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第4章:夢幻泡影
第43話 夢幻泡影
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「はい、お兄様! 私の魚を半分差し上げますわ!」
私は焼き魚を半分に切って、アンリ兄様の前に差し出した。
「今日は豪華な夕食で良かったですわ! お兄様を少しはもてなせるというものです!」
アンリ兄様が、苦笑を浮かべながら応える。
「シトラス、これが豪華な夕食なのか?」
「ええ、そうですわよ? パンと芋に葉野菜、さらに魚ですわ! 私が釣ってきたものでしてよ?」
もちろん芋や葉野菜は、うちの畑でとれたものだ。
私たちが居ない間、畑は隣の家の人が面倒を見てくれていたらしい。
パンは毎日、少量ずつ手作りしている贅沢品だ。
さらに追加で魚や肉が食卓に並ぶなんて、豪華以外の何だと言うのだろう?
「そうか……お前が公爵家で疎外感を受けていたのが、なんとなく理解できた。
根本的に、文化が違う世界なのだな、ここは」
アンリ兄様は家の中を興味深げに眺めていた。
お父さんがニヤリと笑みを浮かべながら告げる。
「どうだアンリ公爵令息。お前はこんな世界で生きて行けると思うか?
貴族の世界、その中でも上澄みに生きていた公爵令息が、貧しい平民の暮らしをしていけると、そう思えるか?
肉どころか、パンすら満足に食べることが出来ない暮らしだ」
アンリ兄様は平然と芋にかぶりついていた。
「粗食など問題ではない。隣にシトラスが居れば、私はそれでいい」
お父さんは楽しそうに笑った後、焼き魚をぺろりと平らげていた。
私もお魚をパクパクと食べ、パンをかじってはよく噛んで、水で飲み下した。
そんな私の食事風景も、アンリ兄様は興味深そうに眺めている。
「どうなさったの? お兄様」
「いや、あれほど貴族の作法が板についていたシトラスが、こうやって村娘らしく振舞っているのを見るのは初めてだからな。
これが本来のお前の姿なのだな」
「この家に居ると、不思議と貴族の作法を忘れられるのですわ」
アンリ兄様がニヤリと笑った。
「では、その言葉遣いも本来のお前に戻さないか?
今のお前はシトラス・ガストーニュ。そして今の私は旅人のアンリだ。
私のことはアンリと呼べばいい」
私はきょとんとしてアンリ兄様を見た。
家を捨てた旅人のアンリ――それはアンリ兄様が望んでいた、夢の姿。
今の私と同じ、泡沫の夢――
「わかったよアンリ! ここに居る間は、そう呼ぶね!」
私の笑顔に、アンリは青年らしい爽やかな笑顔で応えてくれた。
****
「なぁシトラス、本当にいいのだろうか」
「なんのこと?」
「いや……やはり私は、リビングのソファで――」
「風邪をひくでしょう?! お客さんが寝る場所じゃないよ、あそこは」
アンリは今、私の部屋で同じベッドに寝転がっていた。
私と一緒に一枚の布団をかぶっている。
お父さんとお母さんのベッドは埋まってる。
私のベッドしか、他人を寝かせるスペースが空いてないのだ。
アンリはまだ何か悩んでるみたいだった。
「なぜギーグは、私がシトラスと共に寝ることを了承したのだろうか」
私は天井を見上げながらにっこりと笑った。
「扉のないこの部屋で私を襲ったら、お父さんがすぐに入ってくるよ?
それがわかっていて、私に手を出せる?」
この家は個室に扉なんてついてない。
間取りは別れてるけど、音は丸聞こえだ。
この会話もきっと、お父さんたちは聞いてると思う。
アンリが小さく息をついた。
「なるほど、それでは手を出せないな。
だがシトラスは構わないのか?」
「一緒に寝ることが? 私は気にならないよ?」
「だが、もうシトラスは十二歳だ。
十五歳の男と添い寝など、嫌だとは思わないのか?」
私はクスリと笑った。
「前も言ったでしょ? アンリの匂い、私は嫌いじゃないんだよ。
それに十二歳と言っても私はまだまだ子供だし。
こんなお子様体型に、アンリは興奮するの?」
同じように天井を見上げるアンリが、困ったように眉をひそめた。
「そうは言うが、お前は十二歳としては立派な体型だぞ?
下手な十五歳の令嬢より女性らしい体つきだ」
「そうなの? でも私、もっと胸もお尻も大きくなるんだけど」
アンリがごくりと唾を飲みこんだ。
「それ以上立派になると、そう言ったのか?」
「そうだよ? 十五歳くらいまでは大きくなったかな。
動きづらくなるからあんまり大きくなってほしくないんだけど、今のところ前回の人生と同じ感じに育ってるね」
「……それでも、前回の人生では男に縁がなかったのか?」
「なかったよ? 貴族の世界じゃ、村娘が立派な体つきでも興味を持たれなかっただけじゃない?」
アンリが天井を見上げながら苦笑していた。
「そんな訳はないはずだが……今さら前回の人生で本当はどうだったかなど、推測するだけ無駄だろう。
――それより、もしもこの村でお前が人生を送れるとしたら、お前は誰と婚姻するつもりだったんだ?」
「村の中に同年代の男の子が何人かいるし、近くに他の村もいくつかあるよ。どっかからか相手を探したんじゃない?
愛する相手が見つかるかはわからないけど、誰かを選んで結婚したと思うよ?」
アンリが真顔になって、こちらに顔を向けた。
「お前の夫として、旅人のアンリを考えることはできるだろうか」
私は思わず噴き出していた。
「ふふ、だからアンリはシスコンをこじらせすぎだよ。五年間、私たちは兄妹だったんだよ?
そんな私を女性として見ることなんて、できないでしょ」
私もアンリに顔を向けた。アンリの目はとても真剣なものだった。
「私はこの五年間、お前を妹として思った時間などほとんどない。
シトラスという女性は、私にとっていつも眩しい存在だった。それは今も変わらない。
お前は私を兄としか考えられないのだろうか」
「アンリを兄以外の存在として、か。
私には兄弟はいないし、そういう意味では私もアンリを兄として考えたことはないのかもしれないね。
単に身近な男性としか、思ってなかったのかもしれない。
エルメーテ公爵家の人たちは優しくしてくれたけど、家族として受け入れてたかというと、正直にいえば……できてなかったんじゃないかな」
前回の人生で過ごしたエリゼオ公爵家の生活で、他人と認識している相手を兄や父と呼ぶことに慣れていただけな気がする。
私にとって家族は、やっぱりお父さんとお母さんだけなんだなって、今ならわかる。
「では、こうして兄ではない人間と同じベッドで眠ることに、抵抗は感じないのか?」
「さっきも言ったでしょ? アンリは嫌だと思う人じゃないよ。
――そういう意味では、旅人のアンリとこの村で結婚して生きて行く未来も、悪くないかもしれない。
でも私よりアンリに相応しい女性なんて、もっとたくさんいると思うよ?」
「他の女性などいらない。シトラスただ一人が傍にいてくれれば、それで私は満たされる。
お前が居てくれるなら、この農村で人生を終えようと後悔などするものか」
私はクスリと笑った。
「そんなに私と夫婦になりたかったの? 物好きな人だね、アンリは。
そこまで言ってくれる人なら、私は結婚を頷いてもいいと思えるのかもしれない。
――でもこれは泡沫の夢、目が覚めたら消えてしまう、夏の夜に見ている夢だよ。
私と結婚した人は、どうしたって王位が関わってきちゃう。ダヴィデ殿下が立派な王にならない限り、それは避けられない現実だもん」
アンリが私の頭を胸に抱え込み、耳元でささやいてくる。
「夢でも構わない。今この時間だけは、シトラスという女性を一人の男として独り占めても、構わないだろうか」
私もアンリの身体に腕を回しながら応える。
「もうこんなに独り占めしてるのに、それを言うの?
――いいよ、こうして傍にいるだけなら、好きなだけ独り占めしても。
私もこの時間だけは、アンリの想いを受け止めてあげる。
夏の夜に見ている夢の間くらい、私たちは思うままに生きたっていいんじゃないかな」
いつかはこの夢も覚めてしまう。
その『いつか』は多分、とても近い未来だ。
そんなわずかな時間でも、私たちは公爵家や聖女というしがらみのない、一組の男女としてここに居る――ああ、なんて甘い夢なんだろう。
エルメーテ公爵家の令息でなければ、そして聖女でなければ出会うことのなかった私たち。
だけどそんな私たちが、しがらみから解き放たれて出会いたかったと切に願っていた。
私はアンリの胸に顔を埋めながら、幸せなぬくもりを感じつつ意識を手放していった。
私は焼き魚を半分に切って、アンリ兄様の前に差し出した。
「今日は豪華な夕食で良かったですわ! お兄様を少しはもてなせるというものです!」
アンリ兄様が、苦笑を浮かべながら応える。
「シトラス、これが豪華な夕食なのか?」
「ええ、そうですわよ? パンと芋に葉野菜、さらに魚ですわ! 私が釣ってきたものでしてよ?」
もちろん芋や葉野菜は、うちの畑でとれたものだ。
私たちが居ない間、畑は隣の家の人が面倒を見てくれていたらしい。
パンは毎日、少量ずつ手作りしている贅沢品だ。
さらに追加で魚や肉が食卓に並ぶなんて、豪華以外の何だと言うのだろう?
「そうか……お前が公爵家で疎外感を受けていたのが、なんとなく理解できた。
根本的に、文化が違う世界なのだな、ここは」
アンリ兄様は家の中を興味深げに眺めていた。
お父さんがニヤリと笑みを浮かべながら告げる。
「どうだアンリ公爵令息。お前はこんな世界で生きて行けると思うか?
貴族の世界、その中でも上澄みに生きていた公爵令息が、貧しい平民の暮らしをしていけると、そう思えるか?
肉どころか、パンすら満足に食べることが出来ない暮らしだ」
アンリ兄様は平然と芋にかぶりついていた。
「粗食など問題ではない。隣にシトラスが居れば、私はそれでいい」
お父さんは楽しそうに笑った後、焼き魚をぺろりと平らげていた。
私もお魚をパクパクと食べ、パンをかじってはよく噛んで、水で飲み下した。
そんな私の食事風景も、アンリ兄様は興味深そうに眺めている。
「どうなさったの? お兄様」
「いや、あれほど貴族の作法が板についていたシトラスが、こうやって村娘らしく振舞っているのを見るのは初めてだからな。
これが本来のお前の姿なのだな」
「この家に居ると、不思議と貴族の作法を忘れられるのですわ」
アンリ兄様がニヤリと笑った。
「では、その言葉遣いも本来のお前に戻さないか?
今のお前はシトラス・ガストーニュ。そして今の私は旅人のアンリだ。
私のことはアンリと呼べばいい」
私はきょとんとしてアンリ兄様を見た。
家を捨てた旅人のアンリ――それはアンリ兄様が望んでいた、夢の姿。
今の私と同じ、泡沫の夢――
「わかったよアンリ! ここに居る間は、そう呼ぶね!」
私の笑顔に、アンリは青年らしい爽やかな笑顔で応えてくれた。
****
「なぁシトラス、本当にいいのだろうか」
「なんのこと?」
「いや……やはり私は、リビングのソファで――」
「風邪をひくでしょう?! お客さんが寝る場所じゃないよ、あそこは」
アンリは今、私の部屋で同じベッドに寝転がっていた。
私と一緒に一枚の布団をかぶっている。
お父さんとお母さんのベッドは埋まってる。
私のベッドしか、他人を寝かせるスペースが空いてないのだ。
アンリはまだ何か悩んでるみたいだった。
「なぜギーグは、私がシトラスと共に寝ることを了承したのだろうか」
私は天井を見上げながらにっこりと笑った。
「扉のないこの部屋で私を襲ったら、お父さんがすぐに入ってくるよ?
それがわかっていて、私に手を出せる?」
この家は個室に扉なんてついてない。
間取りは別れてるけど、音は丸聞こえだ。
この会話もきっと、お父さんたちは聞いてると思う。
アンリが小さく息をついた。
「なるほど、それでは手を出せないな。
だがシトラスは構わないのか?」
「一緒に寝ることが? 私は気にならないよ?」
「だが、もうシトラスは十二歳だ。
十五歳の男と添い寝など、嫌だとは思わないのか?」
私はクスリと笑った。
「前も言ったでしょ? アンリの匂い、私は嫌いじゃないんだよ。
それに十二歳と言っても私はまだまだ子供だし。
こんなお子様体型に、アンリは興奮するの?」
同じように天井を見上げるアンリが、困ったように眉をひそめた。
「そうは言うが、お前は十二歳としては立派な体型だぞ?
下手な十五歳の令嬢より女性らしい体つきだ」
「そうなの? でも私、もっと胸もお尻も大きくなるんだけど」
アンリがごくりと唾を飲みこんだ。
「それ以上立派になると、そう言ったのか?」
「そうだよ? 十五歳くらいまでは大きくなったかな。
動きづらくなるからあんまり大きくなってほしくないんだけど、今のところ前回の人生と同じ感じに育ってるね」
「……それでも、前回の人生では男に縁がなかったのか?」
「なかったよ? 貴族の世界じゃ、村娘が立派な体つきでも興味を持たれなかっただけじゃない?」
アンリが天井を見上げながら苦笑していた。
「そんな訳はないはずだが……今さら前回の人生で本当はどうだったかなど、推測するだけ無駄だろう。
――それより、もしもこの村でお前が人生を送れるとしたら、お前は誰と婚姻するつもりだったんだ?」
「村の中に同年代の男の子が何人かいるし、近くに他の村もいくつかあるよ。どっかからか相手を探したんじゃない?
愛する相手が見つかるかはわからないけど、誰かを選んで結婚したと思うよ?」
アンリが真顔になって、こちらに顔を向けた。
「お前の夫として、旅人のアンリを考えることはできるだろうか」
私は思わず噴き出していた。
「ふふ、だからアンリはシスコンをこじらせすぎだよ。五年間、私たちは兄妹だったんだよ?
そんな私を女性として見ることなんて、できないでしょ」
私もアンリに顔を向けた。アンリの目はとても真剣なものだった。
「私はこの五年間、お前を妹として思った時間などほとんどない。
シトラスという女性は、私にとっていつも眩しい存在だった。それは今も変わらない。
お前は私を兄としか考えられないのだろうか」
「アンリを兄以外の存在として、か。
私には兄弟はいないし、そういう意味では私もアンリを兄として考えたことはないのかもしれないね。
単に身近な男性としか、思ってなかったのかもしれない。
エルメーテ公爵家の人たちは優しくしてくれたけど、家族として受け入れてたかというと、正直にいえば……できてなかったんじゃないかな」
前回の人生で過ごしたエリゼオ公爵家の生活で、他人と認識している相手を兄や父と呼ぶことに慣れていただけな気がする。
私にとって家族は、やっぱりお父さんとお母さんだけなんだなって、今ならわかる。
「では、こうして兄ではない人間と同じベッドで眠ることに、抵抗は感じないのか?」
「さっきも言ったでしょ? アンリは嫌だと思う人じゃないよ。
――そういう意味では、旅人のアンリとこの村で結婚して生きて行く未来も、悪くないかもしれない。
でも私よりアンリに相応しい女性なんて、もっとたくさんいると思うよ?」
「他の女性などいらない。シトラスただ一人が傍にいてくれれば、それで私は満たされる。
お前が居てくれるなら、この農村で人生を終えようと後悔などするものか」
私はクスリと笑った。
「そんなに私と夫婦になりたかったの? 物好きな人だね、アンリは。
そこまで言ってくれる人なら、私は結婚を頷いてもいいと思えるのかもしれない。
――でもこれは泡沫の夢、目が覚めたら消えてしまう、夏の夜に見ている夢だよ。
私と結婚した人は、どうしたって王位が関わってきちゃう。ダヴィデ殿下が立派な王にならない限り、それは避けられない現実だもん」
アンリが私の頭を胸に抱え込み、耳元でささやいてくる。
「夢でも構わない。今この時間だけは、シトラスという女性を一人の男として独り占めても、構わないだろうか」
私もアンリの身体に腕を回しながら応える。
「もうこんなに独り占めしてるのに、それを言うの?
――いいよ、こうして傍にいるだけなら、好きなだけ独り占めしても。
私もこの時間だけは、アンリの想いを受け止めてあげる。
夏の夜に見ている夢の間くらい、私たちは思うままに生きたっていいんじゃないかな」
いつかはこの夢も覚めてしまう。
その『いつか』は多分、とても近い未来だ。
そんなわずかな時間でも、私たちは公爵家や聖女というしがらみのない、一組の男女としてここに居る――ああ、なんて甘い夢なんだろう。
エルメーテ公爵家の令息でなければ、そして聖女でなければ出会うことのなかった私たち。
だけどそんな私たちが、しがらみから解き放たれて出会いたかったと切に願っていた。
私はアンリの胸に顔を埋めながら、幸せなぬくもりを感じつつ意識を手放していった。
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