15 / 28
第2章:やっぱりむかつくのでもう一度ぶん殴りますね
15.
しおりを挟む
「――嘘」
リオの口がつぶいていた。
間違いなく、ファラが反応できない速度で拳を振り抜いていた。
だがその拳は、紫色の魔力障壁によってエルミナの眼前で受け止められていた。
――魔力障壁の色が違う。ファラの張った障壁じゃない!
リオの、そしてミルスの目がアレミアに注がれる――アレミアは静かに祈りを捧げていた。
これは、成竜の儀が開始されたのだろうか。
リオとミルスに緊張が走った。
エルミナが楽しそうに解説を始める。
「安心してください。これはまだ成竜の儀として『成立していません』。
竜将候補にも、その番の巫女にも危害が加えられてませんから。
ちょっとした『ルールの穴』を突いています。
簡単に言えば、成竜の儀の外側で、私たちはリオさんと戦えるんです。
アレミアの防御支援を受けながら、ね――これで三対一ですね」
『竜将とその番に対する攻撃』のみが、成竜の儀の開始を告げる。
竜将ではなくなったエルミナに対する攻撃を横からアレミアが魔力で防いでも、それは成竜の儀としてカウントされないのだ。
未だ、成竜の儀は成立していない。
いっそ成竜の儀が始まってしまえば、ミルスが動くこともできたかもしれない。
だがこれでは、彼が膠着状態から抜け出すことは難しいだろう。
リオが剣呑な笑顔になって応える。
「二対一でも分が悪いのに、更に一人増えて三対一じゃ、私に勝ち目なんてないじゃない。
――本当に性格が悪いわね」
エルミナがニコニコとしながら応える。
「リオさんの爆発力は身をもって味わって知っていますからね。
これぐらいの保険は仕込んでおきますよ。
――さぁミルス、どうしますか?
そのまま指をくわえてリオさんがボロ雑巾にされるのを見てますか?
それとも、負けると分かっていながら成竜の儀を始めますか?」
ミルスがうつむいたまま押し黙った。
リオは剣呑な笑みのまま、声を張り上げる。
「ミルス! あなたはそこで見ていて!
私が必ずこの二人を叩きのめす!」
再びリオは、エルミナに向かって拳を振るい始めた――。
****
ヤンクが静かな声でミルスに尋ねる。
「どうするんだ? ミルス。
お前の選択を見せてみろ」
ミルスがうつむいている横で、リオは死力を尽くしていた。
エルミナとファラを相手に、決死の戦いを繰り広げている。
限界まで身体能力を上げる事で、ファラを出し抜くことはできている。
だが全ての攻撃は、ことごとくアレミアが受け止めていた。
そうして生まれた隙を、エルミナとファラが容赦なく突いて行く。
リオは何度叩き伏せられても立ち上がった。
だがついに、加護の力も尽き始め、瞳から金色が去りつつあった。
リオはファラに地面に叩き伏せられた後、よたよたと立ち上がった。
その目が、エルミナとファラを厳しく睨む。
一息つき、汚れた顔でリオが凄惨な笑みを浮かべた。
「――上等。
女の底力、見せてやろうじゃない」
更なる加護のを求めたリオの身体が、再びまばゆく輝き始める。
リオの放った渾身の拳が、今度こそ確実にエルミナの顔面を殴り抜いた。
****
吹き飛んでいくエルミナの姿を、リオは呆然と眺めていた。
――アレミアの魔力障壁の手ごたえがなかった?!
慌ててアレミアに視線を移すと、ミルスがアレミアに殴りかかっていた。
その拳はアレミアが障壁で防いでいる。
さすがに自分とエルミナ二人分の障壁を咄嗟に張ることはできないようだった。
――これは、成竜の儀が始まった?! 何をしてるのミルス!
ミルスが叫ぶ。
「リオ! アレミアは俺がなんとかする!
その間に二人を叩きのめせ!」
呆然としていたリオが、ニヤリと微笑んだ。
「……その注文、承ったわ」
再びリオが動き出し、ファラと体術で勝負を始める。
エルミナは既に殴られて意識を失っているようで、起き上がってくる気配はない。
だが力尽きかけたリオと万全のファラでは、リオが圧倒的に分が悪い。
リオも必死に食い下がるが、訓練と同じように力をいなされ、叩き伏せられていく。
それでも起き上がっては、ファラに挑みかかった。
ミルスも果敢にアレミアに攻撃を繰り返すが、全ての打撃をアレミアは防ぎ切っていた。
強い加護の力だけではなく、体術でもファラに近い水準の技術をアレミアは持っている。
これをミルス一人で打ち崩すのは、難しいと言えた。
ヤンクは黙ってミルスとリオの姿を見守っている。
ついに加護の力が切れたリオの拳が空を切り、ファラによって地面に叩き伏せられた。
まだ起き上がろうとするリオだったが、その途中でリオは意識を失い、力尽きた。
「リオ?!」
よそ見をしたミルスに対して、ヤンクが剛拳を放った。
その硬い拳が腹にめり込む。
思わぬ衝撃で、ミルスは体をくの字に折り曲げた。
「まぁ、及第点ってとこかな」
ヤンクはつぶいた後、ミルスの後頭部にさらに拳を殴りつけ、ミルスを昏倒させた。
****
リオが目覚めると、王宮にある私室のベッドに居た。
治癒が施されたらしく、身体に傷跡らしいものや痛みは残っていない。
普段は空いているはずのベッドから、誰かの気配を感じたリオがそちらに顔を向ける。
隣のベッドでは、ミルスが寝かされていた。
応急処置はされているようだが、まだ意識は戻っていないようだ。
「あら、目が覚めた?」
ファラの声が聞こえ、リオが慌ててベッドの上に立ち上がり身構えた。
「あはは! もう訓練はお終いよ。
落ち着いて寝ていて頂戴。
あなたは無理をし過ぎて治癒が追い付かなかったから、今日は安静にしていてね」
ベッドサイドに座るファラが、優しい微笑みでリオを見上げていた。
リオは納得できないものを感じながらも、ファラに尋ねる。
「ミルスの怪我はどうして癒してないの?」
「ミルスは成竜の儀の中で負傷したことになるの。
だから、ミルスを癒せるのはあなただけよ。
でもあなたも、加護の力を使い過ぎてる。
だから、今日は止めておきなさい」
「……エルミナ王子はどうなったの?」
「エルミナ様はあなたに思いっきり殴られたから、あの人も今日は安静にしてるわ。
王宮魔導士に癒せるだけは癒して貰ったから、明日には元気になっているはずよ?
あの怪我も、今日の『悪ふざけ』の責任を取った、といったところかしらね」
リオはベッドに潜り込みなおし、大きなため息をつきながら枕に倒れ込んだ。
「――はぁ。ほんと、とんでもない性悪王子ね。
どこが『温厚で心優しい』のか、分からなくなったわ。
あれに付き合えるファラさんも大概よ?
でもあの一撃で『借りは返した』、ということにしておいてあげる」
ファラが嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとう。そうしてもらえると助かるわ」
ファラが果物を切り分けた皿を、そっとリオに差し出した。
リオは大人しく、果物を口に放り込んでいく。
あの時、朝食を全て吐き出してしまった。
もう時間は午後に入っている。
その上、あれだけ暴れたのだ。かなりの空腹を覚えていた。
ファラが優しい声で尋ねる。
「どう? 今日の訓練で何か掴めた?」
リオは応えず、黙って果物を口に運んでいる。
ファラが優し気に微笑んだ。
「……そう。
それなら今日思った事を、あとでミルスと話し合ってみるといいわ」
リオが果物の皿を空にしたのを見届けると、ファラは「また明日ね」と言って部屋を去っていった。
リオは少しの間、考えを巡らせた。
そばに居る侍従に、静かに告げる。
「少しの間、人払いをして貰えますか?」
「畏まりました」
従者たちが全員、部屋から出ていき、部屋の扉が閉まった。
リオの口がつぶいていた。
間違いなく、ファラが反応できない速度で拳を振り抜いていた。
だがその拳は、紫色の魔力障壁によってエルミナの眼前で受け止められていた。
――魔力障壁の色が違う。ファラの張った障壁じゃない!
