64 / 71
第五章 本当の農地復興
64. 人間族国家の農地復興計画
しおりを挟む
まずは人間族国家の農地を復活させる計画を立てることにした。
でも、結論は簡単、勝手に支援して勝手に復活させてしまえばいいのだ。
村には食糧としてジャガイモを与え、既にある畑を耕させてもらい新しいジャガイモをまいて育てる。
新しいジャガイモが出来たらそれを収穫してもらい、次の農作物をまた植えてもらうのだ。
なお、植えてもらえなかった場合は知らない。
ジャガイモの食糧支援は各村一回だけだし、それ以降は飢えても僕たちには関係ないと割り切ることにした。
人間族国家の横暴はクーオからも散々聞いているし、やる気がないなら放置するだけだ。
最初に手助けする村は国境沿いでも街の近くでもない寒村から。
本当に食糧に困っているみたいだし、農作物もいまにも枯れそうだから話に乗ってくれるだろう。
交渉はクーオ任せだけど、よろしく頼むよ。
さて、トレーラーで乗りつけてと。
「ニャ。ここの村長かまとめ役に会いたいニャ」
「な、なんだお前たちは!?」
「とある村から食糧支援と農作物の栽培支援に来たのニャ。追い返されるのなら話はそれまでニャ」
「ま、待て。食糧と言ったな。それはどの程度ある?」
「このトレーラーの荷台いっぱいニャ。中は冷房も効いているから開けっぱなしにしなければ中のものが腐ることも少ないニャ」
「わ、わかった。村長に相談してくる!」
門衛さんは大慌てで門の中に走っていった。
そして、すぐに身なりのいい老人を連れて戻ってきたよ。
この人が長老かな?
門衛さんの身なりはボロボロなのに、ずいぶんと綺麗な服を着ているな。
恰幅もいいし、人間族国家の村ってこんなところばかりなのだろうか?
「食糧支援に来たケットシーとやらはお前か?」
「食糧支援ではないのニャ。農業支援なのニャ。食糧支援は一度作物を潰すので新しい作物が採れるまでの間のつなぎニャ」
「ふん。そんなことはどうでもいい。食糧を渡してもらおうか」
「農業支援を受けることを約束してもらってからニャ。実際に食糧を渡すのは農業支援が終わってからニャ」
「虫のいい……農業支援など何日かかる!」
「一日で終わるのニャ。余計な邪魔をしている限り、どんどん遅れていくのニャ。それから食糧支援をする相手は村人ニャ。お前じゃないニャ」
「うるさい! この村では儂が決めたことがすべてなのだ!」
「そうですかニャ。じゃあ、他の村に行きますとしますかニャ」
「ま、待て! 食糧はどうなる!?」
「私たちの支援を受けないなら渡さないニャ。それくらいのことくらい理解してほしいニャ」
「……わかった。村の農業支援を許す」
「最初からそうすればいいニャ」
話が決まったので、トレーラーの番をクーオとクーシーたちに任せ、僕は大型トラクターに乗り込む。
これにも村長は驚いていたけど、僕は無視して畑を耕し始めた。
この村の畑はそんなに広くないな。
人間族国家の村ってどこもこんな感じなんだろうか?
それとも寒村を選んだから畑も狭い?
ともかく、畑はすぐに耕し終わりジャガイモも植え終わった。
これでこの村は後日収穫に来るだけだ。
クーオと一緒にトラックの荷台を降ろし、ジャガイモを取り出せるようにしておいた。
ただ、あの村長が独占しそうだという理由からクーシーを見張り番として付けておく。
明日は他の村も回ってみよう。
他の村も回ったけど、どこも最初の村と同じように村長が威張った態度で交渉がなかなか進まなかった。
最終的にはどこも食糧の魅力には敵わなかったけど、食糧がほしいのなら最初から受け取ってほしい。
それから、最初の村の収穫に戻ったとき、クーシーからやはり村長とその手のものがジャガイモを奪いに来たようだ。
妖精族の番犬であるクーシーには敵わないのに無理なことをする。
新しいジャガイモを収穫したあと、再度収穫したい作物を植えてもらいこの村は終了だ。
なんだか、人間族の村は疲れそう。
でも、結論は簡単、勝手に支援して勝手に復活させてしまえばいいのだ。
村には食糧としてジャガイモを与え、既にある畑を耕させてもらい新しいジャガイモをまいて育てる。
新しいジャガイモが出来たらそれを収穫してもらい、次の農作物をまた植えてもらうのだ。
なお、植えてもらえなかった場合は知らない。
ジャガイモの食糧支援は各村一回だけだし、それ以降は飢えても僕たちには関係ないと割り切ることにした。
人間族国家の横暴はクーオからも散々聞いているし、やる気がないなら放置するだけだ。
最初に手助けする村は国境沿いでも街の近くでもない寒村から。
本当に食糧に困っているみたいだし、農作物もいまにも枯れそうだから話に乗ってくれるだろう。
交渉はクーオ任せだけど、よろしく頼むよ。
さて、トレーラーで乗りつけてと。
「ニャ。ここの村長かまとめ役に会いたいニャ」
「な、なんだお前たちは!?」
「とある村から食糧支援と農作物の栽培支援に来たのニャ。追い返されるのなら話はそれまでニャ」
「ま、待て。食糧と言ったな。それはどの程度ある?」
「このトレーラーの荷台いっぱいニャ。中は冷房も効いているから開けっぱなしにしなければ中のものが腐ることも少ないニャ」
「わ、わかった。村長に相談してくる!」
門衛さんは大慌てで門の中に走っていった。
そして、すぐに身なりのいい老人を連れて戻ってきたよ。
この人が長老かな?
