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第3章:神霊魔術
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ヴォルフガングさんが私の顔を見て、唖然としているようだった。
「……なるほど。精霊魔術は、術者に同調しやすい精霊ほど相性が良いとされている。
そういった精霊であれば、彼に近い魔力を持っていても不思議ではない。
だが、一体何のために? ここに記されているのは、当時一般的だった術式だ。
精霊のような高位の存在は、そもそも魔導術式を必要としない」
私は閃きのまま言葉を紡いでいく。
「もしかしてなんですけど……神との交信方法を精霊は知ってるんじゃ?
モーリッツ公爵は精霊からそのことを教えられて、その交信方法を魔導術式に落とし込もうとしてたんじゃないですか?
精霊たちはモーリッツ公爵が知る術式で神との交信方法を再現しようとしたけど、それが叶わなかった――それが、ここに記載されてる術式の正体、なんじゃないですか?」
ヴォルフガングさんは腕組みをしながら唸りこみ、深く考え込んでいた。
「……そうなると、この魔導書に記されているのは『精霊が知る神秘』ということになるね。
論理の飛躍が甚だしい部分があるのは、そのためか。
人間の魔導では及ばない、精霊だから為し得る魔導。
それをモーリッツ公爵は、なんとか人間の魔導に落とし込もうと努めたんだな」
「じゃあこの本は、モーリッツ公爵の単著ではなく、公爵と精霊たちによる共著ということですね。
著者名に彼の名前しかないのは、精霊の名前を記せなかったから……?」
ヴォルフガングさんが頷いた。
「それは在り得る。より高位の存在、古き神にとって、名前を知られるのは禁忌だったらしい。
同じ高位の存在である精霊に同じ禁忌があっても不思議ではない。
第一、精霊と共著なんてことを、普通は信じない。
そこまで深く精霊と交信できた魔導士の話は、聞いたことがないからね」
ヴォルフガングさんはさらにページをめくり、別の術式のページを開いた。
「これはどうだね? これも私は構築途中だと考えている」
私は再び、丁寧に術式を精査していった。
「……これも同じですね。さっきと同じ魔力の波長が五つ。五人による共著です。
この章は……別アプローチによる、神との交信方法?
不思議なことをするんですね。一種類じゃないんですか?」
ヴォルフガングさんが私に告げる。
「おそらく、先ほどのアプローチでは巧く行かなかったから、別角度から再現できないかを試したのだろう。
これは実験記録、ということかもしれないな。
モーリッツ公爵は、精霊と共に魔導術式で神と交信する手段を模索した。その記録だ。
精霊が為し得る以上、魔導の論理は存在する。
それを人間の魔導で再現する理論を模索した。
魔導書にまとめたのは、後世の人間に後を託したのかもしれない」
それからも、ヴォルフガングさんは自分が読み解けなかった術式のページを開いて行った。
それらすべては同じ結果――公爵と精霊の共著、という結論に落ち着いた。
魔導書を閉じたヴォルフガングさんが、深いため息をついた。
「――ふぅ。まさか、この魔導書の真相に辿り着けるとは思わなかった。
全てが五人による共著ということは、モーリッツ公爵本人と、彼と親しい精霊が四体居た、ということだろう。
書かれている理論は、まさに机上の空論ではあれど、精霊が知る神秘が記されてもいる。
この魔導書の価値は、今までより遥かに高くなったと言っていい。
お手柄だよ、ヴィルマ。君は素晴らしい仕事をした」
私は顔が熱くなるのを感じながら、なんとか返答する。
「そ、そんな褒め過ぎですよ! 私はただ、魔力を鑑定しただけですよ?!
後は全部、ヴォルフガングさんが推測して辿り着いた結果じゃないですか!」
ヴォルフガングさんがニヤリと微笑んだ。
「そんなことはないさ。君の言葉も大いに役立った。
精霊が神との交信方法を知るなど、今まで考えたこともなかったからね。
――それで、精霊が共著した部分の写本はできそうなのかね?」
「え? それは問題ありませんよ? 魔力の波長を見極められたなら、それを複製するだけで済みますから。
不安だった『構築途中の術式』が読み解けたので、後は普通の魔導書と同じ、ただ正確に写し取るだけで終わりますね」
ヴォルフガングさんが楽しそうに笑いを漏らした。
「ククク……君は自分がどれほど馬鹿げたことを口にしているか、理解しているのかな?
モーリッツ公爵は特異属性、その魔力を模倣するのは至難の業だ。
それに加えて、彼に極めて近しいが異なる精霊の魔力まで模倣することになる。
人間には不可能と断じざるを得ない――それを君は、可能だと断言した」
私は戸惑いながら応える。
「そんなことを言われても……だって、見た通りに魔力の波長を合わせるだけですよ?
このくらい、簡単にできるじゃないですか」
「ハハハ! 天才は凡才を理解できないというが、君は典型的なそれだね!
普通、自分と異なる魔力に波長を合わせるのはとても難しいんだよ!
魔力鑑定の技量も私を上回る精度、それもまた尋常じゃないレベルだ。
君の魔導の才能が恐ろしくなるよ」
「はぁ……そうなんですか?」
ヴォルフガングさんが笑顔で頷いた。
「君に詳細な魔導知識の伝授は不要だろう。魔導書から得られるからね。
書籍記憶能力と言ったか。実に特殊な才能を持ち合わせているようだ。
ならばあとは、実用的な技術、実践経験、そういったものを私が教えてあげよう。
私が監督してあげるから、私の前で魔術を使う練習をするといい」
私はおずおずと頷いた。
「なんだか申し訳ないですが、よろしくお願いします」
こうして、私たちの午前が終わった。
****
アイリスを交えて宿舎で昼食を取った後、私とヴォルフガングさんは魔導学院の設備である魔導教練場に移動した。
「まずは基本的な魔力制御のおさらいからはじめようか」
私が頷くと、ヴォルフガングさんが手のひらを掲げた。
「同じように手を出してごらん。そして魔力を手に集めるんだ」
言われた通りに手を挙げて魔力を集めると、ヴォルフガングさんが私の手に手を合わせてきた。
「ではいくよ」
――私の魔力が、ヴォルフガングさんに操られてる?!
手のひらに集めた魔力が、私の意志とは無関係にぐにぐにと形を変えて行った。
「なんですかこれ?! 気持ち悪い!」
「ハハハ! これは魔力同調という技術だよ。
相手の魔力に同調すれば、こちらの意のままに相手の魔力を操ることが出来る。
君ならすぐにでも実践できるはずだ。やってごらん」
今度はヴォルフガングさんが手のひらに魔力を集めて、私の前に突き出してきた。
んーと、魔力を同調するんだから、波長を真似すればいいんだよね。つまり、いつも司書業務でやってることだ。
私は見た通りにヴォルフガングさんの魔力を模倣し、手のひらを合わせてみた――不思議な感覚だ、まるで自分の魔力がヴォルフガングさんの魔力に溶け込む感じがする。
その状態で魔力を動かすと、ヴォルフガングさんの魔力も一緒に動いて行った。
ヴォルフガングさんが微笑んで頷いた。
「上出来だ――では、これについてこれるかな?」
――魔力の波長が変わった?! 同調が解けちゃう!
慌てて魔力を同調しなおすと、ヴォルフガングさんの魔力はさらに波長を変えていく。
そんな追いかけっこのような練習を一時間ほど繰り返すと、ヴォルフガングさんが「そこまで!」と告げた。
「いやはや、見事だ。相手の波長を見極める速度が、やはり尋常じゃないね。
魔力を模倣する速度も頭抜けている。
写本や修復作業で培った技術だろうが、この技術の洗練度は見たことがないレベルだ」
べた褒めにされて、恥ずかしくなってうつむいてしまった。
「そんなに褒めても、何も出ませんよ?」
「事実だよ。おそらくこのシュタールフェルゼン地方で、君に並ぶ魔導士は居ないだろう。
あるいは大陸を探しても見つかるかどうか――そのくらいハイレベルな魔力制御技術だ。
これなら『精霊の魔力を模倣できる』と断言するのも理解できる」
そっかー、そんな技術をいつの間にか持ってたのか。
……じゃあ、私よりも優れた司書だったお父さん、どうなるの? 大陸を探しても見つからないレベルの天才? うっそだぁ。
私はその後も、魔力制御の基礎を教えられながら実践していく時間で午後を終えた。
「……なるほど。精霊魔術は、術者に同調しやすい精霊ほど相性が良いとされている。
そういった精霊であれば、彼に近い魔力を持っていても不思議ではない。
だが、一体何のために? ここに記されているのは、当時一般的だった術式だ。
精霊のような高位の存在は、そもそも魔導術式を必要としない」
私は閃きのまま言葉を紡いでいく。
「もしかしてなんですけど……神との交信方法を精霊は知ってるんじゃ?
モーリッツ公爵は精霊からそのことを教えられて、その交信方法を魔導術式に落とし込もうとしてたんじゃないですか?
精霊たちはモーリッツ公爵が知る術式で神との交信方法を再現しようとしたけど、それが叶わなかった――それが、ここに記載されてる術式の正体、なんじゃないですか?」
ヴォルフガングさんは腕組みをしながら唸りこみ、深く考え込んでいた。
「……そうなると、この魔導書に記されているのは『精霊が知る神秘』ということになるね。
論理の飛躍が甚だしい部分があるのは、そのためか。
人間の魔導では及ばない、精霊だから為し得る魔導。
それをモーリッツ公爵は、なんとか人間の魔導に落とし込もうと努めたんだな」
「じゃあこの本は、モーリッツ公爵の単著ではなく、公爵と精霊たちによる共著ということですね。
著者名に彼の名前しかないのは、精霊の名前を記せなかったから……?」
ヴォルフガングさんが頷いた。
「それは在り得る。より高位の存在、古き神にとって、名前を知られるのは禁忌だったらしい。
同じ高位の存在である精霊に同じ禁忌があっても不思議ではない。
第一、精霊と共著なんてことを、普通は信じない。
そこまで深く精霊と交信できた魔導士の話は、聞いたことがないからね」
ヴォルフガングさんはさらにページをめくり、別の術式のページを開いた。
「これはどうだね? これも私は構築途中だと考えている」
私は再び、丁寧に術式を精査していった。
「……これも同じですね。さっきと同じ魔力の波長が五つ。五人による共著です。
この章は……別アプローチによる、神との交信方法?
不思議なことをするんですね。一種類じゃないんですか?」
ヴォルフガングさんが私に告げる。
「おそらく、先ほどのアプローチでは巧く行かなかったから、別角度から再現できないかを試したのだろう。
これは実験記録、ということかもしれないな。
モーリッツ公爵は、精霊と共に魔導術式で神と交信する手段を模索した。その記録だ。
精霊が為し得る以上、魔導の論理は存在する。
それを人間の魔導で再現する理論を模索した。
魔導書にまとめたのは、後世の人間に後を託したのかもしれない」
それからも、ヴォルフガングさんは自分が読み解けなかった術式のページを開いて行った。
それらすべては同じ結果――公爵と精霊の共著、という結論に落ち着いた。
魔導書を閉じたヴォルフガングさんが、深いため息をついた。
「――ふぅ。まさか、この魔導書の真相に辿り着けるとは思わなかった。
全てが五人による共著ということは、モーリッツ公爵本人と、彼と親しい精霊が四体居た、ということだろう。
書かれている理論は、まさに机上の空論ではあれど、精霊が知る神秘が記されてもいる。
この魔導書の価値は、今までより遥かに高くなったと言っていい。
お手柄だよ、ヴィルマ。君は素晴らしい仕事をした」
私は顔が熱くなるのを感じながら、なんとか返答する。
「そ、そんな褒め過ぎですよ! 私はただ、魔力を鑑定しただけですよ?!
後は全部、ヴォルフガングさんが推測して辿り着いた結果じゃないですか!」
ヴォルフガングさんがニヤリと微笑んだ。
「そんなことはないさ。君の言葉も大いに役立った。
精霊が神との交信方法を知るなど、今まで考えたこともなかったからね。
――それで、精霊が共著した部分の写本はできそうなのかね?」
「え? それは問題ありませんよ? 魔力の波長を見極められたなら、それを複製するだけで済みますから。
不安だった『構築途中の術式』が読み解けたので、後は普通の魔導書と同じ、ただ正確に写し取るだけで終わりますね」
ヴォルフガングさんが楽しそうに笑いを漏らした。
「ククク……君は自分がどれほど馬鹿げたことを口にしているか、理解しているのかな?
モーリッツ公爵は特異属性、その魔力を模倣するのは至難の業だ。
それに加えて、彼に極めて近しいが異なる精霊の魔力まで模倣することになる。
人間には不可能と断じざるを得ない――それを君は、可能だと断言した」
私は戸惑いながら応える。
「そんなことを言われても……だって、見た通りに魔力の波長を合わせるだけですよ?
このくらい、簡単にできるじゃないですか」
「ハハハ! 天才は凡才を理解できないというが、君は典型的なそれだね!
普通、自分と異なる魔力に波長を合わせるのはとても難しいんだよ!
魔力鑑定の技量も私を上回る精度、それもまた尋常じゃないレベルだ。
君の魔導の才能が恐ろしくなるよ」
「はぁ……そうなんですか?」
ヴォルフガングさんが笑顔で頷いた。
「君に詳細な魔導知識の伝授は不要だろう。魔導書から得られるからね。
書籍記憶能力と言ったか。実に特殊な才能を持ち合わせているようだ。
ならばあとは、実用的な技術、実践経験、そういったものを私が教えてあげよう。
私が監督してあげるから、私の前で魔術を使う練習をするといい」
私はおずおずと頷いた。
「なんだか申し訳ないですが、よろしくお願いします」
こうして、私たちの午前が終わった。
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アイリスを交えて宿舎で昼食を取った後、私とヴォルフガングさんは魔導学院の設備である魔導教練場に移動した。
「まずは基本的な魔力制御のおさらいからはじめようか」
私が頷くと、ヴォルフガングさんが手のひらを掲げた。
「同じように手を出してごらん。そして魔力を手に集めるんだ」
言われた通りに手を挙げて魔力を集めると、ヴォルフガングさんが私の手に手を合わせてきた。
「ではいくよ」
――私の魔力が、ヴォルフガングさんに操られてる?!
手のひらに集めた魔力が、私の意志とは無関係にぐにぐにと形を変えて行った。
「なんですかこれ?! 気持ち悪い!」
「ハハハ! これは魔力同調という技術だよ。
相手の魔力に同調すれば、こちらの意のままに相手の魔力を操ることが出来る。
君ならすぐにでも実践できるはずだ。やってごらん」
今度はヴォルフガングさんが手のひらに魔力を集めて、私の前に突き出してきた。
んーと、魔力を同調するんだから、波長を真似すればいいんだよね。つまり、いつも司書業務でやってることだ。
私は見た通りにヴォルフガングさんの魔力を模倣し、手のひらを合わせてみた――不思議な感覚だ、まるで自分の魔力がヴォルフガングさんの魔力に溶け込む感じがする。
その状態で魔力を動かすと、ヴォルフガングさんの魔力も一緒に動いて行った。
ヴォルフガングさんが微笑んで頷いた。
「上出来だ――では、これについてこれるかな?」
――魔力の波長が変わった?! 同調が解けちゃう!
慌てて魔力を同調しなおすと、ヴォルフガングさんの魔力はさらに波長を変えていく。
そんな追いかけっこのような練習を一時間ほど繰り返すと、ヴォルフガングさんが「そこまで!」と告げた。
「いやはや、見事だ。相手の波長を見極める速度が、やはり尋常じゃないね。
魔力を模倣する速度も頭抜けている。
写本や修復作業で培った技術だろうが、この技術の洗練度は見たことがないレベルだ」
べた褒めにされて、恥ずかしくなってうつむいてしまった。
「そんなに褒めても、何も出ませんよ?」
「事実だよ。おそらくこのシュタールフェルゼン地方で、君に並ぶ魔導士は居ないだろう。
あるいは大陸を探しても見つかるかどうか――そのくらいハイレベルな魔力制御技術だ。
これなら『精霊の魔力を模倣できる』と断言するのも理解できる」
そっかー、そんな技術をいつの間にか持ってたのか。
……じゃあ、私よりも優れた司書だったお父さん、どうなるの? 大陸を探しても見つからないレベルの天才? うっそだぁ。
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