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第3章:幸福の象徴
45.もう一人の被験者
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早朝、俺の家の前にマイクロバスがやってきた。
既に集合していた俺たちは、順次バスに乗りこんでいく。
走り出したバスの中で、デュカリオンが俺たちに告げる。
「急な頼みに応じてくれて、ありがとう。
今回の治験の概要を説明するから、静かに聞いていて欲しい」
俺たちが頷くのを確認してから、デュカリオンが口を開く。
「まず最初に、今回は第二研究所を使うよ。
二か月の長期間だから、閉じ込められてると息が詰まるだろう?
だから屋外の休憩スペースが使える場所を用意した。
好きな時に、建物の外で息抜きをして欲しい」
こいつ、気配り上手だな。そんなことまで配慮するのか。
デュカリオンが言葉を続ける。
「次に、君たち以外の被験者が一名、今回は加わる。
彼女のことも、なるだけ面倒を見てやってもらいたいんだ」
俺は思わず声を出す。
「彼女? 女子が加わるってのか? 初耳だぞ」
デュカリオンがニコリと微笑んだ。
「君たちだけでは十分なデータが取れないという判断だよ。
僕はこういうの、どうかなぁって思うんだけど。
プロメテウスからの指示だから、僕には断る権利がないんだ」
俺は眉をひそめてデュカリオンを見つめた。
「どういう意味だよ? あんたが疑問に思うようなことをするのか?」
「ちょっと倫理的に問題のある子なんだよね。
表には出せない子だから、世間知らずな所があると思う。
そのサポートをお願いしたいんだ」
その言い方、もしかして――
「ガラティアみたいな子が加わるって言うのか」
俺の問いに、デュカリオンは満足そうに頷いた。
「そういうことだよ。
プロメテウスが新しく製造したガラティア、個体名を『セレネ』という。
そこに居るガラティアとはタイプの異なる個体だ。
たぶん、会ったらとんでもなく驚くと思う。
特に瑠那は、心の準備だけはしておいて」
瑠那が名指し?! どういうことだ?
隣に座っている瑠那を見ると、やはり困惑した表情をしていた。
「私が驚くって、どういうことなの?」
デュカリオンは困ったような笑みで応える。
「対面した時に、改めて説明するよ。
どうか彼女を、君たちの新しい仲間として受け入れてもらえればと思う」
女子たちがざわめいている。そりゃそうか。
俺たちのグループに新しく女子を入れろって話だもんな。
治験期間中だけとはいえ、気にするなって方が無理な話だろう。
デュカリオンが両手を打ち鳴らした。
「みんな落ち着いて。
君たちが彼女を拒否するなら、それはそれで構わないよ。
僕としてはデータさえ取れれば、それで目的は果たせるからね。
だけど彼女も『人間と等価な存在』だ。
仲良くできるなら、それに越したことはないだろう?
だから無理にとは言わない。友人になれるなら、なってやって欲しい」
俺は隣の瑠那に尋ねる。
「お前、受け入れられると思うか?」
瑠那は眉をひそめて応える。
「そんなの、会ってみないとわかんないよ。
相手の子次第だもん」
そりゃそうか。
しかし、『倫理的に問題のある子』か。不穏な言葉だな。
その後、女子たちは思い思いに意見を交換してるみたいだった。
瑠那は不安を隠すように、だまってうつむいて、俺の手を握っていた。
****
バスが街はずれの大きな施設に入っていく――ここが第二研究所か。
第一研究所と比べると、あんまりセキュリティがしっかりしてる感じがしない。
フェンスは金網だし、監視カメラがあるようにも見えなかった。
……こんな研究所で大丈夫なのか?
俺たちはデュカリオンに案内されるままに、施設の中に入っていく。
エレベーターで地下に降りて行くと、広い会議室に通された。
デュカリオンが俺たちに振り返って告げる。
「それじゃあセレネを連れてくるから、ここで待ってて」
そういってデュカリオンは会議室から出ていった。
俺は優衣に振り向いて告げる。
「なぁ、仲良くできると思うか?」
「会ってみないとわからないわよ」
やっぱりそうなるか。
俺たちがしばらく待っていると、会議室の扉が開き、デュカリオンともう一人が入ってきた。
デュカリオンの陰から出てきたのは――瑠那?!