門衛さんの身なりはボロボロなのに、ずいぶんと綺麗な服を着ているな。
恰幅もいいし、人間族国家の村ってこんなところばかりなのだろうか?
「食糧支援に来たケットシーとやらはお前か?」
「食糧支援ではないのニャ。農業支援なのニャ。食糧支援は一度作物を潰すので新しい作物が採れるまでの間のつなぎニャ」
「ふん。そんなことはどうでもいい。食糧を渡してもらおうか」
「農業支援を受けることを約束してもらってからニャ。実際に食糧を渡すのは農業支援が終わってからニャ」
「虫のいい……農業支援など何日かかる!」
「一日で終わるのニャ。余計な邪魔をしている限り、どんどん遅れていくのニャ。それから食糧支援をする相手は村人ニャ。お前じゃないニャ」
「うるさい! この村では儂が決めたことがすべてなのだ!」
「そうですかニャ。じゃあ、他の村に行きますとしますかニャ」
「ま、待て! 食糧はどうなる!?」
「私たちの支援を受けないなら渡さないニャ。それくらいのことくらい理解してほしいニャ」
「……わかった。村の農業支援を許す」
「最初からそうすればいいニャ」
話が決まったので、トレーラーの番をクーオとクーシーたちに任せ、僕は大型トラクターに乗り込む。
これにも村長は驚いていたけど、僕は無視して畑を耕し始めた。
この村の畑はそんなに広くないな。
人間族国家の村ってどこもこんな感じなんだろうか?
それとも寒村を選んだから畑も狭い?
ともかく、畑はすぐに耕し終わりジャガイモも植え終わった。
これでこの村は後日収穫に来るだけだ。
クーオと一緒にトラックの荷台を降ろし、ジャガイモを取り出せるようにしておいた。
ただ、あの村長が独占しそうだという理由からクーシーを見張り番として付けておく。
明日は他の村も回ってみよう。
他の村も回ったけど、どこも最初の村と同じように村長が威張った態度で交渉がなかなか進まなかった。
最終的にはどこも食糧の魅力には敵わなかったけど、食糧がほしいのなら最初から受け取ってほしい。
それから、最初の村の収穫に戻ったとき、クーシーからやはり村長とその手のものがジャガイモを奪いに来たようだ。
妖精族の番犬であるクーシーには敵わないのに無理なことをする。
新しいジャガイモを収穫したあと、再度収穫したい作物を植えてもらいこの村は終了だ。
なんだか、人間族の村は疲れそう。
10
お気に入りに追加
411
あなたにおすすめの小説
えっ、じいちゃん昔勇者だったのっ!?〜祖父の遺品整理をしてたら異世界に飛ばされ、行方不明だった父に魔王の心臓を要求されたので逃げる事にした〜
楠ノ木雫
ファンタジー
まだ16歳の奥村留衣は、ずっと一人で育ててくれていた祖父を亡くした。親戚も両親もいないため、一人で遺品整理をしていた時に偶然見つけた腕輪。ふとそれを嵌めてみたら、いきなり違う世界に飛ばされてしまった。
目の前に浮かんでいた、よくあるシステムウィンドウというものに書かれていたものは『勇者の孫』。そう、亡くなった祖父はこの世界の勇者だったのだ。
そして、行方不明だと言われていた両親に会う事に。だが、祖父が以前討伐した魔王の心臓を渡すよう要求されたのでドラゴンを召喚して逃げた!
追われつつも、故郷らしい異世界での楽しい(?)セカンドライフが今始まる!
※他の投稿サイトにも掲載しています。
キャンピングカーで異世界の旅
モルモット
ファンタジー
主人公と天女の二人がキャンピングカーで異世界を旅する物語。
紹介文
夢のキャンピングカーを手に入れた主人公でしたが 目が覚めると異世界に飛ばされていました。戻れるのでしょうか?そんなとき主人公の前に自分を天女だと名乗る使者が現れるのです。
彼女は内気な性格ですが実は神様から命を受けた刺客だったのです。
【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-
ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。
困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。
はい、ご注文は?
調味料、それとも武器ですか?
カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。
村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる