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第四章 『地中の果実』
58. エルフ女王国と獣人帝国
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僕の懸念なんて既にドワーフ皇帝には最初からわかりきっていたことだったらしい。
程なくして僕たちにドワーフ帝国から呼び出しがかかった。
エルフ女王国と獣人帝国の指導者が来ているので会ってほしいと。
ある程度想像していたホーフーンとは違い、僕はいきなりの呼び出しに慌ててしまった。
とはいえ、ここでうまく両国でもジャガイモ栽培の許可を取り付けることが出来れば両国も力を取り戻すことができる。
ここが踏ん張りどころだ。
指定の日になり帝城へ向かう。
でも、獣人帝国の皇帝が少し遅れているらしいので数日帝城で過ごしてほしいということだ。
僕たちも農作業があったが、一応中型トラクターとコンバイン一式は世界樹の森に置いてきてあるのでフレイがなんとかしてくれるだろう。
僕たちみたいな特別な方法でもない限り、長距離移動って遅れるものだからね。
それから数日経って獣人帝国の一行も帝城へと入った。
獣人帝国の皇帝はかなり行動的な性格らしく、身だしなみを整えるとすぐにドワーフ帝国の皇帝との会談に臨んだらしい。
本当にタフな人だ。
僕たちの出番もそろそろかな?
「バオア様、ホーフーン様、皇帝陛下がお呼びです」
「わかりました。すぐに行きます」
本当にすぐに僕たちの出番が来た。
急いで支度をして使用人についていく。
案内された部屋には、ドワーフ皇帝の他にもふたりテーブルに着いている人物がいた。
この方々がエルフ女王と獣人皇帝!
「おう、来たな、バオア、ホーフーン」
「はい。お呼びでしょうか、ヴォルカイン皇帝陛下」
「ああ。お前たちの村の作物についてローズウィル女王とガムダルフ皇帝に説明していたところだ。お前たちからも説明してくれ」
「わかりました。私は世界樹の村の村長、バオアと申します」
「同じく世界樹の村村長補佐、ホーフーンだにゃ。本日はよろしくお願いしますにゃ」
「エルフ女王国代表、ローズウィルです」
「ガムダルフだ。しかし、本当にこんな硬いコブみたいな作物を植えるだけで土地が復活するのか?」
「それについては吾輩から説明させていただきますにゃ」
ホーフーンはジャガイモが世界樹の精霊様からいただいた作物であることを説明した。
最初は半信半疑であったお二方だけど、ホーフーンの巧みな話術でどんどん引き込まれていく。
ドワーフ帝国の皇帝陛下も実際にジャガイモを育てて土地が復活したこと、育てたジャガイモは農民たちの食糧として最適であることを説明してくださった。
最後に、ジャガイモをお二方に試食してもらい、簡単な調理で食べられる農作物であることも知ってもらう。
そうすれば、土地の活力が戻る話を疑われていても農民たちの食糧として認めていただけるはずだ。
そして、その目論見は見事に成功しジャガイモ栽培の許可を得ることができた。
これでドワーフ帝国外の復活に一歩前進だ!
程なくして僕たちにドワーフ帝国から呼び出しがかかった。
エルフ女王国と獣人帝国の指導者が来ているので会ってほしいと。
ある程度想像していたホーフーンとは違い、僕はいきなりの呼び出しに慌ててしまった。
とはいえ、ここでうまく両国でもジャガイモ栽培の許可を取り付けることが出来れば両国も力を取り戻すことができる。
ここが踏ん張りどころだ。
指定の日になり帝城へ向かう。
でも、獣人帝国の皇帝が少し遅れているらしいので数日帝城で過ごしてほしいということだ。
僕たちも農作業があったが、一応中型トラクターとコンバイン一式は世界樹の森に置いてきてあるのでフレイがなんとかしてくれるだろう。
僕たちみたいな特別な方法でもない限り、長距離移動って遅れるものだからね。
それから数日経って獣人帝国の一行も帝城へと入った。
獣人帝国の皇帝はかなり行動的な性格らしく、身だしなみを整えるとすぐにドワーフ帝国の皇帝との会談に臨んだらしい。
本当にタフな人だ。
僕たちの出番もそろそろかな?
「バオア様、ホーフーン様、皇帝陛下がお呼びです」
「わかりました。すぐに行きます」
本当にすぐに僕たちの出番が来た。
急いで支度をして使用人についていく。
案内された部屋には、ドワーフ皇帝の他にもふたりテーブルに着いている人物がいた。
この方々がエルフ女王と獣人皇帝!
「おう、来たな、バオア、ホーフーン」
「はい。お呼びでしょうか、ヴォルカイン皇帝陛下」
「ああ。お前たちの村の作物についてローズウィル女王とガムダルフ皇帝に説明していたところだ。お前たちからも説明してくれ」
「わかりました。私は世界樹の村の村長、バオアと申します」
「同じく世界樹の村村長補佐、ホーフーンだにゃ。本日はよろしくお願いしますにゃ」
「エルフ女王国代表、ローズウィルです」
「ガムダルフだ。しかし、本当にこんな硬いコブみたいな作物を植えるだけで土地が復活するのか?」
「それについては吾輩から説明させていただきますにゃ」
ホーフーンはジャガイモが世界樹の精霊様からいただいた作物であることを説明した。
最初は半信半疑であったお二方だけど、ホーフーンの巧みな話術でどんどん引き込まれていく。
ドワーフ帝国の皇帝陛下も実際にジャガイモを育てて土地が復活したこと、育てたジャガイモは農民たちの食糧として最適であることを説明してくださった。
最後に、ジャガイモをお二方に試食してもらい、簡単な調理で食べられる農作物であることも知ってもらう。
そうすれば、土地の活力が戻る話を疑われていても農民たちの食糧として認めていただけるはずだ。
そして、その目論見は見事に成功しジャガイモ栽培の許可を得ることができた。
これでドワーフ帝国外の復活に一歩前進だ!
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