72 / 102
第3章:金色の輝き
72.強襲(1)
しおりを挟む
七月に入り、全員が特別課外授業に参加した。
シュネーヴァイス山脈への旅程は、順調に進んでいった。
道中は三食、野菜のシチューでお腹を満たす。
毎日、三食である。
三日目にはクラウが『さすがに、毎日あればかりでは飽きるわ……』とぼやいていた。
残念ながら、私たちのレパートリーは乏しかった。
今回は長旅ということで、魔術騎士部隊も可能な限り、食事の輪に加わった。
彼らのコンディションが任務を左右すると言っても過言じゃない。
きちんと栄養のある、温かい食事をとってもらっていた。
お父様や魔術騎士部隊、御者も含めれば二十人を超える。
これだけの大人数の食事の用意だ。
刻んで煮込む以外の選択肢が、私たちにはなかった。
みんなが食事に飽き飽きしているのを横目で見ながら、私は美味しくシチューを食べる。
お腹いっぱい食べられるだけで、幸せになれないの?
みんな贅沢だなぁ。
****
五日後には山脈のふもとに到着した。
小さな村落があり、そこに馬車を停泊させる。
御者はここに残ってもらい、馬車の管理を任せた。
ここからは徒歩で、高山中腹に向かうらしい。
各自が往復分の携行糧食と水を背負い、ピッケルを片手に登っていく。
中腹までとはいえ、それなりの高さがある山に登る。
貴族令嬢組にはきつい道のりだ。
私も額に汗を流し、息を切らせながら登っていった。
「≪身体強化≫があるとはいえ! きついものはきつい! ですわね!」
貴族令嬢生活も半年を超え、私の体力もかなり衰えてる。
≪身体強化≫術式も、ずっと発動できる訳じゃない。
基本は自力で斜面を登る。
ちなみに生徒の登山服もグランツの制服だ。
高山でも問題ない通気性と保温性、保湿性を兼ね備えている。
まさに万能衣装と言えると思う。
一説には『レブナント王国屈指の工芸品』とも言われてるらしい。
国内の技術、その粋を集めた逸品だと、お父様は自慢していた。
魔術騎士たちは軽鎧の上から外套を羽織っていた。
金属鎧を着ていても、生徒たちより余裕のある表情で登っていく。
この人たちは、やっぱり頼もしいなぁ。
令嬢組でも、クラウが一番辛そうにしていた。
生粋の公爵令嬢だし、体格もエマの次に小さい。
体力的には一番劣るのだろう。
「私が! 登山だなんて! 向いてませんわ!」
と、泣き言を言いながら一行について行く。
最後尾でフランツ殿下にフォローされつつ、なんとか登っているみたいだ。
一方で身体が一番小さいエマは、クラウより余裕がある。
趣味で乗馬をやっているらしく、地味に体力があるらしい。
魔術騎士部隊はなるだけ手を出さない。
そこは前回と変わらない。
主戦力なのだし、余計な消耗は避けなければならない。
基本は生徒同士で力を合わせ、どうしてもつらい時だけ令嬢組をサポートしてくれた。
ライナー様が手を伸ばしてくるたびに、私の笑みが引きつっていく。
他の魔術騎士を頼ろうとしても、ライナー様が割り込んでくる。
無駄な体力を使うくらいならと、途中から諦めていた。
****
私たち一行は、なんとか予定に遅れることなく進んでいった。
登山四日目には、古代遺跡と見られる構造物に近づいていた。
森の向こうに、そびえる塔が見えている。
あれが古代遺跡か。
これから破壊に行く場所だ。
お父様は、魔術で付近の様子を探っていた。
「どうですか、お父様」
「うむ、予想通りだね。
哨戒している兵が居る。
二人一組で回っているようだ」
その言葉に、フィルとハーディが反応した。
フィルが怪訝な顔でお父様に告げる。
「兵が居る、とは?」
多少は説明しないと、だめかー。
私は少し考えてから、言葉を選んで告げる。
「帝国兵ですわ。
古代遺跡を不法占拠してらっしゃるの。
調査をするのに邪魔ですから、蹴散らしていきましょう」
私の言葉に、二人は驚いたようだった。
顔を見合わせ、小声で相談していた。
フィルが私に告げる。
「帝国兵だなんて、下手に手を出したら外交問題です。
なによりあなたに怪我をさせかねない」
ん? なんだか本心で言ってる?
