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パチリ、爽快な目覚めが訪れた。やけにスッキリした感覚に違和感を覚え、どうしてだろうかと思考を巡らせる。もぞもぞと体を起こし胡座をかいて座った股間に視線が落ちた時、走馬灯のように昨夜のことが思い出された。
「・・・・・・夢であってくれ」
ポロリと溢れた言葉は紛れもない本心だ。だってあんなこと正気だったら恥ずかしくて絶対に出来やしない。いくら二回も搾乳を経験していたとしても、だ。男にちんこ握られてイカされるなんて、しかもそれを俺がねだったなんて恐ろしすぎる。
でも夢であって欲しいと思えば思うほど生々しくカイルの手、突き上げられ擦り付けられた昂りの熱さを思い出してしまう。もし本当に夢であったとしても、あの気持ちよさは半端なかった。夢なら確実に夢精しているはずだ。
はぁ、と短いため息をつく。アンダーの下の愚息は今は憎たらしいほど大人しい。
しかしなんでこんなにテカテカでピチピチの素材してるんだよ。まるで地球の競泳水着やレオタードを思い起こさせる肌着たちは、ピッタリと俺の体を包み体の線を惜しみ無く晒している。
元々体を動かすことが好きで筋肉の付きやすい体質だったこともあり、社会人になってからも定期的にジムへ行き体を鍛えてきた。だから見られない体ではないはずだ。しかしこの世界に来てからは会う人たち全員が俺より身長も筋肉もデカく、まるで子どもになったかのような悔しい感覚を味わっていた。
いや、そんなことよりも夢だと思いたい昨夜のことだ。少ないとはいえこの世界に来てからの経験上、きっとあれは実際に起きたことだろう。
つまり俺は自慰をしようとしたけれどなぜか一人ではイケず、カイルの優しさにつけ込んでちんこを扱かせ射精したということだ。そのなぜかにメアが絡んでいると確信している。あいつしかいない、絶対メアが俺のちんこに何かをしたんだ。
あのエロ神は俺の体をどこまで弄んだら気がすむんだ?ミルクでこの世界を癒してなんて言ってたけど、癒す側の俺の癒しはどこにあるんだよ。俺だって癒されたい!
もしかしたらミルクが出た時のように、コリンにまた神託が降っているかもしれない。それを聞き出さないと、俺の体なんだから俺が一番知っていたいと思うのは当然だろう。
憂鬱な気持ちを振りきってベッドを下りると、白い布を肩から垂らし慣れた手付きで帯を巻いた。いつの間にかこの服装への羞恥は殆ど消えており、当たり前になっている。慣れって恐ろしい。
手早く身支度を済ませ、冷たい水で顔を洗うと鏡に写るのは艶々した肌の俺。こっちに来て髭や無駄毛が綺麗さっぱりなくなったからか、地球にいた頃よりも肌の張り艶がよくなった気がする。仕事のストレスから解放されたからだろうか、まるで二十代前半の頃のような手触りになっていた。
扉を開けるとそこには既に朝食の準備を済ませたフリッツと、昨夜あったことなど微塵も感じさせない生真面目な顔をしたいつも通りのカイルがいた。
「おはようございます、彰様」
「おはよう、フリッツ。おはよう、カイル」
慈愛というよりは愛でるといった方が近いフリッツの笑顔に、俺もつられて笑みを浮かべて挨拶する。そしてその流れを利用していつも通りの場所で直立不動のカイルにも挨拶できた。癖で尻尾をちらりと見ると、今日もソワソワと少しだけ揺れている。よし、昨日のことで嫌われてはいないようだ。良かった。
朝食後、のんびりする間もなくエドガーとコリン、フリッツがやって来た。この顔ぶれだと絶対に昨夜のことを聞かれるのだと予測できる。
「彰、昨日は疲れただろう?神殿でミルクを絞り、更にカイルにもう一つのミルクを絞られたのだから休んでいてもいいのだぞ。彰の体は我らよりもずいぶんと華奢だから心配なんだ」
隣に座ったエドガーに優しく頭を撫でられる。大きな手が気持ちよく感じるのは、俺がこの世界と聖者という役割に慣れてきているからだろうか。
「いや、大丈夫。これでも元の世界じゃスタミナあった方だし、けっこう頑丈なんだよ」
安心させるように言うが、まだ心配げな顔をしている。先程のエドガーの台詞で、俺が昨夜カイルに手コキされて射精したことがここにいる皆に知られていると分かった。
「えっと、その、エドガーはどこまで知ってるんだ?あの、俺が昨夜カイルに、その、もう一つのミルク絞られたこと・・・」
しかしもう一つのミルクってなんだよ、いやらしい響きがするから言いたくないけど他に上手い言い方が思い付かない。
「そうだな、昨夜カイルが興奮した面持ちでコリンとフリッツを引き連れ、私を起こして話したのだ。彰がミルクを出せずに苦しんでおりカイルに助けを求めたので手伝ったが、ミルクを出すと彰は眠ってしまった。そして彰が出したミルクを飲むと、魔力量が桁違いに増えた。ということくらいかな」
良かったーーー!あの恥ずかしいおねだりや行為は知られてなくて良かった!!!
「っえ?!飲んだの?!カイル俺の精液飲んだの?!?!?!?!?!」
安心したのもつかの間、エドガーの言葉を改めて受け止め驚愕に目を見開く。そして生真面目な表情を崩さないカイルを反射的に見た。
「はい、彰様のミルクの誘惑には抗えず舐めさせていただきました」
じっと俺を見るカイルの表情は崩れないが、声と青い瞳にその時のことを思い出したのか恍惚とした光が滲んだ。尻尾もふるふる震えている。
マジなやつだ、これ。
「・・・そう、飲んだんだ」
くらりと目眩がし、思わずエドガーにもたれ掛かる。
「えっと、それで飲んだらどうなったって?」
「飲んですぐに自分の魔力量が増えたことを実感しました、それに体力も筋力も上昇したように感じます。今なら一週間は不眠不休で彰様をお守り出来るはずです」
昨夜を思い出して緩んでいた目が瞬時に厳しい騎士の瞳に戻る。カイルが俺を第一にしており決して嘘をつかないのは、これまでの少ない会話と雄弁な瞳から十分に伝わっている。だからこれは本当のことなのだろう。
「そうか、そんな効果があるんだ、俺の精液・・・。知らなかった・・・」
「それでな、彰。昨夜コリンにメア神の神託が降りないかと夜通し祈ってもらったのだが、まだ神託は降りていないのだ。だがきっとメア神にもお考えがあってのこと、彰はなにも心配せずに普段のままで過ごしていればいい」
より不安にさせる台詞にギュッと膝の上で拳を握りしめれば、上から大きくて暖かいエドガーの手で包まれる。
あのエロ神がなにも言ってこないってなんだよ。俺のこと見守ってるって言ったくせに、何かあったらコリンに伝えるって言ったくせに!
「申し訳ございません、彰様。私の祈りが足りないばかりに・・・」
へにゃりと白い耳を倒してコリンがおずおずと声をかけてきた。コリンのせいじゃないのは分かってる、分かっているけれど俺とメアを繋ぐ唯一はコリンへの神託だけだ。だからほんの少しだけ恨みがましい視線を送ってしまった。
ビクン!と俺の視線を受けたコリンが体を跳ねさせる。
「っ彰様!ああ、そのような悲しいお顔をなさらないで・・・!神殿にて精進潔斎して祈りをささげてまいります、メア神からお声をお受けするまでの間お側を離れる許可を下さいませんか?必ずメア神のお声をいただいてまいります!」
必死になって俺に視線で縋がるコリン。いつも優しく俺を見る青い瞳にはうっすらと涙さえ浮かんでいた。
「お願い、コリン。コリン以外に頼れる人はいないんだ」
その必死さに胸が重くなる。俺のせいでコリンにこんな思いをさせてしまっている、自分のことなのに人に任せるしかできない不甲斐なさに腹が立つ。
だからせめて精一杯の労りを声に込めて、出来るだけ優しい笑顔でお願いをした。
「はい!では早速神殿へ行って参ります!必ず彰様へメア神のお言葉を持って帰って参ります!王よ、よろしいですか?」
垂れていた耳をピンと立て、決意を込めた目でこちらを見るコリン。
「構わん、今のお前に出来ることを為してこい」
エドガーの許可を得てコリンが立ち上がる。
「では彰様、私はしばらくの間神殿へ籠ります。時間が掛かるかもしれませんがお声をいただき戻ってくるまで、しばしお待ちくださいませ」
「うん、コリンがメアの神託を持って帰って来るの待ってるよ。行ってらっしゃい」
慌ただしくコリンが部屋を出ていった。
「彰様、私もしばらくお側を離れてもよろしいでしょうか?」
クリスが唐突に俺に言う。
「え、どうして?」
「私も文献や資料などを探してみようと思うのです。今までに降りられた聖者の記録を今一度読み解き、彰様のミルクに関するものを探してまいります。今の私がお役に立つにはこれしかございません」
真剣に見つめるクリス。その瞳には情熱が燃えていた。きっと彼は知りたいのだろう、自分の知らないことを知りたい。その欲が彼をいま突き動かしている。
「俺はいいよ、クリスの気が済むまで調べてきて。何か分かったら俺にもちゃんと教えてくれよ」
いいよね?とエドガーを見上げれば一つ確かに頷いてくれた。
「ありがとうございます!」
パァッと明るい笑顔を浮かべクリスも下がっていく。
「さて、私もそろそろ政務へ戻ろう。そうだ、今日はカイルが騎士団の練習場で彰のミルクの効果を試すのだが、彰も一緒に行ってみるといい。きっと気も晴れるだろう」
クイと顎を持ち上げ、親指の腹で頬を擽りながらエドガーが言う。子ども扱いをされているようで不服だが提案された内容はとても魅力的だった。
「俺も行っていいの?!」
「もちろんだ、これから前線へ行く騎士たちもいる。彰を近くに見られれば彼らの士気もあがるというものだ」
「ありがとう、エドガー」
まだ顎を持ち上げる手を無理矢理剥がしてギュッと握りしめる。感謝を込めて見上げれば、ほんの少し頬を赤くしたエドガーが照れたように笑った。
「・・・・・・夢であってくれ」
ポロリと溢れた言葉は紛れもない本心だ。だってあんなこと正気だったら恥ずかしくて絶対に出来やしない。いくら二回も搾乳を経験していたとしても、だ。男にちんこ握られてイカされるなんて、しかもそれを俺がねだったなんて恐ろしすぎる。
でも夢であって欲しいと思えば思うほど生々しくカイルの手、突き上げられ擦り付けられた昂りの熱さを思い出してしまう。もし本当に夢であったとしても、あの気持ちよさは半端なかった。夢なら確実に夢精しているはずだ。
はぁ、と短いため息をつく。アンダーの下の愚息は今は憎たらしいほど大人しい。
しかしなんでこんなにテカテカでピチピチの素材してるんだよ。まるで地球の競泳水着やレオタードを思い起こさせる肌着たちは、ピッタリと俺の体を包み体の線を惜しみ無く晒している。
元々体を動かすことが好きで筋肉の付きやすい体質だったこともあり、社会人になってからも定期的にジムへ行き体を鍛えてきた。だから見られない体ではないはずだ。しかしこの世界に来てからは会う人たち全員が俺より身長も筋肉もデカく、まるで子どもになったかのような悔しい感覚を味わっていた。
いや、そんなことよりも夢だと思いたい昨夜のことだ。少ないとはいえこの世界に来てからの経験上、きっとあれは実際に起きたことだろう。
つまり俺は自慰をしようとしたけれどなぜか一人ではイケず、カイルの優しさにつけ込んでちんこを扱かせ射精したということだ。そのなぜかにメアが絡んでいると確信している。あいつしかいない、絶対メアが俺のちんこに何かをしたんだ。
あのエロ神は俺の体をどこまで弄んだら気がすむんだ?ミルクでこの世界を癒してなんて言ってたけど、癒す側の俺の癒しはどこにあるんだよ。俺だって癒されたい!
もしかしたらミルクが出た時のように、コリンにまた神託が降っているかもしれない。それを聞き出さないと、俺の体なんだから俺が一番知っていたいと思うのは当然だろう。
憂鬱な気持ちを振りきってベッドを下りると、白い布を肩から垂らし慣れた手付きで帯を巻いた。いつの間にかこの服装への羞恥は殆ど消えており、当たり前になっている。慣れって恐ろしい。
手早く身支度を済ませ、冷たい水で顔を洗うと鏡に写るのは艶々した肌の俺。こっちに来て髭や無駄毛が綺麗さっぱりなくなったからか、地球にいた頃よりも肌の張り艶がよくなった気がする。仕事のストレスから解放されたからだろうか、まるで二十代前半の頃のような手触りになっていた。
扉を開けるとそこには既に朝食の準備を済ませたフリッツと、昨夜あったことなど微塵も感じさせない生真面目な顔をしたいつも通りのカイルがいた。
「おはようございます、彰様」
「おはよう、フリッツ。おはよう、カイル」
慈愛というよりは愛でるといった方が近いフリッツの笑顔に、俺もつられて笑みを浮かべて挨拶する。そしてその流れを利用していつも通りの場所で直立不動のカイルにも挨拶できた。癖で尻尾をちらりと見ると、今日もソワソワと少しだけ揺れている。よし、昨日のことで嫌われてはいないようだ。良かった。
朝食後、のんびりする間もなくエドガーとコリン、フリッツがやって来た。この顔ぶれだと絶対に昨夜のことを聞かれるのだと予測できる。
「彰、昨日は疲れただろう?神殿でミルクを絞り、更にカイルにもう一つのミルクを絞られたのだから休んでいてもいいのだぞ。彰の体は我らよりもずいぶんと華奢だから心配なんだ」
隣に座ったエドガーに優しく頭を撫でられる。大きな手が気持ちよく感じるのは、俺がこの世界と聖者という役割に慣れてきているからだろうか。
「いや、大丈夫。これでも元の世界じゃスタミナあった方だし、けっこう頑丈なんだよ」
安心させるように言うが、まだ心配げな顔をしている。先程のエドガーの台詞で、俺が昨夜カイルに手コキされて射精したことがここにいる皆に知られていると分かった。
「えっと、その、エドガーはどこまで知ってるんだ?あの、俺が昨夜カイルに、その、もう一つのミルク絞られたこと・・・」
しかしもう一つのミルクってなんだよ、いやらしい響きがするから言いたくないけど他に上手い言い方が思い付かない。
「そうだな、昨夜カイルが興奮した面持ちでコリンとフリッツを引き連れ、私を起こして話したのだ。彰がミルクを出せずに苦しんでおりカイルに助けを求めたので手伝ったが、ミルクを出すと彰は眠ってしまった。そして彰が出したミルクを飲むと、魔力量が桁違いに増えた。ということくらいかな」
良かったーーー!あの恥ずかしいおねだりや行為は知られてなくて良かった!!!
「っえ?!飲んだの?!カイル俺の精液飲んだの?!?!?!?!?!」
安心したのもつかの間、エドガーの言葉を改めて受け止め驚愕に目を見開く。そして生真面目な表情を崩さないカイルを反射的に見た。
「はい、彰様のミルクの誘惑には抗えず舐めさせていただきました」
じっと俺を見るカイルの表情は崩れないが、声と青い瞳にその時のことを思い出したのか恍惚とした光が滲んだ。尻尾もふるふる震えている。
マジなやつだ、これ。
「・・・そう、飲んだんだ」
くらりと目眩がし、思わずエドガーにもたれ掛かる。
「えっと、それで飲んだらどうなったって?」
「飲んですぐに自分の魔力量が増えたことを実感しました、それに体力も筋力も上昇したように感じます。今なら一週間は不眠不休で彰様をお守り出来るはずです」
昨夜を思い出して緩んでいた目が瞬時に厳しい騎士の瞳に戻る。カイルが俺を第一にしており決して嘘をつかないのは、これまでの少ない会話と雄弁な瞳から十分に伝わっている。だからこれは本当のことなのだろう。
「そうか、そんな効果があるんだ、俺の精液・・・。知らなかった・・・」
「それでな、彰。昨夜コリンにメア神の神託が降りないかと夜通し祈ってもらったのだが、まだ神託は降りていないのだ。だがきっとメア神にもお考えがあってのこと、彰はなにも心配せずに普段のままで過ごしていればいい」
より不安にさせる台詞にギュッと膝の上で拳を握りしめれば、上から大きくて暖かいエドガーの手で包まれる。
あのエロ神がなにも言ってこないってなんだよ。俺のこと見守ってるって言ったくせに、何かあったらコリンに伝えるって言ったくせに!
「申し訳ございません、彰様。私の祈りが足りないばかりに・・・」
へにゃりと白い耳を倒してコリンがおずおずと声をかけてきた。コリンのせいじゃないのは分かってる、分かっているけれど俺とメアを繋ぐ唯一はコリンへの神託だけだ。だからほんの少しだけ恨みがましい視線を送ってしまった。
ビクン!と俺の視線を受けたコリンが体を跳ねさせる。
「っ彰様!ああ、そのような悲しいお顔をなさらないで・・・!神殿にて精進潔斎して祈りをささげてまいります、メア神からお声をお受けするまでの間お側を離れる許可を下さいませんか?必ずメア神のお声をいただいてまいります!」
必死になって俺に視線で縋がるコリン。いつも優しく俺を見る青い瞳にはうっすらと涙さえ浮かんでいた。
「お願い、コリン。コリン以外に頼れる人はいないんだ」
その必死さに胸が重くなる。俺のせいでコリンにこんな思いをさせてしまっている、自分のことなのに人に任せるしかできない不甲斐なさに腹が立つ。
だからせめて精一杯の労りを声に込めて、出来るだけ優しい笑顔でお願いをした。
「はい!では早速神殿へ行って参ります!必ず彰様へメア神のお言葉を持って帰って参ります!王よ、よろしいですか?」
垂れていた耳をピンと立て、決意を込めた目でこちらを見るコリン。
「構わん、今のお前に出来ることを為してこい」
エドガーの許可を得てコリンが立ち上がる。
「では彰様、私はしばらくの間神殿へ籠ります。時間が掛かるかもしれませんがお声をいただき戻ってくるまで、しばしお待ちくださいませ」
「うん、コリンがメアの神託を持って帰って来るの待ってるよ。行ってらっしゃい」
慌ただしくコリンが部屋を出ていった。
「彰様、私もしばらくお側を離れてもよろしいでしょうか?」
クリスが唐突に俺に言う。
「え、どうして?」
「私も文献や資料などを探してみようと思うのです。今までに降りられた聖者の記録を今一度読み解き、彰様のミルクに関するものを探してまいります。今の私がお役に立つにはこれしかございません」
真剣に見つめるクリス。その瞳には情熱が燃えていた。きっと彼は知りたいのだろう、自分の知らないことを知りたい。その欲が彼をいま突き動かしている。
「俺はいいよ、クリスの気が済むまで調べてきて。何か分かったら俺にもちゃんと教えてくれよ」
いいよね?とエドガーを見上げれば一つ確かに頷いてくれた。
「ありがとうございます!」
パァッと明るい笑顔を浮かべクリスも下がっていく。
「さて、私もそろそろ政務へ戻ろう。そうだ、今日はカイルが騎士団の練習場で彰のミルクの効果を試すのだが、彰も一緒に行ってみるといい。きっと気も晴れるだろう」
クイと顎を持ち上げ、親指の腹で頬を擽りながらエドガーが言う。子ども扱いをされているようで不服だが提案された内容はとても魅力的だった。
「俺も行っていいの?!」
「もちろんだ、これから前線へ行く騎士たちもいる。彰を近くに見られれば彼らの士気もあがるというものだ」
「ありがとう、エドガー」
まだ顎を持ち上げる手を無理矢理剥がしてギュッと握りしめる。感謝を込めて見上げれば、ほんの少し頬を赤くしたエドガーが照れたように笑った。
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