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155.マリーの初授業(3)
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午後になり、魔術授業が開始された。
一年生の序盤は、魔力鍛錬に毛が生えた程度の内容だ。
私たちは自習を申し出て、砂時計鍛錬をすることにした。
スウェード様が砂時計に向かいながらつぶやく。
「ヒルデガルト先生の弟子である俺たちには、グランツのカリキュラムは物足りないな」
サニーも砂時計に向かいながら応える。
「しょうがないわよ。
レブナント随一の魔導士に師事してるんだもの」
私も砂時計鍛錬をしながら応える。
「あら、お母様は『お父様の方が魔導士としては上よ?』って常々言ってるわよ?」
アラン様とヴァルターは、地面に伏せて腕相撲をしていた。
「ヒルデガルト先生は逸話が強烈すぎるんですよ」
「個性が強すぎるんですよね」
もちろん、これも立派な魔力鍛錬だ。
アラン様に匹敵する魔力制御を身に付けているヴァルター。
やっぱり彼も、完璧超人の類よね。
二人ともすでに、現代魔法を修得している。
年少組の中では、魔術で二強だろう。
私は色々と規格外な要素が多いから、どの辺に位置するのかがわかりづらい。
現代魔法である『蜃気楼』こそ扱えるけど、他の魔術はまだそれほどうまく扱えないのだ。
他のザフィーアのメンバーも、砂時計に向かって集中していた。
トビアスは他の生徒と一緒に授業を受けていた。
ララとレナが、トビアス尾を見ながら告げる。
「トビアスの魔術の腕、実際はどれくらいなのかしら」
「魔力の強さが『三等級』というのも、自称だからねー」
確かに自己申告だ。
受入検査に魔力測定が入ってなかったら、その自己申告は疑う必要がある。
あまり鵜呑みにしない方がいいのかもしれない。
少なくとも、二等級のアミン様に匹敵する≪身体強化≫をやってみせた。
私の直感通りなら、一等級のアラン様に匹敵する≪身体強化≫をつかえるはずだ。
トビアスは『体力や体術を重点的に鍛錬してる』と言っていたけど。
アラン様だって本家のスパルタで鍛え上げられてる。
そこらの十三歳とは比べ物にならないのだから。
サニーが私に尋ねる。
「マリーの直感で魔力の強さがわかったりしないの?」
私は呆れながら応える。
「何でも具体的に見抜けるほど、便利な能力じゃないわよ」
実はさっき、試しにこっそりやってみた。
だけどいまいちピンとこなかったのだ。
私の直感で剣術の腕を見抜かれたことで、警戒させてしまったのかもしれない。
誘拐事件の時だって見抜けなかった。
相手が隠すことに長けている場合、それを見抜くのは難しいのだろう。
だけど、能力を隠していることは理解した。
『要注意』と感じたのは、そのせいかもしれない。
トビアスの素性は、レブナント王国の諜報部がきちんと調査しているはず。
それも偽装してごまかしてるとしたら、大したものだ。
――結局、私の下した判断は『警戒対象』ということだけだった。
午後の魔術授業が終わり、私たちも鍛錬を切り上げて教室に戻っていった。
****
週末の定期試験も無事に突破した。
私とサイ兄様は、一緒にエドラウス侯爵邸に戻って来ていた。
私は夕食の席で、お母様にトビアスのことを報告した。
お母様は「あなたは充分に気を付けて」と言うだけだった。
そのあと、自分の部屋で豊穣の神や愛の神にも聞いてみた。
だけど二人とも『頑張りなさい』と言うだけだった。
翌朝、お母様が私に教えてくれた。
神様たちは、基本的に人の世界の営みに口出しをしないらしい。
あんまり頼りにならない神様だなぁ。
……いえ、『神に頼らず生きていけ』ということなのかしら。
お母様も『古代魔法は便利すぎて、使うのが怖い』と言っていた。
人は本来、自分の力で目の前の障害を乗り越えていくべきなんだ。
人の力でどうしようもない時だけ、神様は力を貸してくれるのかもしれない。
私は部屋でひとり、そんなことを考えていた。
****
今日は午後からザフィーアのみんなが集まる魔術授業の日だ。
私はサイ兄様と一緒に、午前中を『蜃気楼』の鍛錬に充てることにした。
サイ兄様はお母様に、植物園で知ったことを報告していた。
お母様が小さく息をついた。
「そう、サイモンも古代魔法や信託について知ってしまったのね」
「申し訳ありません、母上」
「いえ、これはしょうがないわ。
知らないのが一番だったけれどね。
知ってしまったなら、マリーを守るために動くこともできるでしょう。
特にそのトビアスという子の動向には気を付けて」
「母上もトビアスは要注意人物だと感じているのですか?」
お母様は困ったような顔でうなずいた。
「そうね、留学時に諜報部が素性調査を行っているけれど。
自己申告との齟齬はみられなかったわ。
でもヴィークス王国が彼の『本当の素性』を偽っていた場合、それを見抜くのは難しい。
そうなれば平民というのも、本当かどうか怪しいものよ」
帝国解体から七年が経過した。
七年前から準備をしていたとしたら、魔力検査の結果も隠蔽された可能性すらある。
貴族だったら平民の限界である三等級を越えていても不思議じゃない。
それを偽って『三等級の平民』としてこちらに来ている可能性もある、とのことだった。
私はお母様に尋ねる。
「私たちのように、『精霊眼で強い魔力を得た」ということはないのですか?」
お母様が首を横に振った。
「お父様の話では、『精霊眼だから特別強い魔力を持つ』ということはなかったそうよ。
魔術の才能に秀でた者が多いとだけおっしゃってたわ」
お爺様はかなりの魔術フリークだ。
そのお爺様が知らないなら、たぶん前例はないのだろう。
お母様の説明が続く。
「トビアスはヴィークス出身の平民で、父親は不明。
母親はまだヴィークスに住んでいて、平民の生活を営んでいるわね」
トビアスは自己申告通り、十歳から精霊眼の特待を受けていたそうだ。
地元で一番の学校に通い、主席を守り続けていたらしい。
十二歳で魔力検査を受けて三等級の判定を受け、留学の話を打診された、ということになっているそうだ。
レブナント王国はその打診を承諾し、トビアスの留学を受け入れた。
……諜報部って、そんなことまで調べちゃうのか。
怖いところなんだなぁ。
サイ兄様がお母様に尋ねる。
「その母親の素性は調べたのですか?」
「ええ、もちろんよ。
彼女はヴィークスより北の出身らしいわ。
でもそれ以上は、ヴィークスではわからなかったの」
他の国でも調査してみたけど、詳しいことはわからなかったらしい。
帝国解体時の混乱が残る時期に、旧帝国領の北部からヴィークスに移り住んだ、というところまでは調べたそうだ。
いつ頃、どこから移動してきたのかは、次期が悪くてわからないそうだ。
『移動するタイミングが巧すぎる』と、お母様は警戒してるみたいだった。
まるで身元を隠すかのように、混乱期に乗じてヴィークスに移り住んだのだから。
もちろん、あの時期にはそういった人間が多く存在したらしい。
だから『ただの偶然』の可能性もある。
それでも疑う余地があるのは確かだ。
私もトビアスのことは、今後も警戒しておいた方がいいだろう。
午後から魔術授業に集まったザフィーアの仲間たちとも、トビアスに関する情報を共有した。
結局、『やはり彼は要注意だ』という結論に至った。
翌日は古代魔法の鍛錬を行ってから、サイ兄様と夕方に寄宿舎に戻った。
一年生の序盤は、魔力鍛錬に毛が生えた程度の内容だ。
私たちは自習を申し出て、砂時計鍛錬をすることにした。
スウェード様が砂時計に向かいながらつぶやく。
「ヒルデガルト先生の弟子である俺たちには、グランツのカリキュラムは物足りないな」
サニーも砂時計に向かいながら応える。
「しょうがないわよ。
レブナント随一の魔導士に師事してるんだもの」
私も砂時計鍛錬をしながら応える。
「あら、お母様は『お父様の方が魔導士としては上よ?』って常々言ってるわよ?」
アラン様とヴァルターは、地面に伏せて腕相撲をしていた。
「ヒルデガルト先生は逸話が強烈すぎるんですよ」
「個性が強すぎるんですよね」
もちろん、これも立派な魔力鍛錬だ。
アラン様に匹敵する魔力制御を身に付けているヴァルター。
やっぱり彼も、完璧超人の類よね。
二人ともすでに、現代魔法を修得している。
年少組の中では、魔術で二強だろう。
私は色々と規格外な要素が多いから、どの辺に位置するのかがわかりづらい。
現代魔法である『蜃気楼』こそ扱えるけど、他の魔術はまだそれほどうまく扱えないのだ。
他のザフィーアのメンバーも、砂時計に向かって集中していた。
トビアスは他の生徒と一緒に授業を受けていた。
ララとレナが、トビアス尾を見ながら告げる。
「トビアスの魔術の腕、実際はどれくらいなのかしら」
「魔力の強さが『三等級』というのも、自称だからねー」
確かに自己申告だ。
受入検査に魔力測定が入ってなかったら、その自己申告は疑う必要がある。
あまり鵜呑みにしない方がいいのかもしれない。
少なくとも、二等級のアミン様に匹敵する≪身体強化≫をやってみせた。
私の直感通りなら、一等級のアラン様に匹敵する≪身体強化≫をつかえるはずだ。
トビアスは『体力や体術を重点的に鍛錬してる』と言っていたけど。
アラン様だって本家のスパルタで鍛え上げられてる。
そこらの十三歳とは比べ物にならないのだから。
サニーが私に尋ねる。
「マリーの直感で魔力の強さがわかったりしないの?」
私は呆れながら応える。
「何でも具体的に見抜けるほど、便利な能力じゃないわよ」
実はさっき、試しにこっそりやってみた。
だけどいまいちピンとこなかったのだ。
私の直感で剣術の腕を見抜かれたことで、警戒させてしまったのかもしれない。
誘拐事件の時だって見抜けなかった。
相手が隠すことに長けている場合、それを見抜くのは難しいのだろう。
だけど、能力を隠していることは理解した。
『要注意』と感じたのは、そのせいかもしれない。
トビアスの素性は、レブナント王国の諜報部がきちんと調査しているはず。
それも偽装してごまかしてるとしたら、大したものだ。
――結局、私の下した判断は『警戒対象』ということだけだった。
午後の魔術授業が終わり、私たちも鍛錬を切り上げて教室に戻っていった。
****
週末の定期試験も無事に突破した。
私とサイ兄様は、一緒にエドラウス侯爵邸に戻って来ていた。
私は夕食の席で、お母様にトビアスのことを報告した。
お母様は「あなたは充分に気を付けて」と言うだけだった。
そのあと、自分の部屋で豊穣の神や愛の神にも聞いてみた。
だけど二人とも『頑張りなさい』と言うだけだった。
翌朝、お母様が私に教えてくれた。
神様たちは、基本的に人の世界の営みに口出しをしないらしい。
あんまり頼りにならない神様だなぁ。
……いえ、『神に頼らず生きていけ』ということなのかしら。
お母様も『古代魔法は便利すぎて、使うのが怖い』と言っていた。
人は本来、自分の力で目の前の障害を乗り越えていくべきなんだ。
人の力でどうしようもない時だけ、神様は力を貸してくれるのかもしれない。
私は部屋でひとり、そんなことを考えていた。
****
今日は午後からザフィーアのみんなが集まる魔術授業の日だ。
私はサイ兄様と一緒に、午前中を『蜃気楼』の鍛錬に充てることにした。
サイ兄様はお母様に、植物園で知ったことを報告していた。
お母様が小さく息をついた。
「そう、サイモンも古代魔法や信託について知ってしまったのね」
「申し訳ありません、母上」
「いえ、これはしょうがないわ。
知らないのが一番だったけれどね。
知ってしまったなら、マリーを守るために動くこともできるでしょう。
特にそのトビアスという子の動向には気を付けて」
「母上もトビアスは要注意人物だと感じているのですか?」
お母様は困ったような顔でうなずいた。
「そうね、留学時に諜報部が素性調査を行っているけれど。
自己申告との齟齬はみられなかったわ。
でもヴィークス王国が彼の『本当の素性』を偽っていた場合、それを見抜くのは難しい。
そうなれば平民というのも、本当かどうか怪しいものよ」
帝国解体から七年が経過した。
七年前から準備をしていたとしたら、魔力検査の結果も隠蔽された可能性すらある。
貴族だったら平民の限界である三等級を越えていても不思議じゃない。
それを偽って『三等級の平民』としてこちらに来ている可能性もある、とのことだった。
私はお母様に尋ねる。
「私たちのように、『精霊眼で強い魔力を得た」ということはないのですか?」
お母様が首を横に振った。
「お父様の話では、『精霊眼だから特別強い魔力を持つ』ということはなかったそうよ。
魔術の才能に秀でた者が多いとだけおっしゃってたわ」
お爺様はかなりの魔術フリークだ。
そのお爺様が知らないなら、たぶん前例はないのだろう。
お母様の説明が続く。
「トビアスはヴィークス出身の平民で、父親は不明。
母親はまだヴィークスに住んでいて、平民の生活を営んでいるわね」
トビアスは自己申告通り、十歳から精霊眼の特待を受けていたそうだ。
地元で一番の学校に通い、主席を守り続けていたらしい。
十二歳で魔力検査を受けて三等級の判定を受け、留学の話を打診された、ということになっているそうだ。
レブナント王国はその打診を承諾し、トビアスの留学を受け入れた。
……諜報部って、そんなことまで調べちゃうのか。
怖いところなんだなぁ。
サイ兄様がお母様に尋ねる。
「その母親の素性は調べたのですか?」
「ええ、もちろんよ。
彼女はヴィークスより北の出身らしいわ。
でもそれ以上は、ヴィークスではわからなかったの」
他の国でも調査してみたけど、詳しいことはわからなかったらしい。
帝国解体時の混乱が残る時期に、旧帝国領の北部からヴィークスに移り住んだ、というところまでは調べたそうだ。
いつ頃、どこから移動してきたのかは、次期が悪くてわからないそうだ。
『移動するタイミングが巧すぎる』と、お母様は警戒してるみたいだった。
まるで身元を隠すかのように、混乱期に乗じてヴィークスに移り住んだのだから。
もちろん、あの時期にはそういった人間が多く存在したらしい。
だから『ただの偶然』の可能性もある。
それでも疑う余地があるのは確かだ。
私もトビアスのことは、今後も警戒しておいた方がいいだろう。
午後から魔術授業に集まったザフィーアの仲間たちとも、トビアスに関する情報を共有した。
結局、『やはり彼は要注意だ』という結論に至った。
翌日は古代魔法の鍛錬を行ってから、サイ兄様と夕方に寄宿舎に戻った。
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