普段の軽薄な態度がどこかに消えてる。
真剣な表情で言葉を口にしていた。
私はフィルに微笑んで応える。
「上手に手を出せばよろしいのですわ。
怪我をしそうになったら、ちゃんと守ってくださいましね?」
フィルとハーディが顔を見合わせたあと、私に向かって同時にうなずいた。
……これはどうやら、拘束をしなくてもよさそうだな。
私はお父様に告げる。
「ではお父様、作戦通りに行きましょう」
フィルとハーディ以外で、事前に打ち合わせが済んでいる。
ここからは、そのプラン通りに行動することになる。
お父様がうなずいた後、森に向かって歩きだす。
私はみんなに号令をかける。
「ではみなさま、お父様のあとをついて行きますわよ!」
私たち一行は迷うことなく、古代遺跡に向かって歩きだした。
****
森の中は歩きにくい。
山腹の森ならなおさらだ。
歩いていて木の根に足を取られかけ、思わずバランスを崩した。
とっさにジュリアスが手を差し伸べ、私の手を取った。
「ヒルダ! ――気を付けてください。
慣れないうちは、もっと慎重に」
「ええ、ありがとう。
気を付けるわ」
私は町育ちだ。こんな大自然の中を歩いた経験はない。
ジュリアスだって慣れてないはずなのに、危なげなく歩いて行く。
「どうしてジュリアスは平気なのかしら」
「きちんと注意を払っていれば、転ぶことはありませんよ」
ぬー! いつのまにか体力不足も克服してるし!
生意気!
むくれながらも、私はジュリアスに手を取ってもらいながら歩いていった。
令嬢組は、男子生徒の手を借りて森を踏破していく。
私にはジュリアス。
クラウにはフランツ殿下。
ルイズにはリッド。
エマにはフィル。
それぞれがペアになって進んでいった。
……リッド、男子に混じれるとか、たくましすぎない?
ディーターはひとりで身軽に歩いて居る。
頼りなげに見えてもファルケンシュタイン公爵家の男子。
それなりにスパルタで鍛えられてるのだろう。
ライナー様たち魔術騎士部隊は、私たちからかなり距離を取っている。
散開して見つかりにくいようにしているみたいだ。
道中で彼らが帝国兵に見つかると、かなり面倒だ。
『生徒の護衛』で納得してくれるわけもない。
それだけは避けようとしているのだろう。
****
「止まれ!」
遠くから、私たちを呼び止める声が響いた。
帝国兵の哨戒兵に見つかったかな。
近寄ってくる帝国兵に、お父様が前に出て話を聞きに行った。
私たちはその場で、事の成り行きを黙って見守っている。
帝国兵の服装は、民間人の猟師が着る物に見える。
腰から剣を下げていなければ、立派に無害な外見だ。
帝国兵がお父様に接触した途端、向こうから話しかけてきた。
「貴様たち、何をしに来た」
軍人らしい、威圧する言動だ。
言動までカモフラージュする気がないんだろうな。
お父様は飄々と応える。
「学生を連れて、この古代遺跡の調査に来た。
君らこそ、ここで何をしてるんだ?」
帝国兵が言葉に詰まり、少し考えてから応える。
「レブナントの者に教えることではない!」
かなり苦しい言い訳だ。
彼らの操る公用語に、帝国なまりがあることなんてすぐわかる。
出自を偽ることはできてない。
レブナントなまりの公用語を操るお父様に、言えることなんてないのだろう。
ここは緩衝地帯。
どこの領地でもない土地だ。
だけどどちらかと言えば、レブナント王国に近い。
こんなところで『軍属の人間が活動してる』とは、口が裂けても言えないだろう。
『学生の古代遺跡調査』を追い払う理由、そんなものを彼らは思い付けなかった。
ちょっとおつむが残念な人たちかもしれない。
追い払う理由くらい、事前に用意しておけばいいのに。
まぁまさか、こんなところに学生が登ってくるとは思わないか。
お父様は帝国兵と言葉を交わしていく。
お互いが譲らず、膠着状態だ。
お父様がため息をついて告げる。
「私らには関係のないことだな。
先に進ませてもらうぞ」
と、兵を押しのけて先に進もうとした。
帝国兵はお父様を取り押さえ、「動くな!」と叫んだ。
たしか哨戒兵は二人一組――もう一人は、少し離れて様子見をしていた。
異変があれば、周囲に知らせに行くつもりだろう。
さて、どうしようか。
――警戒していた帝国兵たちが、突然がっくりと膝からくずおれた。
「眠り草の術式です。三日は起きませんよ」
振り返ると、私たちの陰でジュリアスが魔術を使っていた。
「さっすがジュリアスですわ!」
フランツ殿下が告げる。
「こいつらを隠せ!」
ハーディとベルト様が、すぐに帝国兵を木陰に連れ込んでいた。
私は思わず言葉を漏らす。
「まるで、打ち合わせたみたいに手際が良かったですわね」
事前に私たちが決めたプラン。
その名も『哨戒兵なんて、無理やり押し通っちゃおうぜ★』だ。
お父様は『相手が居ることだし、その場で臨機応変に対応しよう』と判断した。
余計な取り決めは、一切していない。
つまり全員がアドリブで動いている。
お父様は楽しそうに「期待通りの結果で嬉しいよ」と笑っていた。
シュネーヴァイス山脈への旅程は、順調に進んでいった。
道中は三食、野菜のシチューでお腹を満たす。
毎日、三食である。
三日目にはクラウが『さすがに、毎日あればかりでは飽きるわ……』とぼやいていた。
残念ながら、私たちのレパートリーは乏しかった。
今回は長旅ということで、魔術騎士部隊も可能な限り、食事の輪に加わった。
彼らのコンディションが任務を左右すると言っても過言じゃない。
きちんと栄養のある、温かい食事をとってもらっていた。
お父様や魔術騎士部隊、御者も含めれば二十人を超える。
これだけの大人数の食事の用意だ。
刻んで煮込む以外の選択肢が、私たちにはなかった。
みんなが食事に飽き飽きしているのを横目で見ながら、私は美味しくシチューを食べる。
お腹いっぱい食べられるだけで、幸せになれないの?
みんな贅沢だなぁ。
****
五日後には山脈のふもとに到着した。
小さな村落があり、そこに馬車を停泊させる。
御者はここに残ってもらい、馬車の管理を任せた。
ここからは徒歩で、高山中腹に向かうらしい。
各自が往復分の携行糧食と水を背負い、ピッケルを片手に登っていく。
中腹までとはいえ、それなりの高さがある山に登る。
貴族令嬢組にはきつい道のりだ。
私も額に汗を流し、息を切らせながら登っていった。
「≪身体強化≫があるとはいえ! きついものはきつい! ですわね!」
貴族令嬢生活も半年を超え、私の体力もかなり衰えてる。
≪身体強化≫術式も、ずっと発動できる訳じゃない。
基本は自力で斜面を登る。
ちなみに生徒の登山服もグランツの制服だ。
高山でも問題ない通気性と保温性、保湿性を兼ね備えている。
まさに万能衣装と言えると思う。
一説には『レブナント王国屈指の工芸品』とも言われてるらしい。
国内の技術、その粋を集めた逸品だと、お父様は自慢していた。
魔術騎士たちは軽鎧の上から外套を羽織っていた。
金属鎧を着ていても、生徒たちより余裕のある表情で登っていく。
この人たちは、やっぱり頼もしいなぁ。
令嬢組でも、クラウが一番辛そうにしていた。
生粋の公爵令嬢だし、体格もエマの次に小さい。
体力的には一番劣るのだろう。
「私が! 登山だなんて! 向いてませんわ!」
と、泣き言を言いながら一行について行く。
最後尾でフランツ殿下にフォローされつつ、なんとか登っているみたいだ。
一方で身体が一番小さいエマは、クラウより余裕がある。
趣味で乗馬をやっているらしく、地味に体力があるらしい。
魔術騎士部隊はなるだけ手を出さない。
そこは前回と変わらない。
主戦力なのだし、余計な消耗は避けなければならない。
基本は生徒同士で力を合わせ、どうしてもつらい時だけ令嬢組をサポートしてくれた。
ライナー様が手を伸ばしてくるたびに、私の笑みが引きつっていく。
他の魔術騎士を頼ろうとしても、ライナー様が割り込んでくる。
無駄な体力を使うくらいならと、途中から諦めていた。
****
私たち一行は、なんとか予定に遅れることなく進んでいった。
登山四日目には、古代遺跡と見られる構造物に近づいていた。
森の向こうに、そびえる塔が見えている。
あれが古代遺跡か。
これから破壊に行く場所だ。
お父様は、魔術で付近の様子を探っていた。
「どうですか、お父様」
「うむ、予想通りだね。
哨戒している兵が居る。
二人一組で回っているようだ」
その言葉に、フィルとハーディが反応した。
フィルが怪訝な顔でお父様に告げる。
「兵が居る、とは?」
多少は説明しないと、だめかー。
私は少し考えてから、言葉を選んで告げる。
「帝国兵ですわ。
古代遺跡を不法占拠してらっしゃるの。
調査をするのに邪魔ですから、蹴散らしていきましょう」
私の言葉に、二人は驚いたようだった。
顔を見合わせ、小声で相談していた。
フィルが私に告げる。
「帝国兵だなんて、下手に手を出したら外交問題です。
なによりあなたに怪我をさせかねない」
ん? なんだか本心で言ってる?