リオの、そしてミルスの目がアレミアに注がれる――アレミアは静かに祈りを捧げていた。
これは、成竜の儀が開始されたのだろうか。
リオとミルスに緊張が走った。
エルミナが楽しそうに解説を始める。
「安心してください。これはまだ成竜の儀として『成立していません』。
竜将候補にも、その番の巫女にも危害が加えられてませんから。
ちょっとした『ルールの穴』を突いています。
簡単に言えば、成竜の儀の外側で、私たちはリオさんと戦えるんです。
アレミアの防御支援を受けながら、ね――これで三対一ですね」
『竜将とその番に対する攻撃』のみが、成竜の儀の開始を告げる。
竜将ではなくなったエルミナに対する攻撃を横からアレミアが魔力で防いでも、それは成竜の儀としてカウントされないのだ。
未だ、成竜の儀は成立していない。
いっそ成竜の儀が始まってしまえば、ミルスが動くこともできたかもしれない。
だがこれでは、彼が膠着状態から抜け出すことは難しいだろう。
リオが剣呑な笑顔になって応える。
「二対一でも分が悪いのに、更に一人増えて三対一じゃ、私に勝ち目なんてないじゃない。
――本当に性格が悪いわね」
エルミナがニコニコとしながら応える。
「リオさんの爆発力は身をもって味わって知っていますからね。
これぐらいの保険は仕込んでおきますよ。
――さぁミルス、どうしますか?
そのまま指をくわえてリオさんがボロ雑巾にされるのを見てますか?
それとも、負けると分かっていながら成竜の儀を始めますか?」
ミルスがうつむいたまま押し黙った。
リオは剣呑な笑みのまま、声を張り上げる。
「ミルス! あなたはそこで見ていて!
私が必ずこの二人を叩きのめす!」
再びリオは、エルミナに向かって拳を振るい始めた――。
****
ヤンクが静かな声でミルスに尋ねる。
「どうするんだ? ミルス。
お前の選択を見せてみろ」
ミルスがうつむいている横で、リオは死力を尽くしていた。
エルミナとファラを相手に、決死の戦いを繰り広げている。
限界まで身体能力を上げる事で、ファラを出し抜くことはできている。
だが全ての攻撃は、ことごとくアレミアが受け止めていた。
そうして生まれた隙を、エルミナとファラが容赦なく突いて行く。
リオは何度叩き伏せられても立ち上がった。
だがついに、加護の力も尽き始め、瞳から金色が去りつつあった。
リオはファラに地面に叩き伏せられた後、よたよたと立ち上がった。
その目が、エルミナとファラを厳しく睨む。
一息つき、汚れた顔でリオが凄惨な笑みを浮かべた。
「――上等。
女の底力、見せてやろうじゃない」
更なる加護のを求めたリオの身体が、再びまばゆく輝き始める。
リオの放った渾身の拳が、今度こそ確実にエルミナの顔面を殴り抜いた。
****
吹き飛んでいくエルミナの姿を、リオは呆然と眺めていた。
――アレミアの魔力障壁の手ごたえがなかった?!
慌ててアレミアに視線を移すと、ミルスがアレミアに殴りかかっていた。
その拳はアレミアが障壁で防いでいる。
さすがに自分とエルミナ二人分の障壁を咄嗟に張ることはできないようだった。
――これは、成竜の儀が始まった?! 何をしてるのミルス!
ミルスが叫ぶ。
「リオ! アレミアは俺がなんとかする!
