16 / 71
第一章 僕たちの出会いとスキル〝農業機器〟
16. 『超巨大製粉用風車小屋』
しおりを挟む
クーオも加わり小麦の収穫は全部終えた。
実は収穫中に増えた『農業機器』がひとつある。
それは『麦用小型乾燥機』だ。
収穫した麦は乾燥させないといけないらしい。
普通は麦と麦わらを分ける前に干して乾燥させるらしいけど、コンバインで収穫した麦は最初から分けられているためそれが出来ない。
そんな悩みを解決してくれたのが『麦用小型乾燥機』である。
使い方は簡単で装置の上から小麦を入れ、蓋を閉めたらスイッチを押して乾燥が終わるのを待つだけ。
必要なだけの乾燥が終われば自動的に止まるから乾燥しすぎもない。
本当に便利な『農業機器』だ。
これもクーオが案だけケットシーの里に持ち帰るらしい。
動いているところは実際に見ているし、注意事項も書き込んでいるから多少は役に立つだろう。
小麦の乾燥も終わり、あとは小麦を小麦粉にするだけだ。
ここでも新しい『農業機器』が活躍しそう。
ただ……名前がね。
「『超巨大製粉用風車小屋』ですかにゃ?」
「そうらしいよ」
「『農業機器』スキルの規模で『超巨大』ですかにゃ……」
「そうらしいよ……」
うん、名前からして困っている。
いままで使ってきた『農業機器』はすべて『小型』だ。
それでも人ひとりで扱うには十分過ぎるだけの大きさを持っていた。
そこに『超巨大』なんて物が現れたらどんなサイズになるんだろう?
しかもこれ、一度設置すると動かせなくなるみたいなんだよね。
置く場所は慎重に選ばなくちゃいけない。
そうなると、置く場所の最有力候補は……。
「……寝泊まりしている小屋の隣が無難だよね」
「はいにゃ。新しい井戸とは反対側、薪置き場のある方に設置しましょうにゃ」
「わかった。……うーん、本当に大きいな」
「どれくらい大きいのですかにゃ?」
「地面の部分だけでかなり大きめのお屋敷くらいの大きさがある。高さは出してみないとちょっと」
「わかりましたにゃ。出してみるにゃ」
僕は意を決して『超巨大製粉用風車小屋』を取り出す。
すると、僕の目の前が急に真っ暗になり、上を見上げると先が見えないほど巨大な塔が立っていた。
その塔からは途中木の枝のように何本もの塔が飛び出しており、それらの先には必ず風車がある。
中央にある巨大な塔にも風車が付いているみたいだ。
さすがは『超巨大』、スケールが違う。
「うーん、想像以上に大きいにゃ」
「はいですニャ。ここで小麦粉を作れるのですかニャ?」
「名前からするとそうだと思うよ。とりあえず中に入ってみようか」
風車小屋……というか塔の中にはいると置いてあったのはたくさんの袋と箱、大量の物をしまっておくのに十分なスペース、それらを活用するために必要な機器たちだ。
僕にはなんとなく使い方がわかるんだけど、どうしたものか。
「バオア、ここにある機器はなんにゃ?」
「主に麦をしまっておくために使う物かな。あっちの『農業機器』は『フォークリフト』って言って前に付いている棒を箱や籠の下に刺して物を運ぶんだ」
「そういえば乾燥した小麦粉の箱には下に穴がありましたにゃ」
「フォークリフトで持ち運ぶことを前提に作られているんだろうね。僕たちじゃとてもじゃないけど重くて持ち運べなかったし」
「ですにゃぁ。それで、部屋の中央付近にある装置はなんですかにゃ?」
「あれは自動製粉機だよ。麦を入れると製粉とふるいにかける作業を一気にやってくれるんだ。つまり、あれだけで上質な小麦粉が出来ることになるね」
実は収穫中に増えた『農業機器』がひとつある。
それは『麦用小型乾燥機』だ。
収穫した麦は乾燥させないといけないらしい。
普通は麦と麦わらを分ける前に干して乾燥させるらしいけど、コンバインで収穫した麦は最初から分けられているためそれが出来ない。
そんな悩みを解決してくれたのが『麦用小型乾燥機』である。
使い方は簡単で装置の上から小麦を入れ、蓋を閉めたらスイッチを押して乾燥が終わるのを待つだけ。
必要なだけの乾燥が終われば自動的に止まるから乾燥しすぎもない。
本当に便利な『農業機器』だ。
これもクーオが案だけケットシーの里に持ち帰るらしい。
動いているところは実際に見ているし、注意事項も書き込んでいるから多少は役に立つだろう。
小麦の乾燥も終わり、あとは小麦を小麦粉にするだけだ。
ここでも新しい『農業機器』が活躍しそう。
ただ……名前がね。
「『超巨大製粉用風車小屋』ですかにゃ?」
「そうらしいよ」
「『農業機器』スキルの規模で『超巨大』ですかにゃ……」
「そうらしいよ……」
うん、名前からして困っている。
いままで使ってきた『農業機器』はすべて『小型』だ。
それでも人ひとりで扱うには十分過ぎるだけの大きさを持っていた。
そこに『超巨大』なんて物が現れたらどんなサイズになるんだろう?
しかもこれ、一度設置すると動かせなくなるみたいなんだよね。
置く場所は慎重に選ばなくちゃいけない。
そうなると、置く場所の最有力候補は……。
「……寝泊まりしている小屋の隣が無難だよね」
「はいにゃ。新しい井戸とは反対側、薪置き場のある方に設置しましょうにゃ」
「わかった。……うーん、本当に大きいな」
「どれくらい大きいのですかにゃ?」
「地面の部分だけでかなり大きめのお屋敷くらいの大きさがある。高さは出してみないとちょっと」
「わかりましたにゃ。出してみるにゃ」
僕は意を決して『超巨大製粉用風車小屋』を取り出す。
すると、僕の目の前が急に真っ暗になり、上を見上げると先が見えないほど巨大な塔が立っていた。
その塔からは途中木の枝のように何本もの塔が飛び出しており、それらの先には必ず風車がある。
中央にある巨大な塔にも風車が付いているみたいだ。
さすがは『超巨大』、スケールが違う。
「うーん、想像以上に大きいにゃ」
「はいですニャ。ここで小麦粉を作れるのですかニャ?」
「名前からするとそうだと思うよ。とりあえず中に入ってみようか」
風車小屋……というか塔の中にはいると置いてあったのはたくさんの袋と箱、大量の物をしまっておくのに十分なスペース、それらを活用するために必要な機器たちだ。
僕にはなんとなく使い方がわかるんだけど、どうしたものか。
「バオア、ここにある機器はなんにゃ?」
「主に麦をしまっておくために使う物かな。あっちの『農業機器』は『フォークリフト』って言って前に付いている棒を箱や籠の下に刺して物を運ぶんだ」
「そういえば乾燥した小麦粉の箱には下に穴がありましたにゃ」
「フォークリフトで持ち運ぶことを前提に作られているんだろうね。僕たちじゃとてもじゃないけど重くて持ち運べなかったし」
「ですにゃぁ。それで、部屋の中央付近にある装置はなんですかにゃ?」
「あれは自動製粉機だよ。麦を入れると製粉とふるいにかける作業を一気にやってくれるんだ。つまり、あれだけで上質な小麦粉が出来ることになるね」
1
お気に入りに追加
411
あなたにおすすめの小説
えっ、じいちゃん昔勇者だったのっ!?〜祖父の遺品整理をしてたら異世界に飛ばされ、行方不明だった父に魔王の心臓を要求されたので逃げる事にした〜
楠ノ木雫
ファンタジー
まだ16歳の奥村留衣は、ずっと一人で育ててくれていた祖父を亡くした。親戚も両親もいないため、一人で遺品整理をしていた時に偶然見つけた腕輪。ふとそれを嵌めてみたら、いきなり違う世界に飛ばされてしまった。
目の前に浮かんでいた、よくあるシステムウィンドウというものに書かれていたものは『勇者の孫』。そう、亡くなった祖父はこの世界の勇者だったのだ。
そして、行方不明だと言われていた両親に会う事に。だが、祖父が以前討伐した魔王の心臓を渡すよう要求されたのでドラゴンを召喚して逃げた!
追われつつも、故郷らしい異世界での楽しい(?)セカンドライフが今始まる!
※他の投稿サイトにも掲載しています。
キャンピングカーで異世界の旅
モルモット
ファンタジー
主人公と天女の二人がキャンピングカーで異世界を旅する物語。
紹介文
夢のキャンピングカーを手に入れた主人公でしたが 目が覚めると異世界に飛ばされていました。戻れるのでしょうか?そんなとき主人公の前に自分を天女だと名乗る使者が現れるのです。
彼女は内気な性格ですが実は神様から命を受けた刺客だったのです。
【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-
ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。
困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。
はい、ご注文は?
調味料、それとも武器ですか?
カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。
村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる