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第4章:異界文書
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並木道をヴィルヘルミーナの祖父ラーズと一緒に歩きながら、魔導学院の敷地内を一周する――その間、アイリスは一つの考えに行きついていた。
――この温かい人と、人生を一緒に歩けたらいいのに。
その想いはヴォルフガングに対する思いを上回りつつあった。
ヴォルフガングも優しい男性だと思っていたが、どこか遠くに感じていた。
それは相手が高位貴族、それも王族に近いほどの上澄みだからだと、そう思っていたのだ。
だがラーズという比較対象を得たことで、認識が変わりつつあった。
ヴォルフガングは心に他人を寄せ付けない。
親しい人間だろうと、決して心の内側に居れようとしない男性なのだ。
一方でラーズは、出会ったばかりの孫娘の友人に対して、こうも懐に優しく包み込んでくれる。
自分を思って発してくれた言葉の数々が、まるで宝物のように感じていた。
ヴォルフガングへの想いがぐらつきはじめたアイリスの視界に、遠くから歩いてくる黒いカソックの男性が入ってくる。
見誤るわけがない、ヴォルフガングだ。
彼はゆっくりとこちらに近づいてくるようだった。
アイリスとラーズの目の前まで歩いてきたヴォルフガングが、口を開く。
「おやおや、君たちが学院内を自由に歩くとは、衛兵は何をしてるんだろうね。
あまりそうやって出歩かれても困ってしまう。
アイリスは宿舎に戻りなさい――ラーズ殿は、私が外まで送り届けよう」
その声には、以前と違う冷たさを感じた。
ヴォルフガングはアイリスを使用人の一人としか見ていない。それを突き付けられたかのようだった。
人間として扱ってはくれる。だが貴族にとって、使用人は使用人なのだ。
ラーズがニヤリと微笑んでヴォルフガングに応える。
「そいつぁ余計なお世話ってもんだ。俺が嬢ちゃんを送り届け、勝手に帰るから心配すんな。
衛兵たちを責めるなよ? 俺が気付かれないよう、魔導を使ってるだけだ」
アイリスは『えっ』と内心で驚いていた。魔導を使っている気配など、全くなかったからだ。
ヴォルフガングは「ふむ」と口を開く。
「≪隠遁≫の術式、という訳ではなさそうだね。
だが魔力操作だけで、そうも気配を殺せるものなのかな?」
「てめぇが知らねぇだけで、魔導には色んな技があるってことさ。
博識を誇ってるのかもしれねぇが、所詮は井の中の蛙。
世の中にはお前の知らねぇ魔導なんざごまんとあるってことを、もう少し認識しておいた方がいいな」
ラーズの挑戦的な言葉に、ヴォルフガングの目がわずかに細められた。
「ではなぜ、私の前でその技を解除したのか、聞いても良いかな?」
「おうよ。ヴォルフガングお前、手提げ袋に魔導具を持ってやがるな?
見たところ、昨日見た封印結界術式ってやつだ。
それをヴィルマが写本する場所に設置するつもりなのか?」
「よく遠目で見抜いたね。その通りだよ。
だがそれがどうしたというんだい?」
ラーズが呆れながらため息をつく。
「お前、『異界文書』がまるでわかってねぇな。
それじゃあ写本は成功しねぇよ。
昨日だって『異界文書』は、封印結界を嫌がってたじゃねぇか。
あれで分からねぇようじゃ、お前もまだまだ未熟ってことだ」
ピク、とヴォルフガングの眉が動いた。
「私が未熟、というのは重く受け止めよう。それは確かだろうからね。
だが、この魔導具で不足しているものがあるというのは理解ができない。
説明を願っても構わないかな?」
ラーズが挑戦的な笑みで応える。
「口で説明するより、直接目で見た方が早ぇだろ。
俺が一緒に行ってやるから、その目で正解を確認しろ。
――アイリス、お前も一緒に来い」
突然話題を振られ、アイリスは戸惑った。
写本をする場所、つまり図書館への出入りは、アイリスに許可されていない場所だ。
「ラーズさん、それは無理ですよ。私は図書館に入れません」
カカカ、と笑ったラーズが明るい笑顔でアイリスの頭に手を乗せた。
「大丈夫だ。俺がお前を匿ってやる――それじゃあヴォルフガング、案内しな」
ヴォルフガングがゆっくりと頷き、身を翻した。
図書館に向かって歩くヴォルフガングに、ラーズとアイリスが付いて行く。
――本当に、大丈夫なんですか?!
アイリスの戸惑いをよそに、ラーズは不敵な笑みを浮かべながら歩いて行く。
前を歩くヴォルフガングは、どこか不機嫌そうなオーラを醸し出していた。
****
図書館の入り口にヴォルフガングが入っていく。
衛兵たちがヴォルフガングに敬礼をし、姿勢を正していた。
その後ろを、ラーズはアイリスの背中を押しながら悠々と歩いて行く。
衛兵たちが、私たちに気が付いていない?
彼らはラーズやアイリスには一瞥もくれず、まっすぐ前を向いている。
そのままヴォルフガングに続いて、図書館の中に足を踏み入れた。
図書館の中は温かく、冷えた外から入ってきたばかりでは汗ばむくらいだった。
始めてみる施設に驚きながらも、ラーズに促されて先に進んでいく。
ヴォルフガングがカウンターに向かい、フランツに声をかける。
「すまないが、ヴィルマを呼び出してもらえないか」
「――ヴォルフガング様?! はい、今呼んできます!」
フランツがアイリスの傍を通り過ぎ、駆け抜けていった――彼もまた、アイリスの存在に気が付いていない。
ヴォルフガングが興味深げな表情でラーズに尋ねる。
「これはどういうことだ? なぜ彼はアイリスに気が付かなかった?」
ラーズがニヤリと微笑んで応える。
「そいつぁ秘伝だ、お前に教える訳にはいかねーな」
その瞬間、アイリスにはヴォルフガングが苛ついたように見えた。
――こんなヴォルフガング様、見たことない。
戸惑うアイリスに、ラーズが楽し気に告げる。
「見ただろ? ヴォルフガングは魔導に誇りを持っている。
魔導で知らないことがあるというのが、我慢ならねぇのさ。
それを目の前でもったいつけられて、ガキ臭く苛ついてる。
なんでもかんでも神秘を暴かねーと気が済まない、ただのガキさ」
ヴォルフガングが小さく息をついた。
「そのことを否定はしない。探求心の塊だという自負があるからね。
だが秘伝というのは、どういうことかな?」
「おうよ。うちの家系に伝わる口伝だ。家族以外に教えることはねぇ。
いつかはヴィルマに教えてやってもいいが、あいつの魔導センスなら自力で辿り着けるだろ。
まだまだあいつぁ未熟だが、巧く伸ばしてやれば俺を超える魔導士になれらぁ」
パタパタと足音がして、フランツとヴィルヘルミーナが姿を現した。
「――お爺ちゃん?! それに、アイリスも?!」
その言葉で、ようやくフランツがアイリスを見た。
「え?! いつからそこに居たんだ?! 今、突然現れなかったか?!」
ラーズがカカカと笑いながら告げる。
「こまけぇーこたぁ気にすんな。
それより、写本をする場所に連れて行け。
魔導具を設置して環境を整える」
ヴィルヘルミーナが驚いて声を上げる。
「お爺ちゃんが魔導具を設置するの?!」
「おうよ。悪いか? ヴォルフガングじゃ、未熟で失敗しやがるからな。
今回の事はヴィルマを守るためにも、失敗が許されん。
――だというのに、ヴォルフガングの野郎は自分の実力に驕って半端な魔導具を用意しやがった。
仕方ねぇから俺が調整してやるよ」
戸惑うヴィルヘルミーナの背を叩き、ラーズが「ほれ、早く案内しろ」と告げた。
ヴィルヘルミーナはパタパタと足早に修復室に向かっていった。
――この温かい人と、人生を一緒に歩けたらいいのに。
その想いはヴォルフガングに対する思いを上回りつつあった。
ヴォルフガングも優しい男性だと思っていたが、どこか遠くに感じていた。
それは相手が高位貴族、それも王族に近いほどの上澄みだからだと、そう思っていたのだ。
だがラーズという比較対象を得たことで、認識が変わりつつあった。
ヴォルフガングは心に他人を寄せ付けない。
親しい人間だろうと、決して心の内側に居れようとしない男性なのだ。
一方でラーズは、出会ったばかりの孫娘の友人に対して、こうも懐に優しく包み込んでくれる。
自分を思って発してくれた言葉の数々が、まるで宝物のように感じていた。
ヴォルフガングへの想いがぐらつきはじめたアイリスの視界に、遠くから歩いてくる黒いカソックの男性が入ってくる。
見誤るわけがない、ヴォルフガングだ。
彼はゆっくりとこちらに近づいてくるようだった。
アイリスとラーズの目の前まで歩いてきたヴォルフガングが、口を開く。
「おやおや、君たちが学院内を自由に歩くとは、衛兵は何をしてるんだろうね。
あまりそうやって出歩かれても困ってしまう。
アイリスは宿舎に戻りなさい――ラーズ殿は、私が外まで送り届けよう」
その声には、以前と違う冷たさを感じた。
ヴォルフガングはアイリスを使用人の一人としか見ていない。それを突き付けられたかのようだった。
人間として扱ってはくれる。だが貴族にとって、使用人は使用人なのだ。
ラーズがニヤリと微笑んでヴォルフガングに応える。
「そいつぁ余計なお世話ってもんだ。俺が嬢ちゃんを送り届け、勝手に帰るから心配すんな。
衛兵たちを責めるなよ? 俺が気付かれないよう、魔導を使ってるだけだ」
アイリスは『えっ』と内心で驚いていた。魔導を使っている気配など、全くなかったからだ。
ヴォルフガングは「ふむ」と口を開く。
「≪隠遁≫の術式、という訳ではなさそうだね。
だが魔力操作だけで、そうも気配を殺せるものなのかな?」
「てめぇが知らねぇだけで、魔導には色んな技があるってことさ。
博識を誇ってるのかもしれねぇが、所詮は井の中の蛙。
世の中にはお前の知らねぇ魔導なんざごまんとあるってことを、もう少し認識しておいた方がいいな」
ラーズの挑戦的な言葉に、ヴォルフガングの目がわずかに細められた。
「ではなぜ、私の前でその技を解除したのか、聞いても良いかな?」
「おうよ。ヴォルフガングお前、手提げ袋に魔導具を持ってやがるな?
見たところ、昨日見た封印結界術式ってやつだ。
それをヴィルマが写本する場所に設置するつもりなのか?」
「よく遠目で見抜いたね。その通りだよ。
だがそれがどうしたというんだい?」
ラーズが呆れながらため息をつく。
「お前、『異界文書』がまるでわかってねぇな。
それじゃあ写本は成功しねぇよ。
昨日だって『異界文書』は、封印結界を嫌がってたじゃねぇか。
あれで分からねぇようじゃ、お前もまだまだ未熟ってことだ」
ピク、とヴォルフガングの眉が動いた。
「私が未熟、というのは重く受け止めよう。それは確かだろうからね。
だが、この魔導具で不足しているものがあるというのは理解ができない。
説明を願っても構わないかな?」
ラーズが挑戦的な笑みで応える。
「口で説明するより、直接目で見た方が早ぇだろ。
俺が一緒に行ってやるから、その目で正解を確認しろ。
――アイリス、お前も一緒に来い」
突然話題を振られ、アイリスは戸惑った。
写本をする場所、つまり図書館への出入りは、アイリスに許可されていない場所だ。
「ラーズさん、それは無理ですよ。私は図書館に入れません」
カカカ、と笑ったラーズが明るい笑顔でアイリスの頭に手を乗せた。
「大丈夫だ。俺がお前を匿ってやる――それじゃあヴォルフガング、案内しな」
ヴォルフガングがゆっくりと頷き、身を翻した。
図書館に向かって歩くヴォルフガングに、ラーズとアイリスが付いて行く。
――本当に、大丈夫なんですか?!
アイリスの戸惑いをよそに、ラーズは不敵な笑みを浮かべながら歩いて行く。
前を歩くヴォルフガングは、どこか不機嫌そうなオーラを醸し出していた。
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図書館の入り口にヴォルフガングが入っていく。
衛兵たちがヴォルフガングに敬礼をし、姿勢を正していた。
その後ろを、ラーズはアイリスの背中を押しながら悠々と歩いて行く。
衛兵たちが、私たちに気が付いていない?
彼らはラーズやアイリスには一瞥もくれず、まっすぐ前を向いている。
そのままヴォルフガングに続いて、図書館の中に足を踏み入れた。
図書館の中は温かく、冷えた外から入ってきたばかりでは汗ばむくらいだった。
始めてみる施設に驚きながらも、ラーズに促されて先に進んでいく。
ヴォルフガングがカウンターに向かい、フランツに声をかける。
「すまないが、ヴィルマを呼び出してもらえないか」
「――ヴォルフガング様?! はい、今呼んできます!」
フランツがアイリスの傍を通り過ぎ、駆け抜けていった――彼もまた、アイリスの存在に気が付いていない。
ヴォルフガングが興味深げな表情でラーズに尋ねる。
「これはどういうことだ? なぜ彼はアイリスに気が付かなかった?」
ラーズがニヤリと微笑んで応える。
「そいつぁ秘伝だ、お前に教える訳にはいかねーな」
その瞬間、アイリスにはヴォルフガングが苛ついたように見えた。
――こんなヴォルフガング様、見たことない。
戸惑うアイリスに、ラーズが楽し気に告げる。
「見ただろ? ヴォルフガングは魔導に誇りを持っている。
魔導で知らないことがあるというのが、我慢ならねぇのさ。
それを目の前でもったいつけられて、ガキ臭く苛ついてる。
なんでもかんでも神秘を暴かねーと気が済まない、ただのガキさ」
ヴォルフガングが小さく息をついた。
「そのことを否定はしない。探求心の塊だという自負があるからね。
だが秘伝というのは、どういうことかな?」
「おうよ。うちの家系に伝わる口伝だ。家族以外に教えることはねぇ。
いつかはヴィルマに教えてやってもいいが、あいつの魔導センスなら自力で辿り着けるだろ。
まだまだあいつぁ未熟だが、巧く伸ばしてやれば俺を超える魔導士になれらぁ」
パタパタと足音がして、フランツとヴィルヘルミーナが姿を現した。
「――お爺ちゃん?! それに、アイリスも?!」
その言葉で、ようやくフランツがアイリスを見た。
「え?! いつからそこに居たんだ?! 今、突然現れなかったか?!」
ラーズがカカカと笑いながら告げる。
「こまけぇーこたぁ気にすんな。
それより、写本をする場所に連れて行け。
魔導具を設置して環境を整える」
ヴィルヘルミーナが驚いて声を上げる。
「お爺ちゃんが魔導具を設置するの?!」
「おうよ。悪いか? ヴォルフガングじゃ、未熟で失敗しやがるからな。
今回の事はヴィルマを守るためにも、失敗が許されん。
――だというのに、ヴォルフガングの野郎は自分の実力に驕って半端な魔導具を用意しやがった。
仕方ねぇから俺が調整してやるよ」
戸惑うヴィルヘルミーナの背を叩き、ラーズが「ほれ、早く案内しろ」と告げた。
ヴィルヘルミーナはパタパタと足早に修復室に向かっていった。
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