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第5章:羽化
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朝日が目に当たって目が覚める。
ゆっくりと身体を起こして、ぼんやりと昨晩の事を思い出す。
あれー? どうなったんだっけ?
確か、遅くまでお酒を飲んでそれで――
ボッと音がするほどの勢いで顔が赤くなり、思わず枕に顔を埋めていた。
フランツさんに、寄り掛かって寝てなかった?! なんていう不覚!
ひとしきり悶えたあと、起き上がって深いため息をついた。
――顔を洗おう。
ガウンを着てから廊下に出て、ゆっくりと階段を降りていった。
台所からは朝食のいい匂いが香ってくる。廊下の途中で宴会場になっている部屋の前に通りかかる――お酒の匂いを飛ばすために開け放たれたドアから、大きなローテーブルが見えていた。
そこに昨晩座っていた自分やフランツさんの姿が在るように思えて、思わず顔が熱くなっていく。
うぅ、フランツさんの気持ち、どうしたらいいんだろう? こういうことは誰に相談したらいいの?
迷いを振り切って洗面台に行き、冷たい水で顔を洗ってすっきりとする。
台所に立ち寄って「おはよう!」とお爺ちゃんたちに告げた。
「――おぅ、起きたか。どうだ、少しは気持ちの整理が付いたか?」
「な、な、なんのことかな?! 気持ちの整理って何?!」
お爺ちゃんが料理をしながら楽しそうにカカカと笑った。
「お前に恋愛はまだ早い。心がお子様だからな。
今はただ、想いを寄せられることに心を慣らしていけ。
戸惑うことが無くなれば、自然とどうしたらいいかは自分でわかるようになる」
私はきょとんとしてお爺ちゃんを見つめて応える。
「自分で分かるの? ほんとに?」
「ああ、大丈夫だ。だから心配せずにどっしり構えてやれ」
そっか……それでいいのか。
「――あっ! お風呂入りたいから、私の朝食は取っておいて!」
お爺ちゃんが駆け出そうとする私に振り返り、呼び止めてくる。
「ちょっと待て。図書館に行くなら、風呂に入る時間はねぇだろう。
その程度なら――」
お爺ちゃんが指をパチンと鳴らすと、私の身体を清々しい風が通り抜けていった。
ふわりと香る優しい花の香りが鼻をくすぐっていく。
「……なに、今の」
お爺ちゃんがニヤリと微笑んで応える。
「身体の汚れを落として、香りを付ける魔導だ。今のはお前でも認識できたんじゃねぇか?
覚えて損はねぇから、練習しておけ」
自分の匂いを嗅いでも、お酒の匂いは全く感じない。
髪も花の香りしかしなくて、まったく意味が分からない。
だけど、お爺ちゃんがやったことは、なんとなく感覚で分かっていた。
これは≪浄化≫と≪芳香≫の術式を合成した様な、そんな技。
魔導術式のようでいて、そうじゃないもの――魂を抜き取る魔導と、同じ技だ。
「ねぇお爺ちゃん、これってなんなの? 術式じゃないのに、なんでこんなことができるの?」
「それこそが魔導だ。お前はもう、感覚でそれを理解している。
術式なんて小手先の技、俺たちには必要ねぇのさ」
……言われていることは、感覚が理解した。
私はぼんやりとさっきの技を思い出しながら、ゆっくりと階段を上った。
****
朝食を食べ終わった私はパタパタと用意をして宿舎を飛び出した。
図書館の鍵を開け、空調を調整してから本を読んでいく。
背中からマギーが声を響かせる。
『ヴィルマ、フランツの野郎にどう応えるか、決めないのか?』
「……どうって言われても、私にはまだわからないよ」
『あいつは真剣だぜ? 真剣な想いには真剣に応えないと失礼だろ?』
私のページをめくる手が止まる。
「それは……そうだと思うけど。
じゃあ真剣に応えるって、どういうこと?」
『今の自分の気持ちを、正直に言ってみろよ。
それでフランツがヴィルマに失望するなら、あいつはその程度の男ってことだ』
フランツさんが、私に失望?
そんなこと、あるのかな?
……フランツさんが見てる私って、本当に私なんだろうか。
だって私は女性として男性に応えてあげる自信なんてない。
可愛い、可愛いって言われるけど、そんなのただ小さいってだけだと思う。
王族のアルフレッド殿下とか、七歳年上のフランツさんとか、私に幻を見てない?