その間に二人を叩きのめせ!」
呆然としていたリオが、ニヤリと微笑んだ。
「……その注文、承ったわ」
再びリオが動き出し、ファラと体術で勝負を始める。
エルミナは既に殴られて意識を失っているようで、起き上がってくる気配はない。
だが力尽きかけたリオと万全のファラでは、リオが圧倒的に分が悪い。
リオも必死に食い下がるが、訓練と同じように力をいなされ、叩き伏せられていく。
それでも起き上がっては、ファラに挑みかかった。
ミルスも果敢にアレミアに攻撃を繰り返すが、全ての打撃をアレミアは防ぎ切っていた。
強い加護の力だけではなく、体術でもファラに近い水準の技術をアレミアは持っている。
これをミルス一人で打ち崩すのは、難しいと言えた。
ヤンクは黙ってミルスとリオの姿を見守っている。
ついに加護の力が切れたリオの拳が空を切り、ファラによって地面に叩き伏せられた。
まだ起き上がろうとするリオだったが、その途中でリオは意識を失い、力尽きた。
「リオ?!」
よそ見をしたミルスに対して、ヤンクが剛拳を放った。
その硬い拳が腹にめり込む。
思わぬ衝撃で、ミルスは体をくの字に折り曲げた。
「まぁ、及第点ってとこかな」
ヤンクはつぶいた後、ミルスの後頭部にさらに拳を殴りつけ、ミルスを昏倒させた。
****
リオが目覚めると、王宮にある私室のベッドに居た。
治癒が施されたらしく、身体に傷跡らしいものや痛みは残っていない。
普段は空いているはずのベッドから、誰かの気配を感じたリオがそちらに顔を向ける。
隣のベッドでは、ミルスが寝かされていた。
応急処置はされているようだが、まだ意識は戻っていないようだ。
「あら、目が覚めた?」
ファラの声が聞こえ、リオが慌ててベッドの上に立ち上がり身構えた。
「あはは! もう訓練はお終いよ。
落ち着いて寝ていて頂戴。
あなたは無理をし過ぎて治癒が追い付かなかったから、今日は安静にしていてね」
ベッドサイドに座るファラが、優しい微笑みでリオを見上げていた。
リオは納得できないものを感じながらも、ファラに尋ねる。
「ミルスの怪我はどうして癒してないの?」
「ミルスは成竜の儀の中で負傷したことになるの。
だから、ミルスを癒せるのはあなただけよ。
でもあなたも、加護の力を使い過ぎてる。
だから、今日は止めておきなさい」
「……エルミナ王子はどうなったの?」
「エルミナ様はあなたに思いっきり殴られたから、あの人も今日は安静にしてるわ。
王宮魔導士に癒せるだけは癒して貰ったから、明日には元気になっているはずよ?
あの怪我も、今日の『悪ふざけ』の責任を取った、といったところかしらね」
リオはベッドに潜り込みなおし、大きなため息をつきながら枕に倒れ込んだ。
「――はぁ。ほんと、とんでもない性悪王子ね。
どこが『温厚で心優しい』のか、分からなくなったわ。
あれに付き合えるファラさんも大概よ?
でもあの一撃で『借りは返した』、ということにしておいてあげる」
ファラが嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとう。そうしてもらえると助かるわ」
ファラが果物を切り分けた皿を、そっとリオに差し出した。
リオは大人しく、果物を口に放り込んでいく。
あの時、朝食を全て吐き出してしまった。
もう時間は午後に入っている。
その上、あれだけ暴れたのだ。かなりの空腹を覚えていた。
ファラが優しい声で尋ねる。
「どう? 今日の訓練で何か掴めた?」
リオは応えず、黙って果物を口に運んでいる。
ファラが優し気に微笑んだ。
「……そう。
それなら今日思った事を、あとでミルスと話し合ってみるといいわ」
リオが果物の皿を空にしたのを見届けると、ファラは「また明日ね」と言って部屋を去っていった。
リオは少しの間、考えを巡らせた。
そばに居る侍従に、静かに告げる。
「少しの間、人払いをして貰えますか?」
「畏まりました」
従者たちが全員、部屋から出ていき、部屋の扉が閉まった。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました
toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。
残酷シーンが多く含まれます。
誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。
両親に
「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」
と宣言した彼女は有言実行をするのだった。
一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。
4/5 21時完結予定。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる