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第5章:羽化
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宿舎でお昼ご飯を食べながら、私はアイリスに尋ねる。
「ねぇアイリス、『好き』ってどんな気持ち?」
スープを飲んでいたアイリスが盛大にむせて咳き込んだ。
涙目のアイリスが私に抗議の視線を寄越してくる。
「――ゲホッ! なにを突然言い出すんですか!」
「だって、身近で確実に恋愛してるの、アイリスだけだし」
「だからって、この場で聞くことじゃないでしょう?!」
チラッとアイリスの視線がお爺ちゃんを見る。
お爺ちゃんは微笑みながらパンに齧りついていた。
「構わねぇよ? 言ってみればいいじゃねぇか。
嘘偽りねぇ自分の気持ちを、教えてやってくれよ」
「さすがに恥ずかしすぎますよ!」
「恥ずかしがるこたぁねぇさ。お前の想いは誰に恥じるものでもねぇ。
まっすぐ俺にぶつけてくる想いは、いっそ清々しいくらいだ」
しばらく悩んだアイリスが、顔を両手で覆って顔を伏せた。
「――無理です! やっぱりできません!」
お爺ちゃんは席から立ち上がり、カカカと笑いながら告げる。
「そうかそうか、まだアイリスもそこまでは踏み込めねぇか。
可愛らしいもんだな――俺ぁ部屋の外に居る。終わったら教えてくれ」
そういって部屋の外に出て、ドアを閉めてしまった。
ようやく落ち着いたアイリスが深呼吸をして、私を睨み付ける。
「どういうことか、ご説明願います!」
私は少し気圧されながら、事情説明を試みる。
「えーとね? アルフレッド殿下の好意はハッキリ断れるのに、なんでフランツさんの好意は断れないのかなぁ~? って思ったの。
そしたら『嫌われたくないのかな?』ってとこまでは思いついたんだけどさ」
「……それで?」
「それで、『じゃあ私は、フランツさんが好きなのかな?』とか思ったんだけど、『じゃあ好きって何だろう?』って疑問に突き当たって」
「……だから、私に『好き』という恋愛感情を聞きたいと?」
「う、うん。ほら、創作の物語じゃ、いまいち説得力がないじゃない?
やっぱりこういうのは当事者からの体験談が一番かなぁ……とか」
アイリスがふっか~~~~~いため息をついてから、私に告げる。
「わかりました。ヴィルマさんがそこまで考えたことに敬意を表して、お教えします。
――胸が高鳴るとか、胸が苦しいとか、会いたくて仕方ないとか、ずっと一緒に居たいとか、色々ありますけど。
一番大きいのは、たぶん『もうその人の事しか考えられない』だと思います。
その人の愛を得られるなら、他のなにもかもがどうでもよくなります」
うわ、熱烈……ほとんど恋愛譚の中の登場人物みたいな恋心だ。
「どのくらいどうでもよくなるの?」
アイリスが座り切った目で私を見つめて応える。
「人を殺めろと言われれば喜んで殺めますよ、私は」
「過激すぎる?! そんなことお爺ちゃんは言わないよ?!」
「――ええ、それはもちろん存じ上げてます。
ですがラーズさんを守るためなら、それくらいなんでもないと思えます」
そっかー、そういうのが『好き』って気持ちかぁ。
それじゃあ私は、別にフランツさんの事を『好き』ではないなぁ。
職場の同僚で、週末に一緒に呑むのが楽しい人で、一緒に居ても苦ではない人だけど。
そこでふと、フランツさんが言っていた『良い人』という評価を思い出した。
……これってつまり、私もフランツさんを『良い人』って思ってるってこと?
そっかぁ、恋愛対象じゃない好ましい人、それを『良い人』って言うのかなぁ。
アイリスがお爺ちゃんを呼びに行き、お爺ちゃんが部屋の中に戻ってくる。
「どうだ? 少しは理解が進んだか?」
「うん……だけど、新しい疑問が出てきちゃった。
どうして好きでもないフランツさんを断れないんだろう?
やっぱり嫌って欲しくないからなのかなぁ?」
お爺ちゃんがニヤリと微笑んで告げる。
「誰かに嫌われても構わない、そう思えるような強い人間は多くはねぇ。
相手が近ければ近いほど、嫌われるのが怖くなる。
お前にとって、フランツは身近な男なんだろう。
嫌われて、今の環境が壊れるのが嫌なのさ」
私は小首を傾げながらお爺ちゃんに尋ねる。
「じゃあ殿下は遠い男性ってこと?」
「ま、そうだろうな。物理的な距離じゃねぇぞ? 心の距離だ。
心が近い相手ほど、嫌われるのが怖くなる。
――だが、フランツは女性としてのお前を求めてる。
それにどう応えるかは、自分で考えな」
うーん、難しい問題になってきた。
黒パンをちぎりながら考えていく。
「……私って、男性に言い寄られるほど可愛いのかなぁ?」
お爺ちゃんが楽しそうに微笑んで応える。
「自信がないか? ――逆に考えてみろ。お前が自信を持てるものはなんだ?」
私はきょとんとして応える。
「そりゃもちろん、司書の仕事だよ。私は司書だし、その仕事を全うするのが当然だもん」
お爺ちゃんが嬉しそうに頷いた。
「そうやって司書の仕事に誇りを持ってるお前は輝いて見える。
それがお前の魅力に繋がってるとは思えねぇか?」
司書の仕事が? 私の女性としての魅力なの?
お爺ちゃんの言う事は、優しいようで難しい。
うんうんと頭を悩ませていると、お爺ちゃんが楽しそうに告げる。
「力強く生きる人間は魅力的に見える。それが異性なら、惚れちまうかもしれねぇ。
フランツの場合はそういうことなんじゃねぇかと、俺ぁ思ってる。
あいつはお前の外見にも惚れてるが、中身にも惚れてやがるからな」
「う~~~~~ん、結局どういうこと?」
「外見なんてもんは、とどのつまり趣味でしかねぇ。
お前の外見はフランツの野郎の好みだった。それだけだ。
そしてお前の中身をフランツは好ましいと思った。
だからあいつはお前にベタ惚れなのさ」
そういうものなのかぁ~~~~~。
「私はどうしたらいいの?」
「言っただろう? 自分で考えてみな」
結局私は昼食を食べながら、お爺ちゃんの言葉を何度も考え続けていた。
****
午後からは修復室で、週の間に漏れてしまった魔導書の修復を進めていった。
修復に集中しながらも、頭の片隅でお爺ちゃんの言葉を考えていく。
そっか、趣味か。趣味ならしょうがないよなぁ。
私だって、外見が好みの人を見たらきっと『かっこいい』って思うんだろうし。
根っこはきっと同じなんだろう。
私の外見は、殿下やフランツさんの趣味ドストレートだった。だからあの二人は私を可愛いとか美しいって言ってくるんだ。
……可愛いって、そんな曖昧な基準なのか。
今まで思い悩んでたのが、なんだか馬鹿らしい。
じゃあ『自分が可愛いと思う自分』を目指せば、それでいいんじゃないかな。
それを『可愛い』と言ってくれる人だけを相手にすれば、たぶんそれでいいんだ。
結論が出て、なんだか心が軽くなっていった。
じゃあ私を『可愛くて好ましい』と言ってくれるフランツさんの好意を、断れるのかな?
んー、マギーは『それで嫌ってくるようならその程度の男』って言ってたっけ。
じゃあ後は、言ってみてから考えよう!
それで職場がギスギスするかもしれないけど、それを怖がって自分を犠牲にする必要なんてないし。
楽しい気分で修復作業を進めて居たら、予定より早く進んでしまった。
十六時には作業を終えた私は、早めに帰り支度を整え、宿舎に戻った。
「ねぇアイリス、『好き』ってどんな気持ち?」
スープを飲んでいたアイリスが盛大にむせて咳き込んだ。
涙目のアイリスが私に抗議の視線を寄越してくる。
「――ゲホッ! なにを突然言い出すんですか!」
「だって、身近で確実に恋愛してるの、アイリスだけだし」
「だからって、この場で聞くことじゃないでしょう?!」
チラッとアイリスの視線がお爺ちゃんを見る。
お爺ちゃんは微笑みながらパンに齧りついていた。
「構わねぇよ? 言ってみればいいじゃねぇか。
嘘偽りねぇ自分の気持ちを、教えてやってくれよ」
「さすがに恥ずかしすぎますよ!」
「恥ずかしがるこたぁねぇさ。お前の想いは誰に恥じるものでもねぇ。
まっすぐ俺にぶつけてくる想いは、いっそ清々しいくらいだ」
しばらく悩んだアイリスが、顔を両手で覆って顔を伏せた。
「――無理です! やっぱりできません!」
お爺ちゃんは席から立ち上がり、カカカと笑いながら告げる。
「そうかそうか、まだアイリスもそこまでは踏み込めねぇか。
可愛らしいもんだな――俺ぁ部屋の外に居る。終わったら教えてくれ」
そういって部屋の外に出て、ドアを閉めてしまった。
ようやく落ち着いたアイリスが深呼吸をして、私を睨み付ける。
「どういうことか、ご説明願います!」
私は少し気圧されながら、事情説明を試みる。
「えーとね? アルフレッド殿下の好意はハッキリ断れるのに、なんでフランツさんの好意は断れないのかなぁ~? って思ったの。
そしたら『嫌われたくないのかな?』ってとこまでは思いついたんだけどさ」
「……それで?」
「それで、『じゃあ私は、フランツさんが好きなのかな?』とか思ったんだけど、『じゃあ好きって何だろう?』って疑問に突き当たって」
「……だから、私に『好き』という恋愛感情を聞きたいと?」
「う、うん。ほら、創作の物語じゃ、いまいち説得力がないじゃない?
やっぱりこういうのは当事者からの体験談が一番かなぁ……とか」
アイリスがふっか~~~~~いため息をついてから、私に告げる。
「わかりました。ヴィルマさんがそこまで考えたことに敬意を表して、お教えします。
――胸が高鳴るとか、胸が苦しいとか、会いたくて仕方ないとか、ずっと一緒に居たいとか、色々ありますけど。
一番大きいのは、たぶん『もうその人の事しか考えられない』だと思います。
その人の愛を得られるなら、他のなにもかもがどうでもよくなります」
うわ、熱烈……ほとんど恋愛譚の中の登場人物みたいな恋心だ。
「どのくらいどうでもよくなるの?」
アイリスが座り切った目で私を見つめて応える。
「人を殺めろと言われれば喜んで殺めますよ、私は」
「過激すぎる?! そんなことお爺ちゃんは言わないよ?!」
「――ええ、それはもちろん存じ上げてます。
ですがラーズさんを守るためなら、それくらいなんでもないと思えます」
そっかー、そういうのが『好き』って気持ちかぁ。
それじゃあ私は、別にフランツさんの事を『好き』ではないなぁ。
職場の同僚で、週末に一緒に呑むのが楽しい人で、一緒に居ても苦ではない人だけど。
そこでふと、フランツさんが言っていた『良い人』という評価を思い出した。
……これってつまり、私もフランツさんを『良い人』って思ってるってこと?
そっかぁ、恋愛対象じゃない好ましい人、それを『良い人』って言うのかなぁ。
アイリスがお爺ちゃんを呼びに行き、お爺ちゃんが部屋の中に戻ってくる。
「どうだ? 少しは理解が進んだか?」
「うん……だけど、新しい疑問が出てきちゃった。
どうして好きでもないフランツさんを断れないんだろう?
やっぱり嫌って欲しくないからなのかなぁ?」
お爺ちゃんがニヤリと微笑んで告げる。
「誰かに嫌われても構わない、そう思えるような強い人間は多くはねぇ。
相手が近ければ近いほど、嫌われるのが怖くなる。
お前にとって、フランツは身近な男なんだろう。
嫌われて、今の環境が壊れるのが嫌なのさ」
私は小首を傾げながらお爺ちゃんに尋ねる。
「じゃあ殿下は遠い男性ってこと?」
「ま、そうだろうな。物理的な距離じゃねぇぞ? 心の距離だ。
心が近い相手ほど、嫌われるのが怖くなる。
――だが、フランツは女性としてのお前を求めてる。
それにどう応えるかは、自分で考えな」
うーん、難しい問題になってきた。
黒パンをちぎりながら考えていく。
「……私って、男性に言い寄られるほど可愛いのかなぁ?」
お爺ちゃんが楽しそうに微笑んで応える。
「自信がないか? ――逆に考えてみろ。お前が自信を持てるものはなんだ?」
私はきょとんとして応える。
「そりゃもちろん、司書の仕事だよ。私は司書だし、その仕事を全うするのが当然だもん」
お爺ちゃんが嬉しそうに頷いた。
「そうやって司書の仕事に誇りを持ってるお前は輝いて見える。
それがお前の魅力に繋がってるとは思えねぇか?」
司書の仕事が? 私の女性としての魅力なの?
お爺ちゃんの言う事は、優しいようで難しい。
うんうんと頭を悩ませていると、お爺ちゃんが楽しそうに告げる。
「力強く生きる人間は魅力的に見える。それが異性なら、惚れちまうかもしれねぇ。
フランツの場合はそういうことなんじゃねぇかと、俺ぁ思ってる。
あいつはお前の外見にも惚れてるが、中身にも惚れてやがるからな」
「う~~~~~ん、結局どういうこと?」
「外見なんてもんは、とどのつまり趣味でしかねぇ。
お前の外見はフランツの野郎の好みだった。それだけだ。
そしてお前の中身をフランツは好ましいと思った。
だからあいつはお前にベタ惚れなのさ」
そういうものなのかぁ~~~~~。
「私はどうしたらいいの?」
「言っただろう? 自分で考えてみな」
結局私は昼食を食べながら、お爺ちゃんの言葉を何度も考え続けていた。
****
午後からは修復室で、週の間に漏れてしまった魔導書の修復を進めていった。
修復に集中しながらも、頭の片隅でお爺ちゃんの言葉を考えていく。
そっか、趣味か。趣味ならしょうがないよなぁ。
私だって、外見が好みの人を見たらきっと『かっこいい』って思うんだろうし。
根っこはきっと同じなんだろう。
私の外見は、殿下やフランツさんの趣味ドストレートだった。だからあの二人は私を可愛いとか美しいって言ってくるんだ。
……可愛いって、そんな曖昧な基準なのか。
今まで思い悩んでたのが、なんだか馬鹿らしい。
じゃあ『自分が可愛いと思う自分』を目指せば、それでいいんじゃないかな。
それを『可愛い』と言ってくれる人だけを相手にすれば、たぶんそれでいいんだ。
結論が出て、なんだか心が軽くなっていった。
じゃあ私を『可愛くて好ましい』と言ってくれるフランツさんの好意を、断れるのかな?
んー、マギーは『それで嫌ってくるようならその程度の男』って言ってたっけ。
じゃあ後は、言ってみてから考えよう!
それで職場がギスギスするかもしれないけど、それを怖がって自分を犠牲にする必要なんてないし。
楽しい気分で修復作業を進めて居たら、予定より早く進んでしまった。
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