもしれないって」
それはつい最近言われた事だった。
これまでは気にしてもいなかったのだが、お腹が大きくなり赤ちゃんの動きが激しくなってくると不安感が増して堪らない。
「案ずるより産むが易しよ」
オーガスタが微笑んで背を撫でた。
「そうよ、シャーリー。どうしたの?そんなに不安がるなんてらしくないわ」
ジョージアナが励ますように手を握った。
「少し神経質になっているのねきっと。ごめんなさい」
シャーロットはみんなに微笑んで見せた。
それでも様々な不安は去ることはなかった。
アデリンとエーリアルはユリアナの妹のラヴィニアはすっかり意気投合したようで先程からきゃっきゃと笑い声がしていて楽しそうだ。どんな時でも屈託がなく愉しそうな妹たちがシャーロットにはいつもまぶしい。
「疲れたなら先に休むといいわ、妊娠中は疲れやすいものなのよ」
マーガレットが優しくいい、シャーロットはうなずくと退室することにした。
「申し訳ありませんわ、それではお言葉に甘えさせて頂きますわ」
立ち上がると、エドワードや父たちの方へ向かい退室を告げた。
「部屋まで送るよ」
「大丈夫よ」
と断ったが、エドワードはそのままついてきてしまった。
「駄目じゃない。お客様たちがほったらかしになってしまうわ」
「すぐに戻るから心配いらないよ」
「ありがとうエドワード」
エドワードには告げれていない、不安な気持ち。
「どうかした?体調でも悪い?」
「どうもしないの。疲れやすいものだそうよ」
くすりと笑ってみせた。
「そう?男はこういう時本当に役立たずだね」
部屋まで支えて行くと、ベルを鳴らして使用人を呼んでくれる。
クララとアリスが揃ってやってきて手早く着替えをさせてくれる。
ドレスを脱ぎ、コルセットを外すとやはりほっとして体は楽になる。初めての女主人としての晩餐会にもやはり緊張していたのだと感じた。
ベッドに入っても、近頃はよく眠れない。夜中にお腹を蹴られたり、寝返りが頻繁なせいかもしれない。仰向けでは苦しく横向きに寝るようになった。
オーガスタはまだまだ大きくなると言っていた。もうすでにお腹は大きく見えたし、今の体型がシャーロットにはショックでもあった。
ミリエルと相談したメニューも滞りなく準備は整えられた。
オルグレン侯爵夫妻は、元の我が家を僅かな変化をみて
「なんだかあるじが代わって若々しくなったわね」
マーガレットはシャーロットに笑いかけた。
「来月にはわたくしもお手伝いに越させてもらうわね?楽しみにしているのよ」
にっこりと微笑む。
クリスタは王太子妃という立場であるから、孫とはいえ会うこともままならない。
「ありがとうございます。心強いです」
シャーロットは微笑んだ
「お義母様たちのタウンハウスはいかがですか?落ち着きました?」
「ええ、こちらから使用人をほとんど連れていかせてもらったでしょう?お陰ですんなりと整えられたわ」
マーガレットはエドワードに良く似た笑顔を向けた。
続いてやって来たのはレイノルズ伯爵一家だった。
「お姉様!」
アデリンとエーリアルが走り寄ってきた
「まぁ、お姉様のお腹!」
エーリアルは驚いたように触れてきた。
「そんなに驚いて…!まだまだこれから大きくなるものよ」
くすくすとオーガスタは笑った
「シャーロットは細くてお腹が目立ってしまうのね」
オーガスタは優しく撫でた。
「調子はどうだ?」
アルフレッドが柔らかな声でたずねる
「病気ではないもの。元気にしているわ」
シャーロットは父の腕に手をかけて歩いた。
「それにしてもこんなに早く孫の顔が見れるとはね」
「あら、まだ無事に生まれるまでは安心出来ないわ」
シャーロットが言うと
「どうした?ずいぶん心配性になったものだねシャーロットは」
「妊娠中は神経質になるものですわ」
オーガスタがシャーロットをなだめた。
「男の子かしら?女の子かしら?」
アデリンがうきうきと言った。
「名前はどうするの?」
あれこれとアデリンとエーリアルが質問攻めにしてシャーロットは楽しみな雰囲気に少し神経質になっていた気持ちもほぐれて、答えた。
ウィンスレット公爵一家とメイスフィールド伯爵一家もやって来て、アボット邸はずいぶんにぎやかになった。
晩餐会はミリエルの料理は見た目も味も素晴らしいものが出て来て、ウィンスレット公爵にもメイスフィールド伯爵にも好評を得ることが出来てほっとした。
エドワードはもちろん主として如才なくもてなした。
晩餐のあとは広間でゆったりとジョージアナがピアノを弾いてアデリンが歌を披露したり、楽しげな雰囲気が続いた。
「それにしてもレディ シャーロットはもう素晴らしい伯爵夫人になったものね」
公爵夫人がにこやかに語りかけた。
「なにもなもまだまだ必死ですわ」
「ジョージアナはまだまだ結婚する気もなくて、もう18なのだから今年こそは婚約をと言っているのに」
「ユリアナもですわ、仲良くしている方もいるようですのに…」
「焦ることはありませんわ、クリスタは23でようやく決まったのですもの」
マーガレットがやんわりと言った
「クリスタ様もエドワードもお二人ともしっかりと結婚してるのですもの。親としては羨ましい限りですわ」
