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第一章 僕たちの出会いとスキル〝農業機器〟
18. 小麦粉からパンへ
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小麦粉作りは自動機能に任せておいても大丈夫そうだ。
袋の大きさも10kgと20kgが選べたけど、とりあえず10kgで作っておこう。
それよりも、完成した小麦粉で早速パンを作ろうとホーフーンが言い出した。
ホーフーンがケットシー流のパンの作り方を教えてくれるらしい。
早速教えてもらおう。
「さて、パン作りですが……クーオも参加しますかにゃ?」
「参加しますニャ! これだけ上質な小麦粉を前にして見ているだけというのは殺生ニャ!」
「わかりましたにゃ。この風車小屋は埃っぽいので寝起きしている方の小屋に移動にゃ。パン焼き釜も出したいのにゃ」
僕たちはホーフーンに連れられて寝起きしている小屋の方へと移動した。
そこでホーフーンは小型のパン焼き釜をセットし、薪をくべてパンを焼く準備をする。
それから、普段は使わないようなテーブルや道具も取り出し、それも並べ始めた。
これは一体なにに使う道具だろう?
「ホーフーン、これは?」
「パン作りに使う道具にゃ。手袋もあげますから、それをはめて指示通りにやってみてくださいにゃ」
ホーフーンの指示でパン作りが始まった。
小麦粉を混ぜたりこねたりしてパン生地を作っていく。
途中、聞いたことのない粉を混ぜたりもしていたけど、これがケットシー秘伝のアイテムだと言われれば詳しくは聞けない。
二回ほど生地を休ませる時間があり、ふっくらもっちりとした生地が出来上がった。
これを小さくちぎって形を整え、あらかじめ準備しておいたパン焼き釜で焼いていく。
しばらくパン焼きの工程が続き、ホーフーンがタイミングを見計らって焼いていたパンを取り出す。
すると、パンからとってもいい香りが立ちこめている。
これもケットシー流のパン作りの結果なんだろうか?
「出来ましたにゃ! 早く食べたいにゃ!」
「ホーフーン、落ち着いて。これって普通のパンじゃないの?」
「全然普通じゃありませんにゃ! こんな美味しそうな香りを立ち上らせているパンなんて初めて見ましたにゃ! 早く食べるのにゃ!」
「ホーフーン様、落ち着くのニャ。いま食べたら大やけど間違いなしなのニャ」
「むむ……パンが冷めるまでしばらく待つとしますかにゃ」
「それがいいですニャ」
とりあえず、パン焼きはホーフーンに任せても大丈夫そうだということで、僕とクーオは風車小屋の方に戻り製粉の状況を確認した。
製粉機は相変わらず大きな音を立てて稼働しており、それに伴ってたくさんの小麦粉も作られている。
袋は麦わらを所定の位置に置いておくと、そこから自動的に補充されて麦わらの袋になるようだ。
麻の袋は最初の方だけだね。
問題なく動いていることを確認した僕たちは寝起きしている小屋の方に戻る。
そこではパン焼きを終えたホーフーンがパンとにらめっこをしていた。
「……なにしているのさ、ホーフーン」
「パンが冷めるのを待ってますのにゃ。早く食べたいにゃ」
「ホーフーン様はさっきからそればっかりニャ。食べたいのはわかりましたが落ち着くニャ」
ホーフーンをなだめつつパンがほどよく冷めるのを待つ。
パンから出ている湯気が収まった頃、そろそろ食べても大丈夫だろうと判断して食べることにした。
「待ってましたにゃ! それではいただくのにゃ!」
ホーフーンは一番大きなパンを手に取り、そのまま頬張った。
熱くないのかな?
「熱っ!? でも、美味しいのにゃ!」
「ホーフーン様、食い意地がはりすぎですのニャ。では、私もひとつ……うん、美味しいですのニャ!」
「本当だ! 小麦だけで作ったなんて思えないよ!」
「そうですにゃ! どんどん食べるにゃ!」
「ホーフーン様、これを全部食べきる気かニャ?」
「もちろん明日以降の分は残しますが、毎日焼きたてを食べられるわけじゃないにゃ」
「ホーフーン様のバッグはマジックバッグニャ。いまから入れておけば温かいままニャ」
「あ……忘れてたにゃ」
最後、ホーフーンのうっかりがあったけど、本当に美味しいパンだった。
小麦粉は大量に生産されているし、これからも美味しいパンを食べていけるといいな。
袋の大きさも10kgと20kgが選べたけど、とりあえず10kgで作っておこう。
それよりも、完成した小麦粉で早速パンを作ろうとホーフーンが言い出した。
ホーフーンがケットシー流のパンの作り方を教えてくれるらしい。
早速教えてもらおう。
「さて、パン作りですが……クーオも参加しますかにゃ?」
「参加しますニャ! これだけ上質な小麦粉を前にして見ているだけというのは殺生ニャ!」
「わかりましたにゃ。この風車小屋は埃っぽいので寝起きしている方の小屋に移動にゃ。パン焼き釜も出したいのにゃ」
僕たちはホーフーンに連れられて寝起きしている小屋の方へと移動した。
そこでホーフーンは小型のパン焼き釜をセットし、薪をくべてパンを焼く準備をする。
それから、普段は使わないようなテーブルや道具も取り出し、それも並べ始めた。
これは一体なにに使う道具だろう?
「ホーフーン、これは?」
「パン作りに使う道具にゃ。手袋もあげますから、それをはめて指示通りにやってみてくださいにゃ」
ホーフーンの指示でパン作りが始まった。
小麦粉を混ぜたりこねたりしてパン生地を作っていく。
途中、聞いたことのない粉を混ぜたりもしていたけど、これがケットシー秘伝のアイテムだと言われれば詳しくは聞けない。
二回ほど生地を休ませる時間があり、ふっくらもっちりとした生地が出来上がった。
これを小さくちぎって形を整え、あらかじめ準備しておいたパン焼き釜で焼いていく。
しばらくパン焼きの工程が続き、ホーフーンがタイミングを見計らって焼いていたパンを取り出す。
すると、パンからとってもいい香りが立ちこめている。
これもケットシー流のパン作りの結果なんだろうか?
「出来ましたにゃ! 早く食べたいにゃ!」
「ホーフーン、落ち着いて。これって普通のパンじゃないの?」
「全然普通じゃありませんにゃ! こんな美味しそうな香りを立ち上らせているパンなんて初めて見ましたにゃ! 早く食べるのにゃ!」
「ホーフーン様、落ち着くのニャ。いま食べたら大やけど間違いなしなのニャ」
「むむ……パンが冷めるまでしばらく待つとしますかにゃ」
「それがいいですニャ」
とりあえず、パン焼きはホーフーンに任せても大丈夫そうだということで、僕とクーオは風車小屋の方に戻り製粉の状況を確認した。
製粉機は相変わらず大きな音を立てて稼働しており、それに伴ってたくさんの小麦粉も作られている。
袋は麦わらを所定の位置に置いておくと、そこから自動的に補充されて麦わらの袋になるようだ。
麻の袋は最初の方だけだね。
問題なく動いていることを確認した僕たちは寝起きしている小屋の方に戻る。
そこではパン焼きを終えたホーフーンがパンとにらめっこをしていた。
「……なにしているのさ、ホーフーン」
「パンが冷めるのを待ってますのにゃ。早く食べたいにゃ」
「ホーフーン様はさっきからそればっかりニャ。食べたいのはわかりましたが落ち着くニャ」
ホーフーンをなだめつつパンがほどよく冷めるのを待つ。
パンから出ている湯気が収まった頃、そろそろ食べても大丈夫だろうと判断して食べることにした。
「待ってましたにゃ! それではいただくのにゃ!」
ホーフーンは一番大きなパンを手に取り、そのまま頬張った。
熱くないのかな?
「熱っ!? でも、美味しいのにゃ!」
「ホーフーン様、食い意地がはりすぎですのニャ。では、私もひとつ……うん、美味しいですのニャ!」
「本当だ! 小麦だけで作ったなんて思えないよ!」
「そうですにゃ! どんどん食べるにゃ!」
「ホーフーン様、これを全部食べきる気かニャ?」
「もちろん明日以降の分は残しますが、毎日焼きたてを食べられるわけじゃないにゃ」
「ホーフーン様のバッグはマジックバッグニャ。いまから入れておけば温かいままニャ」
「あ……忘れてたにゃ」
最後、ホーフーンのうっかりがあったけど、本当に美味しいパンだった。
小麦粉は大量に生産されているし、これからも美味しいパンを食べていけるといいな。
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