俺は唖然として、その瑠那そっくりの子を見つめていた。
歩き方は、格闘技をやっている子の動きじゃない。
半袖ショートパンツの検査着から見える手足には、鍛えている様子もない。
言うなれば、『空手をやってこなかった瑠那』だ。
俺たちが呆然としていると、デュカリオンが俺たちに対して瑠那そっくりの子を紹介しだした。
「この子がセレネだ。
ガラティアシリーズだけど、見ての通り瑠那のクローン体でもある。
今回、彼女が新しい被験者として君たちと共に治験を受けることになるよ」
動揺した様子の瑠那が声を上げる。
「どういうこと?! 私のクローンって! そんなの勝手に作って、何を考えているの?!」
デュカリオンが困ったように微笑んだ。
「僕に言われても困るんだよ。
プロメテウスが『新しい被験体を用意する』と言って作ってきた子だからね。
クローン元として君が選ばれたのは、Sランク異能者だからだと思うよ。
元々、Sランク異能者は妙見計画に関わってるからね」
――妙見計画。なんでその名前が、今ここで出るんだ?
俺はデュカリオンを睨み付けながら告げる。
「なんなんだよ、その妙見計画ってのは。
こうなったらきっちり説明してもらうぞ」
デュカリオンは額を指でかきながら、答えにくそうに告げる。
「ん~、企業秘密なんだけどなぁ。
まぁ君たちの不信感を大きくするのは、僕の本意でもない。
だから、言える範囲で少しだけ答えよう。
――その前に、セレネ。自己紹介をしなさい」
瑠那そっくりの少女――セレネが、おずおずと告げる。
「……セレネです。
皆さん、どうかよろしくお願いします」
性格は、別に瑠那と同じって訳でもないのか。
素直な落ち着いた雰囲気で、優衣とティアの中間って感じだ。
デュカリオンに指示されて、セレネも会議室の席に腰を下ろした。
「では妙見計画について、少しだけ教えておこう。
僕たちは『オーバーランク異能者』の育成を目指している。
異能開発に力を注いでるのは、そのためだよ。
ある予言者から『オーバーランクに至る鍵は、七人の異能者だ』、と言われてね。
この街に元からいた六人のSランク異能者に、七人目として追加されたのがガラティアさ。
ガラティアを加えて七人のSランク異能者を、誰か一人でも『オーバーランク』に育成する。
それが妙見計画の骨子だ」
俺は戸惑いながら、デュカリオンに尋ねる。
「予言者なんて、そんな胡散臭い奴の話を鵜呑みにしてティアを作ったって言うのか?」
「胡散臭いなんてとんでもない!
彼女は確実な未来を伝える予言者だよ。
――ただ、ちょっと扱いの難しい人でね。
知りたいことをそのままズバリと教えてくれるわけでもないんだ。
未来を知れば未来が変わる、これは基本原則でもあるから、しょうがないんだけどね」
「なんだよ、予言の基本原則って。聞いたことねぇぞ」
デュカリオンはニコリと微笑んだ。
「魔導学の中にあるけど、君たちはまだ履修していない範囲だろうね。
サイエンス・フィクションでは『タイムパラドックス』として有名な概念だ。
未来を知って到達する未来は、未来を知らずに過ごして到達する未来から外れてしまう。
簡単に説明すれば、そういう概念だよ。
だから彼女は、未来が変わらない範囲の言葉しか口にしないんだろう」
彼女? 予言者は女ってことか。
「じゃあ、『オーバーランク』ってのはなんなんだよ。さっぱりわかんねーぞ」
「Sランクすら超える異能の持ち主、とシンプルに考えてもらっていいよ。
悠人はエクストラランクだけど、それとは別の意味でランキングできない存在という意味さ。
「なんでそんなもんを目指してるんだよ?」
デュカリオンは困り果てたようにため息をついた。
「それは勘弁してくれないかなぁ。僕がプロメテウスに怒られちゃうよ。
企業秘密をこれだけ話すのも、かなりの越権行為なんだからさー」
こいつなりに、精一杯の誠意を見せてるってことか。
上司に逆らえないのは、しょうがないんだろうな。
「じゃあ、その妙見計画が瑠那のクローンと、どう関係するんだよ」
デュカリオンが微笑んで応える。
「せっかくガラティアシリーズを作るなら、より高い異能を目指すべきだろう?
たぶん、そういうことなんだと思うよ。
でも残念ながら、セレネはAランクなんだ。
プロメテウスも、今回は巧く行かなかったみたいだね」
瑠那が強張った顔でデュカリオンに告げる。
「セレネも煌光回廊なの?」
「生まれ持った異能は違ったんだけど、アフロディーテに頼んで君と同じような異能に調整してもらったみたいだよ。
君みたいにレーザーを自在に曲げることはできないけど、同類の先輩として、能力の使い方を教えてやって欲しい」
瑠那は難しい顔でデュカリオンを睨み付けていた。
……まぁ、自分のクローンを勝手に作られて、穏やかな気分で居ろってのは無理な話だよな。
だけどセレネを用意したのはプロメテウスだし、デュカリオンは上司命令で渋々動いてるって感じだし。
こいつも板挟みで苦しんでそうだなぁ。
デュカリオンが微笑んで告げる。
「説明は以上だ。
このあとは前回と同じく、すぐに採血を受けて欲しい。
今日は心が落ち着かないだろうから、一日かけてセレネを理解する時間にあててくれないかな。
治験は明日から開始するよ。
――質問がなければ、悠人は先に採血を受けて、部屋に戻ってくれないかな。女子だけに話があるんだ」
なんだ? 俺だけ仲間外れか。
俺は席を立ってセレネの横を通り過ぎる――顔を見下ろすと、セレネも俺の顔を見上げて頬を染めているようだった。なんで照れてるんだ?
そのまま俺は、首をかしげながら会議室を後にした。
既に集合していた俺たちは、順次バスに乗りこんでいく。
走り出したバスの中で、デュカリオンが俺たちに告げる。
「急な頼みに応じてくれて、ありがとう。
今回の治験の概要を説明するから、静かに聞いていて欲しい」
俺たちが頷くのを確認してから、デュカリオンが口を開く。
「まず最初に、今回は第二研究所を使うよ。
二か月の長期間だから、閉じ込められてると息が詰まるだろう?
だから屋外の休憩スペースが使える場所を用意した。
好きな時に、建物の外で息抜きをして欲しい」
こいつ、気配り上手だな。そんなことまで配慮するのか。
デュカリオンが言葉を続ける。
「次に、君たち以外の被験者が一名、今回は加わる。
彼女のことも、なるだけ面倒を見てやってもらいたいんだ」
俺は思わず声を出す。
「彼女? 女子が加わるってのか? 初耳だぞ」
デュカリオンがニコリと微笑んだ。
「君たちだけでは十分なデータが取れないという判断だよ。
僕はこういうの、どうかなぁって思うんだけど。
プロメテウスからの指示だから、僕には断る権利がないんだ」
俺は眉をひそめてデュカリオンを見つめた。
「どういう意味だよ? あんたが疑問に思うようなことをするのか?」
「ちょっと倫理的に問題のある子なんだよね。
表には出せない子だから、世間知らずな所があると思う。
そのサポートをお願いしたいんだ」
その言い方、もしかして――
「ガラティアみたいな子が加わるって言うのか」
俺の問いに、デュカリオンは満足そうに頷いた。
「そういうことだよ。
プロメテウスが新しく製造したガラティア、個体名を『セレネ』という。
そこに居るガラティアとはタイプの異なる個体だ。
たぶん、会ったらとんでもなく驚くと思う。
特に瑠那は、心の準備だけはしておいて」
瑠那が名指し?! どういうことだ?
隣に座っている瑠那を見ると、やはり困惑した表情をしていた。
「私が驚くって、どういうことなの?」
デュカリオンは困ったような笑みで応える。
「対面した時に、改めて説明するよ。
どうか彼女を、君たちの新しい仲間として受け入れてもらえればと思う」
女子たちがざわめいている。そりゃそうか。
俺たちのグループに新しく女子を入れろって話だもんな。
治験期間中だけとはいえ、気にするなって方が無理な話だろう。
デュカリオンが両手を打ち鳴らした。
「みんな落ち着いて。
君たちが彼女を拒否するなら、それはそれで構わないよ。
僕としてはデータさえ取れれば、それで目的は果たせるからね。
だけど彼女も『人間と等価な存在』だ。
仲良くできるなら、それに越したことはないだろう?
だから無理にとは言わない。友人になれるなら、なってやって欲しい」
俺は隣の瑠那に尋ねる。
「お前、受け入れられると思うか?」
瑠那は眉をひそめて応える。
「そんなの、会ってみないとわかんないよ。
相手の子次第だもん」
そりゃそうか。
しかし、『倫理的に問題のある子』か。不穏な言葉だな。
その後、女子たちは思い思いに意見を交換してるみたいだった。
瑠那は不安を隠すように、だまってうつむいて、俺の手を握っていた。
****
バスが街はずれの大きな施設に入っていく――ここが第二研究所か。
第一研究所と比べると、あんまりセキュリティがしっかりしてる感じがしない。
フェンスは金網だし、監視カメラがあるようにも見えなかった。
……こんな研究所で大丈夫なのか?
俺たちはデュカリオンに案内されるままに、施設の中に入っていく。
エレベーターで地下に降りて行くと、広い会議室に通された。
デュカリオンが俺たちに振り返って告げる。
「それじゃあセレネを連れてくるから、ここで待ってて」
そういってデュカリオンは会議室から出ていった。
俺は優衣に振り向いて告げる。
「なぁ、仲良くできると思うか?」
「会ってみないとわからないわよ」
やっぱりそうなるか。
俺たちがしばらく待っていると、会議室の扉が開き、デュカリオンともう一人が入ってきた。
デュカリオンの陰から出てきたのは――瑠那?!
俺は唖然として、その瑠那そっくりの子を見つめていた。
歩き方は、格闘技をやっている子の動きじゃない。
半袖ショートパンツの検査着から見える手足には、鍛えている様子もない。
言うなれば、『空手をやってこなかった瑠那』だ。
俺たちが呆然としていると、デュカリオンが俺たちに対して瑠那そっくりの子を紹介しだした。
「この子がセレネだ。
ガラティアシリーズだけど、見ての通り瑠那のクローン体でもある。
今回、彼女が新しい被験者として君たちと共に治験を受けることになるよ」
動揺した様子の瑠那が声を上げる。
「どういうこと?! 私のクローンって! そんなの勝手に作って、何を考えているの?!」
デュカリオンが困ったように微笑んだ。
「僕に言われても困るんだよ。
プロメテウスが『新しい被験体を用意する』と言って作ってきた子だからね。
クローン元として君が選ばれたのは、Sランク異能者だからだと思うよ。
元々、Sランク異能者は妙見計画に関わってるからね」
――妙見計画。なんでその名前が、今ここで出るんだ?
