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第三章 『世界樹の村』
42. ガイア
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家畜たちが落ち着いたことを確認し、僕は小型トラクターで黒翼族の人たちの食料を運んできた。
小麦粉も他の野菜もたっぷり用意したから人は問題ないだろう。
問題は家畜かな?
「ジャメルさん、食料は一通り運んできました。家畜たちの餌はどうしましょう?」
「そうですな……ヤギと羊は野草だけで大丈夫でしょう。馬には藁と豆などがあるとよいのですが」
豆か……大豆で大丈夫かな?
小麦畑がかなり広くなったので他の作物も育て始めているんだよね。
スキルで出てくる機器の中にもそれぞれの種まきに合わせた機器が出てくるようになったし。
ちょっと聞いてみよう。
だめだったらクーオ経由で手配かな。
「ええ、大丈夫ですよ。もっと馬にあった餌もあるのですがそれらは我々で育てましょう」
「わかりました。それでは追加で大豆を持って来ますね」
僕は再び小型トラクターに乗り込み大豆を運びに行こうとする。
その時、ジャメルさんから呼び止められた。
黒翼族は空を飛んで移動することもあるが、ここで飛んで移動しても大丈夫なのかと言うことだ。
ルールとしては飛んで移動してもいいけど、他の種族の居住地近くは飛ばないように伝えておいた。
白翼族も来たときに同じことを聞かれ、トラブルを避けるためにそうしてもらったんだ。
黒翼族にもそうしてもらおう。
あと、他の種族との顔合わせは近いうちに集会を開くのでそこでということにしてもらう。
住民が増えたときの他、月に一度は集会を開いている。
そこで要望や相談事などを出してもらうのだ。
基本的には各種族で自活しているが、やっぱり足りないものは出てくるし得手不得手も違う。
ドワーフ族たちなんて大工仕事は得意だけど森の中での採取はすごく下手だからね。
ドワーフ族には各種族で家や倉庫などを増やすときに手伝ってもらう代わり、山菜やキノコ、果物を差し入れしている。
本当はお酒がほしいみたいだけど、そこは自分たちで工夫して作ってもらっているのだ。
僕たちの屋敷にはお酒の造り方の本もあったからね。
そのあと僕たちの小屋に保管されていた大豆を追加で持って来たところ、柵の中にいた真っ黒い馬と目が合った。
最初は何気なくこっちを見ているなと思って小型トラクターの中から眺めていたんだけど、小型トラクターが横を走り抜けていくとき一緒についてくるようになった。
横を併走しているだけかと思ったらだんだん走るスピードを上げていき、最後は全速力で走り村の入り口へと行ったようだ。
なんなんだろう?
「ジャメルさん、大豆を持って来ました。……どうしましたか?」
「いえ、ガイアが走ってきたものですから驚いて」
「ガイア?」
「ああ、あの黒い馬です。見ての通り体格はいいのですが、乗り手を選び、散歩で村人を乗せる以外のことはしません。しませんが……どうやらバオア様に興味があるようですね」
「僕に……ですか?」
「いまもバオア様から目を離しません。一度乗ってみますか?」
乗馬経験はないんだけどなぁ。
だめで元々、一度乗ってみるか。
小麦粉も他の野菜もたっぷり用意したから人は問題ないだろう。
問題は家畜かな?
「ジャメルさん、食料は一通り運んできました。家畜たちの餌はどうしましょう?」
「そうですな……ヤギと羊は野草だけで大丈夫でしょう。馬には藁と豆などがあるとよいのですが」
豆か……大豆で大丈夫かな?
小麦畑がかなり広くなったので他の作物も育て始めているんだよね。
スキルで出てくる機器の中にもそれぞれの種まきに合わせた機器が出てくるようになったし。
ちょっと聞いてみよう。
だめだったらクーオ経由で手配かな。
「ええ、大丈夫ですよ。もっと馬にあった餌もあるのですがそれらは我々で育てましょう」
「わかりました。それでは追加で大豆を持って来ますね」
僕は再び小型トラクターに乗り込み大豆を運びに行こうとする。
その時、ジャメルさんから呼び止められた。
黒翼族は空を飛んで移動することもあるが、ここで飛んで移動しても大丈夫なのかと言うことだ。
ルールとしては飛んで移動してもいいけど、他の種族の居住地近くは飛ばないように伝えておいた。
白翼族も来たときに同じことを聞かれ、トラブルを避けるためにそうしてもらったんだ。
黒翼族にもそうしてもらおう。
あと、他の種族との顔合わせは近いうちに集会を開くのでそこでということにしてもらう。
住民が増えたときの他、月に一度は集会を開いている。
そこで要望や相談事などを出してもらうのだ。
基本的には各種族で自活しているが、やっぱり足りないものは出てくるし得手不得手も違う。
ドワーフ族たちなんて大工仕事は得意だけど森の中での採取はすごく下手だからね。
ドワーフ族には各種族で家や倉庫などを増やすときに手伝ってもらう代わり、山菜やキノコ、果物を差し入れしている。
本当はお酒がほしいみたいだけど、そこは自分たちで工夫して作ってもらっているのだ。
僕たちの屋敷にはお酒の造り方の本もあったからね。
そのあと僕たちの小屋に保管されていた大豆を追加で持って来たところ、柵の中にいた真っ黒い馬と目が合った。
最初は何気なくこっちを見ているなと思って小型トラクターの中から眺めていたんだけど、小型トラクターが横を走り抜けていくとき一緒についてくるようになった。
横を併走しているだけかと思ったらだんだん走るスピードを上げていき、最後は全速力で走り村の入り口へと行ったようだ。
なんなんだろう?
「ジャメルさん、大豆を持って来ました。……どうしましたか?」
「いえ、ガイアが走ってきたものですから驚いて」
「ガイア?」
「ああ、あの黒い馬です。見ての通り体格はいいのですが、乗り手を選び、散歩で村人を乗せる以外のことはしません。しませんが……どうやらバオア様に興味があるようですね」
「僕に……ですか?」
「いまもバオア様から目を離しません。一度乗ってみますか?」
乗馬経験はないんだけどなぁ。
だめで元々、一度乗ってみるか。
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