農業機器無双! ~農業機器は世界を救う!~

あきさけ

文字の大きさ
上 下
27 / 71
第二章 世界樹の枝と外の状況

27. 『小型水耕栽培基地』稼働

しおりを挟む
「ニャ。これが『小型水耕栽培基地』ですかニャ?」

 ひとしきりお風呂を満喫して一晩泊まったあと、僕たちはクーオを引き連れ『小型水耕栽培基地』までやってきた。
 クーオには『小型』と言いつつかなり大きい施設だと事前に説明していたはずだが、それでも想像以上に大きかったらしい。

「これに魔石が必要なんですニャ?」

「メイン動力だけは魔石なしでも動くみたいなんだ。でも、サブ動力が動かないと『水耕栽培』っていうのが出来ないんだよ」

「なるほどですニャ。魔石の在庫はあまりないのですが、ある分はお譲りしますニャ」

「ありがとう、クーオ」

「その代わり、私も動いているところを見たいですニャ」

「構わないよ。中に入ろう」

 僕たちは建物の中に入り『主動力室』には向かわず別の部屋へと向かう。
 行き先は『制御室』だ。
 ここで魔石や作物の管理を行うらしい。
 早速、入ってみよう。

「ここが『制御室』ですかにゃ。モニターがいっぱいにゃ」

「『モニター』?」

「古代遺跡にある別の場所や記録データなどを映す映像装置にゃ。でも、ここまでたくさん集まっている場所は見たことがありませんにゃ」

 うん。
『制御室』にはモニターがたくさん並んでいた。
 ほとんどのモニターは黒く染まっているけど、これはなにも動かしていないからだろう。
 なにかを作り始めれば変わる……はずだ。

「バオア様、魔石はどこに置くニャ?」

「あ、うん。魔石は……あっちの装置の中に入れて」

「わかったニャ。……全部入れましたニャ」

「こっちにも魔石が投入されたって表示が出たよ。これで水耕栽培基地を動かせそうだ」

「早く! 早く動かすニャ!」

「わかってるって。……ふむ、いろいろと作る作物を選べるみたいだ」

「どんな作物が作れますニャ?」

「ええと、『サニーレタス』、『ミニトマト』、『イチゴ』だって」

「どれも聞いたことのない作物ですニャ。とりあえず全部作って味見をしてみましょうニャ」

「わかった。では、生産開始!」

 僕が制御盤で指示を出すとモニターが点灯し別の場所の光景が映し出された。
 棚がたくさん並んでいてそこに水が流れ込んでいる。
 その棚には小さな穴が開いておりなにかを挿せるみたいだ。
 でも、今の段階だとなにに使うかわからないな。

「ニャ。あれはなんニャ?」

「よくわからない。栽培で使う装置みたいだけど……」

「ホーフーン様はわかりますかニャ?」

「吾輩にもわからないにゃ。使われるときを待つしかないにゃ」

 それぞれの栽培には10日から15日ほどかかるみたいなので、クーオは次の麦の受け取り時にこれらの作物の状況も確かめることとなった。
 一体どんな作物が出来上がるのか、僕たちも楽しみだ。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

えっ、じいちゃん昔勇者だったのっ!?〜祖父の遺品整理をしてたら異世界に飛ばされ、行方不明だった父に魔王の心臓を要求されたので逃げる事にした〜

楠ノ木雫
ファンタジー
 まだ16歳の奥村留衣は、ずっと一人で育ててくれていた祖父を亡くした。親戚も両親もいないため、一人で遺品整理をしていた時に偶然見つけた腕輪。ふとそれを嵌めてみたら、いきなり違う世界に飛ばされてしまった。  目の前に浮かんでいた、よくあるシステムウィンドウというものに書かれていたものは『勇者の孫』。そう、亡くなった祖父はこの世界の勇者だったのだ。  そして、行方不明だと言われていた両親に会う事に。だが、祖父が以前討伐した魔王の心臓を渡すよう要求されたのでドラゴンを召喚して逃げた!  追われつつも、故郷らしい異世界での楽しい(?)セカンドライフが今始まる!  ※他の投稿サイトにも掲載しています。

キャンピングカーで異世界の旅

モルモット
ファンタジー
主人公と天女の二人がキャンピングカーで異世界を旅する物語。 紹介文 夢のキャンピングカーを手に入れた主人公でしたが 目が覚めると異世界に飛ばされていました。戻れるのでしょうか?そんなとき主人公の前に自分を天女だと名乗る使者が現れるのです。 彼女は内気な性格ですが実は神様から命を受けた刺客だったのです。

【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-

ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。 困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。 はい、ご注文は? 調味料、それとも武器ですか? カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。 村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。 いずれは世界へ通じる道を繋げるために。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

END-GAME【日常生活編】

孤高
ファンタジー
この作品は本編の中に書かれていない日常を書いてみました。どうぞご覧ください 本編もよろしくです! 毎日朝7時 夜7時に投稿

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

処理中です...