農業機器無双! ~農業機器は世界を救う!~

あきさけ

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第二章 世界樹の枝と外の状況

35. ダークエルフたちの選択

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_/_/_/_/_/クーオ

 バオア様とホーフーン様との話し合いを終えた私は早速ダークエルフたちの村へと戻ってきましたニャ。
 門番たちも今度はわたしを止めようとせず、むしろ歓迎の意を表して村へ招き入れてくれましたニャ。
 他の村人たちも私の犬車を遠巻きに見つめ、事態の成り行きを見守っている様子だニャ。
 これは先ほどの話が村中に漏れていますニャ。
 まあ、小さな村ですし仕方のないことですかニャ。
 さて、村長のターシャと話をしましょうかニャ。

「おお、クーオ様、お戻りですか。それで、食料はどうなりました?」

「まあ、焦らず私の話を聞くニャ。とりあえず、食料ですが1日分は渡すのニャ。私は商人、この村だけを助け続けるわけにもいかないのニャ」

 私の言葉を聞いてターシャはがっくりと肩を落としましたニャ。
 まあ、食料が手に入る可能性があると聞いて期待していたのでしょうから仕方がありませんニャ。
 でも、次の話も聞いてもらわないと困るのニャ。

「最後まで私の話を聞くのニャ。食料の持ち主たちはこの村の惨状を聞いた結果、この村の住人たちを自分たちの住んでいる土地に受け入れることを決めたのニャ」

「自分たちの土地に? しかし、その方々はドワーフ領とエルフ領の境目にいるのでは?」

「そこは移動のための道具をあるお方から譲っていただきましたのニャ。今日の分の食料は移住するかどうかを考え、引っ越しのための荷物をまとめるための時間を与えるためのものニャ」

「そのような場所に招いてくださると? 本当に?」

「疑い深くもなりますニャ。招くことができる者は悪人ではないことが条件ニャ。悪人の判断基準は移動手段をくださったお方の基準なので私も知らないのニャ。あと、異種族とも仲良くすることも条件ニャ。それから、移住後は住む場所や畑なども新しく作ってもらいますのニャ。そのための道具は便利なものが揃えられていますので心配せずとも大丈夫ニャ」

「……わかりました。村の皆と相談いたしますので少しお時間をください」

「急ぎはしないのでじっくり考えるニャ。それから、今日中に帰ってこられない者などはいますかにゃ?」

「いえ、現在村の者は全員村にいるはずです」

「よかったですニャ。では、今日の分の食料を渡しますので人を集めてくださいニャ」

「承知いたしました。誰か、荷運びできる者を!」

 食料を渡し終えたあと、私は一度村の外に出たニャ。
 私が村の中にいて余計なプレッシャーになってしまってはいけないのニャ。
 でも、そんなに待たずに結果が出たと迎えの者がやってきたのニャ。

「クーオ様、判断が出ました」

「もう出たのかニャ。それで、ついてくるのかニャ、ここに留まるのかニャ?」

「クーオ様のお力を借り移住したいと思います。この痩せた土地では今年の冬を越せたとしても、来年もまただめでしょう。新たな場所に移住しなけらばならないのであれば、少しでも条件が良くなる場所を選ばせていただきたく存じ上げます」

「わかったのニャ。それでは明日の昼頃にまた迎えに来るのニャ。支度は今日中に済ませるのニャ」

「はい。わかりました」

 ダークエルフの選択は移住ということになったのニャ。
 さて、私は約束の時間まで他にも移住希望者がいないか世界を渡り歩くのニャ。
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