自分の理想を私に投影して、私じゃない姿を見てるんじゃないの?
――『素直で元気で誠実で、ちょっと鈍いけどそこもまた可愛い』
ボッと顔が熱くなる。そりゃ、私はシンプルな性格で、元気しか取り柄が無くて、嘘をつくのが苦手だけど。
それが女性的な魅力かと言われると、やっぱり首を傾げたくなる。
「ねぇマギー、私って可愛いの?」
『俺はお前たちと美的感覚が違うからなぁ。
そんなことを言われても、何とも言えないぜ?
――ただ、お前の魔力は最高に美味いな!
これほど興奮する魔力は、何百年振りだろうな!』
「だから! 言う事が! 変態臭い!」
不意に、笑い声が無人のはずの館内に響き渡った。
笑い声に振り返ると、こちらに歩いてくる人影――アルフレッド殿下。
楽しそうに微笑む殿下が私に告げる。
「休日から魔導書と何を話してるかと思えば、なんとも面白おかしい会話を繰り広げているな」
私は読みかけの魔導書を書架に戻しながら殿下に尋ねる。
「どうしたんですか? こんな日にここに来るなんて」
私の目の前に来た殿下が、微笑みながら応える。
「お前の顔を見に来た、ではいけないのか?」
私はムッとしながら応える。
「ですから、そういうセリフはエミリアさんに言ってあげてください。
私に言われても迷惑です」
「冗談だ、許せ――ちょっとした報告だ。
父上がグリュンフェルトに派兵を決定した。
あの国を取り囲む包囲網を支援し、早期に叩き潰す。
このことはラーズ王に伝えておいて欲しい」
私は戸惑いながら応える。
「……そんなの、自分で言いに行けばいいじゃないですか。
今なら宿舎に居ますよ、お爺ちゃん」
殿下がフッと笑って応える。
「だから言っただろう? お前の顔を見に来たと。
どうせ報告するなら、相手は美しい女が良い」
「――ですから! 私が美しい訳がないでしょう?! お化粧だってしてないのに!」
「いいや? お前は美しい。こうして素顔で見るお前は、なお美しいさ。
エミリアと甲乙つけがたいとすら思う。
エミリアが居なければ、俺の愛はお前に捧げられていただろう」
私はカッとなって声を張り上げる。
「私を愛せないのに、妃になれって言ったんですか?! そんなの不誠実です!」
「仕方あるまい。国を守るためだ。そのためなら心など二の次になる」
「殿下もエミリアさんも不本意なのに、なんで私にそうまでして拘るんですか!
妃になる以外にも、方法があるんじゃないんですか?!」
殿下が寂しそうに目を伏せて告げる。
「……あるいは、そうかもしれないな。
だが王家にお前の血を入れるのが、もっとも手堅い道なのだ。
それ以外では、お前の血が他国に流れるのを防げん」
「一昨日きやがれって話ですよ! もっと自分とエミリアさんのことを考えてください!
それからなら話ぐらいは聞いてあげますから!」
殿下が私の目を見て、フッと笑った。
「……そうか、そうするとしよう。ではさらばだ、ヴィルヘルミーナ王女」
ゆっくりと身を翻して、アルフレッド殿下は去っていった。
静まり返った図書館の中で、マギーが背中から声を響かせる。
『ヴィルマお前、自分で気づいてるか?』
「……何をよ」
『アルフレッドに対する態度とフランツに対する態度、まるで違うだろ。
なんでだと思う? 同じようにお前に想いを寄せる男だぞ?』
「それは――」
だって殿下にはエミリアさんが居て、二人は愛し合ってるし。
フランツさんは別に、愛し合ってる人なんていないし。
でも、確かに二人とも私に好意を寄せる男性だ。
なんで対応が違うんだろう?
『アルフレッドはハッキリ断れるのにフランツを断れない理由、少し考えてみろよ。
それで少しはすっきりするんじゃないか?』
「……なんでマギーは、私にそんなアドバイスしてくるの?」
『お前が悩んでると、魔力の味が落ちるんだよ。
お前が喜んでると、魔力が美味くなるんだ。
俺は美味い魔力が食いたい。美味い魔力を食わせてくれよ』
そんな事言われてもなぁ~~~~?!
私は手近な椅子に腰を下ろして、ぼんやりとマギーに言われた事を考え始めた。
ゆっくりと身体を起こして、ぼんやりと昨晩の事を思い出す。
あれー? どうなったんだっけ?
確か、遅くまでお酒を飲んでそれで――
ボッと音がするほどの勢いで顔が赤くなり、思わず枕に顔を埋めていた。
フランツさんに、寄り掛かって寝てなかった?! なんていう不覚!
ひとしきり悶えたあと、起き上がって深いため息をついた。
――顔を洗おう。
ガウンを着てから廊下に出て、ゆっくりと階段を降りていった。
台所からは朝食のいい匂いが香ってくる。廊下の途中で宴会場になっている部屋の前に通りかかる――お酒の匂いを飛ばすために開け放たれたドアから、大きなローテーブルが見えていた。
そこに昨晩座っていた自分やフランツさんの姿が在るように思えて、思わず顔が熱くなっていく。
うぅ、フランツさんの気持ち、どうしたらいいんだろう? こういうことは誰に相談したらいいの?
迷いを振り切って洗面台に行き、冷たい水で顔を洗ってすっきりとする。
台所に立ち寄って「おはよう!」とお爺ちゃんたちに告げた。
「――おぅ、起きたか。どうだ、少しは気持ちの整理が付いたか?」
「な、な、なんのことかな?! 気持ちの整理って何?!」
お爺ちゃんが料理をしながら楽しそうにカカカと笑った。
「お前に恋愛はまだ早い。心がお子様だからな。
今はただ、想いを寄せられることに心を慣らしていけ。
戸惑うことが無くなれば、自然とどうしたらいいかは自分でわかるようになる」
私はきょとんとしてお爺ちゃんを見つめて応える。
「自分で分かるの? ほんとに?」
「ああ、大丈夫だ。だから心配せずにどっしり構えてやれ」
そっか……それでいいのか。
「――あっ! お風呂入りたいから、私の朝食は取っておいて!」
お爺ちゃんが駆け出そうとする私に振り返り、呼び止めてくる。
「ちょっと待て。図書館に行くなら、風呂に入る時間はねぇだろう。
その程度なら――」
お爺ちゃんが指をパチンと鳴らすと、私の身体を清々しい風が通り抜けていった。
ふわりと香る優しい花の香りが鼻をくすぐっていく。
「……なに、今の」
お爺ちゃんがニヤリと微笑んで応える。
「身体の汚れを落として、香りを付ける魔導だ。今のはお前でも認識できたんじゃねぇか?
覚えて損はねぇから、練習しておけ」
自分の匂いを嗅いでも、お酒の匂いは全く感じない。
髪も花の香りしかしなくて、まったく意味が分からない。
だけど、お爺ちゃんがやったことは、なんとなく感覚で分かっていた。
これは≪浄化≫と≪芳香≫の術式を合成した様な、そんな技。
魔導術式のようでいて、そうじゃないもの――魂を抜き取る魔導と、同じ技だ。
「ねぇお爺ちゃん、これってなんなの? 術式じゃないのに、なんでこんなことができるの?」
「それこそが魔導だ。お前はもう、感覚でそれを理解している。
術式なんて小手先の技、俺たちには必要ねぇのさ」
……言われていることは、感覚が理解した。
私はぼんやりとさっきの技を思い出しながら、ゆっくりと階段を上った。
****
朝食を食べ終わった私はパタパタと用意をして宿舎を飛び出した。
図書館の鍵を開け、空調を調整してから本を読んでいく。
背中からマギーが声を響かせる。
『ヴィルマ、フランツの野郎にどう応えるか、決めないのか?』
「……どうって言われても、私にはまだわからないよ」
『あいつは真剣だぜ? 真剣な想いには真剣に応えないと失礼だろ?』
私のページをめくる手が止まる。
「それは……そうだと思うけど。
じゃあ真剣に応えるって、どういうこと?」
『今の自分の気持ちを、正直に言ってみろよ。
それでフランツがヴィルマに失望するなら、あいつはその程度の男ってことだ』
フランツさんが、私に失望?
そんなこと、あるのかな?
……フランツさんが見てる私って、本当に私なんだろうか。
だって私は女性として男性に応えてあげる自信なんてない。
可愛い、可愛いって言われるけど、そんなのただ小さいってだけだと思う。
王族のアルフレッド殿下とか、七歳年上のフランツさんとか、私に幻を見てない?
自分の理想を私に投影して、私じゃない姿を見てるんじゃないの?
――『素直で元気で誠実で、ちょっと鈍いけどそこもまた可愛い』
ボッと顔が熱くなる。そりゃ、私はシンプルな性格で、元気しか取り柄が無くて、嘘をつくのが苦手だけど。
それが女性的な魅力かと言われると、やっぱり首を傾げたくなる。
「ねぇマギー、私って可愛いの?」
『俺はお前たちと美的感覚が違うからなぁ。
そんなことを言われても、何とも言えないぜ?
――ただ、お前の魔力は最高に美味いな!
これほど興奮する魔力は、何百年振りだろうな!』
「だから! 言う事が! 変態臭い!」
不意に、笑い声が無人のはずの館内に響き渡った。
笑い声に振り返ると、こちらに歩いてくる人影――アルフレッド殿下。
楽しそうに微笑む殿下が私に告げる。
「休日から魔導書と何を話してるかと思えば、なんとも面白おかしい会話を繰り広げているな」
私は読みかけの魔導書を書架に戻しながら殿下に尋ねる。
「どうしたんですか? こんな日にここに来るなんて」
私の目の前に来た殿下が、微笑みながら応える。
「お前の顔を見に来た、ではいけないのか?」
私はムッとしながら応える。
「ですから、そういうセリフはエミリアさんに言ってあげてください。
私に言われても迷惑です」
「冗談だ、許せ――ちょっとした報告だ。
父上がグリュンフェルトに派兵を決定した。
あの国を取り囲む包囲網を支援し、早期に叩き潰す。
このことはラーズ王に伝えておいて欲しい」
私は戸惑いながら応える。
「……そんなの、自分で言いに行けばいいじゃないですか。
今なら宿舎に居ますよ、お爺ちゃん」
殿下がフッと笑って応える。
「だから言っただろう? お前の顔を見に来たと。
どうせ報告するなら、相手は美しい女が良い」
「――ですから! 私が美しい訳がないでしょう?! お化粧だってしてないのに!」
「いいや? お前は美しい。こうして素顔で見るお前は、なお美しいさ。
エミリアと甲乙つけがたいとすら思う。
エミリアが居なければ、俺の愛はお前に捧げられていただろう」
私はカッとなって声を張り上げる。
「私を愛せないのに、妃になれって言ったんですか?! そんなの不誠実です!」
「仕方あるまい。国を守るためだ。そのためなら心など二の次になる」
「殿下もエミリアさんも不本意なのに、なんで私にそうまでして拘るんですか!
妃になる以外にも、方法があるんじゃないんですか?!」
殿下が寂しそうに目を伏せて告げる。
「……あるいは、そうかもしれないな。
だが王家にお前の血を入れるのが、もっとも手堅い道なのだ。
それ以外では、お前の血が他国に流れるのを防げん」
「一昨日きやがれって話ですよ! もっと自分とエミリアさんのことを考えてください!
それからなら話ぐらいは聞いてあげますから!」
殿下が私の目を見て、フッと笑った。
「……そうか、そうするとしよう。ではさらばだ、ヴィルヘルミーナ王女」
ゆっくりと身を翻して、アルフレッド殿下は去っていった。
静まり返った図書館の中で、マギーが背中から声を響かせる。
『ヴィルマお前、自分で気づいてるか?』
「……何をよ」
『アルフレッドに対する態度とフランツに対する態度、まるで違うだろ。
なんでだと思う? 同じようにお前に想いを寄せる男だぞ?』
「それは――」
だって殿下にはエミリアさんが居て、二人は愛し合ってるし。
フランツさんは別に、愛し合ってる人なんていないし。
でも、確かに二人とも私に好意を寄せる男性だ。
なんで対応が違うんだろう?
『アルフレッドはハッキリ断れるのにフランツを断れない理由、少し考えてみろよ。
それで少しはすっきりするんじゃないか?』
「……なんでマギーは、私にそんなアドバイスしてくるの?」
『お前が悩んでると、魔力の味が落ちるんだよ。
お前が喜んでると、魔力が美味くなるんだ。
俺は美味い魔力が食いたい。美味い魔力を食わせてくれよ』
そんな事言われてもなぁ~~~~?!
私は手近な椅子に腰を下ろして、ぼんやりとマギーに言われた事を考え始めた。
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