4 / 81
序章:第五図書館の小さな司書見習い
4.
しおりを挟む
ヴォルフガングさんに送られて第五図書館に戻ってきた私は、カウンターにいるサシャに手を挙げて告げる。
「ただいま~……なんか、大変なことになっちゃった」
サシャがきょとんとした顔で私を見て応える。
「大変なことって……面接はどうだったの?」
「うん、なんか受かっちゃったんだけどさ、『住み込みで働いてくれ』って言われて……」
サシャが目を見開いて驚いていた。
「ええ?! 住み込みの司書って……どんな大きな図書館よ?!」
私は両手の指先を胸の前で合わせつつ、おずおずと応える。
「……王立魔導学院の、大図書館」
パカッとサシャの口が開き、言葉もないようだった。
「だからね? 私、今日でここの仕事を辞めないといけないの」
サシャはようやく口を閉じ、私をまじまじと見て応える。
「そんなの、元々あなたは非常勤の司書見習い、毎日通わなくても良かったんだから、問題はないわよ。
それにしても……あんな大きな図書館で働けるなんて、凄いわねぇ。
あそこ、王侯貴族以外が入れないんじゃないの?」
「ああうん、自由に出入りできないみたいだから、住み込みで敷地から出るなってことみたい」
サシャが納得するように頷いた。
「なるほどねぇ……エーヴェンシュヴァルツ伯爵だからこそ、ヴィルマを勧誘できたのかしら」
偉い教授さんって言ってたしなぁ。
ディララさんも、『ヴォルフガングさんが後押ししてくれるから大丈夫』って言うくらいだし、凄い人なんだろうけど。
「じゃあ、司書長さんにはよろしく伝えておいてもらえるかな。
直接ご挨拶できなくてすみません、って」
サシャがニッコリ笑って応える。
「ええ、いいわよ。あの人も明日になったら驚くんじゃないかしら。
でも、家族の説得は大丈夫なの?」
「う、それを言われると……頑張るよ……」
お爺ちゃん、孫馬鹿だからなぁ。
お父さんとお母さんが死んじゃってから、私しか家族が居ないし。
お爺ちゃんのことも心配だけど、あの人は殺しても死ぬような人じゃないのが救いといったところか。
私はふぅと息をついて、サシャに告げる。
「もうこの図書館の本も修繕してあげられないけど、サシャ一人で頑張れる?」
サシャが呆れたようなジト目で私を見つめた。
「なーに馬鹿なこと言ってんのよ。
あんたが来るまで、ずっと私一人で回してたのよ?
元に戻るだけで、何の問題もないわ。
ヴィルマは気兼ねなく、大きな職場で頑張ってきなさい!」
「……うん、ありがとう!」
私はサシャを一度抱き締めたあと、退勤記録を付けてから家路についた。
****
帰宅してからお爺ちゃんと向き合い、真剣な顔で告げる。
「お爺ちゃん……実はね私、この家を出ていかないといけないの!」
優しいお爺ちゃんの微笑みが凍り付き、どす黒いオーラが漂い始めた。
「なんだと? まさか男か? 男に付いてどこかに行くのか?」
私は慌てて手を横に振って否定しながら応える。
「ち、違うってば! なんでそう考えちゃうかなぁ。
ちょっとした転職だよ。働く場所が変わるの」
私はお爺ちゃんに、事の仔細を全て伝えていった。
「――と、いうことで、私は三日後から魔導学院に住み込みだから!」
お爺ちゃんは喜んでいいのか、悲しんでいいのか、怒っていいのかわからず、なんだか複雑な表情をしていた。
「そりゃお前、栄転ってことになるのか?」
私は腕を組んで考え込んだ。
栄転と言えば、これ以上ないほどの栄転だろう。
ちょと不自由にはなるけれど、あれほど貴重な本に囲まれた環境で、尚且つ私が望める職場はあそこぐらいだ。
私は顔を上げ、笑顔でお爺ちゃんに頷いた。
「うん、栄転で合ってると思うよ」
「そうか……お前、司書が好きだったからなぁ。
そんなお前が大きな職場で働けるなら、俺の寂しさなんて我慢せにゃならん。
――よしヴィルマ、お前はきっちり仕事で大きくなって帰ってこい!」
「え、いや、そんな『ビッグプロジェクトをやり遂げて来い』みたいに言われても、今まで通り司書として過ごすだけなんだけど?」
お爺ちゃんが楽しいそうにカカカと笑った。
「どんな仕事でも、高い目線で取り組んでりゃ、相応に成長できるもんだ。
それが上等な職場なら、得られるものは他と比べようがない。
特に貴重書なんて、そう滅多にお目にかかれんからな。
せいぜいドジ踏んで本を駄目にしないよう、気を付けておけ」
「はーい。わかってまーす。
それより、今日の夕食はなにかな?!」
お爺ちゃんが楽しそうに応える。
「まったく、司書の仕事ばかり覚えて、料理の一つも覚えやがらねぇ。
そういうとこは父親そっくりだな、お前は」
立ち上がったお爺ちゃんが、台所に向かって歩きだした。
私は夕食の支度を手伝うため、その背を追った。
****
翌日、翌々日と、私はヴォルフガングさんに手伝ってもらって引っ越しの準備をしていった。
なんせ自分一人じゃ外出できない環境だ。女子が生活するのに困らないよう配慮はしてくれるらしいけれど、相応に必要なものは出て来てしまう。
カツカツの生活だった私の貯金じゃ、ちょっとお金が足りなかったのだけれど、ヴォルフガングさんが「先日の写本のお礼だよ」と言って、支度金を用意してくれた。
「……なんだか悪いです、ここまでしてもらうなんて」
ヴォルフガングさんがにこりと微笑んで私に告げる。
「それだけ、君の司書としての仕事に期待をしているのさ。
王立魔導学院が何故あれほど大きな図書館を自前で持っているのか、知っているかい?」
そう言われれば、理由までは聞いたことも、考えたこともなかったな。
私が首を横に振ると、ヴォルフガングさんがニコニコと言葉を続ける。
「魔導において、知識こそが要だ。
古来より伝わる知識、技法、そこに最新の理論が加わり、新しい魔導が生み出されて行く。
王立魔導学院はね、ただ魔導を扱える人間を育てている訳じゃない。
これから新しい魔術を作れるような、高度な人材育成を目指している場なのさ。
だからこそ、宮廷図書館に比肩するほどの魔導書を蔵書として収めている。
生徒たちに、正しく質の高い教養を身につけさせるためにね」
ほぁ~、やたらと志の高い図書館だった! そんなところで、私に司書なんて務まるのかなぁ……。
なんだか不安で背中を丸めて歩いていると、その背中をヴォルフガングさんが優しくポンポンと叩いてくれた。
「君の能力なら問題ないさ。
最初は戸惑うだろうが、やることは今までと大して変わらない。
君ならではの仕事ぶりも、あるいは見れるかもしれないね」
「私、ならでは? どういう意味ですか?」
きょとんとする私に、ヴォルフガングさんは意味深な柔らかい笑みで応えていた。
****
出発当日の朝、迎えに来たヴォルフガングさんに対して、お爺ちゃんが睨み付けていた。
「おう、あんたがヴォルフガングか。
貴族かなんだか知れねーが、孫を泣かせるような真似はすんじゃねーぞ?
そんときゃ俺が、あんたに生まれてきたことを後悔させてやるからな?」
殺気を目に宿らせたお爺ちゃんが、ドスの効いた声で告げる。
ヴォルフガングさんはいつものように柔らかく微笑んで頷いた。
「ああ、安心して任せて欲しい。
彼女のサポートは万全にしておこう。
ただもちろん、彼女が自分自身で乗り越えなければならない壁もまたあるだろう。
そこは彼女を成長させるための試練だと思って、あなたも理解をして欲しい」
あくまでも理性的なヴォルフガングさんの微笑みに、お爺ちゃんは毒気を抜かれたようだ。
「……チッ、あんた中々やるな。
それだけ飄々としておきながら、全く隙を見せやがらねぇ。
仕方ねぇから、あんたに孫を預けてやらぁ」
隙って、お爺ちゃん?! ヴォルフガングさんに何をするつもりだったの?!
ヴォルフガングさんが楽しそうに笑い声をあげる。
「ハハハ! さすがヴィルマの御祖父殿だね。
あなたも並々ならぬ魔導の腕前とお見受けする」
お爺ちゃんは「ケッ!」とそっぽを向いて応える。
「魔導? なんのことだかわかんねーな。
俺ぁただの農夫、小さい畑を耕して生きる、平民だよ」
「ハハハ、ではそういうことにしておきましょうか。
――ではヴィルマ、行こうか」
「――あ、はい!」
ヴォルフガングさんに手を借りて、私は馬車に乗りこむ。
馬車の窓からお爺ちゃんに手を振っていると馬車が走り出し、仏頂面のお爺ちゃんが遠くなっていく。
私はお爺ちゃんが見えなくなるまで、窓からずっと手を振り続けていた。
「ただいま~……なんか、大変なことになっちゃった」
サシャがきょとんとした顔で私を見て応える。
「大変なことって……面接はどうだったの?」
「うん、なんか受かっちゃったんだけどさ、『住み込みで働いてくれ』って言われて……」
サシャが目を見開いて驚いていた。
「ええ?! 住み込みの司書って……どんな大きな図書館よ?!」
私は両手の指先を胸の前で合わせつつ、おずおずと応える。
「……王立魔導学院の、大図書館」
パカッとサシャの口が開き、言葉もないようだった。
「だからね? 私、今日でここの仕事を辞めないといけないの」
サシャはようやく口を閉じ、私をまじまじと見て応える。
「そんなの、元々あなたは非常勤の司書見習い、毎日通わなくても良かったんだから、問題はないわよ。
それにしても……あんな大きな図書館で働けるなんて、凄いわねぇ。
あそこ、王侯貴族以外が入れないんじゃないの?」
「ああうん、自由に出入りできないみたいだから、住み込みで敷地から出るなってことみたい」
サシャが納得するように頷いた。
「なるほどねぇ……エーヴェンシュヴァルツ伯爵だからこそ、ヴィルマを勧誘できたのかしら」
偉い教授さんって言ってたしなぁ。
ディララさんも、『ヴォルフガングさんが後押ししてくれるから大丈夫』って言うくらいだし、凄い人なんだろうけど。
「じゃあ、司書長さんにはよろしく伝えておいてもらえるかな。
直接ご挨拶できなくてすみません、って」
サシャがニッコリ笑って応える。
「ええ、いいわよ。あの人も明日になったら驚くんじゃないかしら。
でも、家族の説得は大丈夫なの?」
「う、それを言われると……頑張るよ……」
お爺ちゃん、孫馬鹿だからなぁ。
お父さんとお母さんが死んじゃってから、私しか家族が居ないし。
お爺ちゃんのことも心配だけど、あの人は殺しても死ぬような人じゃないのが救いといったところか。
私はふぅと息をついて、サシャに告げる。
「もうこの図書館の本も修繕してあげられないけど、サシャ一人で頑張れる?」
サシャが呆れたようなジト目で私を見つめた。
「なーに馬鹿なこと言ってんのよ。
あんたが来るまで、ずっと私一人で回してたのよ?
元に戻るだけで、何の問題もないわ。
ヴィルマは気兼ねなく、大きな職場で頑張ってきなさい!」
「……うん、ありがとう!」
私はサシャを一度抱き締めたあと、退勤記録を付けてから家路についた。
****
帰宅してからお爺ちゃんと向き合い、真剣な顔で告げる。
「お爺ちゃん……実はね私、この家を出ていかないといけないの!」
優しいお爺ちゃんの微笑みが凍り付き、どす黒いオーラが漂い始めた。
「なんだと? まさか男か? 男に付いてどこかに行くのか?」
私は慌てて手を横に振って否定しながら応える。
「ち、違うってば! なんでそう考えちゃうかなぁ。
ちょっとした転職だよ。働く場所が変わるの」
私はお爺ちゃんに、事の仔細を全て伝えていった。
「――と、いうことで、私は三日後から魔導学院に住み込みだから!」
お爺ちゃんは喜んでいいのか、悲しんでいいのか、怒っていいのかわからず、なんだか複雑な表情をしていた。
「そりゃお前、栄転ってことになるのか?」
私は腕を組んで考え込んだ。
栄転と言えば、これ以上ないほどの栄転だろう。
ちょと不自由にはなるけれど、あれほど貴重な本に囲まれた環境で、尚且つ私が望める職場はあそこぐらいだ。
私は顔を上げ、笑顔でお爺ちゃんに頷いた。
「うん、栄転で合ってると思うよ」
「そうか……お前、司書が好きだったからなぁ。
そんなお前が大きな職場で働けるなら、俺の寂しさなんて我慢せにゃならん。
――よしヴィルマ、お前はきっちり仕事で大きくなって帰ってこい!」
「え、いや、そんな『ビッグプロジェクトをやり遂げて来い』みたいに言われても、今まで通り司書として過ごすだけなんだけど?」
お爺ちゃんが楽しいそうにカカカと笑った。
「どんな仕事でも、高い目線で取り組んでりゃ、相応に成長できるもんだ。
それが上等な職場なら、得られるものは他と比べようがない。
特に貴重書なんて、そう滅多にお目にかかれんからな。
せいぜいドジ踏んで本を駄目にしないよう、気を付けておけ」
「はーい。わかってまーす。
それより、今日の夕食はなにかな?!」
お爺ちゃんが楽しそうに応える。
「まったく、司書の仕事ばかり覚えて、料理の一つも覚えやがらねぇ。
そういうとこは父親そっくりだな、お前は」
立ち上がったお爺ちゃんが、台所に向かって歩きだした。
私は夕食の支度を手伝うため、その背を追った。
****
翌日、翌々日と、私はヴォルフガングさんに手伝ってもらって引っ越しの準備をしていった。
なんせ自分一人じゃ外出できない環境だ。女子が生活するのに困らないよう配慮はしてくれるらしいけれど、相応に必要なものは出て来てしまう。
カツカツの生活だった私の貯金じゃ、ちょっとお金が足りなかったのだけれど、ヴォルフガングさんが「先日の写本のお礼だよ」と言って、支度金を用意してくれた。
「……なんだか悪いです、ここまでしてもらうなんて」
ヴォルフガングさんがにこりと微笑んで私に告げる。
「それだけ、君の司書としての仕事に期待をしているのさ。
王立魔導学院が何故あれほど大きな図書館を自前で持っているのか、知っているかい?」
そう言われれば、理由までは聞いたことも、考えたこともなかったな。
私が首を横に振ると、ヴォルフガングさんがニコニコと言葉を続ける。
「魔導において、知識こそが要だ。
古来より伝わる知識、技法、そこに最新の理論が加わり、新しい魔導が生み出されて行く。
王立魔導学院はね、ただ魔導を扱える人間を育てている訳じゃない。
これから新しい魔術を作れるような、高度な人材育成を目指している場なのさ。
だからこそ、宮廷図書館に比肩するほどの魔導書を蔵書として収めている。
生徒たちに、正しく質の高い教養を身につけさせるためにね」
ほぁ~、やたらと志の高い図書館だった! そんなところで、私に司書なんて務まるのかなぁ……。
なんだか不安で背中を丸めて歩いていると、その背中をヴォルフガングさんが優しくポンポンと叩いてくれた。
「君の能力なら問題ないさ。
最初は戸惑うだろうが、やることは今までと大して変わらない。
君ならではの仕事ぶりも、あるいは見れるかもしれないね」
「私、ならでは? どういう意味ですか?」
きょとんとする私に、ヴォルフガングさんは意味深な柔らかい笑みで応えていた。
****
出発当日の朝、迎えに来たヴォルフガングさんに対して、お爺ちゃんが睨み付けていた。
「おう、あんたがヴォルフガングか。
貴族かなんだか知れねーが、孫を泣かせるような真似はすんじゃねーぞ?
そんときゃ俺が、あんたに生まれてきたことを後悔させてやるからな?」
殺気を目に宿らせたお爺ちゃんが、ドスの効いた声で告げる。
ヴォルフガングさんはいつものように柔らかく微笑んで頷いた。
「ああ、安心して任せて欲しい。
彼女のサポートは万全にしておこう。
ただもちろん、彼女が自分自身で乗り越えなければならない壁もまたあるだろう。
そこは彼女を成長させるための試練だと思って、あなたも理解をして欲しい」
あくまでも理性的なヴォルフガングさんの微笑みに、お爺ちゃんは毒気を抜かれたようだ。
「……チッ、あんた中々やるな。
それだけ飄々としておきながら、全く隙を見せやがらねぇ。
仕方ねぇから、あんたに孫を預けてやらぁ」
隙って、お爺ちゃん?! ヴォルフガングさんに何をするつもりだったの?!
ヴォルフガングさんが楽しそうに笑い声をあげる。
「ハハハ! さすがヴィルマの御祖父殿だね。
あなたも並々ならぬ魔導の腕前とお見受けする」
お爺ちゃんは「ケッ!」とそっぽを向いて応える。
「魔導? なんのことだかわかんねーな。
俺ぁただの農夫、小さい畑を耕して生きる、平民だよ」
「ハハハ、ではそういうことにしておきましょうか。
――ではヴィルマ、行こうか」
「――あ、はい!」
ヴォルフガングさんに手を借りて、私は馬車に乗りこむ。
馬車の窓からお爺ちゃんに手を振っていると馬車が走り出し、仏頂面のお爺ちゃんが遠くなっていく。
私はお爺ちゃんが見えなくなるまで、窓からずっと手を振り続けていた。
623
お気に入りに追加
1,494
あなたにおすすめの小説
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私のお父様とパパ様
棗
ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。
婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。
大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。
※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。
追記(2021/10/7)
お茶会の後を追加します。
更に追記(2022/3/9)
連載として再開します。
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる