農業機器無双! ~農業機器は世界を救う!~

あきさけ

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第五章 本当の農地復興

65. 復興開始から2年が経ち

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 各国で農地復興を開始してから2年が経過した。
 初期から手を付けているドワーフ帝国と獣人帝国、エルフ女王国はほぼ完了している。
 それ以外の国々も人間族国家以外はかなりの割合でよくなっており、あと1年くらいで完了する予定だ。
 問題は人間族国家で、こちらはなかなか進んでいない。
 小さな村から大きな村へと少しずつ進めて行っていたけど、今度は人間族国家内で食糧の奪い合いが起きたんだ。
 これではなかなか先に進まない。
 大きな村に行っても「なぜ我々を優先しなかった」と言って作業を受け入れてもらえないし、それでいて食糧は奪おうとする。
 トレーラーをそれくらいで奪うことは出来ないけれど、その村での作業は出来ないし村人に食糧を渡すことも出来なかった。
 既に食糧を渡してある村にはクーシーが警護にあたっているから村の門衛を突破してもクーシーを倒さないとジャガイモは奪えない。
 クーシーが人間に敗れるなんてことはなく、結局双方に無駄な怪我人が出て終わるだけなのだ。
 本当に人間族って……。
 受け入れてくれているところは復興が進んでいるけど、それ以外ではまったく復興が進んでいない、そんな感じだ。

 今日も人間族の村で受け入れを断られてきたところだ。
 どうにかならないものか……。

「ただいま、ホーフーン」

「戻りましたニャ、ホーフーン様」

「お帰りですにゃ。その様子ですと今日もだめでしたようですにゃ」

「うん、だめだったよ。本当に人間族は……」

「まあ、仕方がないでしょうにゃ。人間族は短命種なせいか欲深い者が多いのにゃ。気にせず話し合いを続けていくしかないのにゃ」

「そっか……。話し合いって大変だ」

「おそらく結果が出ている村があるのに自分たちの土地では結果が出ていないのが気に入らないのにゃ。豊かな土地があるなら奪えばいいというのは国も一緒だったですにゃ」

「そういえばそうだった」

「そういうわけですにゃ。人間族国家はある程度助けられる範囲までに絞ってしまっていいかもしれませんにゃ」

 人間族国家を助ける範囲を絞る?
 助けられない民がいてもいいってことかな?

「ふむ、助けられる範囲を絞るのですかニャ。それもいいかもしれませんニャ」

「クーオまで。本当にいいの?」

「構わないと思いますニャ。私たちも好意で助けてあげてますが、それでも限界がありますニャ。そろそろ打ち止めでもいいニャ」

「うーん、本当にいいのかな?」

「各国家の各地方はすべて回ったのニャ。断ったところは自業自得ニャ。諦めてもらうニャ」

 こういうところもクーオは商人で切り替えが早い。
 僕には難しい問題だけど、そろそろ人間族国家ばかりに構ってられる場合でもなくなってきている。
 残念だけど、人間族の村を助けるのはこれが限界か。
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