メイスフィールド伯爵夫人がウィンスレット公爵夫人に同意して言った。
結婚の話にユリアナは気まずげに立つと、ジョージアナの代わりにピアノの前に座った。ジョージアナはシャーロットの横にやって来た。
「ねぇ、シャーリー。大丈夫なの?苦しくないの」
不安げにシャーロットのお腹に目をやった。
「大丈夫なものなのよ?だけど最近よくお腹で暴れてるの。蹴られると痛いくらいよ」
くすくすと笑った。
「ええっ?蹴られるの!?」
ジョージアナは驚愕の顔を向ける。その反応がおかしくて、あばらの下あたりにジョージアナの手を当てさせた。
ちょうどそのあたりをよく蹴っているのだ。折よくジョージアナの手をキックしたので
「蹴られたわ!お母様」
と驚いて顔を向けた。
「フェリクスもジョージアナもよく蹴っていたわ」
とうなずいた。
そこからは夫人たちの思い出話となり、シャーロットは母たちの逞しくも面白可笑しい話に驚いたり、感心したり、真剣に聞き入った。
「乳母は見つかったのかしら?」
マーガレットが聞くと、
「ええ、最近出産したという女性にお願いすることにしたのですわ。なにせ、余るほどお乳が出るとか…」
ジェニファーというその女性は、豊満な胸がはちきれんばかりで、しかも見た目そのままお乳が噴き出すほど出て困るほどなのだと。
「その女性ともう一人、子育てのすんだ女性を世話係に」
「ではシャーロットはその二人に任せるの?」
ユリアナの不思議そうな言葉に
「もちろん出来ることはしたいけれど、わたくしは子供も抱いたこともなくて不安だし…」
「近頃は自分で、というレディが増えてますものね」
とウィンスレット公爵夫人はうなずき
「でも女性に貴重な働き口を与えるのは良いことだとわたくしは思うわ。シャーロットは若くて不安だというのもわかるもの」
にこやかにユリアナに言った。
シャーロットはほっと一息をついた。
そもそも、出産した後もだがちゃんと産めるのかすらシャーロットは不安だらけだった。父に漏らした不安はもっと泣きつきたいくらいのものなのだ。
後ろ向きだとは思うけれど、出産の時に母子のどちらかもしくは双方命を落とすこともあるのだから…
「医師が…。もっと食べないとと言うとだけれどどうしても進まなくて…」
シャーロットは母に不安を思わず漏らした。
「確かにそうね、貴女は痩せすぎだわ」
「やはりそう思う?お母様」
シャーロットは目を伏せた。みんなお腹が大きくなるにつれ、ふくよかになるというが、シャーロットはむしろお腹以外は痩せたままだった。最近ではお腹に圧迫されて少し食べると苦しくなる。
「なあにそんな不安そうな顔をして、大丈夫よ。人それぞれよ」
「でも、産婆もいうの。腰が細すぎてなかなか産まれないかもしれないって」
それはつい最近言われた事だった。
これまでは気にしてもいなかったのだが、お腹が大きくなり赤ちゃんの動きが激しくなってくると不安感が増して堪らない。
「案ずるより産むが易しよ」
オーガスタが微笑んで背を撫でた。
「そうよ、シャーリー。どうしたの?そんなに不安がるなんてらしくないわ」
ジョージアナが励ますように手を握った。
「少し神経質になっているのねきっと。ごめんなさい」
シャーロットはみんなに微笑んで見せた。
それでも様々な不安は去ることはなかった。
アデリンとエーリアルはユリアナの妹のラヴィニアはすっかり意気投合したようで先程からきゃっきゃと笑い声がしていて楽しそうだ。どんな時でも屈託がなく愉しそうな妹たちがシャーロットにはいつもまぶしい。
「疲れたなら先に休むといいわ、妊娠中は疲れやすいものなのよ」
マーガレットが優しくいい、シャーロットはうなずくと退室することにした。
「申し訳ありませんわ、それではお言葉に甘えさせて頂きますわ」
立ち上がると、エドワードや父たちの方へ向かい退室を告げた。
「部屋まで送るよ」
「大丈夫よ」
と断ったが、エドワードはそのままついてきてしまった。
「駄目じゃない。お客様たちがほったらかしになってしまうわ」
「すぐに戻るから心配いらないよ」
「ありがとうエドワード」
エドワードには告げれていない、不安な気持ち。
「どうかした?体調でも悪い?」
「どうもしないの。疲れやすいものだそうよ」
くすりと笑ってみせた。
「そう?男はこういう時本当に役立たずだね」
部屋まで支えて行くと、ベルを鳴らして使用人を呼んでくれる。
クララとアリスが揃ってやってきて手早く着替えをさせてくれる。
ドレスを脱ぎ、コルセットを外すとやはりほっとして体は楽になる。初めての女主人としての晩餐会にもやはり緊張していたのだと感じた。
ベッドに入っても、近頃はよく眠れない。夜中にお腹を蹴られたり、寝返りが頻繁なせいかもしれない。仰向けでは苦しく横向きに寝るようになった。
オーガスタはまだまだ大きくなると言っていた。もうすでにお腹は大きく見えたし、今の体型がシャーロットにはショックでもあった。
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