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第二章 世界樹の枝と外の状況
30. クーオ、襲われる?
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_/_/_/_/_/クーオ
「ニャー。今日も世界樹の森の作物は高値で売れましたのニャ」
私は世界各地を転々としながらバオア様とホーフーン様が育てた世界樹の森産の作物を売り歩いているニャ。
世界樹の森の作物の中でも真っ白い小麦粉は特上品として時には王族へと献上される品となっているのニャ。
それ以外の水耕栽培で出来た作物も初めは売れ行きが悪かったのニャが、認知されていくとよく売れるようになっていますニャ。
サニーレタスはシャキシャキ感が、プチトマトは噛んだときにあふれ出る果汁が、そしてイチゴは貴重な甘味として商いされていますのニャ。
でも、それらを手に入れることが出来るのはやはり一部の金持ちたちだけ。
庶民の口には入らないのニャ。
私もなにかいい知恵はないか考えましたがどうにもならないのニャ。
そもそも凶作の原因がわからない以上対処できませんのニャ。
ひとつの地域程度で収まっているならまだしも、世界中が程度の差こそあれ凶作に見舞われていますニャ。
バオア様にはなにも話していないようですが、ホーフーン様が世界樹の森を訪れていたのも世界的な凶作の原因を探り対策を見つけるためニャ。
世界樹の森であればなにかわかるかもしれないと言い、数年間各地の世界樹の森を放浪していたようですが、どの世界樹の森もホーフーン様を受け入れてくれなかったようですニャ。
今回はバオア様の付き添いとして世界樹の森に受け入れられたようですが、バオア様がいなければまだ世界樹の森に入る方法を探して旅を続けていたのでしょうニャ。
ホーフーン様の行動力は素晴らしいと思うのニャが、結果が出るかわからない旅路ほど恐ろしいものはないニャ。
私にはとてもじゃないですが無理ニャ。
「……出来ないことを考えてもだめニャ。次はどこの街で商売をしましょうかニャ?」
私が乗っているこの犬車は妖精族が作りあげた特別製の犬車ニャ。
クーシー2匹で引く大型タイプで必要なときは空間を渡りどんな場所にでも行くことが出来ますニャ。
これによって私は『いかなる場所にでも現れる商人』になれますニャ。
その気になれば貴族や王族のプライベートエリアに侵入することも出来るので秘密なのですがニャ。
私を呼び出すための鈴は各地に散っている妖精族も持っていますし、時間さえあえばどこにだって行きますニャ。
「……ウニャ?」
こんな森の奥に複数の人の気配がするニャ。
私は移動するとき目立たないように森の奥に隠れてからすることが多いニャ。
そのために街道から外れて森の方に来たのニャが……。
この近辺には宿場町や村もないはずですし、迷ったのかニャ?
ちょっと拾ってあげますかニャ。
「ちょっと寄り道ですニャ。行くのニャ」
「ウォフ」
「ガフ」
森の中は馬車では走れないので、空間移動を使って直接その人たちの元に向かうのニャ。
私だから出来る真似なのニャ。
「ニャ?」
「ひゃあ!?」
迷子かと思って様子を見に来てみれば、そこにいたのは武装したダークエルフたち。
ひょっとして山賊の類いかニャ?
「ニャー。今日も世界樹の森の作物は高値で売れましたのニャ」
私は世界各地を転々としながらバオア様とホーフーン様が育てた世界樹の森産の作物を売り歩いているニャ。
世界樹の森の作物の中でも真っ白い小麦粉は特上品として時には王族へと献上される品となっているのニャ。
それ以外の水耕栽培で出来た作物も初めは売れ行きが悪かったのニャが、認知されていくとよく売れるようになっていますニャ。
サニーレタスはシャキシャキ感が、プチトマトは噛んだときにあふれ出る果汁が、そしてイチゴは貴重な甘味として商いされていますのニャ。
でも、それらを手に入れることが出来るのはやはり一部の金持ちたちだけ。
庶民の口には入らないのニャ。
私もなにかいい知恵はないか考えましたがどうにもならないのニャ。
そもそも凶作の原因がわからない以上対処できませんのニャ。
ひとつの地域程度で収まっているならまだしも、世界中が程度の差こそあれ凶作に見舞われていますニャ。
バオア様にはなにも話していないようですが、ホーフーン様が世界樹の森を訪れていたのも世界的な凶作の原因を探り対策を見つけるためニャ。
世界樹の森であればなにかわかるかもしれないと言い、数年間各地の世界樹の森を放浪していたようですが、どの世界樹の森もホーフーン様を受け入れてくれなかったようですニャ。
今回はバオア様の付き添いとして世界樹の森に受け入れられたようですが、バオア様がいなければまだ世界樹の森に入る方法を探して旅を続けていたのでしょうニャ。
ホーフーン様の行動力は素晴らしいと思うのニャが、結果が出るかわからない旅路ほど恐ろしいものはないニャ。
私にはとてもじゃないですが無理ニャ。
「……出来ないことを考えてもだめニャ。次はどこの街で商売をしましょうかニャ?」
私が乗っているこの犬車は妖精族が作りあげた特別製の犬車ニャ。
クーシー2匹で引く大型タイプで必要なときは空間を渡りどんな場所にでも行くことが出来ますニャ。
これによって私は『いかなる場所にでも現れる商人』になれますニャ。
その気になれば貴族や王族のプライベートエリアに侵入することも出来るので秘密なのですがニャ。
私を呼び出すための鈴は各地に散っている妖精族も持っていますし、時間さえあえばどこにだって行きますニャ。
「……ウニャ?」
こんな森の奥に複数の人の気配がするニャ。
私は移動するとき目立たないように森の奥に隠れてからすることが多いニャ。
そのために街道から外れて森の方に来たのニャが……。
この近辺には宿場町や村もないはずですし、迷ったのかニャ?
ちょっと拾ってあげますかニャ。
「ちょっと寄り道ですニャ。行くのニャ」
「ウォフ」
「ガフ」
森の中は馬車では走れないので、空間移動を使って直接その人たちの元に向かうのニャ。
私だから出来る真似なのニャ。
「ニャ?」
「ひゃあ!?」
迷子かと思って様子を見に来てみれば、そこにいたのは武装したダークエルフたち。
ひょっとして山賊の類いかニャ?
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