俺はデュカリオンを睨み付けながら告げる。
「なんなんだよ、その妙見計画ってのは。
こうなったらきっちり説明してもらうぞ」
デュカリオンは額を指でかきながら、答えにくそうに告げる。
「ん~、企業秘密なんだけどなぁ。
まぁ君たちの不信感を大きくするのは、僕の本意でもない。
だから、言える範囲で少しだけ答えよう。
――その前に、セレネ。自己紹介をしなさい」
瑠那そっくりの少女――セレネが、おずおずと告げる。
「……セレネです。
皆さん、どうかよろしくお願いします」
性格は、別に瑠那と同じって訳でもないのか。
素直な落ち着いた雰囲気で、優衣とティアの中間って感じだ。
デュカリオンに指示されて、セレネも会議室の席に腰を下ろした。
「では妙見計画について、少しだけ教えておこう。
僕たちは『オーバーランク異能者』の育成を目指している。
異能開発に力を注いでるのは、そのためだよ。
ある予言者から『オーバーランクに至る鍵は、七人の異能者だ』、と言われてね。
この街に元からいた六人のSランク異能者に、七人目として追加されたのがガラティアさ。
ガラティアを加えて七人のSランク異能者を、誰か一人でも『オーバーランク』に育成する。
それが妙見計画の骨子だ」
俺は戸惑いながら、デュカリオンに尋ねる。
「予言者なんて、そんな胡散臭い奴の話を鵜呑みにしてティアを作ったって言うのか?」
「胡散臭いなんてとんでもない!
彼女は確実な未来を伝える予言者だよ。
――ただ、ちょっと扱いの難しい人でね。
知りたいことをそのままズバリと教えてくれるわけでもないんだ。
未来を知れば未来が変わる、これは基本原則でもあるから、しょうがないんだけどね」
「なんだよ、予言の基本原則って。聞いたことねぇぞ」
デュカリオンはニコリと微笑んだ。
「魔導学の中にあるけど、君たちはまだ履修していない範囲だろうね。
サイエンス・フィクションでは『タイムパラドックス』として有名な概念だ。
未来を知って到達する未来は、未来を知らずに過ごして到達する未来から外れてしまう。
簡単に説明すれば、そういう概念だよ。
だから彼女は、未来が変わらない範囲の言葉しか口にしないんだろう」
彼女? 予言者は女ってことか。
「じゃあ、『オーバーランク』ってのはなんなんだよ。さっぱりわかんねーぞ」
「Sランクすら超える異能の持ち主、とシンプルに考えてもらっていいよ。
悠人はエクストラランクだけど、それとは別の意味でランキングできない存在という意味さ。
「なんでそんなもんを目指してるんだよ?」
デュカリオンは困り果てたようにため息をついた。
「それは勘弁してくれないかなぁ。僕がプロメテウスに怒られちゃうよ。
企業秘密をこれだけ話すのも、かなりの越権行為なんだからさー」
こいつなりに、精一杯の誠意を見せてるってことか。
上司に逆らえないのは、しょうがないんだろうな。
「じゃあ、その妙見計画が瑠那のクローンと、どう関係するんだよ」
デュカリオンが微笑んで応える。
「せっかくガラティアシリーズを作るなら、より高い異能を目指すべきだろう?
たぶん、そういうことなんだと思うよ。
でも残念ながら、セレネはAランクなんだ。
プロメテウスも、今回は巧く行かなかったみたいだね」
瑠那が強張った顔でデュカリオンに告げる。
「セレネも煌光回廊なの?」
「生まれ持った異能は違ったんだけど、アフロディーテに頼んで君と同じような異能に調整してもらったみたいだよ。
君みたいにレーザーを自在に曲げることはできないけど、同類の先輩として、能力の使い方を教えてやって欲しい」
瑠那は難しい顔でデュカリオンを睨み付けていた。
……まぁ、自分のクローンを勝手に作られて、穏やかな気分で居ろってのは無理な話だよな。
だけどセレネを用意したのはプロメテウスだし、デュカリオンは上司命令で渋々動いてるって感じだし。
こいつも板挟みで苦しんでそうだなぁ。
デュカリオンが微笑んで告げる。
「説明は以上だ。
このあとは前回と同じく、すぐに採血を受けて欲しい。
今日は心が落ち着かないだろうから、一日かけてセレネを理解する時間にあててくれないかな。
治験は明日から開始するよ。
――質問がなければ、悠人は先に採血を受けて、部屋に戻ってくれないかな。女子だけに話があるんだ」
なんだ? 俺だけ仲間外れか。
俺は席を立ってセレネの横を通り過ぎる――顔を見下ろすと、セレネも俺の顔を見上げて頬を染めているようだった。なんで照れてるんだ?
そのまま俺は、首をかしげながら会議室を後にした。
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