普段の軽薄な態度がどこかに消えてる。
真剣な表情で言葉を口にしていた。
私はフィルに微笑んで応える。
「上手に手を出せばよろしいのですわ。
怪我をしそうになったら、ちゃんと守ってくださいましね?」
フィルとハーディが顔を見合わせたあと、私に向かって同時にうなずいた。
……これはどうやら、拘束をしなくてもよさそうだな。
私はお父様に告げる。
「ではお父様、作戦通りに行きましょう」
フィルとハーディ以外で、事前に打ち合わせが済んでいる。
ここからは、そのプラン通りに行動することになる。
お父様がうなずいた後、森に向かって歩きだす。
私はみんなに号令をかける。
「ではみなさま、お父様のあとをついて行きますわよ!」
私たち一行は迷うことなく、古代遺跡に向かって歩きだした。
****
森の中は歩きにくい。
山腹の森ならなおさらだ。
歩いていて木の根に足を取られかけ、思わずバランスを崩した。
とっさにジュリアスが手を差し伸べ、私の手を取った。
「ヒルダ! ――気を付けてください。
慣れないうちは、もっと慎重に」
「ええ、ありがとう。
気を付けるわ」
私は町育ちだ。こんな大自然の中を歩いた経験はない。
ジュリアスだって慣れてないはずなのに、危なげなく歩いて行く。
「どうしてジュリアスは平気なのかしら」
「きちんと注意を払っていれば、転ぶことはありませんよ」
ぬー! いつのまにか体力不足も克服してるし!
生意気!
むくれながらも、私はジュリアスに手を取ってもらいながら歩いていった。
令嬢組は、男子生徒の手を借りて森を踏破していく。
私にはジュリアス。
クラウにはフランツ殿下。
ルイズにはリッド。
エマにはフィル。
それぞれがペアになって進んでいった。
……リッド、男子に混じれるとか、たくましすぎない?
ディーターはひとりで身軽に歩いて居る。
頼りなげに見えてもファルケンシュタイン公爵家の男子。
それなりにスパルタで鍛えられてるのだろう。
ライナー様たち魔術騎士部隊は、私たちからかなり距離を取っている。
散開して見つかりにくいようにしているみたいだ。
道中で彼らが帝国兵に見つかると、かなり面倒だ。
『生徒の護衛』で納得してくれるわけもない。
それだけは避けようとしているのだろう。
****
「止まれ!」
遠くから、私たちを呼び止める声が響いた。
帝国兵の哨戒兵に見つかったかな。
近寄ってくる帝国兵に、お父様が前に出て話を聞きに行った。
私たちはその場で、事の成り行きを黙って見守っている。
帝国兵の服装は、民間人の猟師が着る物に見える。
腰から剣を下げていなければ、立派に無害な外見だ。
帝国兵がお父様に接触した途端、向こうから話しかけてきた。
「貴様たち、何をしに来た」
軍人らしい、威圧する言動だ。
言動までカモフラージュする気がないんだろうな。
お父様は飄々と応える。
「学生を連れて、この古代遺跡の調査に来た。
君らこそ、ここで何をしてるんだ?」
帝国兵が言葉に詰まり、少し考えてから応える。
「レブナントの者に教えることではない!」
かなり苦しい言い訳だ。
彼らの操る公用語に、帝国なまりがあることなんてすぐわかる。
出自を偽ることはできてない。
レブナントなまりの公用語を操るお父様に、言えることなんてないのだろう。
ここは緩衝地帯。
どこの領地でもない土地だ。
だけどどちらかと言えば、レブナント王国に近い。
こんなところで『軍属の人間が活動してる』とは、口が裂けても言えないだろう。
『学生の古代遺跡調査』を追い払う理由、そんなものを彼らは思い付けなかった。
ちょっとおつむが残念な人たちかもしれない。
追い払う理由くらい、事前に用意しておけばいいのに。
まぁまさか、こんなところに学生が登ってくるとは思わないか。
お父様は帝国兵と言葉を交わしていく。
お互いが譲らず、膠着状態だ。
お父様がため息をついて告げる。
「私らには関係のないことだな。
先に進ませてもらうぞ」
と、兵を押しのけて先に進もうとした。
帝国兵はお父様を取り押さえ、「動くな!」と叫んだ。
たしか哨戒兵は二人一組――もう一人は、少し離れて様子見をしていた。
異変があれば、周囲に知らせに行くつもりだろう。
さて、どうしようか。
――警戒していた帝国兵たちが、突然がっくりと膝からくずおれた。
「眠り草の術式です。三日は起きませんよ」
振り返ると、私たちの陰でジュリアスが魔術を使っていた。
「さっすがジュリアスですわ!」
フランツ殿下が告げる。
「こいつらを隠せ!」
ハーディとベルト様が、すぐに帝国兵を木陰に連れ込んでいた。
私は思わず言葉を漏らす。
「まるで、打ち合わせたみたいに手際が良かったですわね」
事前に私たちが決めたプラン。
その名も『哨戒兵なんて、無理やり押し通っちゃおうぜ★』だ。
お父様は『相手が居ることだし、その場で臨機応変に対応しよう』と判断した。
余計な取り決めは、一切していない。
つまり全員がアドリブで動いている。
お父様は楽しそうに「期待通りの結果で嬉しいよ」と笑っていた。
10
お気に入りに追加
126
あなたにおすすめの小説
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
【完】前世で種を疑われて処刑されたので、今世では全力で回避します。
112
恋愛
エリザベスは皇太子殿下の子を身籠った。産まれてくる我が子を待ち望んだ。だがある時、殿下に他の男と密通したと疑われ、弁解も虚しく即日処刑された。二十歳の春の事だった。
目覚めると、時を遡っていた。時を遡った以上、自分はやり直しの機会を与えられたのだと思った。皇太子殿下の妃に選ばれ、結ばれ、子を宿したのが運の尽きだった。
死にたくない。あんな最期になりたくない。
そんな未来に決してならないように、生きようと心に決めた。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
【完結】公女が死んだ、その後のこと
杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】
「お母様……」
冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。
古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。
「言いつけを、守ります」
最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。
こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。
そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。
「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」
「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」
「くっ……、な、ならば蘇生させ」
「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」
「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」
「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」
「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」
「まっ、待て!話を」
「嫌ぁ〜!」
「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」
「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」
「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」
「くっ……!」
「なっ、譲位せよだと!?」
「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」
「おのれ、謀りおったか!」
「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」
◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。
◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。
◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった?
◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。
◆この作品は小説家になろうでも公開します。
◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。
竜人の王である夫に運命の番が見つかったので離婚されました。結局再婚いたしますが。
重田いの
恋愛
竜人族は少子化に焦っていた。彼らは卵で産まれるのだが、その卵はなかなか孵化しないのだ。
少子化を食い止める鍵はたったひとつ! 運命の番様である!
番様と番うと、竜人族であっても卵ではなく子供が産まれる。悲劇を回避できるのだ……。
そして今日、王妃ファニアミリアの夫、王レヴニールに運命の番が見つかった。
離婚された王妃が、結局元サヤ再婚するまでのすったもんだのお話。
翼と角としっぽが生えてるタイプの竜人なので苦手な方はお気をつけて~。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる